4年生になると。

 4年生。U-10と言えば世間一般に「ゴールデンエイジ」と呼ばれ、サッカー界に限らず世界中どこでも重要視される年代です。一生に一度の成長のチャンスですが、相変わらずうちのチームでは捨て年扱いです。興味がないのでリーグ戦にも参加しません。1年生~4年生までごちゃ混ぜで練習です。

 そんな日が続いたころ、ある選手が移籍してきました。地元少年サッカー界では有名なスーパー4年生が移籍してきたのです。(私は全然知りませんでしたが。)6年生のお兄ちゃんの移籍に伴い2年生の妹と一緒に3人で移籍してきました。さすが話題になるだけの子で、身長は低いですが、スピードが速い。あっという間に6年生を置き去りです。すぐさまU-12の試合にも出場していました。すごい小学生がいるもんだと、感心ばかりでした。

 一方うちの娘ですが、サッカー好きは本物のようで、毎日毎日ボールに触っています。ドリブルも上手になり、けっこう前線までボールを運ぶようになりました。しかし、足は遅いしキック力も無いのでなかなか点に絡むことはありませんでした。ある日の練習後、娘の同級生の保護者がこんな話をしていました。「この前の試合は・・・・。」

 え!?試合なんてあった?いろいろ聞いてみると、U-11の試合で急遽欠員が出たためU-10から数名呼んだらしいです。うちの子は声すらかかってない。いや、同じU-10のメンバーに同じ境遇があと数名いる。

 U-10は全員で6名。なぜ全員同時に声を掛けられない?
「来たら出さなきゃいけないから」
出せばいいじゃん。試合に出なくてどうやって上手くなるの?
そりゃ出場時間は違うと思う。全部出る子もいれば、3分しか出ない子もいてもいいと思う。それをその子がどう感じるか。それを指導者がどう伝えてていくか。それを練習に落とし込んでみんなをレベルアップさせるのが指導者じゃないの?上手い奴だけ出して勝利するなんて、俺でも出来る。監督だ指導者だって肩書で保護者のオバさん(失礼)にチヤホヤされたいだけじゃん。

この一件はほんの序章にすぎなかった。

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