アイデアの殺し方

「どうしたらアイデアが出せますか?」

そう質問されることが多い。よく思うのだけど、逆にアイデアがでない原因を考えた方が早い。アイデアを出す方法はいっぱいあるけど、アイデアを殺す方法はシンプルだからだ。

実際、当人がアイデアを出そうと努力していても、その努力が間違っていて、アイデアを殺していることがよくある。逆向きに努力をしているのだから、アクセルを踏むつもりが、ブレーキを踏んでいるようなものだ。

例えば「アイデアを考えよう」と思った時点で、もうアイデアを殺している。アイデアは「見える」もので、そもそも「考える」ものではない。

何を言っとるんだと思うだろうが、
試しに次のアヒルを数えてみてほしい。
何羽いるだろう?

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あなたはどのように数えただろうか?
もし一羽一羽、順番に数えていたなら、あなたは「考えて」いたのだ。



数え方は2つある。もう一つの「見える」方法はこうだ。


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数える必要はなく、五角形が見えたなら5羽に決まっている。

アイデアとは、このように形が「見える」ことで、考える作業ではない。星座のようにバラバラの物をつないだ絵で見えてくるもので、論理ではない。

アイデアは異なる物の組み合わせに過ぎない、とよく言われるが、この五角形もいわば、アヒルの組み合わせで出来ている。そして、組み合わせを発見するには「考える」モードよりも「見える」モードの方が得意なのだ。

だからアイデアはいくら考えても出てこないし、むしろ殺している。

「考える」モードが強ければ、「見える」モードが弱まるからだ。

アイデアを出すには、まずは自分が今どっちのモードにいるのかを知ればいい。そして「考える」方にいるのなら、「見える」方に自分を移せばいいだけなのだ。

そう言うとカンタンだが、身につけるのは難しい。アイデア術は理論面もあるが、自分をどう「見える」方に持っていくか、という実技が大切だと思う。しかし世に出ているアイデア本の多くは、なぜか理論だけで実技がない。

私はこれまで、様々なアイデアを作る方法を試しているけど、冒頭のようなことをまず説明しないと理解されないので、普段は話していない。

かなりディープな内容になるため、興味がある方限定で、普段私がやっているアイデアを出す方法を紹介します。

大きくは次の5つの方法です。
1.「考える」と「見える」を見分ける方法 2. 二つのモードを切り替える方法 3.「見える」モードを強くする方法 4.「考える」モードの時のアイデア術 5.アイデアの型を知る

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