漫画のネイティブ広告について、かっぴーさんと対談します
いま話題のネイティブ広告に便乗ではないですが、元々の予定で、今週の木曜・11月10日、人気漫画家のかっぴーさんと、【WOMJクチコミフェスタ2016】で対談します。
話題はWebコンテンツ全般ですが、私としてはネイティブ広告 × スポンサードコンテンツについても話したい。というのは、かっぴーさんは元広告代理店出身なので、企業とのコラボもさすがに上手いからです。ちなみに実写の記事だとヨッピーさんが企業とのコラボが上手いですね。
漫画家と企業がコラボする場合、最も課題となるのは漫画と広告をどう組み合わせるかで、ベタベタの宣伝漫画ならまだしも、シェアされるように漫画としてどう面白くパッケージするか、というのは結構骨が折れます。
要は企業と漫画家のコミュニケーションをどうするかなんですが、異文化交流というか、違う言語を話している外国人同士を通訳しているような感覚にによくなります。
ならいっそのこと自分で書いちゃえ、と原作を書くことも多くなってきたのですが、その点かっぴーさんは広告の立場も、漫画の立場もわかるしオールインワン、とても良いポジションだなと思います。(ご本人がどう思っているかは対談で聞きたいところですが)。楽しみです。
あとネイティブ広告では、JIAAの「ネイティブ広告ハンドブック2017」が出て話題になってますが、私が今注目しているのはその効果測定の部分、ハンドブックだとこの図解です。
ネット広告はこれまでというかこれからも、この図でいえばできるだけ下の方、購買に近いところでどう勝負するかでせめぎ合ってます。
もともと買いたいと思っている層と広告をマッチングさせたほうが、当然CPA(顧客獲得一人あたりの支払額)は良くなるからです。ただこれには色々課題があって、
・焼畑なので長期的にはどんどん効果が下がっていく
・新しいコンセプトの商品だとバナーでは理解されずスタートでつまづく
・広告事業としてはマーケティング予算の一部しか永遠に獲得できない
などなど色々あるんですが、私が最も問題だと思ってるのは、この購買ファネルの下を目指すかぎり、コンテンツを作らないほうがCPAは良くなる、という問題です。バナーとリスティングとアドテクがあれば十分だからです。
その結果、おおげさにいえばネット自体はなにも生み出せず、永遠にバナーで囲まれる世界に住み続けることになります。かつてテレビCMがテレビ番組を作ったように、コンテンツと広告がコラボする方法があるはずです。
この問題を解決するのは、コンテンツによってどういった効果がでたか、というものをCPAとは別の角度から調査するべきで、その辺のことがネイティブ広告ハンドブックでも、「ネイティブ広告はディスプレイ広告と比較し、態度変容により高い効果がある」という調査結果と共に書かれています。
コンテンツを見たユーザーの態度変容をどう図っていくか、というのが漫画とともに最近の課題で、漫画でそれをやってるのは、漫画表現においては日本がトップだと思うので、欧米でもまだない事ができると思うからです。
私がつくる漫画はすべてスマホで縦読みにしてますが(横読みのほうがクリックして進んでいくので一見CTRが高くなるが本質的ではない)、これは将来的には縦動画でドラマをつくるために布石です。
漫画は絵コンテに結構そのまま使えるんですが、漫画でも横読みと縦読みでは構図がかなり変わってくるので、縦読みの漫画を作っておいたほうが、将来的には縦動画の映像に活きてくると思います。
今年は漫画がテーマだったけど来年はそれをベースに映像、となると音楽もやっていきたい…そのためには、まずは態度変容を測る調査を進める、という感じです。どこまで対談で話せるかはわからないけど、乞うご期待!
この対談を企画頂いたWOMJ理事、藤崎実(アジャイルメディア・ネットワーク株式会社)さん、ありがとうございます。