【(わりと)短編小説】ほらふきかっちゃん・5
事件が起こったのはそのあとだった。かっちゃんより少し前に男湯を出た僕は、フルーツ牛乳を冷蔵庫から取ろうとしてふらつき、三本も割ってしまったのだ。なんと恐ろしい、大変なことをしてしまったんだろうと思って、半べそになった。怖くて怖くて、謝ることすらできないでいた。
掃除のおじさんがすぐにモップとちりとりを持ってやってきて
「坊主、怪我はなかったか? 危ないからあっちに行って座っとけ」
と言った。言われるままに、隅っこの椅子に座って、涙をぬぐっていた。
かっちゃんは、母