NHK
国の「基金」チェック体制強化へ 不適切管理の指摘受け 政府
独立行政法人や公益法人が国の補助金などを積み立てた「基金」で、事業が執行されないまま残高が増え続けるなど、不適切な管理が指摘されていることを受け、政府は、今年度から「基金」のチェック体制を強化します。
「基金」は、独立行政法人や公益法人が国の補助金などを積み立てたもので令和3年度の時点で176の「基金」が設けられています。
資金は複数年度にわたって支出できるため、年度ごとの費用を見積もるのが難しい事業でも柔軟に対応できます。
一方で、事業が執行されないまま人件費といった管理費だけが支出され、残高が増え続けるなど、不適切な管理が指摘されるケースも出ています。
このため、政府は今年度から「基金」のチェック体制の強化に乗り出します。
「基金」を所管する各省庁が毎年度、執行状況などを公表している「基金シート」の中で、残高が見込額を上回っている場合は、その理由を明記させて必要以上に資金を積み立てていないかを確認します。
また、事業の成果目標を短期、中期、長期の3段階で報告させ、執行計画が適切かどうか判断します。
さらに、財政に詳しい有識者らが基金の使いみちや規模を点検し、その結果を公表する制度も導入します。
「基金」をめぐっては、昨年度の第2次補正予算でも9兆円近く積み増しがされていて、支出の適切な管理が求められています。