2023年10月13日特集記事【更新・解説】旧統一教会の「解散命令請求」文部科学省NHK.文科省、旧統一教会を「指定宗教法人」に指定へ 財産の監視強化2024年2月19日 19時30分朝日新聞.日弁連旧統一教会に対する解散命令の請求についての会長談話.旧統一教会に対する解散命令の請求に関する実効的な被害の救済を求める会長声明PDF魚拓




特例法に基づく指定手続きの流れ

 文部科学省は、解散命令請求された宗教法人の財産流出を抑止するために制定された特例法に基づき、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を同法の対象に指定する方向で調整に入った。関係者によると、同省は指定に向け、弁明を求める通知書を教団に送付。回答期限は3月上旬とした。この回答と宗教法人審議会の意見を踏まえ、指定を最終決定する。

 特例法は、超党派の議員立法で昨年12月に3年間の期限付きで成立。所轄庁(文科相など)が法令違反を理由に解散命令を請求し、被害者が数十人程度▽財産処分の把握などが必要――といった条件を満たす宗教法人について、「指定宗教法人」または「特別指定宗教法人」に指定することにより、財産処分の監視強化が可能になった。

 例えば、指定宗教法人では①不動産の処分などは1カ月前までに所轄庁に通知②四半期ごとに財産目録などの写しを所轄庁に提出――といった義務が課される。通知なしに財産を処分すれば法的に無効になる。特別指定宗教法人ではそれに加えて、被害者が法人の財産目録などの写しの閲覧を請求できる。文科省は今回、指定宗教法人への指定を視野に入れている。

 文科省は昨年10月、旧統一教会への解散命令を請求。今月22日には国と教団双方の主張を聞く「審問」が東京地裁で初めて開かれる予定だが、裁判所が解散命令の可否を決定するまで長期間かかる見込み。それまでの間に被害救済の原資になる教団の財産が流出するおそれが指摘されてきた。

文科省、旧統一教会を「指定宗教法人」に指定へ 財産の監視強化

2024年2月19日 19時30分


本日、文部科学省は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令の請求を東京地方裁判所に行った。文化庁が質問権の行使を含む調査を行った上で、解散命令請求という大きな決断に至ったことについて、当連合会としても重く受け止め、今後を注視していく。




もっとも、宗教法人に対する解散命令請求は、それ自体が直接に霊感商法等の被害救済につながるものではなく、今なお多くの被害者がいる現実があることを忘れてはならない。




当連合会は、霊感商法等の悪質商法及び宗教問題による被害の深刻さが改めて顕在化する中で、関係機関と連携をするとともに、全国の弁護士会等の協力を得てフリーダイヤル等による無料法律相談受付を行ってきた。寄せられた約1500件もの相談から、事例を収集し



分析する中で、旧統一教会による高額な財産的被害の申告が相当数あり、深刻な被害が長期間にわたり存在し続けてきたことを目の当たりにした。このような中で、当連合会は、全国から約350名もの弁護士が参加している全国統一教会被害対策弁護団の活動を支援している。同弁護団の集団交渉や集団調停申立等は始まったばかりであり、一日も早く被害者が救済されるよう、当連合会として、同弁護団と積極的に連携し、その支援を継続していく決意である。




宗教法人に対する解散命令は、宗教団体の法人格を失わせ、税制上の優遇措置をなくすなど、その事業活動に大きな影響を及ぼすものであり、裁判においては、慎重かつ適正な審理が求められることは当然である。もっとも、過去に法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと(宗教法人法第81条第1項第1号)を理由として行われた解散命令に係る裁判では、その確定までに長期間を要している。裁判が長期化すれば、その間に当該宗教団体の財産散逸の可能性があることなどから、迅速な進行が求められる。さらに実効的な被害救済を実現するためには、解散命令請求に合わせて当該宗教団体の財産保全等を現実的に可能とする仕組みが必要である。宗教法人法上にこのような規定がないことが課題として指摘されており、法改正又は特別法等の立法措置を検討することが望まれる。宗教団体には宗教的活動を行う権利が認められているとはいえ、個人の権利と自由を侵害することは許されない。国は、毅然とした態度で臨むべきである。




当連合会は、人権擁護を使命とする法律家団体として、信教の自由、個人の尊厳を守るべく、引き続き関係機関及び関係団体等との連携を緊密に図り、実効的な被害の救済及び防止に向けた提言と活動を行っていく所存である。







2023年(令和5年)10月13日

日本弁護士連合会
会長 小林 元治

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https://www.bunka.go.jp/seisaku/shukyohojin/pdf/93975301_01.pdf



本年10月13日に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令の請求が行われたことを受け、与党は財産保全等の被害者救済について議論するプロジェクトチームを結成した。また、野党からも財産保全等を可能とするための法案が複数提出されている。




霊感商法等の悪質商法及び宗教問題による被害の実効的な救済のためには、当該宗教団体の財産散逸を防止しなければならず、財産保全等を現実的に可能とする仕組みが必要である。既に全国統一教会被害対策弁護団が被害総額約39億5000万円にも上る集団交渉や集団調停申立を行っており、これらは更に増える可能性もある。これほどの被害の訴えが現に存在することは、解散命令請求が行われたことと合わせて重く受け止めなければならない。今般の与野党の動きは、同様の問題意識によるものと思われ、迅速な対応を期待する。




そもそも財産の保全方法として、現行の民事保全制度の活用も一応考え得るが、本件については有用とはいえない。すなわち、民事保全法上の手続では、被保全債権及び保全の必要性について疎明を求められるほか、相応の保証金を求められることが通常である。長期にわたり被害を受けている被害者にとってこれらの要求は過大な負担となる。また、日本司法支援センター(法テラス)の民事保全手続等の代理援助決定を受けた者については、立担保援助制度の利用も考え得るが、別途審査が必要となり、利用できるのは一部の被害者に留まる。そのため、保全できる財産の範囲も限定的なものとなる。




令和4年度版法テラス白書によれば、昨年11月に開設された霊感商法等対応ダイヤルに本年3月末までに累計3,796件の相談が寄せられ、うち旧統一教会を相手方とするものは約2割に相当する754件にも及ぶとのことである。同ダイヤルが今なお継続していることからすれば、被害の全体像はいまだ把握しきれていないというべきである。解散命令の請求を契機として、ようやく被害を認識して声を上げる被害者もいると思われ、その数は今後も増える可能性がある。また、当連合会が実施したフリーダイヤル等により受け付けた無料法律相談においても、旧統一教会による財産的被害額を申告する相談のうち、1000万円以上の被害額を訴えたものが約4割もあり(



霊感商法等の被害に関する法律相談事例収集第2次集計報告)、被害総額の規模は甚大であることも予測される。このような状況に鑑みれば、現行法での対応に限界があることは明らかである。




宗教団体の財産保全については、当該団体の財産権や宗教活動を行う権利との関係が問題となり得る。宗教法人に対する財産保全に関する規定はないものの、旧統一教会に対する解散命令請求が行われたことを踏まえて、保全のための管理や監督の方法については、特別の規定を設けることで、制限的でない手段を講ずるなど、様々な方策も考えられる。




国には、被害の回復に向けて最大限努力する責任と義務がある。当連合会は、国に対し、被害者の救済を確実かつ実効的なものにするための法整備を迅速に検討することを求める。







2023年(令和5年)11月2日

日本弁護士連合会
会長 小林 元治

HOME>公表資料>会長声明・日弁連コメント>year>2023年>旧統一教会に対する解散命令の請求に関する実効的な被害の救済を求める会長声明

法テラス「霊感商法等対応ダイヤル」

日本司法支援センター(法テラス)では、霊感商法や高額献金等でお困りの方を対象に相談窓口情報をご案内するフリーダイヤルを開設しています。

詳しくは



こちらをご覧ください。







霊感商法等の被害に関する法律相談 事例収集

日弁連は、2022年9月5日から2023年2月28日まで、霊感商法等の被害に関する市民からの法律相談への対応として、関係省庁による「旧統一教会」問題相談集中期間の合同電話相談窓口(同年11月11日で終了)や、法テラスの「霊感商法等対応ダイヤル」(同年11月14日に設置)と連携をしながら、日弁連フリーダイヤルおよびオンラインでの無料相談受付を、全国の弁護士会および相談担当弁護士等の協力を得て実施しました(現在は受付を終了しています。)。




日弁連フリーダイヤル等を通じて収集した、霊感商法等の被害に関する法律相談の事例について、その集計と傾向把握を行っています。




霊感商法等の被害に関する法律相談 事例収集(集計結果報告)(2023年11月)

日弁連フリーダイヤル等を実施した全期間(2022年9月5日から2023年2月28日まで)に、全国から寄せられた霊感商法等の被害に関する法律相談のうち、当連合会が相談結果報告を受けたものについて集計し、相談の傾向等をまとめました。
 



霊感商法等の被害に関する法律相談 事例収集(集計結果報告) (PDFファイル;605KB)







霊感商法等の被害に関する法律相談 事例収集(第2次集計報告)(2023年3月)

2022年9月5日から2023年2月13日までに、日弁連フリーダイヤル等に全国から寄せられた霊感商法等の被害に関する法律相談のうち、2023年2月14日時点で相談結果報告が完了しているものについて集計し、相談の傾向等をまとめました。
 



霊感商法等の被害に関する法律相談 事例収集(第2次集計報告) (PDFファイル;1446KB)







霊感商法等の被害に関する法律相談 事例収集(第1次集計報告)(2022年11月)

2022年9月5日から同年10月24日までに、日弁連フリーダイヤル等に全国から寄せられた霊感商法等の被害に関する法律相談のうち、同年10月27日時点で相談結果報告が完了しているものについて集計し、相談の傾向等をまとめました。
 



霊感商法等の被害に関する法律相談 事例収集(第1次集計報告) (PDFファイル;1326KB)

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