山上容疑者使用のゴーストガンが銃刀法の規制対象のとなる判決がでないと日本におけるゴーストガン事件再発防止のゴーストガンやスリングピストルを含め銃刀法で規制する銃刀法改正による銃犯罪防止が進まないので、山上容疑者使用のゴーストガンを銃刀法の規制対象とする判決が必要でボウガン、スリングピストル、ゴーストガンを銃刀法の法規制含める銃刀法改正案が必要.犯行動機となった旧統一教会宗教法人格取消.宗教虐待防止の現行法児童虐待防止法に加えカルト宗教による組織的虐待の規制整備や反セクト法の対策が必要。

山上容疑者使用のゴーストガンが銃刀法の規制対象のとなる判決がでないと日本におけるゴーストガン事件再発防止のゴーストガンやスリングピストルを含め銃刀法で規制する銃刀法改正による銃犯罪防止が進まないので、山上容疑者使用のゴーストガンを銃刀法の規制対象とする判決が必要でボウガン、スリングピストル、ゴーストガンを青少年健全育成条例の有害玩具指定ではなく銃刀法の法規制含める銃刀法改正案が必要.犯行動機となった旧統一教会宗教法人格取消.宗教虐待防止の現行法児童虐待防止法に加えカルト宗教による組織的虐待の規制整備や反セクト法の対策が必要です。
特にゴーストガン、キッドガンについてはバイデン民主党政権見習ったシリアル番号付与やライセンス取得義務化、簡単に拳銃として組み立てる形で販売してはならないという条件も加えて日本国内法の銃刀法で法規制すべきと私は思います。



開始日

2022年7月9日

この署名で変えたいこと



署名の発信者 高橋 みゆき

ENGLISH

■2022/12/27 厚生労働省様に作成頂いた宗教虐待対応用のガイドライン(Q&A)
QA概要版
QA本体
地方への通知

■2022/9/28 関係省庁に提出した陳情書の内容
https://twitter.com/takahashi_miy/status/1575095053542100992?s=20&t=ONYwqoII4mdIy-ggSHQmJg

【初めに】
私は統一教会の祝福2世です。身バレの危険があるため詳細は書けませんが、私自身が統一教会に人権を大きく蹂躙されてきた半生の経験があります。素性を明かさずに活動している事、どうかご理解いただけると幸いです。

【提言】
宗教2世の基本的人権(信教の自由・幸福追求権など)を守るために必要な法律・行政の体制整備をお願いします。
①虐待の定義に「宗教虐待」の概念を追加(例示等)
②宗教虐待の禁止、刑事罰化
③他者に対して虐待を行うように指導する行為を厳罰化

【問題の概要】
日本における一部の宗教信者の子ども(宗教2世)は「子どもが信仰を望まない場合でも宗教活動や信仰生活を強制させられる」問題を抱えています。家庭内という閉鎖的な環境下で、拒否権のない信者の子どもの基本的人権(信教の自由・幸福追求権等)が侵害されています。

本来であれば、宗教活動の強制や人生選択の強制、幼少期からの恐怖の刷り込み等は心理的虐待にあたる可能性が高いと考えられます。たとえ、虐待の原因が宗教活動に基づくものであっても、児童虐待防止法上の虐待の定義に該当する行為があれば、通常の児童虐待と同様の措置をとるのが行政の義務になります。

一方で実態として、公的機関に被害の相談をしたが「宗教の問題には対応できない」「信仰している人の信教の自由を侵害できない」等と門前払いされた宗教2世の体験談はとても多く、日本の行政・立法機関の「宗教問題に対して介入しない姿勢」がこれらの問題の被害拡大に繋がってしまった事は否めません。日本では信教の自由が認められているからこそ宗教組織は活動できる。一方その結果、信者の子供たちの基本的人権(信仰しない自由・幸福追求権など)が侵害されています。

既に大人になってしまった私達は、もはや自力でどうにかするしかないとさえ思ってしまっていますが、今後同じ様な境遇の児童は絶対に生み出したくない。日本社会はこの人権蹂躙を許してはいけないと確信しています。

また上記の問題は、宗教組織が存続するために「信者が組織から抜け出せない」「親が子どもに信仰を強制する事を誘発する」様な教義を掲げ、組織的に虐待の指導を行っている事が根本原因となっています。宗教組織が、更なる信者確保のために真っ先に狙うのは信者の子どもです。宗教組織(特にカルトと呼ばれる組織)が信者の子どもを狙うのは常套手段なのです。本問題の抜本的解決のために、組織的な虐待指導に対する規制も強く求めます。

【統一教会での人権侵害の実態】

①生まれた時から始まる洗脳教育、自由恋愛の禁止
自由恋愛は教会において最大の禁忌として定められています。合同結婚した両親から生まれてきた私たち祝福2世が自由恋愛をしてしまうと、普通の人よりもさらに悪い地獄の底に行く(堕落する)と言われてきました。2世は物心が付いた時から地獄に行く恐怖を刷り込みされているため、思春期に芽生える恋心に対して強い罪悪感を抱えてしまう人がとても多いです。教会とは縁を切り一般の結婚を果たした人であっても、成人後も刷り込みが抜けきらずに、恐怖や葛藤を抱えている人すらいます。子どもは生まれてくる家を選べない。『生まれた時から始まる洗脳教育』こんなに残酷な事はありません。

②組織的な虐待、ストーカー化する大人たち
信者である親は、自分たちの子どもに地獄に行って欲しくないという気持ちから、子ども達を常に監視・束縛します。更に、信者の子どもが堕落してしまうと、両親が人生をかけて積み上げてきた信仰が全て台無しになるとも教えられています。宗教組織が『子どもにも信仰を強制させなけれなばならない』様な教義を作り、信者に指導する事で、組織的な虐待構造を作り上げています。宗教組織が『親を使って子どもを束縛させる構造』です。両親は人生の全てを捧げて信仰を積み上げてきた信者であり、説得する事は絶対にできません。場合によっては、両親だけでなく他の信者も束になって、幼い子どもを束縛してきます。

③一般のお見合い結婚とは全く異なる統一教会内の結婚制度
親と絶縁するという究極の選択になかなか踏み切れず、悩み抜いた末に、親のために統一教会内の結婚(旧統一教会では「祝福」と呼ばれている)の道を選ぶという人も少なくないです。しかし、祝福結婚のプロセスにおいても、理不尽な決まりごとが多数存在します。

[1]信者同士の結婚しか許さない
[2]信者同士であったとしても自分の意思で相手を選ぶことは絶対悪
[3]両親や統一教会の責任者が認めた相手としか結ばれてはいけない
[4]未婚時の異性交友の禁止(手をつなぐ、2人きりで遊ぶなど)
[5]過去の性交渉や自慰行為の経歴など、性に関する話も含めて今までの人生における罪を洗いざらい話さなくてはいけない
[6]過去の罪を清算するために数日間(1~7日程度)の断食などが課される
[7]過去に性交渉などの罪があった事が判明すると、4~6年に一度の恩赦を受けないと教会内での結婚も許されなくなる
[8]「文鮮明・韓鶴子氏を唯一無二の救世主として認めるか」「結婚後に信仰生活や献金を行うつもりがあるか」「自分たちの子ども(3世)にも統一教会の信仰生活を送らせ、祝福結婚を受けさせるつもりがあるか」などと幾度に渡りチェックされる。教会側の望む回答ができない場合は、祝福を受ける権利を剥奪される。結婚前の段階から、将来の子どもにも信仰を強制させる指導を組織的に行っている。

【他の新興宗教での人権侵害の例(エホバの証人)】
[1]輸血が一切許されない
[2]信者を辞めると家族も含む信者全員から無視される、信者に戻るまで永久に続く
[3]ささいな違犯に対して、ベルト等の道具を使った過酷な体罰を推奨(1970~1990)
[4]組織外の子ども、若者との交友に否定的
[5]未婚時の異性交遊の禁止、信者以外の人との結婚に否定的
[6]罪を侵した場合、信者内による私的な裁判を受けなければならない(複数人の幹部から性交渉の経歴を含む過去の罪を洗いざらい問い詰められる)
[7]伝統行事への参加禁止、国歌や校歌の斉唱、武道等への参加禁止
[8]大学進学やフルタイムの就職に否定的
[9]幼児期から布教活動への参加を強制させられる、事実上の児童労働、学生の場合は勧誘活動で夏休みが全てつぶれる規模感
※社会と断絶させられて育ち、気づいたときには社会から孤立

【最後に】
宗教2世の問題は、背景が複雑すぎて一般の人に理解して頂くのはなかなか難しい問題であると理解しています。近日の統一教会報道の中で「統一教会は霊感商法や壺を売っている危ない組織」という理解を持っている人は増えましたが、その先で信者の子どもや家族の問題が発生しているという事を理解している人はまだまだ少数です。1990年代には表面化していなかった「信者の家族の問題」が、30年という年月をかけて新たに生まれたのです。これまでに同じような苦しみを抱えて被害の声を挙げてきた宗教2世の子どもたちはたくさんいます。ですが今まで、その声が社会に届く事はありませんでした。今、誰かが動かなければ、今後100年この問題がなくなる事は絶対にないと確信しています。

同様の問題を抱える子ども達は日本中にたくさん存在します。また、今は関わりを持っていない人であっても将来自分達の子や孫がいつか関わる可能性がとても高い問題だと考えています。多くの方が宗教虐待の構造を理解し、当事者としての問題意識を持って頂く事が、この問題を解決する事につながると考えています。

直近は、現行法(児童虐待防止法など)の枠組みで対応できるがないか模索し、将来的には『カルト宗教による組織的虐待の規制』の法整備ができないか提言していく予定です。

本問題の社会への認知と、人権蹂躙を許さない国の体制整備を強く願います。

【統一教会・人権侵害】宗教虐待防止のための法律整備・体制整備を求めます。#宗教2世に信教の自由を # 宗教虐待 #StopReligiousChildAbuse


開始日

2022年10月16日

署名の宛先

永岡桂子 (文部科学大臣)と2人の別の宛先

この署名で変えたいこと



署名の発信者 統一教会解散 署名

 10月11日、全国霊感商法対策弁護士連絡会(以下、連絡会)が永岡桂子文部科学大臣、葉梨康弘法務大臣、甲斐行夫検事総長宛に、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)について、裁判所への宗教法人解散(法人格取消)命令の請求を行うよう、申し入れを行いました(連絡会の申入書)。

 連絡会のほかメディアや政党の中にも、統一教会の解散を求める議論があります。改めて一般市民の声としてそれを示し、解散命令に向けた動きを後押しするための署名活動です。

 署名活動は1カ月を予定しております。皆様の署名とともに下記の申入書を関係省庁等に提出します。

 ぜひ皆様のご協力をお願いいたします。

呼びかけ人:「全国統一協会被害者家族の会」、「オウム真理教家族の会(旧称、オウム真理教被害者の会)」代表 永岡弘行、「LETS仙台」、「Compassion 井上嘉浩さんと共に、カルト被害のない社会を願う会」、「ひかりの輪脱会者友の会(インコの会)」、「浄土真宗親鸞会被害家族の会」、「RSFI MAIKA(セクトの犠牲者である家族と個人を支えるネットワーク)」、「カルト問題学習会(仮)」、「やや日刊カルト新聞社」、小川さゆり(統一教会2世)、高橋みゆき(同)、冠木結心(同)、Pulmo(同)、奥野まき(同)、井田雫(同)、山本サエコ(同)、Vtuberデビル(同)、橋田達夫(統一教会信者家族)、iidabii(エホバの証人2世・詩人)、菊池真理子(漫画家)、楠山泰道(大明寺住職)、豊田通信(日本基督教団カルト問題連絡会世話人)、岩崎一宏(北九州カルト被害相談会代表・日本バプテスト連盟枝光キリスト教会牧師)、田中伊策(直方バプテストキリスト教会牧師)、平野喜之(真宗大谷派僧侶)、塚田穂高(宗教社会学者)、藤田庄市(フォトジャーナリスト)、鈴木エイト(ジャーナリスト、やや日刊カルト新聞社主筆)、五野井郁夫(政治学者)、近藤将勝(人権問題を考える福岡の会)、池田香代子(翻訳家)、高橋徹(執筆業)、小波秀雄(京都女子大学名誉教授)、内田樹(フランス文学者・武道家)、和田靜香(ライター)、古谷経衡(作家・評論家)、原武史(政治学者)、左巻健男(東京大学非常勤講師・元法政大学教授)、朴勝敏(大学教員)、木村友祐(作家)、山口二郎(政治学者)、藤倉善郎(ジャーナリスト、やや日刊カルト新聞社総裁)

賛同人:中山尚(ひかりの輪脱会者友の会「インコの会」代表)、鈴木徹(エホバの証人2世)、信濃川ジロー(イラストレーター)、BAN苦死慰(フェルト職人)、吉田正穂(弁護士)、北丸雄二(ジャーナリスト)、中野晃一(上智大学教授)、島薗進(東京大学名誉教授)、岡林信一(あけび書房代表)、中沢けい(作家・法政大学教授)、鮫島浩(政治ジャーナリスト)、松尾貴史(俳優)、ラサール石井(俳優・演出家)、中野昌宏(大学教員)、佐々木寛(政治学者)、外波山文明(俳優・劇団椿組主宰・日本演出家協会幹事)、山本浩之さん(アナウンサー)、青沼陽一郎(作家・ジャーナリスト)、雨宮純(怪事調査ライター)、望月衣塑子(新聞記者)、寺脇研(元文部科学省官僚)、菅野完(著述家)、サンドラ・ヘフェリン(エッセイスト)、村田らむ(漫画家)、ジャポニスタン(自営業)、奥野徹男(高円寺パンディット)、若田部修(やや日刊カルト新聞社記者)、ハルマゲ丼(やや日刊カルト新聞社特派員)

取材・問い合わせ等窓口UC.dissolution@gmail.com

 以下、署名とともに提出する予定の申入書です。

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統一教会の宗教法人解散(法人格取消)を求めます

文部科学大臣 永岡桂子殿
法務大臣   葉梨康弘殿
検事総長   甲斐行夫殿

 10月11日、全国霊感商法対策弁護士連絡会(以下、連絡会)が永岡桂子文部科学大臣、葉梨康弘法務大臣、甲斐行夫検事総長宛に、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)について、裁判所への宗教法人解散(法人格取消)命令の請求を行うよう、申し入れを行いました。私たちはこれを全面的に支持し、霊感商法、高額献金、偽装勧誘、2世に対する人権侵害等、様々な社会問題を生み出している統一教会の解散命令について、速やかに裁判所に請求することを求めます。

【理由と法的根拠】
 宗教法人法第81条は、「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」があった場合に所轄官庁が裁判所に解散命令の請求を行えると定めています。

 連絡会10月11日申入書の「第2 申入れの理由」にある通り、私たちも、以下のように考えます。統一教会による被害は重大で、今なお継続している
刑事裁判を含め複数の裁判において統一教会の組織的違法性が認定されている(連絡会の申入書「5 検察官が共同で行うべきであることについて」ほか)
統一教会が発表した「コンプライアンス宣言」や「教会改革」は、自団体の違法性等を認めるものではなく、問題解決のための実効性が期待できない(連絡会の申入書「4 今後の改善が見込まれないこと」)。そもそも違法行為がある以上、統一教会の自助努力に委ねるのではなく行政が法律に従って粛々と対処すべきである
オウム真理教や明覚寺といった解散命令の前例と比較しても、統一教会に関する解散命令請求に消極的になる理由はない(連絡会の申入書「2 文化庁宗務課の消極意見について」)
これまで国が統一教会問題に対処してこなかったことが間違いであり、この間違いは速やかに正されるべきである


【私たちにとっての統一教会問題】

 安倍晋三元首相暗殺事件で山上徹也容疑者の母親が統一教会信者であり、1億円もの献金を行って自己破産し、山上容疑者の家庭や人生が大きく狂わされたことが、犯行動機に影響したことは、これまでの報道等でも明らかです。私たちも、山上容疑者の行為は決して容認できません。しかし統一教会がここまで信者の家庭を破壊する存在でなければ、安倍元首相が殺害されることも、山上容疑者が殺人に手を染めることもなかったのではないでしょうか。

 統一教会がいかに人を追い詰める存在であるのか、議論の余地はないと思います。

 今回の事件によって、統一教会における「宗教2世」への宗教的虐待の実態や、その影響で成人後も苦しんでいる2世たちの存在が注目されるようになりました。2世たちは山上容疑者のように凶行に走ることはありませんが、親が多額な献金をすることによる困窮や、組織的な信仰の強要とそれに伴う様々な人権侵害によって、静かに傷つき続けています。私たちはこの「2世問題」を、今回の事件より前から訴え続けてきました。

 10月7日、統一教会2世の小川さゆりさんが記者会見を開き、2世の実情を訴えました。それに対して統一教会は、小川さんの両親の署名つきの文書を送り、小川さんを中傷して会見の中止を要求しました。自らの問題を省みない統一教会は、問題を指摘する2世に対してまでこのような仕打ちを公然と行いました。

 統一教会については、政治家や行政との関わりも報道されています。共同通信社が10月9日に配信した世論調査結果によれば、与党自民党による所属議員と統一教会との関係についての調査を不十分とする回答が83.2%にのぼりました。統一教会が政治家にここまで深く広範囲に浸透したのは、政治家たちが統一教会問題を過去のものと捉えてきたことも大きな原因です。もっと早い段階で解散命令がなされていれば、ここまでの事態悪化も避けられたのではないでしょうか。この結果生まれた状況は、前述の安倍元首相暗殺事件とも無関係ではありません。

 国が認証した宗教法人がこのような状態にあるのを、放置していていいのでしょうか。

【全国民に被害をもたらす宗教法人】

 統一教会は、戸別訪問や街頭勧誘などで、統一教会であることを相手に認識させずに勧誘し、時に宗教勧誘であることすら認識させずに、ビデオ学習や念入りな対話を通じて教義を刷り込み、相手の共感や従順さを確立してから入信させます。その上で、先祖を供養しなければその因縁によって不幸なことが起こったり死後地獄に落ちたりするといった教義によって恐怖を与え精神的に追い込み、不幸を避ける方法として高額な献金をさせます。

 このことが、2世を含めた信者たちの経済的困窮を生み出し、宗教的な強迫観念にかられた親が子供に信仰の強要等の宗教的虐待を行う根本的な原因でもあります。

 近年では勧誘時に法人名を名乗る場合もあります。しかしその際も、「国から認められている団体」などと虚偽の内容を告げて勧誘することがあります。宗教法人の認証制度は、団体の質を国が保証するものではなく、こうした勧誘方法は宗教法人制度の悪用にほかなりません。

 上記から明らかなように、統一教会は信者ではない不特定多数の一般市民をも不幸のスパイラルに積極的に巻き込んでいる宗教法人です。

 かつてオウム真理教によって家族とともに殺害された坂本堤弁護士は、その直前、出家した子供を取り戻すためにオウム側と話し合いを持っていました。その際、オウム真理教幹部・上祐史浩(現・ひかりの輪代表)から「こちらには信教の自由がある」と言われ、坂本弁護士は「人を不幸にする自由はない」と言い返しました。

 統一教会への解散命令とは、飽くまでも宗教法人格の取消命令のことです。信仰集団として解体されるわけでも、個々の信者の信仰活動が禁止されるわけでもありません。「信教の自由」を損なうものではなく、「人を不幸にする自由はない」社会を実現するための必要最低限の対応に過ぎません。これすらしないなら、公益に資するはずの宗教法人に「人を不幸にする自由」を国が認めることと同義ではないでしょうか。

【解散命令の効果等】

 仮に裁判所が請求を認め解散命令を出した場合、統一教会は税制優遇の面も含め大きなダメージを受けることが予想されます。組織の規模や活動が縮小することで、少なくとも数の上では新たな被害者の発生も一定程度抑制されます。

 しかし解散命令によって、過去の被害が直ちに回復されるわけではなく、将来の被害がゼロに近くなるわけではありません。解散命令によるダメージを補うために、その後も教団に残る信者に対してさらに多額の献金負担を求めることがあっても不思議ではないのが統一教会です。解散命令とは別途、社会的監視や、被害の予防・救済、2世への社会的支援のための様々な法令・制度の整備が求められます。

 ここまで多面的な対応を要する問題を抱えた宗教法人だからこそ、せめて宗教法人格を早急に取り消す必要があると思います。


 何卒よろしくお願いいたします。

統一教会の宗教法人解散(法人格取消)を求めます


世界平和統一家庭連合(旧統一教会)などを信じる親の元に生まれた「宗教2世」への信仰の強制や進路選択の制限は「宗教虐待」だとして、当事者が28日、国に対策を求める7万655筆の署名と陳情書を厚生労働省や文部科学省に提出した。「行政は宗教が原因の虐待は門前払いしてきた。一般の虐待と同じ対応をしてほしい」と訴えている。

 提出したのは、親が旧統一教会信者の高橋みゆきさん(仮名)。旧統一教会信者の2世が起こした安倍晋三元首相の銃撃事件以降、署名サイト「Change.org」で賛同を募ってきた。

 高橋さんによると、一部宗教団体の2世は幼少期から恐怖を与えられながら教義を刷り込まれ、宗教活動の強制やネグレクトなど人権侵害を受けている。団体によっては児童労働の問題も深刻だという。

 陳情書では、学校や行政機関で2世の人権侵害を虐待と捉えて対応し、被害実態の調査などを要望。虐待を誘発するような宗教団体の行為の法規制なども求めている。

 提出後に会見した高橋さんは「信仰の強制などは親子の問題にとどまらず、宗教組織が教義や指導という形で仕組む組織的虐待だ」と強調。署名では2世当事者からも被害経験を訴える声が複数寄せられたといい、「生まれた時からマインドコントロールされる残酷さを広く理解してもらうことで、被害児童の孤立を防げる」と力を込めた。(太田理英子)

【関連記事】旧統一教会の「宗教2世」「虐待」に声上げ始める 署名賛同者、2年前100人→銃撃事件後6万3000人

信仰の強制「宗教虐待」の対策を 旧統一教会信者2世、ネット署名7万筆を国に提出

2022年9月28日 18時43分


安倍晋三元首相銃撃事件で逮捕された山上徹也容疑者は、「母親が破産するほど旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に献金し、人生を破壊された」などと供述した。同様に旧統一教会を含む宗教に入信した親のもとで「宗教2世」として育てられたことで、一般社会と隔絶した価値観や人間関係、金銭的困窮に悩む人たちは多い。親が子に信仰を強制するのは「宗教虐待」だとし、法規制を求める声を上げ始めた宗教2世たちの思いとは。(特別報道部・山田祐一郎、宮畑譲)

◆宗教の名の下に子どもの人権が蹂躙されている

宗教虐待防止立法を求め、高橋さんが始めた署名募集サイト(一部画像処理)

 「宗教2世に信教の自由を」。両親が旧統一教会の信者で20代の高橋みゆきさん(仮名)が署名サイト「Change.org」で活動を開始したのは、安倍元首相銃撃事件が発生した翌日の7月9日。7万5000人が目標の署名は現在、約6万3000人に達した。

 「生まれたときから価値観を刷り込まれて苦しんでいる。宗教を信じる親を持つ子どもには、信教の自由がない。旧統一教会だけではなく、他のカルト宗教の2世も同じ悩みを抱えている」と活動の理由を説明する。

 宗教の名の下に子どもの人権が蹂躙されていると訴える高橋さん。生まれる前から両親が入信していた「祝福2世」で、物心ついた頃から家にはいくつも壺があり、教会に通っていた。教団では、自由恋愛による結婚が認められていないため、「教団によってお付き合いしていたパートナーと無理やり別れさせられた」との経験を明かし、「結局、教団が決めた信者と結婚して抜け出せなくなる仕組みだ」と話す。

 「教えを心の底から信じたことは一度もありません」。幼少時、教会は友だちと遊べる「居心地のいい場所」だったが、思春期に世間や自分の将来などについて考えるようになり、違和感を覚えた。

◆「恋愛結婚するなら一家心中」、ストーカー化する親も

 「教義では『家庭平和』などきれいなことを言っているが、実際は全然違う」。願いをかなえるためとして献金を求められる実態があり、「お金を払えば世界が平和になるのか。恋愛をすれば『地獄に行く』と言われる。人の心を傷つける行為や詐欺まがいの献金が教義と結び付かず、受け入れられなかった」。悪い霊をはらうため、歌いながら自身の体をたたく「役事」と呼ばれる儀式も「本当に異様な光景。科学的根拠もなく、空気感自体がおかしい」と本音を漏らす。

 署名を始め、ツイッターなどで同じ境遇の2世から声が寄せられている。恋愛について、「『恋愛結婚をするなら一家心中する』と親に言われたり、ストーカー化して監視する親もいる。耐えきれずに親と絶縁した人もいる」と話す。また、教団から離れて恋愛結婚した人も「幼少期の刷り込みが抜けず『地獄に行くんじゃないか』とおびえる人が本当にいるんです」と問題の根深さを強調する。

◆「宗教虐待」の救済体制作りを

 旧統一教会や他のカルト宗教の2世を巡る実態が「宗教虐待」だと訴える。「児童が宗教を理由に行政や児童相談所に相談しても門前払いされる。他の虐待と同じ基準を満たすのであれば、虐待として扱われるべきだ」。署名を関係省庁に提出し、まずは現行の児童虐待防止法などで救済できる体制作りを求める。さらに、カルト宗教が組織的に行う虐待行為を規制するよう法整備を働きかけていくつもりだ。

 教団の田中富広会長は8月10日の会見で、霊感商法や高額献金、合同結婚式について批判が集まる現状が「信教の自由に反する」と訴え、活動に問題がないことをアピールした。特に、霊感商法については「過去においても現在も当法人が行ったことはない」と強調。高橋さんは「なぜあんなことが言えるのか理解できない」と不信感を強める。

【関連記事】旧統一教会「祝福2世」の苦悩「家族だけでは解決できない」信者専用マッチングサイトで結婚を求められ…
【関連記事】旧統一教会関連の相談、安倍氏事件後に急増 6月8件→8月102件 正体隠し、不安あおる勧誘今も

▶次のページは…行政と「信教の自由」、線引きは
◆「銃撃肯定できないが、問題知って」

 安倍元首相銃撃事件は、信者である母親が高額献金で破産するなど家庭崩壊を経験した山上徹也容疑者が起こした。高橋さんは「事件は全く肯定はできない」とするが山上容疑者の置かれた立場に一定の理解も。「いくら宗教組織によって家族が崩壊したとしても、社会に訴えることができなかったんだろうな」

 実は、署名活動は2年前にも実施したが、100人ほどしか集まらず断念した。政治家とのつながりや高額献金に比べ、宗教2世への信仰の強制は「家庭内の話」とされ、世間に響きにくいことを痛感していた。だからこそ高橋さんは、「いまこのタイミングしかこの問題の存在を世の中に知ってもらうチャンスはないんです」と力を込める。

 衝撃的な事件によってしか、世間の関心を集められないほど、宗教2世の問題は不可視化されてきたのか。それはなぜか。

 「本人が声を上げるのが難しいことに加え、世間のカルト問題への関心が薄まっていた」。旧統一教会の問題に詳しい立正大の西田公昭教授(社会心理学)は、こう分析する。

 西田教授は宗教に起因する虐待の中でも、身体的な危害を加えるといった、明らかな不法、違法行為の多くは現行法でも対応できるとする。一方で、勧誘活動などを子どもに強制することは虐待として積極的に踏み込むべきだと考える。「日本では親権が強く、児童相談所や教師も『(親の)信教の自由があるから難しい』と避けてきた。虐待をした親にペナルティーを与えることと、信教の自由を禁じるのとは別の話だ」

◆行政悩ます「親権」との境目

集会後に記者会見する全国霊感商法対策弁護士連絡会のメンバーら=16日午後、東京都千代田区で

 現在、国は「宗教的虐待」という定義をしていない。厚生労働省は児童虐待を「身体的虐待」「性的虐待」「ネグレクト」「心理的虐待」の4つに分類。担当者は「原因が宗教かどうかは別として、現行制度の中で虐待は分類できると考えている。宗教と、単なる親の考えや習慣との境目、線引きは難しい」と話す。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会は16日、旧統一教会について、国が裁判所に解散命令を請求するよう求めるとともに、2世問題についても虐待と位置付け、施策を講じるよう訴える声明を出した。

 声明の中で、2世に対する人権侵害の例として、
▽生まれた時から両親の信仰を強制される(信教の自由の侵害)
▽婚姻前の恋愛の禁止(幸福追求権の侵害)
▽信者以外との結婚禁止(婚姻の自由の侵害)
▽服装、外出などの生活の全てを管理(幸福追求権の侵害)

―などを挙げる。

 両親の信教の自由との関係では、「親が子どもに宗教教育を行う自由は認められているが、『児童に対しその発達しつつある能力に適合する方法』によらなければならない」とする。

 同連絡会代表世話人の山口広弁護士は「これまで2世問題、宗教虐待に対し、行政は手付かずだった。児童相談所の対応に宗教虐待を類型化し、担当者の研修をするべきだ。児童虐待防止法の枠組みを変え、児童相談所を充実すれば、ある程度は対応できるはずだ」と話す。

◆壁は「信教の自由」

 その際やはり、壁になりそうなのは「信教の自由」。だが、東京都立大の木村草太教授(憲法学)は「親権者には、子の最善の利益のために、宗教について教育したり、危険な宗教活動への参加を止めたりする責任がある。他方、親の信教の自由には、子に信仰を強制する権利は含まれておらず、布教活動への協力を強要したりするのは親権の限界を超える」と指摘する。

 「2世の人たちが、どういうことで悩んでいるのか、みんなで共有することが大切。カルトではなくても、子どもの信教の自由を尊重しながら、宗教の意義をどう伝えるのか。子育ての仕方を考え直すという意味では、全ての人に関わってくる」

◆デスクメモ

 児童虐待などに対応するために来春発足する「こども家庭庁」。その名称をめぐり、虐待被害者は「家庭は地獄だった」と「家庭」の削除を求め、旧統一教会側と自民党右派は「家庭」に固執していた。同庁がどちらの側を向いているのか。宗教虐待問題への対応ではっきりしそうだ。(歩)

【関連記事】宗教2世の苦しみ「君はもう1人の俺だった」「見殺しにするのはもうやめたんだ」

旧統一教会の「宗教2世」「虐待」に声上げ始める 署名賛同者、2年前100人→銃撃事件後6万3000人 

2022年9月21日 06時00分


「もしかしたら、彼のように追い込まれていたかもしれない」。両親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者で、幼少期から教義を学んだ北九州市の自営業男性(24)は、旧統一教会への恨みを募らせ安倍晋三元首相を銃撃したとされる山上徹也容疑者に自身を重ねる。そして「洗脳や献金の問題は家族だけでは解決できない。行政など社会の支援が必要だ。政治家もマスコミも一過性の問題で終わらせないでほしい」と訴える。(望月衣塑子)

◆両親が合同結婚式に参加

 男性は山陰地方出身。統一教会には、まず母が入信し、父も「夫婦円満の秘訣(ひけつ)は相手に折れること。それに宗教には良い面もある」と続いた。既婚だったが、改めて統一教会の「祝福結婚(合同結婚)式」に参加したという。

 男性は祝福結婚後に生まれた。このため母が入信前に産んだ3人の兄と違い「祝福2世」や「神の子」と呼ばれた。幼い頃から統一教会創設者の故・文鮮明(ムンソンミョン)氏の自伝本や映像に触れ、セミナーへ頻繁に連れて行かれた。母には「統一教会と関係があることは隠して」と口止めされた。

 母は居住地周辺の地域を取りまとめ、いつも忙しそうだった。選挙があれば支援候補のために奔走し、帰宅は午後10時過ぎ。聖地巡礼ツアーや修練会で韓国によく足を運んでいた。

◆献金「1億円は超えると思う」

 「母が留守の間は、10歳以上離れた長兄と次兄が面倒をみてくれたのが救いだった」と男性は振り返る。貸与型奨学金と父が組んだ学資ローンで、地元と離れた大学に進み、卒業した。

 実家には文氏のサイン入り本や御言葉集、専用の本棚、「霊界で母や先祖の家になる」とされる「善霊堂」の置物、「悪霊を吸い取るため」に買った壺(つぼ)もある。韓国での聖地巡礼ツアーや修練会の費用は1回300万円近いといい、これらを通じた献金は「1億円は超えると思う」と男性。

 兄らが、信仰にのめり込む母に反発する態度を見せていたため、男性は小学5年の頃から母と少しずつ距離を置くようになった。それでも中高生の頃は母に求められ、クリスマスなどのイベントに参加を続けた。

◆信者専用マッチングサイトで「結婚しないか」

 「イベントには必ず地元の自民党議員がいた。信者は『政治を通じて理想の世界をつくるんだ』と、政治家とのつながりを重視しているようだ」と男性は話す。母に「友達を呼んでね」と言われても、勧誘目的と感じ、従わなかった。

 そして22歳の時。母は信者専用のマッチングサイトで相手を選び、「結婚しないか」と男性に求めてきた。その際「自分は自由恋愛で相手を選びたい。祝福は受けない」とはっきり伝えた。母はかなり落ち込んだが「また話そう」と諦めた感じではなかった。

◆「対策に本腰を」

 それから2年。安倍元首相の銃撃事件が起き、旧統一教会について連日、報道されるようになった。父は「自分たちの献金が信者のために使われていない」と地元の教会に抗議し、出入り禁止になったという。

 男性は、母も旧統一教会から離れるかと期待した。だが「事件が起きても『かつてあったようにサタン(悪魔)が私たちを攻撃している。この難局を乗り越えねば』とかたくなで…。逆に他の信者たちと一致団結している」と話す。

 政治家と旧統一教会の関係もいま、問題視されている。男性は「政治家は関係を断つだけではなく、カルト宗教の規制や対策に本腰を入れてほしい」と願う。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の広報部の話

 2009年にコンプライアンス宣言を出して以降、全国286の教会全てに、幼児や学生など年代層ごとに(信者の)2世に問題や悩みがないか聞く担当者を置いている。現在でも献金や結婚を巡るトラブルはあり、返金や祝福結婚の強要をさせないよう対応している。現状で十分とは言えないが、2世が少しでも苦しみや不安、生きづらさを抱えないで済むよう今後も対応していきたい。親子関係が破綻しないことがまず第一だと考えている。

【関連記事】日本に「カルト規制法」は必要か 旧統一教会問題で野党に動き フランスでは先進事例

旧統一教会「祝福2世」の苦悩「家族だけでは解決できない」信者専用マッチングサイトで結婚を求められ…

2022年8月30日 06時00分


 安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけに、信者の親を持つ「宗教2世」の存在がクローズアップされている。中でも、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)信者の祝福結婚(合同結婚)式後に生まれた「祝福2世」は恋愛を禁止され、結婚相手を自由に選べないなどの生きづらさを抱える。(太田理英子、望月衣塑子)

◆自由恋愛禁止、貧しい子ども時代…「祝福2世」の生きづらさ

 全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の代表世話人・山口広弁護士によると、祝福2世の子どもは自由な恋愛を許されず、教団側が決めた相手との結婚を強要される。「それが原罪から逃れる唯一の方法だと親から教え込まれる」と山口弁護士。既に相手がいたり、教団側が選んだ相手に抵抗がある場合、精神のバランスを崩したり、自ら命を絶ったりするケースもあるという。

 その上、親が多額の献金を続けることで極端に貧しい家庭が多いとされる。山口弁護士は「同級生が買ってもらえる物を買ってもらえず、同級生からばかにされ、仲間外れにされていじめにつながる」とみる。

 教団を巡っては高額献金など元信者からの被害相談も後を絶たず、全国弁連の吉田正穂弁護士は「献金強要や正体を隠した違法な勧誘は今も続いている」と指摘する。

 全国統一協会(教会)被害者家族の会には、安倍元首相の銃撃事件後、献金を取り戻したいなどとする相談が急増。6月は8件だった件数は、今月は26日現在で102件に達した。

◆「コンプライアンスとは名ばかり」

 旧統一教会は1980年以降、不安をあおって高額商品を販売する「霊感商法」が社会問題化。教団は2009年、信者らが霊感商法に関わったとして逮捕された事件を受けて「コンプライアンス宣言」を出した。だが、吉田弁護士は「コンプライアンスとは名ばかり」と反論する。

 吉田弁護士が民事訴訟の代理人を務めた埼玉県の元信者の女性(79)は、16年まで20年以上にわたり、計1億円超の献金や念珠などの購入を続けた。女性は近親者を立て続けに亡くし、関連施設や教会に通い始めた。「ご主人の家系は罪深い」「善行を積む必要がある」と言われ、献金を重ねた。

 生活苦などから教団に不信感を抱き、「夫と築いた財産のほぼすべてを失った」として18年、教団を提訴。教団側が解決金6000万円を支払う内容で昨年4月、東京地裁で和解が成立した。

 こうした訴訟で手口の違法性を認定した判決もある。別の元信者3人が起こした訴訟の昨年3月の東京地裁判決は、複数の献金について「不安や恐怖心に乗じて献金するよう勧誘した」などと認定。教団に計約1億1500万円の賠償を命じ、確定した。

 コンプライアンス宣言後は、壺(つぼ)などの物品販売よりも、既存信者から献金を搾り取る手法が目立つが、教団に返金を求めないとする「合意書」を書かされるケースも増加。神奈川県の70代女性は宣言直前に4000万円、宣言後に2600万円を献金し、公証役場で合意書を作成したという。

 「アンケート名目など正体を隠した勧誘もなくなってはいない」と吉田弁護士は警鐘を鳴らす。

【関連記事】霊感商法や合同結婚式が社会問題に…旧統一教会と自民党、その関係を振り返る

旧統一教会関連の相談、安倍氏事件後に急増 6月8件→8月102件 正体隠し、不安あおる勧誘今も

2022年8月30日 06時00分


安倍晋三元首相銃撃事件で、山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=の供述によりクローズアップされた宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」。山上容疑者は、母親が入信後に破産するほどの献金をして家庭が崩壊したため同会への恨みを持ち、同教会とのつながりが深い安倍氏を狙うことにした、などという趣旨の供述をしているという。同会と自民党との関係は、半世紀以上前までさかのぼるとされるが、その経緯や実態はどうなのか。(特別報道部・宮畑譲、北川成史)

◆霊感商法や合同結婚式が社会問題に

 旧統一教会とはどんな団体か。フランスの経済紙「レゼコー」は襲撃事件後、欧米では「カルト宗教」と認識されていると報じた。上越教育大の塚田穂高准教授(宗教社会学)は「活動の基軸はあくまで宗教的理念と実践。その活動の中において多くの問題を抱え、人権侵害や違法行為を積み重ねてきた宗教団体だ。他の宗教一般と同列には扱えない」と話す。

 旧統一教会は教祖の故・文鮮明氏が1954年、韓国で創設した。間もなく日本でも布教活動が行われ、59年には日本の旧統一教会ができた。ホームページによると、教義は文氏が考案した「統一原理」と呼ぶ思想・理論によって、理想の家庭や世界平和を実現する指針を与えるとする。

 宗教学者の島薗進氏は「ある時期までは、『異端のキリスト教』という枠内にあったと思うが、70〜80年代にかけ、非キリスト教化し、同時期に霊感商法に傾いていった」と分析する。島薗氏によると、新興宗教の中では比較的若い人の入信が多く、高学歴の者も少なくなかったという。「現代文明への失望感が背後にあった。また、離婚が増え始め、家族的な道徳基盤を求める人の流れもあっただろう」

 多くの信者を獲得したが、80年代には、先祖供養などを名目につぼや宝石といった高価な品を訪問販売する「霊感商法」や巨額の献金が社会問題に。歌手の桜田淳子氏が92年に信者であることを明かし、教団が配偶者を推薦する合同結婚式に参加したことも話題になった。この合同結婚式は信者の「婚姻の自由を侵害する」として違法と判断された判決も出ている。

 2000年には、旧統一教会系の企業が米国の通信社UPIを買収したこともニュースになった。この企業は米保守系日刊紙ワシントン・タイムズも所有している。

◆理念の近さで「右派政治家と互いに利用」

 旧統一教会が拡大していく過程で見過ごせないのが、政治との関係だ。特に旧統一教会の実質的な政治部門として機能してきたのが、保守系政治団体「国際勝共連合」(勝共連合)だとされる。

 勝共連合は1968年、文氏が韓国と日本で設立した。目的は反共運動。時代は東西冷戦が激しさを増し、米国はベトナム戦争を泥沼化させていた。共産主義の脅威が今より切迫して語られていた。

 初代名誉会長には、右翼の大物で戦後政界のフィクサーと言われ、日本船舶振興会(現日本財団)の会長を務めた笹川良一氏を迎えた。岸信介元首相を名誉実行委員長とする集会も開かれたという。

 塚田氏は「勝共連合の設立経緯から岸信介や福田赳夫といった理念的に近い保守政治家と結び付いていった」との認識を示す。その上で、「今は改憲や家族観、反ジェンダーフリーなどで考えが合致する政治家との距離が近い。団体にとっては理念の実現や運動が守られることへの期待があるのだろう。一方で、政治家は選挙などで支援が得られる。右派政治家と団体がお互いに利用し合う関係になっている」と解説する。

◆第2次安倍政権でさらに接近

 問題となっている安倍氏との関係はどうなのか。

 「各地の紛争の解決に努力してきた韓鶴子総裁をはじめ皆さまに敬意を表します」。昨年9月、旧統一教会の友好団体「天宙平和連合(UPF)」が開いた大規模集会「シンクタンク2022 希望前進大会」に、安倍元首相がビデオメッセージを寄せた。

旧統一教会友好団体のイベントで、ビデオメッセージを送る安倍元首相(「シンクタンク2022」のユーチューブチャンネルから)

 UPFは文鮮明氏と妻で現在の教団トップである韓氏が2005年に創設したNGOだ。

 安倍氏は「UPFが家庭の価値を強調する点を高く評価します」「偏った価値観を社会革命運動として展開する動きを警戒しましょう」と家族観への共鳴を明示した。

 「積み重ねを経て、ついに隠さなくなった印象だった」。安倍氏と旧統一教会の関係についてジャーナリスト鈴木エイト氏は語る。

 安倍氏は官房長官時代の06年、旧統一教会の違法な勧誘などが問題化する中、UPFの集会に祝電を寄せた際、「誤解を招きかねず、担当者に注意した」とコメントしていた。

 鈴木氏によると、安倍氏と旧統一教会との関係の深まりは、12年に首相に返り咲いて以降になる。憲法改正と長期政権を目指す安倍氏や自民党にとって、「組織票に加え、秘書や選挙の運動員などの人員を提供してくれる旧統一教会は有用な存在だった」。

 安倍氏に限らず、教団関連の行事に出席したり、祝電を寄せたりする自民党議員が続出していたという。「単に容疑者の思い込みで片付けるのでなく、安倍氏と旧統一教会の関係を解明しないと、事件の全容はつかめない」

◆安倍氏ビデオメッセージへの抗議文は受け取り拒否

 全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の山口広代表世話人は「旧統一教会を宗教団体と一般化してはならない。巧妙、計画的、組織的にカネを集める団体だ」とくぎを刺す。

 09年、旧統一教会の霊感商法に対して、警視庁が強制捜査を実施。教団施設や関連会社が捜索され、幹部らが特定商取引法違反(威迫・困惑)で有罪判決を受けた。山口氏によれば、この事件を受け教団は政治家への働き掛けが不十分だったと総括し、関係強化を図ったという。その時代に第2次安倍政権は重なる。

 11日に会見した世界平和統一家庭連合の田中富広会長は「09年以降は献金のトラブルはない」としているが、霊感商法被害救済担当弁護士連絡会の渡辺博事務局長は「来年5月までに韓国の教団施設建設のため、1人120万円献金せよという大号令が出ている。今もやっていることは変わらない」と話す。

 全国弁連では19年、全国会議員に、旧統一教会関連の行事に参加したり、メッセージを送ったりしないよう要望書を提出した。

 昨年の安倍氏のビデオメッセージに対しては、抗議文を内容証明郵便で送ったが、地元事務所からは返答がなく、国会事務所には受け取りを拒まれた。メッセージは事件の動機の一つとも言われる。

 山口氏は「霊感商法や違法な勧誘で社会問題化した団体に政治家がエールを送ると、警察が手を出しにくくなり、被害を拡大させる」と強調する。

 全国弁連は12日、記者会見を開催。事件の容疑者と同じように、母親が旧統一教会の信者という40代の女性も出席した。女性は一時信者となり、合同結婚式に参加して教団の指示で夫になった男性から暴力を受け続けた。プライバシー保護のため、ついたての中で話した女性は、絞り出すようにこう話した。

 「(事件は)間違っているが、人生を旧統一教会に破綻させられたというのは理解でき、苦しい心情だ。放置されてきた問題が少しでも解決に向かえばと願う」

◆デスクメモ

 宗教団体に限らず、政治家との結び付きを誇示し、広告塔扱いしたい組織・団体は多い。だが本来、支援してくれるならどんな団体でも、というわけには行くまい。ましてあれだけ世間から指弾された団体ならば、安倍氏も知らないはずはなかっただろう。なぜ、断ち切れなかったか。(歩)

【関連記事】岸信介元首相に反感か 「日本に宗教団体招いた」安倍元首相銃撃で容疑者

旧統一教会と自民党、その関係とは? 安倍晋三氏との距離感の変化は

2022年7月14日 17時36分


 安倍晋三元首相が奈良市で街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、元海上自衛隊員の無職山上徹也容疑者(41)が、恨みを抱いていたとされる特定の宗教団体について「(海外から日本に)招き入れたのが岸信介元首相。だから安倍氏を殺した」と話していることが、捜査関係者への取材で分かった。奈良県警は容疑者がインターネット上などの不確実な情報を信じ込み、岸元首相への反感を孫の安倍氏に向けたとみて調べる。

 捜査関係者によると、容疑者が「母親が宗教団体に入信し、家庭が崩壊した」と話していたことも判明。「団体と安倍氏がつながっていると思ったから狙った」と説明していることも分かっている。

 宗教団体は海外発祥だが国内にも多くの信者がおり、定着している。保守的な思想が特徴で、国内外の政治家と関係を構築してきた。岸元首相は関連する政治団体の設立に携わったとされ、安倍氏も2021年、別の関連団体のイベントにメッセージを寄せているが、岸元首相が宗教団体を日本に招き入れたとの根拠は不明で、実際には海外の信者が伝道活動に当たったとされている。(共同)

【関連記事】「YouTube参考に銃を作った」「宗教団体関連施設で試し撃ち」安倍元首相銃撃の容疑者が供述

岸信介元首相に反感か 「日本に宗教団体招いた」安倍元首相銃撃で容疑者 

2022年7月11日 14時05分


安倍晋三元首相が奈良市で街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、元海上自衛隊員の無職山上徹也容疑者(41)が、ユーチューブの動画を参考に銃を製造したとの趣旨の供述をしていることが10日、捜査関係者への取材で分かった。「(事件前に)自分で作った銃を(恨みを持つ)宗教団体の関連施設で試し撃ちした」と話していることも判明。奈良県警は、試射で殺傷能力の高さを確認し、事件を起こしたとみている。

【関連記事】「後方警戒十分でなかったのでは」 安倍元首相銃撃防げなかった警備体制 警察庁「十分だったか確認中」
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 山上容疑者の自宅から複数の手製銃を押収しており、県警は容疑者が動画を参考に試作を繰り返したとみている。宗教団体を巡っては、「母親が宗教団体にのめり込んで多額の寄付をし、恨みがあった。団体と元首相がつながっていると思ったから狙った」という趣旨の供述もしている。

 現場で使われた銃は「一度に6個の弾丸を発射できる仕組みだった」とも説明。事件で使われた銃は金属製の筒2本を粘着テープで束ねた構造。弾丸はカプセルのような小さな容器に入れ、それぞれの筒から発射する散弾銃に似た造りだった可能性がある。

 また、容疑者は「火薬を乾かした」と説明。「爆弾を作ろうとしていた」「作った」と話し、製造を試行錯誤していたとみられる。(共同)

「YouTube参考に銃を作った」「宗教団体関連施設で試し撃ち」安倍元首相銃撃の容疑者が供述

2022年7月11日 08時18分


合同結婚式や霊感商法、高額献金などであまたの社会問題を起こしてきた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)。欧米では反社会的な「カルト」だと認定されているというが、日本では何がカルトなのかという判断基準もなく、法的なカルト規制もない。安倍晋三元首相銃撃事件を契機に、日本にもフランスなど先進事例を参考にカルト規制法が必要だとの声も上がり始めたが、必要なのか、導入は可能なのか。(特別報道部・岸本拓也、中山岳)

◆野党は規制検討の動き相次ぐが、政府は…

 「政治の責任として被害者救済、被害防止に資する立法措置を次期国会に向けて準備したい」。立憲民主党が18日に国会内で開いた旧統一教会を巡る被害実態を調べる被害対策本部。事務局長の石橋通宏参院議員はこう強調した。

 国民民主党も同日、何がカルトに当たるのかの定義や規制のあり方を検討する調査会の初会合を開いた。玉木雄一郎代表は「日本には反社会的なカルトが何かを明確に定める法体系、基準がない」と指摘。海外事例を研究し、国内法の整備の可否を判断するという。

 共産党の宮本徹衆院議員は今月3日、「カルトの被害の防止のための法的規制について検討を進めるべきではないか」との質問主意書を提出した。しかし、政府の回答は「『カルトの被害』の具体的な範囲が明らかでないので、答えるのは困難」。宮本氏は「政府・与党は真剣にこの問題に取り組んでいない」と憤る。

◆自民、公明党は具体的な動きなく

 確かに野党に比べ、政府や与党の動きは鈍い。政府は18日に、旧統一教会をめぐる悪質商法などの被害把握に向けた関係省庁連絡会議の初会合を開いた。ただ、そこで決まったのは9月初旬から約1カ月間を被害相談の「集中強化期間」としたくらいだ。

 会合に参加したのは法務省、警察庁、消費者庁、内閣官房。「伝家の宝刀」である宗教法人法に基づく解散命令請求ができる文化庁は連絡会議には入っておらず、今のところ規制の議論はない。まずは既存の相談体制などを活用し、被害の実態把握や被害者の救済を進める方針だ。

 旧統一教会との接点が次々と発覚した自民党や、宗教法人の創価学会を支持母体とする公明党からも規制に向けた具体的な動きはみられない。公明党の山口那津男代表は今月2日の記者会見で、「宗教団体の政治活動は憲法で認められている。健全な活動や選挙支援を通じて、人権や人類的な価値を政治に反映させていくことは、むしろ民主主義の望ましい姿だ」と述べ、規制には否定的にも映る姿勢を示した。

◆専門家「宗教法人法の改正検討すべき」

 政府は1994年、霊感商法被害が社会問題化して多数の訴訟が起こされていた旧統一教会を、反社会的な団体と判断すべきだと問われ、「政府として、一般的に、特定の宗教団体が反社会的であるかどうかについて判断する立場にない」とする答弁書を閣議決定している。今もこの方針を継続中というわけだ。

 日本は戦前戦中、当時の治安維持法などに基づき、反体制の団体や活動家らを取り締まり、宗教団体も弾圧を受けた。そのため、戦後は憲法で信教の自由が保障され、宗教を保護する宗教法人法が制定された。同法に基づく解散命令を受けたのは、オウム真理教や明覚寺といった悪質な刑事事件を起こした団体に限られ、その運用は抑制的だ。

 宗教学者の島薗進氏は「ここまで多くの被害者を生んできた旧統一教会の問題に向き合う上でも、反社会的な問題を繰り返し起こす団体の宗教法人認証の取り消しができるような宗教法人法の改正を検討すべきではないか」と話し、こう続ける。「ただ、認証しない理由を明確な基準とするのは容易でない課題だ」

▶次ページ フランスではカルト規制の先進事例 に続く
◆フランスは「法外な金銭的要求」など10の基準示す

 反社会的行為に及んだ団体をカルトとして規制する先進事例が、フランスだ。

 1994年以降、カナダやフランスなどで新興宗教「太陽寺院教団」の信者らによる集団自殺が相次いだ。こうした事件に危機感を強めたフランスの国民議会は95年に報告書をまとめ、カルト(セクト)と判断するために「法外な金銭的要求」「反社会的な教義」「子どもの強制的入信」など10基準を示した。これに基づいて危険視する170以上の団体名も挙げ、旧統一教会も含まれた。

 2001年には「セクト規制法」が成立。特徴は、マインドコントロールなどで支配された状態の人に重大な損害となる行為を規制した点だ。違法な医療、詐欺、家族を遺棄するといった「セクト的逸脱行為」について、手を染めた個人だけでなく所属する法人も処罰対象に。こうした両罰規定の拡大に加え、法人やその代表が処罰対象になれば、解散命令を出すことも可能にした。

◆情報提供や注意喚起、未成年者保護を

 同国では、セクトの被害を受けた人らが通報できるオンラインシステムも整備。20年は3000件超の通報があった。規制が進んだ背景について、日仏両国で弁護士資格を持つ金塚彩乃氏は「フランスは厳格な政教分離を取っている一方、セクトなど特別な状況に置かれた未成年者ら弱い立場の人の保護に力を入れてきた」と指摘。未成年者が狂信的な宗教に取り込まれることや、親が信じる宗教の影響で子どもの治療をさせないといった問題への対策も強めてきたという。

 セクト規制法に詳しい山形大の中島宏教授(憲法学)は「フランスはセクトの定義を基に危険とされる団体名をリスト化して規制しようとしたものの、団体を名指しすることには、信教の自由を考慮して国内外から批判もあった。そのため違法行為に着目して規制するようになった」とした上で、問題視された法人の解散命令が出たケースはまだないとする。「日本が学ぶべきは、法規制とあわせたセクトを巡る情報提供や注意喚起、未成年者保護、宗教が絡む問題に対処するための公務員研修などだ」と語る。

◆国会での早急な議論不可欠

 安倍元首相の銃撃事件後、旧統一教会を巡る問題に改めて注目が集まっている。18日に省庁連絡会議が発足したものの、全国霊感商法対策弁護士連絡会の紀藤正樹弁護士は、体制の不十分さを指摘。「霊感商法だけでなく家族問題もあるため、連絡会議に厚生労働省が入っていないのは本質的な解決につながらない。被害予防の観点から教育や宗教行政をつかさどる文部科学省や、(合同結婚式などに関して)邦人保護を担当する外務省が参加していないのも残念だ。連絡会議を第一歩とし、特命担当大臣を置くなど省庁横断的にカルト規制法を整備することが必要だ」と話す。

 法規制を求める声が強まるのに対し、信教の自由を理由にした慎重論も根強いが、いずれにせよ、国会での早急な議論は不可欠なはず。だが、政府の腰は重い。3日召集の臨時国会はわずか3日間で閉会。岸田文雄首相は15日午後から夏休みに入った。

 政治ジャーナリストの泉宏氏は「9月27日に向けて準備する国葬が終わるまで、外交日程などを踏まえれば与党は臨時国会を開かないだろう。このまま何もしないなら、岸田内閣は『統一教会隠蔽内閣』に終わる」と苦言を呈する。

 泉氏は「カルトとして宗教をどう法規制するかは、信教の自由を含めた憲法論議にも発展しかねずハードルは高い」という見解だが、それでも国会での議論を促す。「どんな条件なら反社会的行為を規制できるのかという基準は示すべきだろう。岸田首相のリーダーシップが求められる」

◆デスクメモ

 法や社会通念から激しく逸脱した教義を奉じ、家族との別離や、身を滅ぼすほどの帰依を求めても、宗教の名のもとに行われるのならば、外部は一切口出し無用ということでいいのだろうか。それが憲法の言う「信教の自由」か。オウム真理教事件の時点でもっと議論すべきだった。(歩)

【関連記事】旧統一教会と日本会議、「野合」の運動史…歴史認識が対立しても「とりあえず共闘」の打算

日本に「カルト規制法」は必要か 旧統一教会問題で野党に動き フランスでは先進事例

2022年8月20日 12時00分





先日のブログで取り上げた鳥取県の青少年条例改正は、本日委員会で可決。その際、どの議員からも意見表明が行われなかったようですが、これはもう議会の自己否定に等しい行為です。

ボウガン規制にも注目が集まっていますので、今日はあまり知られていない、青少年条例における「有害玩具」(東京都では不健全玩具)についてご紹介したいと思います。

■有害玩具とは

有害玩具とは、18才未満の青少年が所持や使用にあたって危険があるとして、青少年への販売・青少年による所持を各都道府県の青少年条例によって禁止したものです。

例えば、今鳥取県で問題になっているボウガンやナイフ・エアガンなどの武器、県によっては大人のおもちゃなども有害玩具指定されています。

18才以上に向けたこれらの武器に対する規制については、銃刀法や軽犯罪法の範疇になります。

■各県の違い

有害指定されている玩具、罰則などは地域によって様々です。今回は非常に特徴的な東京都と大阪府の有害玩具について見て見たいと思います。



まず東京都ですが、他の都道府県に比べると玩具に対する指定は抑制的です。エアガンの一部とナイフ類について。

罰則については定められていません。



一方、大阪府での有害玩具は多岐に渡ります。また、以下のように定義される、大人のおもちゃも対象になっています。違反すると30万円以下の罰金が課されます。



これらの通り、同じ大都市圏でも規制の内容は大幅に異なります。

■銃刀法・軽犯罪法

さて、上でも触れましたがこれらの青少年条例はあくまで18才未満の青少年に対する販売や所持を規制するものです。

銃刀法(正式には銃砲刀剣類所持等取締法)での規制対象は



となっています。モノによって罰則は違いますが特に拳銃については弾丸と一緒に所持した場合、5年以上の懲役と3000万円以下の罰金併科と極めて重い罰則が課されています。刃物については、刃渡り6cm以上のものについては一部の例外を除き(はさみや果物ナイフなど)携帯することも禁止されており、30万円以下の罰金。

カッターナイフについては刃渡りが6cmを超えてしまうので、警察官がこれを発見してしまった際には、正当な理由があるかどうかを確認しなくてはいけないそうです。普段あまり意識しませんが注意が必要ですね。

さて、この銃刀法で取り締まれない武器に関しては軽犯罪法で取り締まっています。



例えば、ボウガン、弓矢、スタンガン、刃渡り6cm以下の刃物や特殊警棒等もこれに当たりますが、正当な理由なく携帯していると罪に問われることとなります。

少し話がソレてしまいましたが、これらの法規制で不十分なところを各都道府県県の青少年条例の中の有害玩具制度で上乗せして補っているという構造になっています。

ーーー



度々発信していますが、もし本当にボウガンによる事故を防ぎたいということであれば、兵庫県のように専用の条例を新たに制定して全年齢向けに届け出制度などを整備すべきです(本当は国で法整備をすべきですが動く様子が無い・・)。

冒頭でも取り上げた鳥取県では青少年条例改正で「対策しました!」というつもりかも知れませんが、成年が犯行に使うことは抑止できない上に、全然関係無い「有害図書」のネット販売規制までおまけでついてくるという不可解さです。

それら問題点について残したまま、各会派が意見表明もなしに成立に突き進んでいこうとしているのは非常に残念と言わざるを得ません。

もはや玩具と呼べない・・有害玩具規制とは?(第23回)

2020-10-06 21:00:17


兵庫県は、宝塚市の住宅で4人がボーガンで撃たれ死傷した事件を受けて5日、ボーガンを県の条例の「有害玩具類」に指定し、販売などの規制の対象にしました。

警察によりますと、ボーガンは銃刀法の規制の対象にはなっておらず、事件を重く見た兵庫県は、青少年による同じような事件を未然に防ぐ必要があるとして5日、ボーガンを県の青少年愛護条例の「有害玩具類」に指定しました。

この指定により、県内の玩具販売店などはボーガンを18歳未満の青少年に販売したり貸し出したりすることができなくなります。

これまでにダーツや吹き矢、玩具銃などが指定されていて、違反した場合は30万円以下の罰金などが科せられます。

兵庫県青少年課は「玩具販売店などではコーナーを分けてボーガンを置いて、青少年の目に触れないよう対応してほしい。インターネットの販売店では、購入の際に年齢確認を求めるなどの仕組みを今後検討したい」と話しています。

#兵庫県

2020年6月5日 注目記事

兵庫県 ボーガンを
「有害玩具類」に指定


4月に大阪市で「スリングピストル」を使用した傷害事件が起きた。捜査関係者が「目に当たれば(球が)脳まで届く威力」と話すほど危険性が高いが、入手は容易だ。大阪府警幹部や専門家は、法規制の必要性を指摘する。

大麻グミ成分、2日から禁止 「HHCH」所持や使用規制―厚労省

 スリングピストルは、取っ手の上に、氷のうのような袋状のゴムが固定されており、ゴムの中に球を入れて引っ張って放つ。ひも状のゴムで撃つスリングショットに比べ、威力も命中率も高いとされる。

 4月1日、大阪市東淀川区のマンションで、知人男性に対しスリングピストルで鋼球を発射したなどとして、男が逮捕された。男性の右足には直径約6ミリの鋼球1発がめり込み、3週間のけがをした。被害男性は「熱くて拳銃かと思った」と話しているという。

 大阪府青少年健全育成条例で有害玩具に指定され、18歳未満への販売や貸し出しは禁止されているが、複数の通信販売サイトで販売が確認されている。動画投稿サイトでも、スリングピストルの威力を見せつけるような動画が見つかる。

 府警幹部は「(青少年が)容易に入手できるインターネットの販売に問題がある。(条例ではなく)銃刀法を改正して規制すべきではないか」と訴える。

 銃刀法改正でクロスボウの所持が許可制になった際、有識者検討会委員だった「ステップ総合研究所」(東京都)の清永奈穂所長は、「スリングピストルは玩具ではなく、強力な射撃用具。銃器に比べ小型で軽量なので持ち運びや操作が簡単だ」と説明。「将来、凶器として殺傷に使われる可能性があるので、地域限定の条例で曖昧に扱うのでなく、銃刀法改正などで厳しく規制すべき対象」と指摘する。

スリングピストル、緩い規制 「球が脳まで届く威力」―有害玩具指定も入手容易

時事通信 編集局2024年06月22日13時34分配信



安倍晋三元首相(享年67)の銃撃事件が発生してから、2週間が経った。



事件の捜査が進められ詳細が徐々に明らかになっていくなか、ネット上では殺人容疑で送検された山上徹也容疑者(41)の「減刑」を求める署名が立ち上げられ物議を醸している。



「山上容疑者は2本の金属パイプを束ねた手製銃で、奈良市内で街頭演説中の安倍元首相を背後から銃撃。安倍元首相は銃撃される前日に岡山で演説を行っており、山上容疑者はそこにも訪れていました。しかし山上容疑者は『岡山では近づけなかった』と供述しており、翌日に奈良市で安倍元首相の演説が行われることを知り犯行に及んだといいます。



現段階で、山上容疑者は勾留期限が延長されたばかり。裁判員裁判が想定される公判では精神状態が争点となる可能性もあるため、奈良地検は刑事責任能力を調べるために精神鑑定を実施する方針だといいます」(全国紙記者)



山上容疑者の「減刑」を求める署名を立ち上げたとされる人物は、15日に立ち上げに際してTwitter上で《山上容疑者の非常に辛かった生育環境、境遇に対しての情状酌量、また、非常に真面目で努力家な人柄であり更生の余地が大きい事を訴える署名です。いかなる理由でも殺人を肯定するものではありません》と呼びかけている。



署名サイト「Change.org」内に立ち上げられた検察庁長官宛ての署名には、すでに賛同者が180人を超えている(21日22時30分時点)。



同サイトでは山上容疑者について、「過酷な生育歴を鑑みての温情」「本人が非常に真面目、努力家であり、更生の余地のある人間である事」の2点を主張。山上容疑者が“精神的、金銭的苦悩を抱きながらも真っ当に生きよう努力していた”として、次のように呼びかけている。



《親の信仰によって、生活も精神も追い詰められる人が非常に多いです。このような状況で物心ついた時から生活していた山上徹也容疑者に、どうか寛大な見解をお願いします》



「山上容疑者は『母親が特定の宗教団体に多額の献金をし、破産したことから団体に恨みを抱いた』と供述。7月11日に『世界平和統一家庭連合』(旧統一教会)が会見を開き、山上容疑者の母親が信者だったことを明かしました。



警察の調べや山上容疑者の親族の証言によると、山上容疑者は幼い頃に父親を亡くしており、そのことを機に山上容疑者の母親は同団体に入会。献金額は総額で約1億円にも上ったといいます。’02年には自己破産したものの、その後も献金を続けていたそうです。



こうした経済破綻によって、山上容疑者は大学進学を断念。母親が自己破産した年に海上自衛隊に入隊しましたが、わずか3年で退職。その後は、アルバイトや派遣社員として職を転々としていたと聞いています」(前出・全国紙記者)



不遇の人生を歩んできたことが報じられている山上容疑者だが、自らの手製銃で安倍元首相を殺害したのは事実。加えて、起訴もされていない段階で「減刑」を求める署名に対して、Twitter上では懐疑的な声が上がっている。



《減刑も何もまだ起訴すらされていない。山上容疑者に更生の可能性があることは認めます。しかし被害者である安倍晋三さんは彼が更生したところで生き返る訳ではない。殺人の被害者は永遠に被害者のままです》
《減刑が犯罪者の為になるとは限らない。犯罪者が自分の犯した罪と向き合う機会を減らしてしまう可能性も有るから。罪をシッカリと償ってこそ更生することが出来るのでは》
《他の似たような原因で罪を犯した人には何もしないのに、山上容疑者だけ減刑を求めるとか不公平としか言えませんね》
《どんな理由があろうと、犯罪やテロは許されないし、お気持ちで司法を歪めるなど論外です。例外を作れば司法が歪みます》

『女性自身』編集部

倍氏を銃撃した山上容疑者の“減刑”求める署名が始動も「まだ起訴前」「お気持ちで司法歪める」と物議

記事投稿日:2022/07/22 06:00 最終更新日:2022/07/22 06:00

『女性自身』編集部


自民党の安倍晋三元首相が奈良市での参院選の演説中に銃撃されて死亡した事件は8日、発生から2年となる。だが、殺人や銃刀法違反などの罪で起訴された山上徹也被告(43)の裁判員裁判がいつ奈良地裁で開かれるのか、めどは立っていない。山上被告が犯行に至った境遇や凶器となった手製銃の法律上の位置づけなどを巡り、水面下で検察側と弁護側の駆け引きが続いているとみられ、初公判が来年以降にずれ込む可能性も高くなってきた。

審理に向けて争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きはこれまでに4回開かれ、検察側からの主要な証拠の開示はほぼ終わったとみられる。今後の手続きで争点整理が進められる見通しで、裁判員選任などにも時間を要するため、関係者は「年内の初公判は厳しい」とみる。

公判前整理手続きが長期化する背景には、この事件の特異性がある。山上被告は、母親が多額の献金をした世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に恨みを募らせていたとされ、逮捕後に「(教団を韓国から)招き入れたのは岸信介元首相。だから(孫の)安倍氏を殺した」と供述していた。

元首相の殺害という社会的影響の大きい事件だが、山上被告の弁護団は「政治的な信条が動機ではないが、個人的な恨みを晴らすためにやったということでもない」と説明。公判で、弁護側はこうした複雑な動機について山上被告の家庭環境とあわせて主張する構えで、それに向けた双方の争点整理が長引いているとみられる。

さらに特異なのは、犯行に手製の銃が使われた点だ。山上被告はインターネットで調べた情報をもとに、市販されている材料を使って大きさや形状が異なる数丁の銃を自作したとされる。

検察側は凶器の手製銃が、銃刀法違反罪で定義された「拳銃、小銃、機関銃又は砲」にあたるとしている。一方、本来の拳銃とは性能や形状が異なるのではないかという見方もあり、弁護団は開示された証拠などをもとに、山上被告が銃刀法違反罪に問われることが適正なのか否か、慎重に検討を重ねている。

近畿大法学部の辻本典央教授(刑事訴訟法)は「(山上被告の)犯行時の心理状態など、弁護側が主張するであろう内容と検察側の主張の対立点がまだかみ合っていないのでは」と推測。争点については「事件に至る境遇や背景などをもとにした情状面や量刑がポイントとなるだろう」と述べた。(秋山紀浩)

山上徹也被告の公判は来年の可能性、情状面や量刑が争点か 安倍元首相銃撃事件から2年

産経ニュース / 2024年7月7日 14時50分



 安倍晋三元総理が奈良市で銃撃され死亡した事件で、逮捕された山上徹也容疑者が事件の前日、安倍氏の遊説先の岡山を訪れた際にも銃を隠し持っていたとみられることがわかりました。



 安倍元総理が銃撃された大和西大寺駅近くでは、7月13日午前5時ごろから、奈良県警の捜査員約50人が現場検証を実施。山上容疑者の手製の銃から発射された弾丸の捜索にあたったということです。



 銃撃現場から100mほど離れた立体駐車場の壁面には、弾痕とみられる穴を複数確認することができます。



 また山上容疑者の事件前の行動も徐々に明らかになってきました。山上容疑者は事件前日の7月7日、安倍元総理の遊説先である「岡山にも行っていた」と供述していることがすでにわかっていますが、捜査関係者によりますと「岡山に持って行った銃とは別の銃を犯行には使った」との趣旨の供述をしていることが新たにわかりました。



 JR新大阪駅などの防犯カメラには、山上容疑者とよく似た人物が映っていたということです。山上容疑者は犯行時、ショルダーバッグに銃を入れていましたが、それとよく似たバッグも防犯カメラの映像に映っているということです。



 警察は山上容疑者が岡山を訪れた際にも銃を隠し持っていたとみて調べています。

岡山でも銃所持か…山上容疑者「岡山に持って行った銃とは別の銃を使った」趣旨の供述




(CNN) 米カリフォルニア州南部のハイスクールで16歳の男子生徒が同級生を銃撃して5人を死傷させた事件で、ロサンゼルス郡の捜査当局は、容疑者の生徒が「ゴーストガン」と呼ばれる組み立て式の銃を使っていたことを明らかにした。

ロサンゼルス郡のアレックス・ビラヌエバ保安官がCNN系列局KABCに語ったところでは、今回の事件で使われたのは別々に調達した部品を組み合わせてつくる「キットガン」と呼ばれる種類の銃だった。そうした銃は製造番号がなく、当局による追跡が不可能なことから「ゴーストガン」と呼ばれている。

こうした追跡不可能な銃は、インターネットや銃の展示会でセット販売されている部品を使って組み立てることができるという。

銃を購入する場合、普通は身元審査などを行って登録する手続きが必要だが、ゴーストガンはそうした審査をすり抜けることができる。

「これで銃を合法的に購入し、自分で組み立てることができる。そうして手にした銃は登録されておらず、自分が銃を持っていることは誰も知らない」「これは非常に危険だ」。ビラヌエバ保安官はそう指摘した。

今回の事件では14日、16歳の男性生徒が45口径の拳銃で同級生を銃撃し、2人が死亡、3人が負傷した。捜査当局は無差別の銃撃だったと見ている。男子生徒は最後に自分を撃って、翌日死亡した。

捜査当局は、銃を組み立てたのが男子生徒だったのか、2017年に死亡した父親だったのかについても調べている。銃の組み立てセットは男子生徒の自宅の家宅捜索で見つかった。
ロサンゼルス警察とアルコール・たばこ・火器爆発物取締局(ATF)は昨年の時点で、ゴーストガンの急増を指摘していた。ゴーストガンはさまざまな事件の現場で回収されている。

今年8月に同州リバーサイドで起きた銃撃事件でも、ゴーストガンが使われていた。

ユタ州立大学は今年に入って発表した論文の中で、警察に銃の所持を禁止されている人物にとって、ゴーストガンは特に便利だと指摘していた。

米国内で現在出回っているゴーストガンの数は不明だが、カリフォルニア州にあるATFの1登録局だけでも、2017年の1年間に入手したゴーストガンは250丁に上る。

ビラヌエバ保安官は、こうした犯罪に対する米議会や州議会の対策は銃登録を前提としていると述べ、「だが銃業界は武器を自分で製造する仕組みをつくり出すことによって、全ての対策をすり抜ける手段を確立しつつある」と危機感を示した。

学校銃撃の生徒は「幽霊銃」使用、急増傾向に捜査当局が危機感 米加州

2019.11.22 Fri posted at 17:45 JST

ゴーストガンに対する法規制が日本でも必要になるとの指摘はその通りであると思いますし、実弾や爆弾製造を防止する為に、火薬や弾丸の入手規制を強化すると共にアメリカバイデン政権のように拳銃の作り方Youtube等の動画サイトで公開禁止の措置やゴーストガンの図面ネット公開も禁止する措置をプラットフォーマーやプロバイダに求め警察や裁判所からプリンタメーカーに協力依頼しゴーストガンの図面から3Dプリンタでゴーストガン製造できない仕組み作りも必要と私は思います。



 長さ約40cm、高さ約20cm。金属製の筒2本に木の板を添え、黒い粘着テープでぐるぐる巻きにしてある。カプセルのような容器には弾丸が6発入り、後方からは電気コードが延びる──これが日本の憲政史上最長の在任期間を誇る、元首相の命をいとも簡単に奪った「手作り」の銃である。

 日本中を震撼させた安倍晋三元首相(享年67)の銃撃事件。誰もが驚いたのは、凶器の銃が手製だったことだ。殺人容疑で逮捕された無職の山上徹也容疑者(41才)の自宅からは、手製の銃7丁が見つかり、うち1、2丁は作りかけだった。

「自分で作り方を調べて部品を買い、ネットで購入したものもある」

 この山上容疑者の供述通り、銃は市販の材料で作ることができる。銃器評論家の津田哲也さんが指摘する。

「材料はホームセンターで、工具は中学校の技術室にあるもので簡単に作れます。発射薬は市販されている花火の火薬、弾丸はパチンコ玉や工業用のベアリングでも代用できてしまう。発射装置は、本物の銃のような雷管式だと一般人には製造困難ですが、山上容疑者が作った電着式は、小学校の理科の知識があれば作れてしまうような単純な機構です」

 銃の製造法をどのように学んだのか。山上容疑者は「YouTubeの動画を参考に銃を製造した」と供述した。これについて、ITジャーナリストの三上洋さんが指摘する。

「YouTubeは銃の製造法を投稿することを禁じています。ところが、実際にはYouTubeや一部のサイトでは銃の作り方がいくつも投稿されており、一般人でも簡単に検索・閲覧できます。しかも、YouTubeはアメリカのもの。日本政府や警察は取り締まることができず、規制の方法はありません」

 実際にYouTubeに投稿された海外の動画を見ると、「銃の作り方を紹介します」という英語のナレーションとともに、その作り方を順を追って丁寧に説明している。当然ながら、こうした手製の銃はアメリカでも社会問題化している。

「『ゴーストガン(幽霊銃)』と呼ばれる無登録の手製銃について、バイデン政権は規制を強化する方向です。業者が製造した正規の銃にはシリアルナンバーが入り、犯罪が起きた際に入手経路などを把握できますが、誰でも入手できる材料で作るとシリアルナンバーがなく、追跡が難しくなっています。

 今後は日本でもゴーストガン対策が必須になるでしょう。ですが、まずは火薬や弾丸の入手規制を強化すべきです」(三上さん・以下同)

※女性セブン2022年8月4日号

2022.07.24 07:00 女性セブン

YouTube、銃の製造法動画の投稿を規制できない現状 アメリカでも社会問題化



[8日 ロイター] - 米連邦最高裁は8日、バイデン政権が要請している「ゴーストガン(幽霊銃)」規制の復活を認める判断を示した。

ゴーストガンは製造番号がなく、警察の追跡が困難な手製銃を指す。

バイデン政権は昨年、このゴーストガン規制を導入したが、今年7月にテキサス州の連邦地裁がゴーストガン規制は政府による権限の過剰行使で違法だとした後、高裁などもこの見解を肯定していた。

しかし最高裁は今回、リベラル派の判事3人に加えて、保守派のエイミー・コニー・バレット判事とジョン・ロバーツ長官が規制復活を支持。復活反対は4人にとどまった。

司法省の報道官は最高裁の判断を称賛し、ゴーストガン規制は公共の安全を追求するもので、警察の事件解決に役立つとともに、社会に出回っているゴーストガンの数を減らすことになると主張した。

8日までのロイター/イプソス調査では、70%の国民がゴーストガンにも製造番号を付与し、認可を得たメーカーでのみ生産できるように規制することに賛成している。

米最高裁、「ゴーストガン」規制復活認める バイデン政権が要請

By Reuters

2023年8月9日午前 8:22 GMT+91年前更新


 米バイデン政権は4月11日、新たな銃規制を発表した。アメリカで新たな問題として浮上している「ゴーストガン」を銃刀法の規制対象と定義することで、製造・販売を規制しにいく。司法省アルコール・タバコ・火器・爆発物局(ATF)が主導する。

 ゴーストガンとは、組み立てる前の部品の状態で販売する「簡易組立キット」型の銃。30分程度で組み立てできる。2021年だけで、当局が回収したゴーストガンの疑いのある銃は約2万丁で、2016年から10倍にまで増加しているという。また、ゴーストガンは、シリアル番号の付与義務がないため、当局が入手経路を追跡することも困難。

 そのため、ゴーストガンを銃刀法の規制対象と明確に定義することで、シリアル番号の付与の義務化、商業生産者のライセンス取得の義務化を行う。また、販売前に購入者のバックグラウンドチェックも必須となる。既存の在庫にも販売前にシリアル番号付与が必要となる。3Dプリンターで製造されたゴーストガンや、個人所有のゴーストガンも対象となる。

 司法省は2022年2月、「全米ゴーストガン執行イニシアチブ」を発足。ゴーストガンを使って犯罪を犯した者を立件するため、全米の検察官幹部の育成や、捜査・起訴のガイダンスを行っている。

 さらに、記録保管ルールも強化する。従来は、ライセンスを取得した銃器販売ディーラーでも、販売から20年後の記録は破棄することが認められていたが、無期限とする。これにより、20年以上前に販売された銃の追跡が可能となり、当局の捜査がやりやすくなる。

【参照ページ】FACT SHEET: The Biden Administration Cracks Down on Ghost Guns, Ensures That ATF Has the Leadership it Needs to Enforce Our Gun Laws
【参照ページ】Deputy Attorney General Lisa Monaco Delivers Remarks on Frame and Receiver Rule at the White House Rose Garden

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公開日:2022/04/14

【アメリカ】政府、銃規制強化発表。ゴーストガンも銃と同等。シリアル番号付与やライセンス取得義務化