被告人:
「一番身近な人だったので手を出しました」
弁護人:
「被害者のお母さんに今、伝えたいことは何ですか?」
被告人:
「本当に勝手なことをして、本当にごめんなさい」
そして検察官からの質問。
検察官:
「書籍で『魂の殺人』という言葉を知ったそうですが、どういう意味だと考えていますか?」
被告人:
「一生ものの傷を背負うことです」
検察官:
「今回の逮捕をきっかけに今後はどうしますか?」
被告人:
「2度と犯罪を犯すことのないように、仕事をして被害者の家族も支援したり…」
検察側は、
・4年以上の長期に渡って100回もの極めて多数で常習的な虐待だった。
・被害者が経済的に頼っていることや立場を悪用していた。
・動画の撮影は流出などの二次被害も懸念される悪質な態様だった。
・動機は極めて自己中心的で身勝手などとして被告人に懲役12年を求刑。
対する弁護側は
・可能な限り金銭面で被害回復を行う意思がある
・自らに問題があったことを自覚し専門の治療を決意するなど更生の意欲があるなどとして寛大な判決を求めた。
2時間にも及んだ初公判。被告は「今となっては」「事件になってから」「当時は考えていなかった」と言葉を繰り返した。
逮捕されてから、性犯罪に関する書籍や再犯防止プログラムに触れるまで、自分が悪いことをしていたと思っていなかったように記者の目にはうつった。
しかし、被害にあった10代の少女は義理の父親に対し、調書でこう述べているという。
「もうされないんだなと安心できた。お父さんが帰ってきたとしても、今までされたことが蘇って気持ちがやられるから、顔も見たくないし、名前も見たくないし、話したくない」