【声明】離婚後共同親権の再検討を求める(全国保険医団体連合会女性部)ありしん@共同親権反対ですありしん@共同親権反対です2024年7月14日 20:29PDF魚拓



6月4日、全国保険医団体連合会女性部が「【声明】離婚後共同親権の再検討を求める」を発表しました。

"子どもへの適切な医療の提供が遅延し、生命の危機すら生じかねない。医療機関は父母どちらかのみの合意によって医療行為をすればもう一方の親から損害賠償を請求される危険にさらされ、訴訟などを避けるために双方の合意や署名を求める場面が増え、医療行為を控える事態を招きかねない。特に父母の関係性が良好でない場合や、意見が食い違った場合の調整は困難である。医療現場の負担増加と混乱が懸念される。"

【声明】離婚後共同親権の再検討を求める - 全国保険医団体連合会 (doc-net.or.jp)
【声明】離婚後共同親権の再検討を求める

2024年6月4日
全国保険医団体連合会女性部
部長 玉川尚美

 離婚後の共同親権を認める民法などの改定案が5月17日に成立した。これにはDVや虐待の被害者、子どもの命と健康にかかわる大きな問題点が含まれている。離婚後の共同親権については法施行をいったん中止し、再検討すべきである。

 第一の問題点は、その多くが女性であるDVや虐待の被害者らが、離婚後も加害者との関係を断つことが難しくなり、被害が継続する恐れがあることである。
 改定法では父母の協議が整わない場合に、裁判所が共同親権を命じることが可能となっている。その際はDVや虐待の有無などを考慮するとされているが、密室で行われることが多いDVや虐待は、特に精神的、経済的、性的被害の場合に立証が困難である。これらの事実が見過ごされたまま裁判所が共同親権を命じれば、離婚後も被害者が加害者との接触を強制され、心身の危険にさらされ続ける可能性がある。
 また協議離婚においては、DVや虐待の被害者が加害者に共同親権を強く要求され合意に追い込まれるケースなどが考えられる。
さらに本改定により、既に離婚した人も共同親権を求めることが可能となる。そのため、離婚によりDVや虐待の被害から逃れた被害者は、今後、加害者から共同親権の申立てが起こされることへの強い不安に苛まれることになる。
 いずれの場合も、父母の真摯な合意がないのに親権の共同行使を強いれば、結果として、子の権利や福祉が損なわれてしまう危険性は否定できない。

 第二の問題点は、子どもへの適切な医療の実施が困難になる恐れがあることである。
 改定法では、「急迫の事情がある」場合や「監護及び教育に関する日常の行為」については単独で親権を行使できるとされている。しかし、どのような行為がこれに該当するのかは不明確なままである。離婚後も子に関する決定に親権者である父母両方の同意が必要となれば、父母のどちらかが行った決定をもう一方の親がいつでもキャンセルすることが可能であり、いつまでも最終決定がなされない事態も生じ得る。
 こうした状況の下では、子どもへの適切な医療の提供が遅延し、生命の危機すら生じかねない。医療機関は父母どちらかのみの合意によって医療行為をすればもう一方の親から損害賠償を請求される危険にさらされ、訴訟などを避けるために双方の合意や署名を求める場面が増え、医療行為を控える事態を招きかねない。特に父母の関係性が良好でない場合や、意見が食い違った場合の調整は困難である。医療現場の負担増加と混乱が懸念される。

 離婚後共同親権を認めることは、社会的に弱い立場に置かれているDV被害者の声の切り捨て、子どもの権利の軽視につながる。現状のまま法施行がされれば、多くの被害や混乱が生じることは目に見えており、法施行の中止と再検討が必要である。

【声明】離婚後共同親権の再検討を求める(全国保険医団体連合会女性部)
ありしん@共同親権反対です

2024年7月14日 20:29



2024年6月4日
全国保険医団体連合会女性部
部長 玉川尚美

離婚後の共同親権を認める民法などの改定案が5月17日に成立した。これにはDVや虐待の被害者、子どもの命と健康にかかわる大きな問題点が含まれている。離婚後の共同親権については法施行をいったん中止し、再検討すべきである。
第一の問題点は、その多くが女性であるDVや虐待の被害者らが、離婚後も加害者との関係を断つことが難しくなり、被害が継続する恐れがあることである。
改定法では父母の協議が整わない場合に、裁判所が共同親権を命じることが可能となっている。その際はDVや虐待の有無などを考慮するとされているが、密室で行われることが多いDVや虐待は、特に精神的、経済的、性的被害の場合に立証が困難である。これらの事実が見過ごされたまま裁判所が共同親権を命じれば、離婚後も被害者が加害者との接触を強制され、心身の危険にさらされ続ける可能性がある。
また協議離婚においては、DVや虐待の被害者が加害者に共同親権を強く要求され合意に追い込まれるケースなどが考えられる。
さらに本改定により、既に離婚した人も共同親権を求めることが可能となる。そのため、離婚によりDVや虐待の被害から逃れた被害者は、今後、加害者から共同親権の申立てが起こされることへの強い不安に苛まれることになる。
いずれの場合も、父母の真摯な合意がないのに親権の共同行使を強いれば、結果として、子の権利や福祉が損なわれてしまう危険性は否定できない。
第二の問題点は、子どもへの適切な医療の実施が困難になる恐れがあることである。
改定法では、「急迫の事情がある」場合や「監護及び教育に関する日常の行為」については単独で親権を行使できるとされている。しかし、どのような行為がこれに該当するのかは不明確なままである。離婚後も子に関する決定に親権者である父母両方の同意が必要となれば、父母のどちらかが行った決定をもう一方の親がいつでもキャンセルすることが可能であり、いつまでも最終決定がなされない事態も生じ得る。
こうした状況の下では、子どもへの適切な医療の提供が遅延し、生命の危機すら生じかねない。医療機関は父母どちらかのみの合意によって医療行為をすればもう一方の親から損害賠償を請求される危険にさらされ、訴訟などを避けるために双方の合意や署名を求める場面が増え、医療行為を控える事態を招きかねない。特に父母の関係性が良好でない場合や、意見が食い違った場合の調整は困難である。医療現場の負担増加と混乱が懸念される。
離婚後共同親権を認めることは、社会的に弱い立場に置かれているDV被害者の声の切り捨て、子どもの権利の軽視につながる。現状のまま法施行がされれば、多くの被害や混乱が生じることは目に見えており、法施行の中止と再検討が必要である。

【声明】離婚後共同親権の再検討を求める