【4月施行「改正DV防止法」】『身体的』暴力だけでなく『精神的』暴力からも被害者守る形に改正 その背景とは?4/3(水) 21:00配信.怒鳴る=DVになる?改正DV防止法で「精神的暴力」も対象に…実効性は?「一方が奴隷化したら」「恐怖の有無」4/4(木) 17:01配信.「福神漬けが無い」ささいなきっかけで…無視、話を聞かない“サイレントモラハラ”も精神的DVに3/30(土) 20:08配信




物流業界の働き方改革やおよそ3000品目の値上げなど、様々な変化が見られた4月。 新たに施行されたのが、「改正DV防止法」=配偶者暴力防止法。 【画像】DVチェックリスト 身体的暴力だけでなく、精神的な暴力からも被害者を守る形に改正された。その背景を探る。

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ハーティ仙台・八幡悦子さん 「みんなDVというと、身体的暴力だけをイメージする人がまだまだ多いです。現実的には、精神的、経済的、性的暴力が大変という人がほとんどです。それで、自分は対象ではない、DVといわないんじゃないかと思っている人がまだまだ多い」 DV被害にあう女性らを支援するNPO団体「ハーティ仙台」の代表 八幡悦子さん。 支援を続ける中で、「身体的な暴力」よりも「精神的」・「経済的」暴力に関する相談が増えていると言う。

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宮城県警によると、毎年2000件前後のDVに関する相談が寄せられていて、傷害・暴行などの検挙は150件前後にのぼる。 DV被害の現状を知ってもらおうと、八幡さんたちが作ったのが被害者の実体験を基にした「紙芝居」。 <以下「紙芝居」の内容> 『最初の出会いは学生時代のグループ交際でした』 『親しく付き合うようになると、私の友人やアルバイト先にも口を出し、私が従わないと不機嫌になりました』

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『そして、「女性は大学を出たって、子育てや家のことができなければ価値がない」と否定され、私はどんどん自信を失って大学を中退』 『紆余曲折を経て彼と結婚しましたが、生活に必要なお金を渡されず、機嫌が悪いと物を壊したり家の外に引きずりだされることもありました。虐待は子どもにも及びました』

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ハーティ仙台・八幡悦子さん 「精神的暴力は、もう日々ひどい言葉を言われる。人間としてなっていないとかちゃんとやっているのに、家事や子育てがうまくいっていないと些細なことをずっとあげつらう。それから経済的暴力。生活費を入れないというのはわかりやすいかもしれないけど、土下座しないと渡さないとか」 「改正DV防止法」は去年5月に国会で成立し、4月1日から施行された。 法改正では、加害者との距離を取るための「接近禁止命令」について、これまで身体的暴力を対象としていたが、4月からは自由、名誉、財産に対する脅迫などの精神的・経済的暴力も対象になるほか、命令の期間を6か月から1年に拡大し、罰則も厳しくなる。
今回の法改正に対して、政府の委員として携わった仙台の小島妙子弁護士は、改正には次のような背景があったという。 小島妙子弁護士 「これまでの法というのは、身体に対する暴力っていうのが中心だった。これでは被害の現状に合わない。行為についても接近禁止命令の対象行為についても、どんな被害を受けたのかということについても、拡大していかないと被害の実態に合わない」 小島弁護士は、今回の法改正が広く知られることで、まずは被害者自身が精神的、経済的暴力を受けていると自覚すること。 そして、支援体制を整備することが重要と指摘する。 小島妙子弁護士 「被害者の方、自分がDV被害を受けているっていうことがわからない人がいっぱいいるんですね。自分が被害者だってことがわかるってことがスタートだし、そこから逃げ出せるために様々な支援が必要です」

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自治体や民間組織など様々な形で支援の受け皿が準備され始めているなか、支援に携わる八幡さんは被害に悩んでいる人に対して、1人で抱え込まず一歩を踏み出すことを呼びかけている。 ハーティ仙台・八幡悦子さん 「簡単ではないけれど、必ず相談してそこから方法を見つけていくことはできる。1つの窓口に行ってダメであきらめないで、いろんなタイプ、公的な相談、民間、ほかに特別な公的機関、いろんな相談につながって、ここに話したらわかると思ったら何度も行くことです」

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DV被害について悩む方の相談窓口は、県や仙台市が電話相談を受け付けているほか、「ハーティ仙台」では電話以外にもメールなどの相談も受け付けている。 暴力など危険を感じる場合は、各警察署の生活安全課で相談を受け付けている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/22438489a4efe0271139475edd24f722ca472735【4月施行「改正DV防止法」】『身体的』暴力だけでなく『精神的』暴力からも被害者守る形に改正 その背景とは?

4/3(水) 21:00配信




改正配偶者暴力防止法、いわゆる「改正DV防止法」が施行され、「大声で怒鳴られる」「無視される」など、言葉や態度の“精神的DV”が追加された。法律は2001年に成立し、加害者の接近を禁じる「保護命令」が出せるようになったが、これまでは原則として“身体的暴力”のみが対象だった。 【映像】配偶者からのDV被害経験のある人の割合

 しかし相談の6割以上を占めるのは、精神的DVだ。今回の改正では「自由、名誉、財産に対する脅迫」も保護命令に盛り込まれたが、改正後も「DVの線引き」については疑問の声が上がっている。『ABEMA Prime』では専門家と当事者とともに、アウト・セーフの境界線を議論した。

■「改正DV防止法」どこが変わった?境界線は?

改正DV防止法「精神的DV」が対象に

 そもそもDVの定義とは何か。DVの被害者・加害者双方を支援するNPO法人「ステップ」の栗原加代美理事長は、「身体的暴力と考えがちだが、本来は行為ではなく関係性だ」と説明する。「主従関係になり、一方が奴隷化していくことであり、身体的・精神的暴力は、支配のための行為でしかない」。DVの線引きとして「恐怖の有無」を示し、「更生プログラムでも、ほとんどは精神的で、身体的は5割。精神的の方が傷は深く、“魂の殺人”と言われるので、今回対象となったことは大拍手。被害者にとっては保護命令を申請できる大ニュースだ」と指摘した。  精神的DVは、喧嘩した際に大声で怒鳴ることも含まれるのか。これに栗原氏は「怒鳴らなくても、相手の言動を全て否定していくこと。日常化した支配関係を指し、1つの行為ではDVに該当しない。自分の思い通りするために、相手を変えようとする行為から生まれる」と解説した。

栗原加代氏

 また、加害者は「8割ぐらいは更生できる」と話す。栗原氏らが行うプログラムを通して、「歪んだ考え方を治せば良く、そこを治すのは難しくない。ただ、どこを治したらいいかが分からないだけ」と語る。  一方で、NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星氏は、民間の更生プログラムが少なく、刑務所に任されている現状があると語る。「日本では加害者になった後でないと、医療機関や民間団体の治療プログラムに繋がらない。DVに限らず、性犯罪の再犯率も高いが、捕まる前に治療やプログラムにアクセスできる仕組みが足りていない」と主張した。  この意見に栗原氏も同意し、「アメリカでは被害者の電話1本で、すぐ逮捕となり、更生プログラムへ強制的に行かされる。日本にはそうした法律がないが、入れていただきたい」と提言する。
当事者が語るDV被害の実態

木村さんが受けた精神的DV 具体例

 では、DV被害の実態はどうか。かつて7年近くにわたり元夫からDV被害を受けていた木村さんは、「精神的DVから始まった」と振り返る。「結婚から少しして、まず家事から『なんだこの食事は』などと大声を出された。30分くらい窓が開いていても怒鳴り続ける。親や友人の悪口を言って、会わせてくれず、1日20回ぐらい電話やLINEで『いまどこで何をしているのか』の報告もさせられた」。被害を受けている自覚はあったという。「相手は年上で、『私が良くなるように』との忠告だと、最初は素直に受けていた。しかし身体的な暴力が増え、平手でたたかれたり、首を絞められたり、包丁を突きつけられたりされたため、『死んでしまう』と思い警察に相談した」と明かした。  被害者の中には、抑圧されていても「普段は優しいから」と感じる人もいる。木村さんのケースも同様で、「ひどい時は約2時間正座で説教されるが、翌日には『もう二度としない。おいしいもの食べに行こう』と平謝りして、優しくなるときもある。そうなると、『私が頑張れば家庭が保てるのでは』と感じてしまった」と話した。  栗原氏は「加害者は我慢している“イライラ期”から、“我慢爆発期”を経て、悪いなと思う“ハネムーン期”」までの循環を繰り返していると指摘する。「ハネムーン期があるから、『解決できる問題だ』と、ますます相手に仕える姿勢を取っていき、関係性がひどくなる。警察に訴えずに、20年、30年も別れないで、一緒にいる人が増えている」と説明した。

■法改正でも残る課題

 法律が改正されても、対応する警察側に課題はないのか。栗原氏は「警察を呼んでも、ただ注意して警告して、『次やったら逮捕だ』と、それだけ。警察は治療法を言わないから、ほとんど治らないと思う」と指摘。  DV被害を受けていても、本人自身が気づいていないこともある。「友達と話しても『うちもそうよ』となる。どこの家庭も何らかの問題があって、『そんなのケンカじゃない』と片付けられてしまう。そうすると、なかなか被害者であると気づけない」。  そして被害を認識しても、「被害届を出す被害者は、ほとんどいない」のが現状だ。「夫や父親を犯罪者にしたくない。もし保護命令できたとしても、申請する被害者は少ない可能性がある」と警鐘を鳴らした。 (『ABEMA Prime』より)

https://news.yahoo.co.jp/articles/09be20b64baf0c2b69e9e181a46c5591908b7892怒鳴る=DVになる?改正DV防止法で「精神的暴力」も対象に…実効性は?「一方が奴隷化したら」「恐怖の有無」

4/4(木) 17:01配信




4月から施行される「改正DV防止法」では精神的な暴力も保護命令の要件となる。加害者の更生プログラムを行うNPO法人に精神的DVの実態を聞いた。 【映像】「カレーに福神漬けが付いていない!」と怒る夫の心理とは?  警察庁によると、配偶者など、パートナーからの暴力=DVの去年の相談件数は8万8619件。20年連続で最多を更新した。  そんな中、4月から施行される改正DV防止法。身体的な暴力だけでなく、言葉や態度による精神的な暴力でも、裁判所が被害者に近づくことなどを禁止する「保護命令」を出せるようになる。

NPO法人「ステップ」の栗原加代美理事長

 精神的なDVとはどのようなものなのか? DV加害者の更生プログラムを実施するNPO法人「ステップ」の栗原加代美理事長は「『お前のやっていることは普通じゃない』と穏やかに否定していく。あるいは、相手の話を聞かなかったり、無視したり、睨みつけたり、不機嫌になるといった“サイレントモラハラ”も精神的暴力だ。相談者のみなさんは口をそろえて『ささいなこと』と言う。例えばカレーライスに福神漬けを付けなかっただけで夫が『俺が大切にしている福神漬けを忘れるということは、俺は愛されてないんだ』と深読みして怒るようなことがある」と話す。  自分のことを理解してくれない相手を否定することから始まる精神的DV。「相手との関係を修復したい」とステップを訪れる相談者の多くは、加害者であるという自覚がなく、最初に「自分は被害者だ」と訴えるという。  また、以前は男性が加害者となるケースが多かったDVだが、時代の変化によって、女性の加害者も増えているという。  「以前のDVは一方的で日常的な支配関係が主だったが、最近は女性も言い返すことで互いに怒鳴り合い、最後は叩き合うといった“喧嘩状態”になっている家庭が多いようだ。妻たちは身体的には夫に勝てないと思うと言葉で相手を批判するケースが多く、中には夫に小遣いをあげなかったり、『1日1000円で生活をしろ』と言ってお金を渡さないようなケースもある」
内閣府の窓口に2022年前半に寄せられたDV相談のおよそ6割は精神的DVを含んだ内容だった。「精神的なDVは最終的に身体的暴力につながる」と指摘する栗原理事長は、今回の法改正についてこう評価する。  「加害者が『精神的なものもDVなんだ』と気づくきっかけになる。身体的暴力や物を壊すといった行為だけがDVだと認識している人が理解できれば、被害を受けてうつ病になる人や PTSDを発症する人が少なくなるのでは」

精神科医の木村好珠氏

 4月から施行される改正DV防止法で保護命令が出される範囲となるものについて、内閣府は、相手の自由や名誉、財産などに対する脅迫を例に挙げている。配偶者やパートナーが外出しようとすると怒鳴ったり、仕事を辞めさせると脅したり、キャッシュカードや通帳を取り上げると告げたりするような行為も該当する。

改正DV防止法で接近新規命令等の対象となる脅迫の例

 改正DV防止法と「脅迫」について、精神科医の木村好珠氏は「診察していると、自分がDVをしていると認識している加害者は少なく、なぜ自分のことをわかってくれないのかと思っていることが多い。身体的暴力と違って言葉の暴力などは基準が難しく、けんかした後に無視してしまったりする時にどこからがDVなのかという基準も人によって異なっているため難しい。そのため加害者本人が気づいておらず、むしろ被害者であると認識していることが非常に多い」と、精神的DVを認識することの難しさを指摘する。  とはいえ、精神的DVで受ける心の傷は大きい。  木村氏は「精神的DVの被害者も多く来院するが、被害者は精神的にかなり疲弊しており、また脅迫もされているため『自分が悪いんじゃないか』と考える傾向にある。さらに、脅迫の中には『家にいるように』『そんなに遊びに行ってどうする』など、周囲との関係を断つように仕向けるものもある。そうやって対人関係にも影響を及ぼす場合、被害者はどんどん孤独になる。孤独の辛さ、脅迫の辛さ、DVの辛さがあると『相手とコミュニケーションをとって状況を変えよう』という気力はなくなってしまう。状況を打開するような行動を起こせない人が非常に多い」と実情を語った。  さらに、どこからがDVなのか? という判断が難しい場合について、「暴力であれば殴られたらDVと分かるが精神的DVについては被害者側も『自分が悪いのか、それともDVなのか』と分かりにくいことがある。DVの相談内容のうち、精神的DVに該当するものは64.8%とのことだが、これ以上に、いわば「隠れ精神的DV」もいると思う。さらに、精神的DVが身体的なDVと複合してしまうことも少なくない」として、外部に相談することの必要性を指摘した。  木村氏は「『これがDVなのか分からない』と思った場合には周囲に相談してほしい。話せる人がいなければ、相談窓口などでSOSを出してほしい。心が消耗している状態では、集中力・判断力が低下してしまうため、まずは外部に『判断を仰ぐ』ことが大切だ」と述べた。 ◆DVの電話相談(24時間受付) DV相談+ 0120-279-889 DV相談ナビ #8008 (『ABEMAヒルズ』より)

https://news.yahoo.co.jp/articles/829824550eb86fe07b8c2105956935e631bc7794「福神漬けが無い」ささいなきっかけで…無視、話を聞かない“サイレントモラハラ”も精神的DVに

3/30(土) 20:08配信