「中学生の息子が妊娠させてしまった」未成年の子の妊娠騒動に慌てる親たち 法的にはどうなる?2023年08月19日 09時12分護士ドットコム.日本の中絶手術は国際基準に遅れ 28日は「国際セーフ・アボーションデー」 中絶問題を研究する金沢大非常勤講師に聞く2022/09/28 12:00. 女性の中絶決定権尊重共産党 刑法など改正案提出PDF魚拓





28日は安全な人工妊娠中絶を選ぶ権利を保障することを求め、世界中の女性たちが統一行動を起こす「国際セーフ・アボーション(安全な中絶)デー」。正しい情報や知識を得た上で安全な中絶を行うことは、女性の権利として国際的に位置づけられる。しかし、日本ではリスクの高い中絶手術方法が主流で、安全性の高い経口中絶薬も認められていないなど、その権利は保障されているとは言い難い。安全な中絶や避妊のための制度が整う諸外国から取り残されているのが現状だ。何が問題で、どう変えていくべきなのか。中絶問題を研究する金沢大非常勤講師の塚原久美さんに聞いた。

 ―日本では刑法の堕胎罪が今も存在する

 現行の堕胎罪は1907年につくられ、旧刑法時代も含めて日本では140年以上も維持されています。家父長制度下の当時は、女性と女性がはらむ子どもは家長のものとされ、女性の権利などみじんもなかった時代。中でも「妊娠中の女子が薬物を用い、またはその他の方法により堕胎したときは1年以下の懲役に処する」と女性のみを罰する212条は明らかな女性差別です。近年堕胎罪で起訴されたケースはなく、海外では(教義で中絶を容認していない)カトリックの国でも次々と廃止しています。日本でも見直す必要があります。

 ―既婚女性が中絶する場合、配偶者の同意が必要だ

 母体保護法で規定する「配偶者」は法律婚と事実婚を想定していますが、トラブルを恐れてか未婚でもパートナーの同意を求める医療機関もあります。相手の同意が得られず、望まぬ出産に追い込まれるケースも相次いでいます。性暴力による妊娠の場合さえ、加害男性の同意を求めることもあります。医師側にしても要件を満たさない中絶で訴訟を起こされたり業務上堕胎罪に問われたりする可能性があり、法改正を望む声が上がっています。

 ―中絶手術はどのように行われているのか

 1948年に医師の認定による中絶が一部合法化されて以降、日本では妊娠初期における「掻爬(そうは)法」が主流となっています。全身麻酔下で鉗子(かんし)と呼ばれるはさみ状の道具で内容物をつまみ出してから残りをかき出す方法で、心身の負担が大きく合併症のリスクもあります。ある程度大きくないとつまみ出せないため中絶時期を遅らせる医療機関もあり、その場合、女性の精神的な負担は増します。世界保健機関(WHO)は掻爬法を「安全性に劣る方法」と位置付け、他の推奨する方法に切り替えるよう指導しています。

 ―海外はどのような状況なのか

 プラスチック製の管を装着して内容物を吸い出す「吸引法」による外科的措置と経口中絶薬が大半で、いずれもWHOが安全な方法として推奨しています。中絶薬は80以上の国・地域で使われ、専門的な診断やケアを必要としないWHOの「必須医薬品コアリスト」に掲載されています。正しい情報を得て非常時に医療にアクセスできる環境下であれば、妊娠初期の女性が自宅で服用して安全に中絶できる薬だと認定されているのです。世界の潮流は、できる限り中絶薬に対するアクセスを良くしていこうという方向へ向かっています。

 ―経口中絶薬は現在、日本でも承認申請されている

 英ラインファーマ社が2021年12月に厚生労働省に製造販売の承認を申請し、22年中にも承認されるといわれています。ただ、中絶は保険診療の対象ではないため、医師が自由に価格を設定できます。WHOの文書によると、経口中絶薬の平均卸価格は700円台です。ところが、日本で合法的に中絶を行う「母胎保護法指定医師」が主体の日本産婦人科医会は価格について「従来の手術と同等にする」と表明し、前会長は「手術と同等の10万円程度にするのが望ましい」とコメントしていました。

 ―中絶手術や避妊の費用も諸外国に比べて高額だ

 日本において中絶や避妊は美容整形などと同様に「傷病治療ではない」として、保険診療が利かない自由診療となっています。先進国の多くは保険診療で、日本と同様に自己負担のオーストリアでも中絶手術は4万円程度。日本の中絶料金はずば抜けて高額です。経口避妊薬(ピル)や緊急避妊薬(アフターピル)も高く、誰でも手にできる状態ではありません。産婦人科医師だけが優遇されており、他の診療科の医師も高額な医療費を支払わされる女性たちも、声を上げていくべきでしょう。

 ―中絶に対し、女性はスティグマ(負の烙印(らくいん))を感じがちだ

 日本では中絶がタブー視され、罪悪感を持つ女性は多いです。学校での「いのちの教育」で、中絶の道具から逃げ回る胎児の「フェイクビデオ」を見せられたという話も聞きます。「中絶は悪いもの」と感じさせることを目的にアメリカで作られたものです。性教育がバッシングを受ける中、意図せず「アンチ中絶」の教育を受けてしまった女性が中絶に忌避感を抱き、予期せぬ妊娠をした時に苦しんでいるのではないかと思います。国連は議論を重ね、人権は生まれた後の人間の権利であると結論付けています。まだ人権もない胎児のために、女性の人権が侵害されるのは間違いだと考えられているのです。

 ―望まない妊娠を避けるために重要な避妊は、どのような状況か

 日本は避妊についても、例外的な国です。比較的失敗率が高い男性用コンドームに頼り、ピルを使う女性は少ないです。子宮内避妊具などの近代的避妊法の使用率も低調。自由診療の日本では、緊急用のアフターピルも含めピルは高額ですが、海外では避妊にも健康保険が利くことが多いです。英国など女性の負担が基本的にゼロの国もあるし、フランスでは緊急避妊薬が無料で提供されることになりました。一方、国内の中絶は年間十数万件で、特に20代前半の中絶率が高いです。日本は避妊にアクセスしにくく、予定外の妊娠をしやすい国なのです。

 ―中絶や避妊を巡る国内の状況を、どのように改善していくべきか

 100年前の女性たちは10代で結婚して子どもをたくさん産んでいたため、生涯で生理は50回程度しかなかったそうです。現代は9倍に当たる450回程度といわれています。女性の人生は劇的に変化し、「子を産む」ことに重点が置かれていた状況も変わってきています。今や女性たちが生殖をコントロールして生きるのは、当たり前の権利なのです。例えば目の悪い人がめがねを使うように、安全な中絶や避妊は女性にとって必需品です。現代を生きる女性が性や生殖にまつわる健康と権利を獲得できるよう、現状に合わせて中絶や避妊の有りようも変わっていくべきです。

 つかはら・くみ 中絶問題研究家、中絶ケアカウンセラー、金沢大非常勤講師。翻訳・執筆業を経て09年、金沢大大学院社会環境科学研究科博士課程修了。「中絶技術とリプロダクティブ・ライツ」「中絶のスティグマをへらす本」「日本の中絶」などの著書がある。

https://www.topics.or.jp/articles/-/774700
日本の中絶手術は国際基準に遅れ 28日は「国際セーフ・アボーションデー」 中絶問題を研究する金沢大非常勤講師に聞く

2022/09/28 12:00





女性の中絶決定権尊重

共産党 刑法など改正案提出






(写真)刑法、母体保護法改正案を小林史武参院事務総長(左)に提出する(右へ)山添、吉良、倉林の各議員=14日、国会内

 日本共産党は14日、刑法の自己堕胎罪と、人工妊娠中絶の手術を受ける際の配偶者同意要件を廃止する「刑法及び母体保護法の一部を改正する法律案」を参院に提出しました。山添拓、倉林明子(党ジェンダー平等委員会責任者)、吉良よし子各参院議員が小林史武事務総長に手渡しました。

 女性が子どもを産む・産まない、いつ何人産むかを自分で決めるリプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)は基本的人権ですが、日本は著しく遅れています。自己堕胎罪は「子どもは家長のもの」とされ、結婚した女性は家の後継ぎを産むことが義務とされた明治時代の名残で、個人の尊重が大原則の日本国憲法とは相いれません。4月に国内初の飲む中絶薬が薬事承認され、女性の心身への負担が大きい掻爬(そうは)法とは異なる中絶方法が一般化しつつあります。法案は、女性の自己決定権の尊重と中絶の非犯罪化の国際的な流れに応えるものです。

 法案は(1)女性が自分で人工妊娠中絶することを罪に問う自己堕胎罪を廃止し(2)母体保護法で中絶に配偶者やパートナーの同意を必要とする要件を廃止するほか、人工妊娠中絶手術を受けられる対象を身体的・経済的理由で母体の健康を著しく害する恐れがある者や暴行や脅迫により妊娠した者に限定している要件を廃止します。

 検討事項には、中絶を認める指定医制度の見直し、高過ぎる中絶費用への保険適用などを盛り込んでいます。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2023-06-15/2023061501_04_0.html
女性の中絶決定権尊重

共産党 刑法など改正案提出