脱病理モデルの性別不合と病理モデルの性同一性障害は違うよ。脱病理モデルの性別不合当事者の会様が病理モデルで特例法の手術要件を必要とするGIDMTFを一方的に除外診断に入れようと主張することに抗議します。

脱病理モデルの性別不合と病理モデルの性同一性障害は違うよ。脱病理モデルの性別不合当事者の会様が病理モデルで特例法の手術要件を必要とするGIDMTFを一方的に除外診断に入れようと主張することに抗議します。
私は特例法で手術要件のあるGIDMTFかつMTFSRS手術済みGIDMTFである性同一性障害者枠の身体女性として生きたいだけ。
私はGIDMTFに特例法に基づく手術要件が維持されるように病理モデルで性同一性障害との診断名とのDSM4を選択します。
DSM4ICD10だと病理モデルで性同一性障害ですが、男女二元論のまま。
これではMTFSRS手術済みでも戸籍を女にしないでとの生得的生物学的女性のMTFSRS手術済みGIDMTFを女性として受け入れられないに対処できない。
一方でDSM5ICD11の性別不合モデルだと第三の性は認められるが、
脱病理化で私のようなGIDMTFの特例法の手術要件維持しつつ第三の性の戸籍を求めることができるか疑問である。
よって私はSexbasedRightsとしてGIDMTFとして特例法の手術要件のあるDSM4の性同一性障害との診断基準を選びつつICD11の男女二元論の克服性の多様性をセットで選ぶことでMTFSRS手術済みGIDMTF専用戸籍として戸籍の性別秀吉を取得しMTFSRS手術済みGIDMTF専用スペースである木下秀吉専用スペースが作られる世の中になってほしいと考えました。
私は特例法で手術要件を必要とする身体の性別違和でMTFSRS手術したGIDMTFだから、性同一性障害者のMTFと名乗ってます。
手術要件を不要とする脱病理化の性別不合者とは違うんです。性別不合者の会の方はTGの特例法作られた方が良いかと思います。
私は小学校ぐらいの時物心ついた時から、男性器に嫌悪感感じて早くとりたいっておもってた身体の性別違和のMTFですよ。だから同じように身体の性別違和で苦しんでるGIDMTFの為に、特例法の手術要件を維持する必要性があるのです。よってDSM4で特例法の手術要件を必要とする病理モデルの性同一性障害との診断とICD11による男女二元論の克服性の多様性を生かしMTFSRS手術済みGIDMTF専用戸籍である戸籍の性別秀吉を取得したいです。






近年、「性同一性障害は疾患ではなく、多様な性や多様な身体のあり方の一つにすぎない」
という言説が広まっています。

この言説は、本来トランスジェンダーの人達が主張していたものですが、最近になり当事者ではない一般女性の間でも広がってきています。

当会では、このような風潮には大きな問題があると考え、懸念を表明しています。それには、まず「性同一性障害が疾患でなくなると、どうなるのか」という話をしなくてはなりません。

性同一性障害とは、「性同一性と身体が反転しており、一致させたいと強く望む」疾患のことです。

もしこの状態が疾患でないとしたらどうなるかというと、
「性同一性と身体が反転していても、それを一致させることを強く望んでいたとしても、それは単なる一個人の個性にすぎず、それに対する医療行為も単なる美容整形であり、法や保険制度の介入はできない」
ということになります。

この時点で医療制度が後退する恐れがあり、当事者にとってメリットはありませんし、社会としても、単なる美容整形の有無によって人の権利に差を作ったりすることはできません。それはルッキズムによる差別になってしまいます。
まして、それを性別変更という重大なことを行う基準にすることはできるはずがありません。

性別変更の基準に身体的な要件を設けることができなくなる以上、何で判断するかというと身体以外の要素、つまり「ジェンダー」で判断することになります。

所謂「手術要件の撤廃」です。
実際に手術要件が撤廃された国ではどのように当事者の性別変更を認めているかというと、「一定期間、望みの性での生活実績を積み、それを根拠として裁判で審判する」などという方法が取られています。

しかし「望みの性での生活実績」とは具体的にどういうことなのでしょうか?何をどうすれば望みの性で生活実績を積んだことになるのでしょうか?基準が曖昧です。

そこで「曖昧な基準で人の性別を決定するのはよくない」という意見が出ることになるでしょう。
それはやがて、「基準を全撤廃して、本人の自己申告のみで法的な性別を変更できるようにしよう」という所謂「セルフID」に行き着きます。

つまり「性同一性障害は疾患でない!」という言説は、必然的にセルフIDへ直結する道となります。

人の性別という人間の本質といえるものを扱い、ましてそれを変更するというとてつもなく重大な決定に関わる以上、性同一性障害は疾患でないといけないのです。

「ジェンダーとセックスは違う!」と主張しながら、同時に性同一性障害の脱病理化を主張するようなダブルスタンダードな主張が女性の間でしばしば見受けられますが、女性の皆様にはその主張が行き着く先の矛盾について、是非とも一度立ち止まって考えていただきたいと思います。

https://note.com/gid2022gid/n/n014e9146f902
性同一性障害はなぜ疾患なのか

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GIDの権利と女性の安全を守る会

2022年10月10日 17:57




先日、「トランスジェンダー国会」と称してトランスジェンダーの活動家が参議員会館に集まり、各党の国会議員らに対して大々的に手術要件の撤廃を訴えたことが話題となっています。

もっとも、このような主張は今に始まった話ではありませんが、彼らが特例法制定前からの20年以上に渡って繰り返していた主張が、国会の場で政治問題として取り上げられるまでになったということは、地道な活動の成果といえるでしょう。

しかし、同時にその主張の内容が、いかに詭弁に満ちたものであり、世論や国会議員も騙し続けるほど巧妙であるのかを、私達は知る必要があるのです。

彼らはあくまでも、現行の特例法を残したまま、手術要件を撤廃することを訴えているように見えます。彼ら自身も性同一性障害と診断されており、その法で救済される対象であるかのように、主張しています。(そもそも、それ以前にトランスジェンダーと性同一性障害が同じものであるかのように、宣伝しています)

しかし、彼らには現行の特例法を残す気はないのです。世論の賛同を得るために、あくまで現行制度を改訂するだけであるかのように見せかけていますが、本音はそうではありません。

まず、性同一性障害特例法は、文字通り「性同一性障害」と診断された人を救済する法律です。

そして性同一性障害特例法による、「性同一性障害者」の定義は以下になります。


「生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう。」

この中で太字で強調した部分が、 重要になってきますが、手術を望まない人は「身体的に他の性別に適合させようとする意思を有する」とはみなされないと考えられるため、この法律の適用外となります。

つまり、手術要件を撤廃するということは、法律はその時点で「性同一性障害者」を対象とするものではなくなり、性同一性障害特例法ではなくなるということです。

即ち、事実上の「特例法の廃止」を意味します。

実際にトランスジェンダーの活動家は、「診断を求めることすら人権侵害である」などの極端な主張もしており、性同一性障害を脱病理化し、それを単なる「性の多様性の一つ」「個人の特性」に変えようとしています。

こうなると、もはや性同一性障害はその定義を失い、特例法はその名称ごと跡形もなく消え去ることになります。

彼らの主張の本丸は、「特例法の廃止」です。
彼らの目的は特例法を廃止しないと達成されないのに関わらず、その目的を隠し、特例法を利用しているのです。

手術要件の維持を訴えることは、すなわち特例法そのものの維持を訴えることであり、GID当事者の人権、そして特に生得的女性の人権を守る最後の砦として、絶対に崩してはならない最後の「一線」となります。

私達は、手術要件の撤廃に断固反対し「手術要件の維持=性同一性障害特例法の維持」の一点で、市井の女性達と力を合わせて戦っていく決意です。

https://note.com/gid2022gid/n/n119b756244d0
手術要件の撤廃とは、特例法廃止のことである~「トランスジェンダー国会」を受けて~

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GIDの権利と女性の安全を守る会

2022年10月14日 21:55

高校の時の男子の制服が嫌だったのと20代ぐらいのときにスーツ選び親が一方的に同行して選択でメンズスーツ強制.ネクタイのメンズスーツ着させられた時は嫌だったね.ネクタイは勝手に外しました。
うちはズボンならレディースのスボン選びたいしズボンかスカートならスカート派です。うちはインナーにブラもキャミも着ますよ。女性として生きたいからね。



「性同一性障害」とは、医学的な疾患名である。英語ではgender identity disorderと言い、性同一性障害とはその訳語である。性同一性障害には、かつては「性転換症(transsexualism)」という言葉が用いられてきたが、1980年より「性同一性障害」という言葉が用いられるようになった。この性同一性障害という疾患を診断するための国際的な基準には、現在WHO(世界保健機関)が定めたICD-10によるものと、米国精神医学会の定めたDSM-Ⅳ-TRによるものがある。性同一性障害には、「小児の性同一性障害」と「青年または成人の性同一性障害」があるが、ここでは「青年または成人の性同一性障害」について説明する。

 まず診断基準Aとして、「反対の性に対する強く持続的な同一感」がある。具体的には、反対の性と同じような考え方や感じ方や行動パターンをする。手術やホルモン療法で反対の性の体になりたい、反対の性で社会的に暮らしたいなどの強い気持ちを持つ。

 次に診断基準Bとして、「自分の性に対する持続的な不快感、またはその性の役割についての不適切感」がある。具体的には、MTF(男性から女性へ)の場合、ペニスや睾丸がいやだ、声が低いのがいやだ、ひげが生えているのがいやだ、がっちりした体つきがいやだ、スーツ・ネクタイ姿がいやだ、などがあり、FTM(男性から女性へ)の場合、乳房のふくらみがいやだ、お尻が大きいのがいやだ、月経がいやだ、スカートがいやだ、などがある。

 さらに診断基準Cとして、「その障害は、身体的に半陰陽を伴ってはいない」がある。半陰陽とは、性染色体(XX、XYなど)、性腺(精巣、卵巣)、内性器、外性器などの身体的な性別が、非典型的な状態を指す言葉である。つまり、性同一性障害においては、身体的性別特徴には、明白な形では非典型的なものはないということだ。

 最後に、診断基準Dとして「その障害は、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている」がある。この診断基準は、DSM-Ⅳ-TRにおける他の精神疾患でも多く見られるものであり、疾患とすべきか否かの議論の分かれるような概念に対して、この基準を入れることで、疾患としての閾値を示すという考えだ。

 以上の4つの診断基準を満たすと、性同一性障害と診断される。

 なお、性同一性障害者特例法では、性同一性障害者を「生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」と言う)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する2人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致している者をいう」と定義しているが、これはあくまで性同一性障害者特例法における法律上の文言定義である。すなわち、この法律上の概念である「性同一性障害」と医学上の概念である「性同一性障害」は必ずしも完全には一致するものではない。

 日本で治療が取り組まれはじめた1990年代後半から2006年までにかけて、国内の主要医療機関で性同一性障害と診断された人は約5000人であり、その男女数はほぼ半々である。性同一性障害の可能性があっても、医療機関を受診していなく、診断されていない人、あるいは医療機関にかかることなく、個人輸入などでホルモン治療などの治療を行っている人も相当数いると思われるが、その実数は把握が困難である。



ジェンダー・アイデンティティ



「ジェンダー・アイデンティティ」とはgender identityのカタカナ表記である。日本語訳としては、従来は「性同一性」が用いられてきたが、カタカナ表記のジェンダー・アイデンティティのほうが理解されやすいとの考えで、最近ではそのままカタカナ表記することが多い。ほかの言い方では「性自認」「性の自己意識」「自己の性意識」「性の自己認知」などとほぼ同じ意味であり、より簡単に「心の性」という場合もある。アメリカの性科学者のジョン・マネーは以下のように定義している。「一人の人間が男性、女性、もしくは両性として持っている個性の、統一性、一貫性、持続性をいう」。

 典型的な男性や女性では、ジェンダー・アイデンティティは身体的な性別と一致する。つまり、体が男性の場合、心も男性、すなわち自分自身を男性と認識する。しかし、性同一性障害やトランスジェンダーでは、ジェンダー・アイデンティティは身体的性別とは必ずしも一致しない。つまり、たとえば体が男性であっても、心の性は女性である、といったアイデンティティをもつ。

 このジェンダー・アイデンティティは、生物学的要因に加えて、その後の養育環境や生活環境などが複合的に組み合わさって形成されていくと推測されている。

 なお、gender identityの従来の訳語である「性同一性」を、「「生物学的性」と「心理・社会的性」が一致するとき「性同一性(gender identity)」がある」という具合に間違った記述をしているものもある。これは、おそらくは性同一性の「同一」を「生物学的性と心理・社会的性とが同一」との意味に誤解し、生じていると思われる。しかし、identityの同一性とはこのような意味ではなく、自己の単一性、不変性、連続性という意味において同一なのであり、上記の記述は誤りである。



トランスジェンダー



 「トランスジェンダー」とは、transgenderをカタカナ表記したものである。出生時に割り当てられた性別(つまりは身体的性別)から規定される。伝統的な男性役割や女性役割、あるいはジェンダー・アイデンティティの枠から外れた人たちを包括する用語である。具体的には、異性装者、性同一性障害の人などを含む。そのジェンダー・アイデンティティのありようは、性同一性障害のように、身体的性別と反対の性別であることもあるし、あるいは「時には男性、時には女性」「男性でも女性でもなく」「男性と女性の中間」などさまざまである。

 この言葉はもともとは、アメリカの異性装者のコミュニティの指導者であったヴァージニア・プリンスによって、1970年代頃より、「身体的性別とは一致しないジェンダー・アイデンティティではあるが、性別適合手術までは臨まないもの」という意味で用いられはじめた。しかし、その後はより包括的で広範な意味に用いられるようになり、性別適合手術を望む人も含む意味に用いられるようになっている。

 またこの言葉は、「性同一性障害」「性転換症」などといった医学者によって命名された医学用語とは違い、医学疾患的な意味合いはない。そのため「自分たちは精神疾患ではない」「自分たちは障害者ではない」と考える当事者にとっても、用いやすい言葉であり、欧米では広く用いられている。それは、「同性愛(homo-sexual)」といった医学用語から「ゲイ・レズビアン」という非医学用語が好んで使用されるようになった流れと同様である。

 しかしながら、日本では医学用語の「性同一性障害」のほうが、人権擁護の訴えや、医学的治療の正当化に適しているという事情もあり、非医学的用語のトランスジェンダーは、必ずしも当事者が用いることは多くないことが現状のようである。



上川あや「変えてゆく勇気 −『性同一性障害』の私から」(2007年、岩波新書)より「もっと詳しく知りたい人のために」(監修・針間克己)

https://opentolove.exblog.jp/5835638/
性同一性障害/ジェンダー・アイデンティティ/トランスジェンダー

2007年 07月 06日






第 4 性同一性障害の診断と治療のガイドラインの策定
上記東京地裁判決も同高裁判決も、その判断内容は妥当なものであり、当時
の被告人の手術に対して違法であるとした判断は正当なものであったと思われ
る。前記東京地裁判決では、性転換手術を適法な医療行為として違法性阻却事
由が認められるための要件を示していたものの、性転換手術を実施した医師が
有罪とされたという事実だけが独り歩きをした結果、その後、そのような手術
16)この判断を妥当とする見解として、高島学司「性転換手術と優生保護法 28 条」医事判
例百選 202 頁、金澤文雄「新判例評釈」判例タイムズ 280 号 89 頁等。

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論説(城・小林)
を実施しようとする医師はいなくなり、我が国では、約 30 数年間にわたって
性別適合手術が実施されないという時代を迎えることとなった。
そのような中で、平成 7 年 5 月 22 日、埼玉医科大学倫理委員会に「性転換
治療の臨床的研究」という申請がなされた。これは、同大学の形成外科の教授
らによるもので、性同一性障害者が性転換を希望してもそれが叶わないという
我が国の現実に疑問を持ったことによるものであった。そして、同大学倫理委
員会の答申では、精神療法、ホルモン療法を経た上で、性別適合手術が選択さ
れるべき場合もあるとの認識の下で、関連する学会や専門家集団による診断基
準の明確化と治療に関するガイドラインを策定することなどを答申した 17)。
そこで、このような答申の結果を受けて、日本精神神経学会は、上記ガイド
ラインの策定に乗り出すこととし、同学会の性同一性障害に関する特別委員会
は、米国でのガイドラインなどを参考にした上、多くの意見を集約して、平成
9 年 5 月 28 日付けの「性同一性障害に関する答申と提言」の中で「性同一性
障害の診断と治療のガイドライン」(初版ガイドライン、以下「治療等ガイドライ
ン」という。)を公表した 18)。この治療等ガイドラインにおいて、性同一性障
害は医療の対象とされ、性別適合手術は、性同一性障害の治療として正当な医
療行為であると位置づけられたのである 19)。
そして、これを受けて、平成 10 年 10 月 16 日、埼玉医科大学において、我
が国で初めて公に性同一性障害の治療として性別適合手術が実施された。これ
以後、治療等ガイドラインに基づいて性別適合手術が実施されるようになった。

17)田中雄喜「『性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン』の作成と改訂に関する
分析」(2015 年度科学技術インタープリター養成プログラム修了論文)。
18)2018 年(平成 30 年)1 月 18 日付け「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン
(第 4 版改)6 頁。
19)このガイドラインの策定においては、性別適合手術ありきが先行し、それを正当化する
ために策定され、その後、性別特例法につながっていくという批判的な見方をする見解も
ある(前出石嶋1 82 ~ 83 頁)。

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性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における生殖不能要件及び外観具備要件の合憲性に関し心理学的側面からの検討を含めた考察
第 5 ガイドライン一般についての法的性質についての検討
埼玉医科大学の関係者の尽力により、性別適合手術を実施するためのガイド
ラインが策定されたのであるが、そもそも、このガイドラインにどのような法
的効力があるのか、また、これに従った場合には、刑事的にも免責されること
になるのかが問題となる。そこで、ガイドラインの法的性質について検討して
おくこととする。
そもそもガイドラインとは、「政府や団体が指導方針として掲げる大まかな
指針」(大辞林)のことであるが、これは法的には、法律でもなければ、命令
でもない。したがって、それ自体としては法的な効力や効果は何もない 20)。
しかしながら、ここで検討の対象とするガイドラインは、行政官庁や学会な
どが自ら制定した指示・方針にすぎないとしても、誰しもそれに従って行動す
ることが予定されているものである。
それゆえ、「ガイドラインは、直接的な法的拘束力はないものの、それが定
着している場合(これが重要であるが)、それを遵守していれば、一定の法的効
力と同等の効果を有することも期待できる。」21)のであり、したがって、ガイ
ドラインに沿った行動は、時間を要するとはいえ、自ずと医療水準 22)を構成
することとなり、法的な適否の判断に当たって、是認される方向に強く働くと
いう作用を有することとなって、これに沿って行動した場合には、原則的に合
法性、適切性が認められる 23)。有識者等を集めて十分な検討をした上で作成
されたものである以上、その内容の合理性、妥当性などは当然に満たしている
ものと考えられ、そうであるなら、それに従った行動が原則として違法なもの
20)甲斐克則「終末期医療のルール化と法的課題」医事法学 24 号 82 頁。
21)同上。いわば、ソフトローともいえるものであるとしている。
22)医療水準は、医師の注意義務の基準(規範)となるものであるが、新規の治療法が普及
するには一定の時間を要し、医療機関の性格、その所在する地域の医療環境の特性、医師
の専門分野等によってその普及に要する時間に差異があり、その知見の普及に要する時間
と実施のための技術・設備等の普及に要する時間との間にも差異があるのが通例であると
されている(平成 7 年 6 月 9 日最高裁判決(民集 49 巻 6 号 1499 頁)、平成 8 年 1 月 23 日
最高裁判決(民集 50 巻 1 号 1 頁)等)。

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論説(城・小林)
となるとは考え難いであろう。
さらに、ガイドラインと立法の比較として、ガイドラインは、「その策定の
場面でも適用の場面でも関係者等の合意が取得しやすいだけでなく、個々の事
例に内在する問題に対して柔軟な対応ができる。一方、(中略)ルール化して
いる点で定立した規範が明示され、批判的吟味が可能であるだけに、立法に近
く、公共的な権威がその分、取得しやすいのである。」24)として、その柔軟性
というメリットだけでなく、定立した規範の明示に基づく効果により、立法に
近い性質をも有するとの指摘もなされている 25)。
したがって、それらガイドライン等に従った行為には、適法性が推認される
のであり、その実際上の効果について、以下検討する。
第 6 治療等ガイドラインに従った性別適合手術の適法性
たしかに法的な建前としては、治療等ガイドライン自体はあくまで指針にす
ぎないものであって、それ自体が適法性を担保するものとはなり得ない。しか
しながら、日本精神神経学会において十分に検討され、性同一性障害の治療等
23)阿部泰隆「行政法解釈学I」279 頁では、ガイドラインについて、「当該法律の主務官庁
の見解であるが、裁判所に対して拘束力ある法令ではなく、民間企業を指導するものでも
ない。専門家の見解として、企業としては、これに沿って判断すれば、株主代表訴訟で責
任を問われる可能性が軽減されるものであろう。」として、法的な拘束力はないものの、
一定の法的効果が期待できるものとして捉えている。
24)飯島祥彦「医療現場の臨床倫理問題の解決方法としてのガイドラインの省察」医事法学
31 号 24 頁。また、樋口範雄「医療情報保護ガイドライン」法学教室 291 号 3 頁では、「ガ
イドラインか法律かは、見かけほど大きな違いがない」、「重要なのは形式ではなく、むし
ろ医療分野に適合したルールを盛り込めるかどうかである。」と指摘する。
25)民事法の領域ではあるが、平成 23 年 12 月 9 日東京地裁判決(裁判所ウェブ・医事法学
28 号 151 頁以下)では、子宮脱治療のための手術を受けた女性が、術後に肺血栓栓塞症を
発症し、意識障害に陥り、重篤な後遺障害が残ったという事案において、担当医師が、学
会等の定めた肺血栓栓塞症予防や治療に関するガイドラインに準拠しないで医療を提供し
たとして、当該医師に対して注意義務違反を認めたが、この場合、ガイドラインに従って
いないことが過失の内容となることから、当該ガイドラインは法規に準じた役割を担って
いることになると思われる。

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性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における生殖不能要件及び外観具備要件の合憲性に関し心理学的側面からの検討を含めた考察
の指針として策定されたものであるところ、それが合理的なものであることは、
上記学会において承認され、また、多くの精神科医等からの反対もないという
事実に裏付けられているものと考えられる。
このような合理的な内容として認められるガイドラインに沿った行為である
ということは、それが適切な医療行為であると評価されることとなり、これが
刑法 35 条における「正当業務行為」の内容を構成することになって、違法性
阻却事由となると考えてよいと思われる 26)。
この点について、治療等ガイドライン第 4 版改では、「初版ガイドラインに
従って性別適合手術を行った医師は、当然、刑事責任を問われてはいない。な
ぜなら、性同一性障害に対する性別適合手術は、母体保護法 28 条の『生殖を
不能とすることを目的』にしているのではなく、あくまで性同一性障害に対す
る治療を目的としており、代替えの方法が現在のところ存在しないことから、
母体保護法に違反しないとの考えが法曹界でも趨勢を占めていると思われ
る。」27)としている。
この見解においては、性別適合手術は、そもそも母体保護法 28 条に規定さ
れる構成要件に該当しないと判断しているものと思われる 28)。しかしながら、
26)なお、条文上は、「『故なく』、生殖を不能にすることを目的」とする手術等を禁じてい
ることから、正当な治療目的であれば、「故なく」なされたものではない以上、構成要件
該当性が欠如すると解することも可能なようにも読める。しかしながら、「故なく」との
用語は、例えば、刑法 130 条の住居侵入においても、刑法が口語化される以前は、「『故な
く』人の住居(中略)に侵入し」とされていたところ、この点の解釈として、「『故なく』
とは、正当な理由がなく、すなわち、違法にの意味である。違法な侵入のみが犯罪となり
うることは当然であるから、この語は、語調の上から加えられた修飾語にすぎない。」(大
塚仁「刑法概説(各論)」104 頁)とされており、「故なく」という文言は、実質的な意味
を持たないと解されるところ、この文言については、口語化の際に、「正当な理由がない
のに」と変更され、その後の解釈においても「特に正当な理由がないものだけが本罪を構
成することを注意的に規定したもの解されている。」、「正当性の判断に実質的な利益考量
を伴う場合には、違法性阻却事由の有無の問題として処理すべきである。」(前田雅英ほか
「条解刑法(第 2 版)358 頁」と解されていることに照らしても、違法性阻却事由である刑
法 35 条の問題として、その適法性の判断をすべきこととなる。
27)前出ガイドライン 6 頁。大島俊之「性同一性障害と法」18 頁。

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論説(城・小林)
治療を「目的」29)としているから、「生殖を不能とすることを目的」としてい
ないと解するのは、解釈上無理があるものと思われる。究極の目的は、もちろ
ん性同一性障害に苦しむ患者の治療にあるとはいえ、そのためには、生殖を不
能にすることで達成する性別適合手術をしなければならないのであり、不可避
的に生殖を不能にしなければ治療ができないのである以上、そこに生殖を不能
にする目的は存しないといっても単なる言い換えであるとしか評価し得ないと
ころである。
しかしながら、そのような「目的」が存して構成要件に該当したとしても、
前述したように、正当業務行為として違法性阻却事由が認められるのであるか
ら、なんら不都合はない。
また、刑事責任を問われていないとする点については、治療等ガイドライン
の当初の策定に関与した埼玉医科大学山内俊雄教授が「当時の優生保護法違反
といった過去の判例があるので、司法が何か言うかと思ったんです。この点に
ついては法務省にあらかじめ問い合わせても返事はもらえなかったので、結果
的には、『そういう(ガイドラインで定められた)手続きを踏んでるからいい』っ
28)このような見解と思われるものとして、性転換を目的とする手術は、不妊化を目的とす
るものではないため、本法の対象外であるとする見解(猪田真一「性転換手術の治療行為
性に関する一試論」帝京法学 20 巻 1・2 号 103 頁)もあるが、上述したように、性転換を
するためには不妊化が不可避的に伴うのであり、前者の目的は存するが後者の目的は存し
ないという解釈は無理があるものと思われる。
29)この「目的」は、目的犯のうちで、「客観的に規定されている行為医それ自体が正当な
いしは価値中立であり、客観的行為では違法であると判断することができず、規定の目的
が加わることによって違法性が付与される場合」とするもので、相場操縦罪の目的や、売
春防止法の売春目的での客待ちと同様に扱われる類型に含まれるものと思われるが、「全
くの正当な行為に違法性の要素を付与することによってこれを限定的に解することで、正
当な行為が違法な目的の存在によって違法な行為と判断」されるのであるから、その「目
的」は「目的が実現することの未必的認識認容では足りず、強度の内容が要求されるもの
と解すべきである」(以上、伊藤亮吉「目的犯の目的の内容(2・完)」名城法学 63 巻 4 号
23 ~ 28 頁)としても、ここでの「生殖を不能にする目的」は、性別適合手術における一
連の客観的行為それ自体から明らかになるものであり、どのように厳格に解しても、施術
者において、この「目的」が存在することは否定できないものと思われる。

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性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における生殖不能要件及び外観具備要件の合憲性に関し心理学的側面からの検討を含めた考察
てことだったと思います。そういう司法からのクレームはなかったということ
ですよね。」30)と述べていることに照らしても、治療等ガイドラインについて、
司法関係者も、事実上、法令などと同様の効果を認めていたことを表している
ものといえよう。
なお、性別適合手術が母体保護法違反とならないにしても、傷害罪となるの
ではないかとの問題は残っている。しかしながら、この点については、本来的
に被害者となる患者の同意があること、治療目的という正当な目的でなされる
行為であること、更には、治療等ガイドラインに従った適切な方法でなされて
いることに鑑みれば、これも正当業務行為として違法性が阻却されるものと考
えてよいであろう 31)。
このように、治療等ガイドラインが法令等でなく、単に、学会が策定したに
すぎない手術上等の指針にすぎないものであっても、それが性同一性障害者の
治療上、すぐれて適応性があるものであり、当該医療行為の正当性を基礎付け
るものであることから、司法関係者もこれらの点を重視し、捜査、起訴の対象
としないのであって、事実上、法令等と同様の効果をもたらすものとなったと
評価されるものといえよう。
このような治療等ガイドラインの策定とその実施という既定事実が積み重な
る中で、平成 15 年 7 月 10 日、性別特例法が成立し、同法律による性別変更の
手続き上、性別適合手術がむしろ要件とされることとなり、これが適切かつ必
要な治療として法的にも認められることとなった。
そして、性別適合手術の実施例は、性別特例法の適用を受けた事例だけでも、
平成 16 年から同 30 年までの間において 8,676 件に上っている 32)。

30)前出田中 52 頁。
31)前出ガイドライン 6 頁。もっとも、治療等ガイドラインに従わず、患者の意思確認が不
十分であったり、精神医学的な診断等が不備であったり、医師としての専門性が欠けてい
たりしたような場合には、母体保護法 28 条違反や刑法 204 条の傷害罪として捜査の対象
になるのはもちろんのことである。
32)藤戸敬貴「法的性別変更に関する日本及び諸外国の法制度」レファレンス 830 号 81 頁。

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論説(城・小林)
第 7 手術療法である性別適合手術の概要
事実上、法令等と同様の効果がある治療等ガイドラインに沿った性別適合手
術の概要は、以下のとおりである 33)。
手術の実施に当たっては、形成外科医、泌尿器科医、産婦人科医等が協力し
て実施する。
女性化のためには、精巣摘出術、陰茎切除術、造膣術、外陰部形成術、豊胸
術、甲状軟骨形成術、下肢の脱毛などを行い、また、男性化のためには、1乳
房切除術、2卵巣摘出術、子宮摘出術、尿道延長術、膣閉鎖術、3陰茎形成術、
睾丸形成術などを段階的に実施することになる。
その際の安全性確保のために、性別適合手術を行う者に関する要件として、
「1性別適合手術は、医療チームに属する形成外科医・泌尿器科医・産婦人科
医などが協力して行うことが原則である。医療チームが別の医療機関に性別適
合手術を依頼することもできる。ただし、性別適合手術は麻酔科医が麻酔を担
当し、入院可能な医療機関にて行われるべきである。2性別適合手術に関して
十分な技量を有する者であることはもちろんであるが、同時に性同一性障害に
ついての知識、特にその心性に対する十分な理解と経験を持ち合わせているこ
とが望まれる。従って、原則として執刀医ないし執刀医グループのうち少なく
とも 1 名は、GID 学会 34)認定医を含むことが求められる。」などとして、適
切かつ安全な手術が実施されるように、そのメンバー構成や技量の程度なども
含めてガイドラインが詳細に示されている 35)。
そして、その性別適合手術に関する実施状況についての検討であるが、埼玉
医科大学倫理委員会では、次のとおりの答申をしている 36)。すなわち、
1 手術を受けた者が男性か、女性かによって手術成績に差はない。
33)前出ガイドライン 24 頁以下、前出山内 81 頁以下による。
34)GID(性同一性障害)学会とは、「Japanese Society of. Gender Identity Disorder」の略称で
ある。
35)前出ガイドライン 26 頁
36)前出埼玉医科大学 320 頁

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性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における生殖不能要件及び外観具備要件の合憲性に関し心理学的側面からの検討を含めた考察
2 手術を受けたことを後悔する例は少ない。
3 種々の観点から評価した成績では 60%から 80%近いものが良好もしくは
かなり良好と評価されている。
4 術後、精神病院に入院したり、自殺を企図したもの、うつ状態を呈した
ものが散見される。
との評価がなされている 37)。
なお、現在では、性器に係る手術と乳房切除術は、平成 30 年 4 月 1 日より
保険適用になっている 38)。

III 平成 31 年 1 月 23 日最高裁決定における問題点と検討
第 1 生殖不能要件及び外観具備要件が性別特例法上に設けられた理由及び
問題点
まず、生殖不能要件については、生殖腺の機能を残存させると、元の性別の
生殖機能によって子が生まれることで種々の混乱や問題が生じかねないことや、
生殖腺から元の性別のホルモンが分泌されることで何らかの身体的、精神的な
悪影響が生じる可能性を否定できないからとされている 39)。
また、外観具備要件については、公衆浴場の問題等、社会生活上の混乱が生
じる可能性が考慮されたものであるとされている 40)。
もっとも、これらの要件については、上記のような立法趣旨はもちろん理解
できるものの、その一方で問題がないわけではない。例えば、女性に性別を変
37)ただ、そのような評価に対して否定的意見として、「手術成績でよかったものが 60 ~ 80
%との報告があり、生命に関係しない場合の手術成績としては問題がある。」(同上 322
頁)との指摘もある。
38)この保険適用については、性別適合手術前のホルモン療法への保険適用がないことの問
題点が指摘されている(石嶋舞「生殖能力と登録上の性別が乖離した場合に要される法的
対応に関する一考察(下・完)」(以下「石嶋2」という。)早稲田法学 94 巻 1 号 131 頁)。
39)前出南野 93 頁
40)前出南野 93 ~ 94 頁

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論説(城・小林)
えたいと思う男性であれば、男性機能を有したままでは、性別を変更すること
ができず、あくまで戸籍上の性別を変更したいのであれば、生殖腺を除去し、
外観具備要件に適合するための性別適合手術を受けなければ、これらの要件を
満たさないことになる。つまり、この要件は、戸籍上の性別を変えたいのであ
れば、性別適合手術を受けなさいと言っているに等しいといえるものだからで
ある(もちろん、元々生殖腺の能力がない人や、他の性別に係る身体の性器に係る
部分に近似する外観を備えている人もいることから、必ずしも手術をしなければな
らないというわけでないが。)。
そのため、このような規定は、その意思に反して身体に侵襲を受けることを
受忍させるものであるから、憲法 13 条で保障される幸福追求権などを侵害し
ているものであって無効ではないかとの主張が出されるようになった。そして、
特に、特例法 3 条 1 項 4 号の要件に関して、これが違憲であるとして裁判にな
り、それに対して、平成 31 年 1 月 23 日、最高裁の見解が示された 41)。
第 2 本件最高裁決定の法廷意見
この最高裁決定において、生殖不能を要件とする性別特例法 3 条 1 項 4 号の
規定は、「性同一性障害者が当該審判を受けることを望む場合には一般的には
生殖腺除去手術を受けていなければならないこととなる。本件規定は、性同一
性障害者一般に対して上記手術を受けること自体を強制するものではないが、
性同一性障害者によっては、上記手術まで望まないのに当該審判を受けるため
やむなく上記手術を受けることもあり得るところであって、その意思に反して
身体への侵襲を受けない自由を制約する面もあることは否定できない。」とし
て、前述したように、性別特例法 3 条 1 項 4 号の規定が、憲法上保障されてい
る「意思に反して身体への侵襲を受けない自由」を制約するという問題点を指
41)この判決に対する批評としては、濱口晶子「性同一性障害特例法における性別取扱いの
変更と生殖腺除去要件の合憲性(最高裁決定)」法学セミナー772 号 116 頁、木村草太「性
同一性障害特例法の生殖能力要件の合憲性」法律時報 91 巻 5 号、大島梨沙「性別の取扱
いの変更における生殖腺除去要件の合憲性」民商法雑誌 155 巻 5 号 137 頁などがある。

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性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における生殖不能要件及び外観具備要件の合憲性に関し心理学的側面からの検討を含めた考察
摘した。
その上で、「もっとも、本件規定は、当該審判を受けた者について変更前の
性別の生殖機能により子が生まれることがあれば、親子関係等に関わる問題が
生じ、社会に混乱を生じさせかねないことや、長きにわたって生物学的な性別
に基づき男女の区別がされてきた中で急激な形での変化を避ける等の配慮に基
づくものと解される。これらの配慮の必要性、方法の相当性等は、性自認に
従った性別の取扱いや家族制度の理解に関する社会的状況の変化等に応じて変
わり得るものであり、このような規定の憲法適合性については不断の検討を要
するものというべきであるが、本件規定の目的、上記の制約の態様、現在の社
会的状況等を総合的に較量すると、本件規定は、現時点では、憲法 13 条、14
条 1 項に違反するものとはいえない。」として、この規定は、憲法に違反する
ものではないとして合憲であるとした。
たしかに、審判により性別の変更が認められておりながら、身体的には元の
性のままであった場合、性別変更をしていながら、元の性による生殖行為が行
われる余地がある。そのような場合には、元は男性であった戸籍上の女性が、
他の女性との間で子をもうけることがあり得るのであって、その場合、幼稚園
や小学校に通う児童の父親が、戸籍上は女性ということも生じることになり、
戸籍制度がほとんど破綻することになると思われる。したがって、この最高裁
の法廷意見は納得のできるものといえよう。
第 3 本件最高裁決定の補足意見
もっとも、この最高裁の判断においては、補足意見として、2 名の裁判官は、
前記法廷意見と同様の問題点を指摘した上、憲法 13 条は、その意思に反して
身体への侵襲を受けない自由を保障していると解されるところ、「本件規定は、
この自由を制約する面があるというべきである。」として、法廷意見に比べて
より強い表現で憲法に違反するおそれがあることを述べた。
そこで、そのような自由を制約してしまうことの妥当性に関して検討し、法
廷意見に対し、次のとおり反論した。

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論説(城・小林)
まず、法廷意見による、変更前の性別の生殖機能により子が生まれることに
よる親子関係に関する社会的な混乱を回避するためという理由付けについては、
性同一性障害者の特性に鑑み、
1「性別の取扱いが変更された後に変更前の性別の生殖機能により懐妊・出
産という事態が生ずることは、それ自体極めてまれなことと考えられ、そ
れにより生ずる混乱といっても相当程度限られたものということができ
る。」
として、先に述べたような、元の性による生殖活動による混乱はさほど起きな
いのではないかと想定している。
また、本件補足意見は、法廷意見による、生物学的な性別に基づき男女の区
別がされてきた中での急激な形での変化の回避への配慮という理由付けに対し
ては、
2「上記のような配慮の必要性等は、社会的状況の変化等に応じて変わり得
るもの」
であるとしており、例えば、平成 20 年には、特例法 3 条 1 項 3 号の要件を緩
和して、成人の子を有する者の性別の取扱いの変更を認める法改正が行われ、
成人の子については、母である男性、父である女性の存在があり得ることが法
的に肯定されたことに照らしても、また、性別特例法の施行から 14 年余を経
て、これまで 7,000 人を超える者が性別の取扱いの変更を認められ、さらに、
近年は、学校や企業を始め社会の様々な分野において、性同一性障害者がその
性自認に従った取扱いを受けることができるようにする取組が進められており、
国民の意識や社会の受け止め方にも、相応の変化が生じているものと推察され
ることなどに照らし、「以上の社会的状況等を踏まえ、前記のような本件規定
の目的、当該自由の内容・性質、その制約の態様・程度等の諸事情を総合的に
較量すると、本件規定は、現時点では、憲法 13 条に違反するとまではいえな
いものの、その疑いが生じていることは否定できない。」、「性同一性障害者の
性別に関する苦痛は、性自認の多様性を包容すべき社会の側の問題でもある。
その意味で、本件規定に関する問題を含め、性同一性障害者を取り巻く様々な

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性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における生殖不能要件及び外観具備要件の合憲性に関し心理学的側面からの検討を含めた考察
問題について、更に広く理解が深まるとともに、一人ひとりの人格と個性の尊
重という観点から各所において適切な対応がされることを望むものである。」
などとして、憲法違反とまではいわないものの、その疑いが生じていると指摘
した 42)。
第 4 本件最高裁決定の法廷意見に対する批判
本件決定の法廷意見が、「親子関係等に関わる問題が生じ、社会に混乱を生
じさせかねないこと」と述べていることに関して、次のような批判がなされて
いる。
すなわち、「すでに現行法においても同様の『混乱』は生じうるという。た
とえば、2 号の非婚要件を充足するために婚姻を解消し、性別取扱い変更の審
判を受けた MtF について、婚姻解消の 300 日以内に元配偶者が出産した場合
である。民法 772 条によれば嫡出推定が及ぶはずであるが、これは懐胎の時点
を基準とするから、当時男性であった MtF は女性でありながら父であるとい
うことになる。あるいは、MtF が男性であったときに婚姻関係のない女性との
間にもうけ、認知をしていなかった子について、性別取扱いの変更後に認知を
行うことができるのか、できるとした場合、女性でありながら父ということに
なるのか、あるいは、認知には㴑及効があるから(民法 784 条)、3 号の子なし
要件を満たしていなかったとして性別取扱いの変更が無効になるのか、といっ
た問題がある。さらに、現在の人工生殖技術の発展に鑑みれば、性別取扱い変
更の前に精子や卵子を保存しておき、変更後にそれを用いて子をもうけること
42)さらに、本件補足意見は、生殖不能要件についての世界的な潮流として、「世界的に見
ても、性同一性障害者の法的な性別の取扱いの変更については、特例法の制定当時は、い
わゆる生殖能力喪失を要件とする国が数多く見られたが、(中略)現在はその要件を不要
とする国も増えている。」として、他の諸国での例をもって憲法違反の疑いの根拠として
いるが、それらの国々は同性婚を認めるなど性別選択の自由化が進んだ国々であって、必
ずしも我が国の実情に即したものとは言い難いものを例として挙げているのであって、適
切な理由とは思われない。ただ、この点については、紙数の関係もあるので別の機会に譲
り、本稿ではこれ以上は触れない。

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論説(城・小林)
も可能であり、これは特例法によっては防ぐことはできない。そもそも、補足
意見も認めるように、3 号の子なし要件が 2008 年に改正され、「現に未成年の
子がいないこと」とされた以上、20 歳以上の子については父=法的女性ある
いは母=法的男性であるという事態はすでに生じているはずなのである。」43)
と批判する。
たしかに嫡出推定や認知をめぐる問題については指摘されているとおりであ
ろう。しかし、それは懐胎と出産との間にタイムラグがあることや、同様に、
出産から認知までのタイムラグがあることから生じる問題で、その間に性別変
更手続がなされるという例外的事象には対応できないという問題でしかないは
ずである。また、「現に未成年の子がいないこと」に関する問題は、補足意見
に関して述べられているように、既に、「未成年の子」がいないことを条件か
ら外した段階で起き得る問題であって、このことが生殖不能要件の是非に直結
するものではない。
ただ、これらのことが起きるにしても、女性から男性に性別変更が認められ
た者が、実際に、出産をして子を産むという現実と、上記の例で挙げられてい
る法律の適用によって、かつての性に基づいて親子関係の問題が生じるという
のとは、本質的な違いがあると考えるべきであろう。最高裁の法廷意見も、こ
のような問題を想定して、「社会に混乱をもたらす」といっているのであって、
これを批判するために、些末な例外を挙げて、根本的な問題を否定するのは、
問題のすり替えであるとの批判がなされ得るものと思われる。
第 5 本件最高裁決定の補足意見に対する批判
1 生殖不能要件の設定が違憲であるとする見解からの批判
本件補足意見がかなり踏み込んだ指摘をしたことには好意的に評価しつつも、
「性同一性障害者の性別に関する苦痛は、性自認の多様性を包容すべき社会の
側の問題」とするに止めた点は、権利侵害の問題を最終的には社会的受容の問
43)春山習「性同一性障害者特例法における生殖能力喪失要件の合憲性」早稲田法学 95 巻 1
号 334 頁

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性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における生殖不能要件及び外観具備要件の合憲性に関し心理学的側面からの検討を含めた考察
題として捉えており疑問が残り、社会側の問題・混乱を理由に権利侵害を正当
化することはできず、端的に違憲とすべきであったとする見解 44)などがある。
2 生殖不能要件が合憲であるとする見解からの批判
まず、補足意見で述べられた1の点については、この論理は、確実な根拠に
基づく推定とはいえないものであり、性同一性障害があったのだから、元の性
による生殖活動は起きないだろうといっているにすぎないものである。実際の
ところ、性同一性障害者であっても、その障害の程度には差があるのが当然で
あり、やっぱり元の性のほうがいいと思って戻ろうとする者もいないはずはな
いのであって 45)、上記補足意見のように言い切っていいかはかなり疑問であ
る 46)。
次に、補足意見で述べられた2の点については、たしかに、性同一性障害者
が一定程度社会的に受け入れられていることや、その数が相当多数に上ってい
ることも事実として認められるといえるところだとは思われる。ただ、だから
といって、社会全体が、例えば、5 号要件に関してではあるが、外観と法律上
の性別の違いをそのまま受け入れているかどうかは疑問であるといわざるを得
ない。
すなわち、直ちに、性別適合手術を経ていない、つまり、身体的には全く元
44)前出濱口
45)「神奈川県茅ケ崎市の 40 代元男性は 2006 年、戸籍上の性別を女性に変えた。それをい
ま、強く後悔している。家裁に再変更の申し立てを繰り返すが、『訴えを認める理由がな
い』と退けられ続けている。」平成 29 年 10 月 29 日付け朝日新聞
46)同様に、「性同一性障害の当事者が、確信する性別から見て同性となる者と性交渉を持
ち、子をもうけるという例は少ない。」(渡邊泰彦「性別変更の要件の見直し─性別適合手
術と生殖能力について─」(産大法学 45 巻 1 号 65 頁)との主張もあるが、多いか少ない
かは評価の問題である上、その「少ない」という根拠も示されておらず、このことをもっ
て、「社会に混乱を生じさせかねないこと」に対する反論とはなり得ない。また、「ホルモ
ン治療により(中略)子が生まれるのはごく少数の事例に限られる。」(同上)としている
が、現在は、ホルモン治療を受けることなく性別適合手術を受けることも認められている
ことから、この主張はその前提を欠いているといえよう。

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論説(城・小林)
の性のままであるにも関わらず、戸籍上は異なる性として扱うのであれば、些
末な例であるとは思われるが、公衆トイレや銭湯なども戸籍上の性に従って立
ち入ることが可能であるとしなければ一貫性がないと思われる。
しかしながら、そのようなことまで現在の社会は容認していると見てよいの
か、例えば、女性が女性専用施設である女湯への立ち入りに関して、たとえ精
神的には女性であるにしても、外見上、男性そのままであったような場合に、
我が国の一般的な女性全員がこれを容認し、一緒に入浴するようなことを許容
するのかは疑問を禁じ得ないところである。これはこのような問題に声を上げ
ていない一般女性の人権を侵害することになるのではないかとの観点から問わ
れなければならない事柄である。
もっとも、この点については、性別特例法 3 条 1 項 5 号の外観具備要件に関
するものであり、本件補足意見の射程内の議論ではない。そのため、この点に
ついての問題点は、以下に改めて検討することとしたい。

IV 外観具備要件の撤廃を主張する見解及びその反論
第 1 法的見地からの議論の状況
1 外観具備要件の撤廃を主張する見解の概要
外観具備要件については、これを特例法から撤廃すべきとの意見は多い 47)。
その論拠とするところは、「法的性別取扱変更に動機付けられての病態性の獲
得やホルモン療法・手術を含む身体的介入による生殖能力喪失・外観の変更を
望ましいものとは言えず、特に特例法要件が本来本人の生活状態の向上には不
必要であった可能性のある手術や断種を動機付けてきたことは強く問題視され
なければならない。」48)とする見解や、「特例法は身体処分をした者について
のみ、性の自己決定を認めるものとなっている。このことは場合によっては、
47)前出渡邊 65 頁、國分典子「性同一性障害と憲法」愛知県立大学文学部論集 日本文化
科学編 52 号 9 頁、前出石嶋1 80 頁以下、前出石嶋2 104 頁以下等
48)前出石嶋1 80 頁

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性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における生殖不能要件及び外観具備要件の合憲性に関し心理学的側面からの検討を含めた考察
本来手術まで望んでいなかった者にまで手術を求めさせる傾向を生んでしまう
可能性があるのではないか。」49)との見解や、さらには、性別適合手術等の身
体的治療を要求することは、性別変更を望む性同一性障害者に対して身体的・
経済的負担が大きいといえるのではないか 50)との見解などが挙げられる。
更には、「外観具備要件に関して付言すれば、当要件は、男女別の施設処遇
等に際して、自己の自認する性に従って取り扱われることによる性別取扱変更
者本人の利益と、その周囲で本人に関わる者の利益(私的領域対私的領域)の
調整をはかる意義がある一方、社会秩序に依拠せざるを得ない基準によって性
が外部より判断できることから後者の利益が担保されることから、社会的秩序、
ないし社会的規範意識にある程度の信頼を確保する必要があり、従って外観具
備要件は、性別取扱を変更する本人の利益と当該社会的要請(私的領域対社会
的領域)を調節する働きも持つとされる。ここで留意すべきは、現行の第 5 号
要件が要請するのは外性器にかかる部位のみの外観の具備であり、外性器の形
状でその者が男/女であるかが予見し得ることによって個人の利益が保護され
る場面は極々限られる点である 51)。外性器の形状が社会生活上人の性別を予
見することにあまり寄与しない以上、男/女の別が外性器の形状によるという
社会規範を保護する現行第 5 号要件を維持する必要性は少ない。」52)と主張す
る。

49)前出國分 10 頁
50)大河内美紀「性と制度」法学教室 440 号 49 頁
51)このように言い切ってよいかは甚だ疑問である。温泉好きの女性は多いと思われるが、
令和元年度における温泉宿利用人数は、延べ人数であるが、126,529,082 人であり(令和元
年度温泉利用状況・環境省ホームページ)、このうちの半数が女性だとしても約 6,000 万人
に影響する事柄である。決して些末な問題ではないし、看過してよい問題ではないと思わ
れる。
52)石嶋舞「生殖能力と登録上の性別が乖離した場合に要される法的対応に関する一考察―
性同一性障害者特例法の改正を念頭に─(上)」(以下、「石嶋3」という。)早稲田法学 93
巻 4 号 128 ~ 129 頁。石嶋1 101 頁も同様。

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論説(城・小林)
2 上記見解に対する反論
もっとも、上記の各見解で指摘する問題点は、現行法の制定時においても考
慮されていた事柄であり、それらの不利益を考慮しても、なお現行法による制
約が妥当であるとされて立法化されたものである。そして、それらの主張を現
時点で考慮しても、外観具備要件を満たすことが性別変更の手続上不可欠との
立法過程における判断は、依然として妥当するといわざるを得ないのではない
かと思われる。
すなわち、前述したように、この要件が必要なものとして立法化されたのは、
公衆浴場や女性用トイレなどに関して社会生活上の混乱が生じることを懸念し
たものであり、これは「外性器の形状でその者が男/女であるかが予見し得る
ことによって個人の利益が保護される場面は極々限られる」と軽々に言えるよ
うなものではない。実際にそれらを使用する一般女性にとっては極めて重大な
ものであり、女性としての「個人の利益が保護され」なければならない場面に
他ならないのである。
このような社会生活上の混乱が生じる点に対する反論として、「具体的に、
公衆浴場以外の場で、社会生活上の混乱を生じる場面を想定できるでしょうか。
わたしたちは、社会生活の場面で、相手の性器の形状を問題にすることはまず
ありません。」、「公衆浴場の利用に限って言えば、当事者の利用マナーと周囲
への啓発によって解決するのが本筋であり、仮に国や自治体の判断が必要だと
しても、戸籍や住民票を根拠とするよりも、浴場や利用者に対して、実態に即
した指針を提示するのが筋だといえるでしょう。」53)とする見解や、「性器が
近似していないと、公衆浴場で男湯と女湯のどちらに入るのかという問題が生
じるという反論があるかもしれない。しかし、公衆浴場の入場の問題は、戸籍
上の性別ではなく、性別適合手術前(プレ・オペランティブ)か、手術後(ポス
ト・オペランティブ)かという、現在でも生じる問題である。」54)との見解が
ある。
53)野宮亜紀「プロブレム Q & A 性同一性障害と戸籍」124 頁
54)前出渡邊 67 頁

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性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における生殖不能要件及び外観具備要件の合憲性に関し心理学的側面からの検討を含めた考察
しかしながら、前者の見解は、単なるマナーと啓発で処理できるとして問題
を矮小化しているものとしか思われない。外観具備要件を不要とし、自己の性
自認に従って性別選択ができるのであれば、戸籍上、女性となる者の外観が男
性であっても 55)、自己の性自認が女性であるとする以上、女性用の浴場やト
イレの使用に当たっても、これを女性として扱わなければ、それはまさしく
「差別」に他ならない。これは単なるマナーや啓発で済む問題ではない。そも
そもマナーの内容であるが、男性器が残ったままの法律上の「女性」は、女性
用の施設の利用を差し控えるように指導するというマナーなのであろうか。
自己の性自認が女性であり、法的に「女性」と認められたのであれば、生物
学上の「女性」と全く同様に扱わなければならないのであり、外観の如何にか
かわらず、たとえ男性の外観と同一であっても、これを「女性」として受け入
れなければ、外観による差別を行うことになり、憲法 14 条に違反することは
明らかである。そうなると、そのような外観の法的女性を受け容れることに抵
抗がないという女性ばかりであれば問題はないが、果たして、現在の我が国の
女性一般の認識は、そのようなものであると言い切ってよいのであろうか。こ
の点は、心理学的分析が不可欠であり、後に検討することとする。
また、後者の見解は、その趣旨が不明確であるが、少なくとも、女性用の公
衆浴場に男性器を残したままの法的な女性が立ち入るという問題は、外観具備
要件が存する以上、現在は生じていない。そもそも性別変更の手続の有無と性
別適合手術の有無とは当然に別の事柄である。その主張が、性別適合手術後で
未だ性別変更の手続を経ていない者は、戸籍上は男性であるが外観は女性であ
55)前出石嶋3などでは、「外観変更の済んでいない法的女性」などの表現がまま見られる
が、外観具備要件を撤廃した上で、性別変更をするために自己の性自認以外に、「外観変
更」を要求するのであれば、自己の性自認が女性である男性が、男性機能や髭などの男性
としての外観を残したまま女性として生活するという場合は、「法的女性」として認めら
れないのかという問題を抱えている。少なくとも論者の立場であれば、自己の性自認を保
護する以上、この認識が女性であるなら、男性性器があっても、髭があっても、ホルモン
療法などを受けていなくて外観が男性そのものであっても、そのまま法的な女性として認
めなければ論旨が一貫しないものと思われる。

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論説(城・小林)
り、このような者が女性用の施設を利用することも現時点であるのではないか
ということを意味しているのであれば、その点の問題はないであろう。要は、
戸籍上の性別変更よりも、その外観が重視されて当然の場面だからである。こ
れをもって外観具備要件が不要であるとの結論を導き出せるはずもないことは
明らかである。
第 2 心理学的見地からの問題の提起及び反論
1 心理学上の「恥ずかしい」という意識の位置付け
心理学では、「恥ずかしい」とか、「羞恥心」という一般用語について、無意
図的な、あるいは、自らの望まない苦境や逸脱を意識した際の情緒的な反応で
あるとしている 56)。羞恥心は、「恥ずかしい」、「気恥ずかしい」、「面目ない」、
「気詰まり」など様々な表現がなされる多義的な情動語であり、欧米での社会
心理学分野における羞恥心に関する研究英語では、これらの概念に対応する語
として、「embarrassment」、「shame」、「shyness」などが挙げられている。この
ような感情に関しては、長年、国内外において、その原理、発現状況、羞恥心
の喚起要因などについて、詳細な研究が蓄積されてきている 57)。
そもそも、羞恥心とは、人が他者からの評価により自己を否定される恐怖や
不安に対し、自己を防衛するための心理の表れであり、自己の存在を脅かされ
恐怖を経験させられることに対し、恥ずかしいという気持ちによって、危険を
回避しようとする点にその本質の一側面がある 58)。というのは、一見、恥ず
かしいということは単にそのような気持ちの表れであるかのように思われるか
もしれないが、恥ずかしさの故に、その行為を抑止しようとすることで、その
56)Buss, A. H. “Self-consciousness and social anxiety,” San Francisc: Freeman., 樋口匡貴「恥の構
造に関する研究」社会心理学研究 16 巻 103-113 頁(以下、「樋口1」という。)
57)前出樋口1 103-113 頁、有光興記「罪悪感、羞恥心と共感性の関係」心理学研究 77 巻
2 号 97-104 頁、薊理津子「恥と罪悪感の研究の動向」感情心理学研究 16 巻 1 号 49-64
頁、福田哲也、樋口匡貴「羞恥場面における観察者の行動が羞恥感情に及ぼす影響―公恥
状況における影響およびその影響プロセスの検討―」感情心理学研究 23 巻 3 号 116-122


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性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における生殖不能要件及び外観具備要件の合憲性に関し心理学的側面からの検討を含めた考察
先にある危険を事前に回避しようとすることに意味があるからである。恥ずか
しいというのは、例えば、特に女性が裸体を見られる場合などに顕著に現れる
が、これは、その裸体を見られるということが、その次に発生する余地のある
身体に対する危害が加えられるかもしれないという恐怖心などから、事前の段
階で示す感情反応なのである。したがって、恥ずかしい気持ちが現れるような
場面では、必ず、その後、何らかの危険が生じるような場面が想定できるので
ある。この点について、恥は苦痛を伴い、劣等感、身が縮むような感覚、他者
から見られている感覚、肩身が狭い感覚、無価値感、無力感が付随し、自己を
無価値で非難されるべきものとして捉え、逃避願望が高まるものであることを
実証する調査研究も報告されている 59)。
2 羞恥心がもたらす反応の役割
先にも述べたように、心理学的には、防衛反応が羞恥心の本質にあることか
ら、恥ずかしいと感じる行為を避けるという行動をとる。見られたくない、聞
かれたくない、知られたくないという反応がなされることで、外部との接触を
断つことになる。そのことによって、他人が入り込む余地を減らし、自己がカ
バーしている領域の安全を守ろうという行動に出る。このことについて、気恥
ずかしさを頻繁に経験する人は、対人場面での相互作用を円滑に遂行できず、
視線を避けるなどの対人回避行動を引き起こすことも示されている 60)。
また、身体の性的特徴や性的行動が他者の視線に曝されることに強い羞恥を
58)Kitayama, S., Markus, H. R., & Matsumoto, H. “Culture, self, and emotion”: A cultural
perspective on “self-conscious” emotions. In J. P., Tangney, & K. W. Fischer (Eds.), Self-conscious
emotions: Shame, guilt, embarrassment, and pride. New York: Guilford Press. pp. 439-464, Leary,
M. R. 1983 Understanding social anxiety: Social, personality, clinical perspective. Beverly Hills,
California: Sage Publications., 菅原健介「シャイネスにおける対人不安傾向と対人消極傾向」
性格心理学研究 7 巻 22-32 頁
59)Lewis, H. B. “Shame and guilt in neurosis,” Madison, CT: International Universities Press,
Tangney, J. P. (1993) Shame and guilt. In C. G. Costello (Ed.), Symptoms of depression. New
York: Wiley. pp. 161-180.

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論説(城・小林)
感じてそれらを隠蔽しようとする性的隠蔽は、羞恥という苦痛を感じる状況か
ら自身を防衛するための逃避行動であり、羞恥心の根源的なものであるとされ
る 61)。人間の着衣の発展は、羞恥心によって引き起こされた、性器を隠蔽す
るための行動から発展したものであるという見解も示されている 62)。
したがって、この恥ずかしいという感覚に基づく行為は、頭で考える行動と
は異なり、瞬間的になされ、また、反射的になされるものであるとみなすこと
ができる。要は、理性でコントロールできるようなものではないという性質を
有するものである。
男性用トイレと女性用トイレを分けてほしいと女性が欲するのは、トイレの
中での無防備な姿を見られるのが恥ずかしい、トイレを使用している音を聞か
れるのが恥ずかしい、また、そもそもトイレを使用して排泄行為に及んでいる
ことを知られるのが恥ずかしいといった心理に基づくものであるが、それらは、
いずれも、そのような無防備、無抵抗な状態で襲われることを危惧しての感情
反応なのである。羞恥心を喚起する状況の一つとして性的状況の存在があるこ
と 63)や、男性に比べて女性の方が羞恥心が高いことを示唆 64)する研究もあ
る。
性差に関して、生物学的要因による筋骨格等の身体構成上の相違に起因する
エネルギー系の体力において、女性の筋力は男性の 60 ~ 80%程度であり、速
度要因も加えた筋パワーはではその差はさらに顕著である 65)。また、身体的
暴力や性的暴力に関する言説においては、男性(外見上男性とみられる人)は、
60)前出菅原 22-32 頁、Miller, R. S. “On the nature of embarrassability: Shyness, social evaluation,
and social skill,” Journal of Personality, 63, pp. 1061-1069, Edelmann, R. J. “Individual differences
in embarrassment: Self-consciousness, self-monitoring, and embarrassability,” Personality and
Individual Differences, 6, pp. 223-230.
61)菅原健介「人はなぜ恥ずかしがるのか―羞恥と自己イメージの社会心理学―」、角辻豊
「ヒトの羞恥心と着衣の起源についての一考察(笑いの意味の誤解との関連について)」笑
い学研究 10 巻 55-58 頁
62)前出樋口1 103-113 頁
63)前出樋口1 103-113 頁
64)有光興記「罪悪感、羞恥心と性格特性の関係」性格心理学研究 9 巻 2 号 71-86 頁

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性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における生殖不能要件及び外観具備要件の合憲性に関し心理学的側面からの検討を含めた考察
女性に対して抑圧的な存在として、すなわち、何らかの少なからぬ脅威を感じ
させる存在として認識される傾向にあることが示されている 66)。つまり、女
性は、男性よりは物理的に弱い存在として、世に存する以上、その生存におけ
る必要性から羞恥心が生まれたものである。そうであるなら、この羞恥心を尊
重し、その感情を包容することで、その後の防衛行動にまで及ぶ必要性をなく
することができるのであって、女性として安全に暮らすことを保証することに
なるのである。
一時期、ジェンダーフリー教育ということで、小学生の男女を同じ部屋で着
替えをさせるなどという教育がなされたことがあった 67)。しかし、この試み
は、小学生の女子児童の強力な抵抗と、それを支える父母らの反対により廃止
されたということがある。女子児童にしてみれば、自己が無防備になる裸体に
近い状態を、男子児童にさらすことがいかに危険なことであるかを事前に察知
していたからこそ、その際に、恥ずかしいという感情が出て、着替えをするこ
とができないという行動に至ったものといえるのである。
このように、羞恥心の持つ役割は、女性が弱者として自己防衛を図る上で、
不可欠の要素なのである。単に、法律でこのようにしますから、恥ずかしいと
いう気持ちを持たないで下さいなどと指示できるようなものではない。女性と
しての生存を賭けた戦いに臨むために、防衛機能として羞恥心が働いているの
である。
たしかに、浴場での男性との混浴は些細な問題であると捉える向きもあろう
かと思われるが、心理学的観点からすれば、軽視することのできない事態であ
り、防衛本能を持つ女性に対する強圧的、人権侵害的な迫害であるといっても
よい事態であると評価できるものと思われる。
65)加賀谷淳子「体力の性差を踏まえた運動・スポーツ」学術の動向 11 巻 11 号 52-53 頁
66)Pain, R. “Social geographies of womenʼs fear of crime,” Transactions, Institute of British
Geographies, 22, pp. 231-244.
67)渡部昇一、新田均、八木秀次「日本を貶める人々―「愛国の徒」を襲う「売国の輩」を
撃つ」、山本彰編「ここがおかしい男女共同参画―暴走する『ジェンダー』と『過激な性
教育』」

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論説(城・小林)
おわりに
性同一性障害をめぐる問題は、性別の変更を希望する者が、それを取り巻く
社会との間でスムーズに生活していくために、医療界においても、また、特例
法の立法などにおいて法律界も尽力してきたものである。
たしかに立法に当たって種々検討したことが、その後における事情の変更に
より、改正が必要になる場合もあるとは思われるが、しかしながら、その一方
で守られるべき人権が存するのであれば、それを蔑ろにするわけにはいかない
であろう。
公衆浴場において、男性器を有したままの法律上の女性が、女性用の浴場で
入浴することを可能にする法改正を主張されている問題についても、多くの一
般女性がそれを容認しているといえるような状況があるのか甚だ疑問である。
前述したように、心理学的な観点からも女性の防衛機能としての羞恥心を侵害
するものに他ならないことなどを考慮すると、そういった女性の人権侵害を無
視し、単に、法律的に外観具備条件を撤廃することこそが人権尊重であるとい
われても、それによって畏怖、困惑する一般女性らの人権に対する配慮が欠け
ているのではないかと懸念されてならない。
実際にも、既に、女装した男性が女湯に入ったという事件が発生しているの
であり 68)、この事件では、当該男性には建造物侵入などの犯罪が成立してい
るが、同様の事態が法律上適法なものとして起き得るのであり、そのようなこ
とを一般女性が受け入れるとは到底思えないのであるが、それは時代遅れと批判されるようなことなのだろうか。

https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AA1203413X-2022011
https://drive.google.com/file/d/1GyULulPUMRkR4lUTiNdiGtZtKJohBjDy/view?usp=share_link

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における生殖不能要件及び外観具備要件の合



憲性に関し心理学的側面からの検討を含めた考察










ICD11について

https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1240020134.pdf





ヒト科の幼虫

@yamate_yokohama

ワタシは ****年2月に医科大に送り込まれ 、****年3月には形成外科医から 「5月連休明けにはオペを開始する。準備を整えるように。」と告げられた。 論旨から外れるので経緯を省略する。 つまり 畑野とまとさんがおっしゃるような 「欝 → 薬漬け」になっている暇など無かった。

2016-04-11 21:56:2

https://togetter.com/li/961449

生物学的性別で対応するDSM4だと半陰陽つまりDSDsインターセックスと性同一性障害は異なる疾患であることがわかります。






https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/gid_guideline_no4_20180120.pdf







https://newsee-media.com/gender-dysphoria


記事

https://www.hrw.org/ja/report/2021/05/25/378678



動画

https://www.youtube.com/watch?v=Pody5Jy9hQs&feature=youtu.be



これを見た上で、私が近年のモヤモヤしていた事が解った様な感じがします。

なぜTG活動家やTG(AG・異性奏者(TV)を含む)が、特例法改正しようとしているのか、なぜ

TGな人は1日診断書へ走るのか概ね判った気がします。



TGにとって、長期的な診断は意味がないのです。無駄です。そして特例法はTGに取って悪な塊なのです。

もし私がTGなら同様に思います。

(別の意味での特例法改正は又、別の話であり、TSに対しての特例法のあり方は又別の話であると考えます。)



ご存知のように、性同一性障害特例法は2003年成立 2004年執行だったのですが、この当時はようやく性同一性障害という言葉の概念が出来上がり、所謂TSな人しか居なかった時代だと言えます。

なので、TSな山本蘭氏が数千万円も自腹を切り、当時の自民党を説得し、性同一性障害(TS)の為に作った物が性同一性障害特例法だと言えます。



その後、時は流れ20年あまり、インターネットは普及し、性のあり方は多様化し、TGな人(Xジェンダー・ノンバイナリー)などが生まれ、そこに異性装者や、オートガイネフィリアの人をも巻き込み、世界の活動家の力により、トランスジェンダリズムが形成され、今の国連・アメリカ精神医学会のDSM-5やWHOのICD-11の様な考え方、が広まってきたのだと思うのです。



しかし、我が国日本では、TSの為の性同一性障害の、診断方法・法整備(特例法)しかない為、我が国のTG達はある意味その概念に乗っかった形となっているのだと思われます。

そこに歪みがあるから無理がありTGの人達は苦しんで要るのです。



当然ながらTGとTSは大きく考えが違うため、今やTG当事者やTG活動家などにとって、GID学会のガイドラインや、特例法は、世界の時代の追い風にも乗り、邪魔な物、時代遅れの産物、人権を踏みにじる物、去勢を強制する非人道的な物とまで言われているのだと感じます。



TSな性同一性障害者からしてみれば、今の診断方法と特例法は厳守したい所ではありますし、GDではなくGIDであり、病理(疾患)だと考えていますし、DSM-4・ICD-10に戻してほしいと説に願います。

TSは自分自身の事に関しては男性・女性のどちらか一方でしかないステレオタイプで考える。(他人の自認を否定する物ではない)と考える人が大半だと考えます。



少し話はそれますが、TSの課題としては、GID学会の提唱する、ホルモン判定会議→ホルモン開始→1年後→性別判定会議→SRSと言う流れは、急激なホルモンバランスを崩さないようにする為の必要な期間と考えるのは、医者として患者を思う至極当然だと思いますが、厚生労働省の言う所の、ホルモンン治療をしていた場合、混合診療とみなし、SRSは保険適用外とする箇所は見直して行かないと行けないと考えます。

ココはTS当事者の活動家やGID学会の先生に頑張って頂くしか有りません。



動画の奈良大学の教授が言うように、患者の負担率が高すぎるとも言えますが、これは今回の話とは別問題なので、今は置いて置きますし、TSとって再度元に戻せない性適合手術必須が、おかしいというのは理解し難い概念であります。





●一提案なのですが、そもそもTSとTGを一緒に考えるから無理があるのではないでしょうか?



TGはTSの枠組みで生きようとするから苦しいのであって、今のままでは、TSが作り上げてきたルールや制度を変えようとするのは至極当然かと思いますし、それに対しTSは今のままでほぼ良いと考えるため、TGの特に活動家の言う事はおかしい。となるのではないでしょうか?





●結論として、一番の良い改善方法はTSは

・今の性同一性障害の診断方法はそのままに

・ホルモン治療の保険適用とそれに伴うSRSの保険適用を実現させて金銭的負担を軽くする

・そして既存の特例法を元に、戸籍変更する

で良いのです。

殆どが山本蘭氏が作り上げた時点でほぼ完成しているのです。



TGは

・TGの為の診断規準や、ルール、TGの為の特例法を新たに作り、TSの概念とは違う道で進んで行く

 (TSのルールや概念・治療方法とは別の考え方で進んでいく)のが良いと考えます。



TSとTGは別物だと考えれば、TSも侵略されると感じる人も減るわけすし、TGも今の制度が邪魔にならないと思います。



当然ながら今後に、TGの為の制度をどうしていくかは、沢山の話し合いは当然必要だと思いまうすし、そこにシスジェンダー女性の人権を守る事、シスジェンダー男性の人権を守る事は必ず入れないといけません。

それはTSだって同じです。



少なくとも、動画のような考え方(性別変更をコロコロ変える人が要る限り、TSと一緒にされるのはTSとしてはたまったものじゃにですし、TGにとってもTSのルールに沿うのは苦しいでしょう。

それはXジェンダーやノンバイナリー、ジェンダーレス的思考をする人も同意見だと考えます。



記事の方にでてくるGID学会の先生である人が、こういう動画にでていたり、アベマTVに出てくる学会公認医である、しかも岡大の先生するら、自称を認めざる得ない今の現状(GIDが医学的に解明されていないから)な時代(2022年)、TSとTGを別け、別概念として考えて行けば・・・。別の人達として考えれば・・・。それをシスジェンダーの多くの人に常識として広めていけば、TSもTGも幸せになれるのかと思いました。



TVやAGをどうするか、その他細かな事は、TGのルールやTGの特例法をつくる時に話し合えば良いと思います。



LGBと同じ様に、マイノリティーとしてはTGとTSは仲間ですが、TGとTS根本的概念から別けて考え、TGの為の診断方法(例えば1日診断)、TGの為の法律を新たにつくる事こそがTGを守る事になり、生きやすくする第一歩だと考えます。



又、この話とは別に、性犯罪者をどうするか、シスジェンダー女性・男性の人権をどう守っていくかも同時に考えていかねばなりません。

アベマTVのコメンテーターが言われていたように、半年だけ女で性犯罪に手を染める様な人が出ない様にしなければなりませんし、出た場合の罰則も厳格化などを含め、そもそもそういった事をしようとする人達を抑止するように、考えていかなばなりません。



●まとめると

TSは、保険適用が課題な位です。

TGは、今後活動家や当事者やお医者様などを交え、シスジェンダー・TG・TSが共に生きやすい世の中にしていかなければなりません。

そこに議論や法整備は大切だと思いますし、TGの人権を守る事ができ、生きやすさが生まれる様にしていかなければなりません。

https://note.com/ts_a_tgism/n/n242235fa9e82
■■性同一性障害特例法を改正しようとする流れについて■■

13



性別不合当事者の会

2022年9月26日 00:51


性別不合当事者様はTGの特例法を制定する選択されたら良い。しかしTSである性同一性障害者のMTFが特例法に従ってMTFSRS手術する権利をTGである性別不合当事者様が除外しようとするのは手術要件を必要とするTSのMTFに
対する人権侵害ではありませんか。
GIDMTFに該当するウケのゲイとオートネガフェリアはRay Blanchardの分類を採用することで身体の性別違和と性指向のみで医師が診断するようにする事は特例法の手術要件を守るだけでなくセルフID阻止に繋がります。
加えて、私はMTFSRS手術済みGIDMTF専用戸籍として性別秀吉を作り、
MTFSRS手術済みGIDMTF専用スペースである木下秀吉専用スペース設置を求める考えですから生得的生物学的女性とスペース分けしつつも
GIDMTFの特例法に基づくMTFSRS手術要件を守ろうとしてます。



この表題を見ても日本のフェミニストはなんのことかわからないと思います。海外のジェンダークリティカルフェミニストを追ってる人はピンとくるかもしれない。彼女たちはこぞってRay Blanchardをトランスセクシャルの分類に使いたがります。時代遅れと思われていたのに。なぜか?
性自認という言葉を使っていないからです。
現在のICD11で性別不合の定義はジェンダーとセックスの不一致が診断の根拠です。ジェンダーを使わないとトランスセクシャルが定義できないため、それが身体に違和感がない人にも拡大されてトランスジェンダーが生まれました。ジェンダーという言葉を使わなければ、トランスジェンダーは存在せず、女子スペースに入ってくるトランスジェンダーはいなくなります。
Ray Blanchardの古いトランスセクシャルの分類はMTFはウケのゲイまたはAGP(Autogynephilia)のみと分類しました。要するに性指向で分類したわけです。
性自認という言葉は使われませんのでこれを採用していればトランス女性は女性なんて叫ぶ自称トランス女性軍団は現れなかったのです。
ジェンダークリティカルフェミニストHelen JoyceのTransという本ではRay Blanchardの分類が使われ、Anne LawrenceのMen trapped in Men's bodies が引用されAGPが説明されています。

そのためか、滅多に自分のことを公開で話さなかったAnne Lawrence 71歳が今年になってインタビューに答えています。
https://youtu.be/9_1wXsYdzMI
AGPは現在パラフィリアに属していますが、見直しが必要です。生まれつきの性指向だからです。最近では性神経学者Debra Sohも生まれつきであると言っています。

Ray Blanchardの分類を採用していれば、女子スペースに入ってくるトランスセクシャルは性別適合すみの元ウケのゲイと、自分を愛するAGPだけになります。
https://youtu.be/PsSGynubY1A
Debbie Haytonが最近AGPだとカムアウトしたのも偶然とは思えません。イギリスで自称トランス女性軍団(身体は男性のまま)がセルフIDを求めるに反対するジェンダークリティカルフェミニストたちがRay Blanchard に注目するなら、恥ずべき存在だと隠していたAGPの人たちがカムアウトしてもいいのではないかという雰囲気になったのだと思います。

AGPでも身体違和が強い場合は性別適合手術が認められるべきで実際手術をうけているのですが、ジェンダークリニックでは性自認に関心が向き、自分の身体が性的対象になっている人たちが結構?いることに気をつけてみていませんでした。

ジェンダー廃止を見据えたジェンダークリティカル運動の影響が広がれば、性自認という言葉は使われなくなり性指向と身体違和のみでトランスセクシャルを定義する時代がくるかもしれません。

Ray Blanchard、Ann Lawrenceが求めていたようにAGPの再定義が必要です。生まれつきの性指向で重症なAGPは思春期前にも身体違和の症状がでるからです。たぶんパラフィリアではなくなる日が来ると思います。

AGP当事者で医師のAnn LawrenceはAGPも早期治療が大切で、思春期にpuberty blockerを適用させてパス度をあげれば女性として生きていけると言っています。AGPの人はそれが恥ずべきことと考えて性別移行が遅れる傾向があり、そのため性別適合手術を受けたのに男性として生きている人もいるほどです。

AGPがセルフID阻止の鍵となる時代

4



maikokarino

2022年7月30日 22:25




県民からのパブリックコメントでは女性の安全に対する懸念が多数寄せられた



LGBTQ条例基本計画案に関して掲載された埼玉県【画像:埼玉県のホームページから】

 埼玉県が進めるLGBTQ条例基本計画案「性の多様性を尊重した社会づくり基本計画」に関する施策推進会議が24日、さいたま市内で行われた。LGBTQ(性的マイノリティー)当事者の権利をめぐり、近年、各方面でさまざまな議論が起こっているが、とりわけ大きな関心を集めているのがオールジェンダートイレに関する問題だ。県民からのパブリックコメントでは女性の安全に対する懸念も多数寄せられたが、県では可能な限りオールジェンダートイレを増やしていくとしている。(取材・文=佐藤佑輔) 【画像】性自認が女性で、戸籍上の男性が女性専用エリアに立ち入ったら? 県の回答  男女共用で、身体の性と性自認が一致しないトランスジェンダーの当事者を始め、誰もが利用しやすいトイレとして近年急速に増えているオールジェンダートイレ。一方でスペースの都合などの理由から、オールジェンダートイレの増加に伴って女性専用トイレの減少や廃止も進んでおり、性犯罪などのリスクが高まるのではとの見方もある。先月には、渋谷区・幡ヶ谷に新たに設置された公衆トイレに女性専用トイレがないとして批判が殺到。今月14日に新たに新宿区に開業した複合高層ビル「東急歌舞伎町タワー」でも一部の階でオールジェンダートイレが採用されており、物議を呼んでいる。  埼玉県「性の多様性を尊重した社会づくり基本計画」においても、富士見市議会の加賀ななえ議員が「女性の生存権や恐怖を軽視した形で議論が進められている」として2月に問題提起の訴えをネット投稿、大きな話題となっていた。県では2月1日から28日までの1か月間、県民からパブリックコメントを募集。417件の意見が寄せられ、この日の施策推進会議ではその内容とそれに対する県の対応や考え方が提示された。  公開された全83ページもの資料の中で、最も多い73件の意見を集めたのは、「身体が男性であるトランス女性が男性身体のまま女性用スペースを使用すること」についての反対を示したもの。これに対し、県側は「自らの性自認は尊重されるべきものですが、どんな場合でも性自認が戸籍上の性別に優先されるということにはなく」「法律による規制を上回ることはないため、性の多様性の尊重を理由に、違法性が阻却されることはありません」として「修正なし」の立場を取っている。ちなみに「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」では、成人要件や手術要件などの条件を満たしている場合に限り、戸籍の性別変更を認めている。  この他「性自認は個人の判断で決めることができ、特別な診断書等が不要な場合が多いです。こうなると、性犯罪目的の偽りのLGBTQが増える可能性があります」「女性専用としてすでにあるものの排除はしないでください」という意見に対しても、同様の文言で「修正なし」としている。  パブリックコメントの募集終了後、3月16日付けで知事決裁した「性の多様性への合理的な配慮に関する指針」では、既存の施設・設備の整備として「可能な限り性別に関わらず利用できるエリア(トイレ、更衣室など)を設け、その旨表示を行うものとする」、新設・改修の予定があるものについても「性別に関わらず使用できるトイレや更衣室などの設置を検討するものとする」と明記。「性別に関わらず利用できるエリアの利用については、必ずしも全ての当事者が希望するものではないことに留意する」「当事者のニーズに応じ個別対応が可能か検討するものとする」といった記述はあるものの、あらゆる公共施設で可能な限りオールジェンダートイレを増やしていくとしている。  この日の会議では、「女性用スペースが脅かされるのではないか」という県民の声について、委員や県職員らが「どんな場合でも性自認が優先されるわけではない。公衆浴場などでは法律を上回ることはない」との認識を共有した一方、オールジェンダートイレについての明確な言及はなかった。計画が抽象的な議論に留まっていることについて「合理的配慮は一律で言えることではない」「できればふわっと、議論の余地のあるところは宿題として、まずは計画を作らなきゃ進まない」との発言もあった。  会議を傍聴した富士見市議会の加賀議員は「委員会は推進派のメンバーばかりで、反対派や慎重派の人間がいない。身体的な性別の判断は施設管理者に委ねられており、行政が人任せなのは無責任です。パブリックコメントには氏名や住所の記載が必要で、女性の安全や子どもへの影響を懸念する人たちが自らの身分や立場を明かしてまで勇気を出して意見したのに、コピペの回答はあまりにもひどすぎる」と語った。  県では今後のスケジュールとして、6月に議会への報告を経て、7月の公表を予定している。

佐藤佑輔

トイレも更衣室も男女共用? 埼玉県が推進するLGBTQ条例に「女性専用排除しないで」の声
2023/4/25ENCOUNT





Mitz
@hellomitz3
【悲報】新しくできた歌舞伎町タワーも女子トイレがない

この流れマジで止めなアカンと思う
きっき
@8bspG3QjbkmVZJ8
失礼なんだけど、ジェンダーレスの人より普通の女性のほうが遥かに多いんだから、何故そこまでジェンダーレスを優先するのかが本気で分からない。
要はやってる感だけ。
くコ:彡@boiled_tako3

逆に、なんで男子トイレはあるの?

午後7:26 · 2023年4月16日

·
ビートダウン雑談 uʍopʇɐǝq xoqpɹɐɔ
@BeatDownTalk
コスト削減や省スペースが目的なら
「女性専用トイレ と 共用トイレ」
でも良いしその方が世の中の混乱は少ないはず(共用トイレに行く女性はお年寄りと父親に連れられた女児くらいだろうから今までとほぼ変わらない)。

でもどういうわけか
「男性専用トイレ と 共用トイレ」
ばかり作られている。

つまりこれを進めている勢力の目的はコスト削減などではなく別のナニカ。
午後0:01 · 2023年4月17日
·


ビートダウン雑談 uʍopʇɐǝq xoqpɹɐɔ
@BeatDownTalk
女性用トイレが無くなったらリアル女性が安心して行けるトイレがなくて困るって話だと思うのですが。

男子トイレと共用トイレのどちらにも普通に男がいる環境になるので、ドアの前で聞き耳立てられたり、カメラ仕掛けられてたり、個室に押し込められたりというリスクがこれまで以上に増えそうですが、そんなことありませんか?
午後8:26 · 2023年4月17日
·

Maple。♡
@withHiyoko
普通に男性は立ってするからだろうし、
なんで女性用と共用なら混乱を招かないのかも分かりません。

なんならどちらも無くさずに共用を増やせば1番混乱が少ないとおもうのですが。
午後3:21 · 2023年4月17日
·よりみちの福岡紹介
@yorimiti0blog
こちらの意見を聞いたら反対意見が、そちらを聞けば反対意見が。
結局みんなが納得する答えはないにしても女性専用もあった方がいい気がする
自分は男だけど隣で女性が入ってるなら思いっきり屁がコケない紳士なので辛いです。
午前1:38 · 2023年4月18日

おひま
@Himazin_tkt
男性専用がなくなったら立ちションするなってことになるやん。
それとも共用で女性に見られながらしろとでも?
コスト削減&省スペースが目的なら男性専用と共用でしょう。男性専用の方が圧倒的省スペース。

だからといって女性専用無くすのは僕もおかしいと思うよ。性犯罪増えそうやし。
午前1:17 · 2023年4月18日
·

https://twitter.com/hellomitz3/status/1647437531305377792






自民党が法制化を進めている「LGBT理解増進法案」をめぐり、4つの民間団体が、自分の性別をどう認識・認知しているかという「性自認」を法令化することに懸念を示し、さらなる調査・検討と慎重な議論を求めている。

4団体は2023年3月、政府や各政党に対し、共同要請書を郵送で提出。女性スペースや女子スポーツに関する法律の制定や性同一性障害者特例法の「手術要件」の削除反対などを訴えていた。

都内で4月5日、記者会見を開いた「女性スペースを守る会」代理人を務める滝本太郎弁護士は、「トランス差別しているわけではありません。トランスジェンダーの方々とこのように一緒に会見しているし、共に活動しています。トランスジェンダリズム(性自認至上主義)がおかしいと言っているだけです」と話した。

●「性自認」の定義を明確にせずに法令化することを危惧

この日会見したのは、他に「性別不合当事者の会」「白百合の会」「平等社会実現の会」。

4団体は、トランスジェンダーに対する不合理な差別は当然許せないものだと強調。その上で、仮に「性自認」をそのまま法令化した場合、身体が男性の人が「自分は女性である」と認識すれば、女子トイレや女子更衣室などの女性スペースなどでも、女性として扱わなければならないことを懸念しているという。また、女性として扱わないことが差別だという事態にまで発展する可能性もあるとする。

女性スペースは、無防備な状態にある女性を守るために存在しており、「女性と認識する」という人に対して利用を公認すれば、同様の認識を主張する男性が堂々と入れることとなり、本来は性自認が男性なのに性加害目的で入れてしまうと訴えている。

仮にLGBT理解増進法を制定するのなら、元々は男性で自身を女性と認識する人に対しては、女性の生物学的性別に着目して存在する制度や女性スペース、女子スポーツ等について、女性として扱わなければならないという趣旨ではないことを明確にするよう求めている。

●「女性スペースについては防犯の観点から考えて」

「女性スペースを守る会」共同代表の森谷みのりさんは、女性スペースについて「事件が起こることを防止し、女性や女児を事前に守るという防犯の観点から考えてほしい」と話す。

自身もトランス女性である「性別不合当事者の会」事務局長の森永弥沙さんは「何のために性別で区切られた空間というものが存在するのかを今一度考えていただきたい」と訴える。

「自分の認識でどうとでもなるあいまいな法に基づいて女性スペースなどの施設を利用できるようになってしまっては、性別で区切られた空間というものがまったく意味をなさなくなってしまいます」(森永さん)

「平等社会実現の会」代表の織田道子さんは、性加害者は「圧倒的に男性」であるとしたうえで、被害女性の恐怖や不安はとても大きく、身体が男性の人には女性スペースに入ってほしくないという思いは、「偏見や差別意識ではなく、根拠のある実感だ」と強調する。

「男女参画センターで10名ほどの男性がロビーにいただけで、過呼吸になり、動けなくなった被害女性に付き添ったことがあります。また、国会中継に多くの男性が映っているのを観ただけで寝込んでしまう被害女性もいました。これらは決して例外的な事例ではありません」(織田さん)

https://www.bengo4.com/c_18/n_15857/
LGBT法案に民間団体が懸念 「女性空間は守るべき」「性自認ありきなら悪用する者も」

2023年04月05日 16時25分



LGBT関連新法の整備に向け議論が進む中、性的少数者からなる団体を含む4団体は5日、厚労省で記者会見を開き、拙速な法制化への疑問を訴えた。

「何をもって差別とするのか」が不明確

4団体は先月、岸田文雄首相や各政党党首へ共同要請書を提出。名を連ねたのは、女性の権利保護を求める「女性スペースを守る会」、性的少数者からなる「白百合の会」「性別不合当事者の会」、性暴力被害者を支援する「平等社会実現の会」。

要請の趣旨は、以下の3点だ(原文ママ)。1 gender identity:性自認ないし性同一性(以下「性自認」という。)に関する差別解消法または理解増進法を作成し審議するにあたっては、拙速に提出することなく、女性の権利法益との衝突、公平性の観点からの研究・検討をし、先行した諸外国の法制度と運用実態、混乱などの問題、またその後の制度変更などもしっかりと調査し、国民的な議論の上で進めて下さい。
2 仮に法令化するのであれば、生物学的理由から女性を保護する諸制度・施設・女性スペース、女子スポーツ等々において、元々は男性だが自身を女性と認識する方を「女性として遇せよ」という趣旨ではないことを明確にする、また別途女性スペースや女子スポーツに関する法律を制定するよう求めます。
3 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律のうち「手術要件」は削除せず、男性器ある法的女性が出現しないようにして下さい。


「女性スペースを守る会」の滝本太郎弁護士は「トランス女性を差別しているのではない」とした上で「『トランス女性は女性だ』と運動として言うのはいいが、そのイデオロギーをもとに法律解釈、制度をシステム化していいはずがない」と指摘。

現在、日本では性別適合手術を受けなければ法的性別の変更ができないが、先行して「性自認」のみでの変更を認めた諸外国で混乱が生じていることに触れながら、「性自認」は主観的で曖昧な概念であるとして、「何をもって差別とするのか」の議論がなされず不明確なまま法令化されることへの懸念を示した。

女性スペースは「性暴力被害」と密接な関係にある

性暴力被害者を保護する立場から、「平等社会実現の会」の代表・織田道子さんは「電車の女性専用車両など、女性スペースに一定の理解が示される半面、トランスジェンダーについて言及しただけで“言論弾圧”を受ける現状がある」と指摘。

「女性専用の空間は性暴力被害と歴史的に密接な関係にあり、多くの女性の犠牲のもとに勝ち得た女性の安全のための権利だと考えています。

強姦をはじめ痴漢、盗撮、セクハラ、露出魔、リベンジポルノ、体液をかけられるといった性暴力への恐怖や不安は、女性なら誰もが持っているもの。“身体的な男性”に入ってきてほしくないという思いは、偏見や差別意識ではなく、根拠のある実感です」と言及した。

また性的少数者の立場からは、日常的に問題なく生活している当事者もいるとして、十分な調査がないまま法令化へ向かっていることへの疑問が示された。

「性別不合当事者の会」の森永弥沙さんは「本当の問題は、トランス女性が女性用のトイレやお風呂を利用できないことではなく、男性優位社会の中で就職ができない、賃貸住宅への入居ができないこと」と指摘。

「女性スペースを守る会」の森谷みのりさんも、「女性に向かって『トランス女性を女性スペースから排除するな』と叱る男性たちこそ、自分たちが女性たちの自由を認めず、性の多様性を認めていないから、トランス女性を男性スペースから排除しているのだと自覚していただきたい」と語った。

最後に滝本弁護士は「“身体的な女性”の方が力が弱いのは当たり前のこと。トランス差別をしているのではなく、トランスジェンダリズム、性自認至上主義というのがおかしいと言っているだけなのです」と訴えた。この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいて執筆しております。

https://www.ben54.jp/news/375
女性スペース「性暴力」と密接な関係にある…LGBT法案に当事者団体も“待った”



弁護士JP編集部

2023年04月06日 11:07







2023年4月24日 滝本太郎


 gender identity≒「性自認」「性同一性」については、この2年間、様々な事柄が起きており、2021年5月に調整した理解増進法を提出・成立させないで良かったと断言できるのではないか。理解増進法等については、改めて「何をもって不合理な差別だとするのか」を念頭に置きつつ、慎重に調査し、議論していくべきではないのか。


1 先行した国々では、トイレや更衣室等の女性スペースや女子スポーツ選手権など、様々な問題が次々と明らかになっている。米国は州により大きく異なり統一の気配も一切ない。

 それらを各省庁において調査させ、報告を得て検討しないで良いのか。


2 国際水泳連盟では2022年6月、世界陸連では2023年3月、男性として第二次性徴期を幾分でも経た方は、女子選手権への参加を認めないこととした。オリンピックでも同様になっていくと見るのが当然である。東京オリンピックを前にした2021年5月の状況とはまったく異なる。


3 日本は唯一、性的少数者の差別解消法が制定されていないというのは誤りではないのか。民法、労働法はもとより、改正パワハラ防止法は広く適用される。

また国会答弁には、身体違和がきつい性同一性障害者については、特例法所定の診断を経て生活上不便がある者については、障害者差別解消法が適用されるとある。

しかし、これらが国民に知られていない。そしてその上での、つまりは曖昧かつ主観的だと言う外ない「性自認」に法的効果を与える問題なのだということは、尚更に国民に知られていない。

それこそが大きな問題ではないのか。


4 昨年6月28日のG7の首脳コミュニケでは、「誰もが同じ機会を得て、差別や暴力からの保護を確保することへの完全なコミットメントを再確認する。」に調印したのであり、決して男性器ある人を「女性として遇する」とよめるような法令を作ると約束し合ったものではない。

コミュニケでは、上記に続いて「この目的のために、我々は、長年にわたる構造的障壁を克服し、有害なジェンダー規範、固定観念、役割及び慣行に対処するための我々の努力を倍加させることにコミットする。」(日本語仮訳24ページ)としている。

むしろ「男性は(その時代・地域での)男性らしい服装であるべきである」ということこそが「有害なジェンダー規範」「固定観念、役割及び慣行」であってこれを打破することが求められているのではないか。

G7のうちのイギリスは、2022年4月のボリス首相発言により正常化に舵を切り、この4月スナク首相は「女性の100%が陰茎を持っていない」と述べた。この当たり前のことがニュースになる状態が異常なのではないか。

性別セックスとジェンダーを混同していたと先行した国々でも気が付き始めたというべきではないのか。日本では日本学術会議が、2003年特例法を廃し性自認による性別変更の制度をなどと提言したが、それ自体が間違っていたのではないか。


5 差別解消法・理解増進法は、これをもって男性器ある者が女子トイレの利用を公認されるが如き運動の一環として進められており、成立すればその運動・訴訟のため有効に使われることは明白である。

 その議論を避けるためにこそ、男子小用は格別、他は男女共用のトイレとする公衆トイレが、今、次々と出現している。これは犯罪機会論からは到底認められないトイレであり、多くの女性に恐怖と不安感を与え、女性と女児を心配する多くの国民から批判されている。

理解増進法が成立すれば、このように女性専用トイレを無くしていく傾向となることは、女性の安心安全の確保という観点からはいかがなものか。労働安全衛生規則のトイレは男女別とするという基本原則が、不特定多数のための公衆トイレから崩されて良いのか。


6 目的は性的マイノリティの理解増進であり、その際もっとも大切なのは立法事実であり、「何をもって不合理な差別」とするのかである。

 ところが、その議論をすると「差別だ」と一部の方から言われることにおびえてしまい、議論されていないのではないか。

すなわち、女子トイレはもちろん、更衣室、女湯、病室、シェルター、刑務所、またいわゆる女子枠、統計等々での様々な限界事例、我々も国民的な議論を踏まえたうえで法は作っていくべきではないか。民間での女性専用マンション等でも混乱してくることは明白である。


7 従来、LGBT活動団体が早急の法整備をと求められてきたが、いまや、それらの団体は決して性的少数者の代表ではないとする性的少数者の方々も多くの声をあげている。これまで運動団体に入って来なかった市井の同性愛の方々、特に男性器あるトランス女性の対応に苦慮してきたレズビアンの方々からの声があるのである。

そしてトランス女性の一類型である身体違和がきつい性同一性障害(性別不合)の方々からも、曖昧かつ主観的な「性自認」で男性器ある状態であるのに「女性として遇せよ」となれば、女性の安心安全が危機に瀕するとの声が出ている。


8 現在、すでに男性器があるがパスポート上「女性」として来日している外国人がいると思われる。在留カードもそれに準じていると思われる。

このことが知られておらず、また調査は困難を極めようがしないで良いのだろうか。パスポート上「女性」となっているのだから、公衆浴場にかかわる通達などと言った対処で足りる筈もない。

このこともあって、女性スペースを守る会など4団体は、理解増進法を作るのであれば「女性スペースに関する法律案」「女子スポーツに関する法律案」といったものを併せて作られたいという法案も示した文書までも出している。

このような状況を前に、慎重に多方面から検討すべきではないのか。


9 今、性的少数者で「性自認の法令化」に反対する方々やこれに心よせる方々は心配している。

すなわち、現生人類が成立した時から男性と女性とは性別セックスとして存在している。性分化疾患の人がいるが実にどちらかの性別である。

ところが、性別セックスと、時代と地域で異なる「ジェンダー」とを混同してしまい、先行した国々では「性自認によるとおりに遇せよ」「法的性別の変更を」という動きになっている。

しかしそれは自然の摂理に反するから将来、真に確実に崩壊する。その時には、反作用で、先行した国々では、近年まであったソドミー法(日本では明治初年の8年間程だけ、処罰規定があった)のように、同性愛の行為や異性装につき処罰がある法の復活や、社会的に偏見が増し迫害されるではないか、と心配している。

日本は、先行した国に対し、実は性的少数者対応の先進国として、G7の他国に対して「男が、いわゆる女性装、女っぽい、女性と認識する人も男の性の多様性として承認することが、トランス女性を尊重するということでは無いのか。」と伝えるべきではないか。

少なくともイギリスや米国の相当数の州政府・議会は、それを歓迎するのではないか。


以 上

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https://note.com/sws_jp/n/nfc1e7bba8907
この2年間で分かってきたこと

22



女性スペースを守る会

2023年4月26日 13:41




 性別不合当事者の会の赤井キツネです。今回は生物学的女性の権利を守る会(以下、守る会)様のこちらのnoteに対するアンサー記事になります。尚、特別に記載のない限りこの記事での〝女性〟〝男性〟は全て生物学的医学的性別=sexのことを指し、個人のgenderやgender identityは、少なくとも記事内においては考慮していません。
https://note.com/seibetu/n/ncdd2e07d9914
 と紹介しても元のnoteを読まずに流す人が多そうなのでこちらで守る会様のnoteについては適宜言及しながら記事を進めるつもりです。
 では、まずはキーとなる人物、菊池あずは受刑者についてざっくりと紹介。

 殺人事件を起こした2015年時点で28歳。幼少期から女子が好むような遊びが好きで小中学校では友人から「女の子みたいだ」と言われていた。高校に進学するも男子の制服を着るのが嫌で中退。その後、医療機関で性同一性障害の診断を受診後、タイに渡って性別移行手術を受け、2006年に性同一性障害特例法が適用されて法的性別を男性から女性へと変更。法的性別変更後は一年ほど故郷の九州博多の中洲でホステスをしていたが銀座へ移る。しかし銀座での仕事は上手くいかず、試用期間の1、2ヶ月でほとんど契約を打ち切られていたようだ。2013年頃から一年働き続けた店で自分に親切にしてくれていた後に被害者となる幹部社員の男性と2014年から同棲を開始。しかし、同棲後すぐに男性は同棲の継続は無理だと悟り、次第に気持ちが離れてゆく。そして2015年2月、男性から結婚は無理だと伝えられた菊池受刑者はそのことを恨み、後日用意した金属バットで被害者の頭部をめった打ちにしてから胸や首を多数回刺して失血死へと至らしめ、逮捕される。裁判で弁護側は受刑者の軽度な知的障害や広汎性発達障害を理由に減刑を求めたが、同年12月に求刑18年に対して16年の刑期を裁判所より言い渡され、女性刑務所へと収監された。

 一応複数のニュースソースから引用しながら菊池あずは受刑者のプロフィールを書きましたが、事実とは異なる点があったとしてもご了承下さい。この記事の趣旨は守る会様のnoteに対するアンサーであり、菊池あずは受刑者個人について考察するものではないので事実と異なる点があったとしてもぶっちゃけ些事です。
 では、ここから守る会様のnoteに触れていきたいと思います。

<要望その1:菊池あずは氏を男性刑務所に収容するよう要望します。>

 要点としては、

1 骨格や体格(菊池受刑者の身長は179cm)など男性の身体的特徴を有している菊池受刑者の存在が、虐待、性暴力、DV被害などによって男性身体に対するトラウマを抱えている女性受刑者への障害や抑圧になり得る。

2 第二次性徴を男性として過ごした菊池受刑者の身体機能はほぼ男性のそれに等しく、女性受刑者や女性刑務官にとっては場合によっては脅威になる。

3 菊池受刑者が男性刑務所へ移送された場合、性暴力被害に遭う懸念があるので「居室を単独にする」などの配慮を希望する。

 といった内容になっています。要約に私の恣意がある程度混ざっていますので正確に知りたい方は原文のnoteを読んでください。また、3については当たり前の配慮なので特に言及しません。
 この要望を読んで多くの方はこう考えるかもしれません。

「特例法で性別変えたんだから、菊池受刑者は女性刑務所に入れるのが筋じゃね?」

 正直に言うと私も最初はシステマチックにそう考えました。が、GID-MtFの方の存在を多数の女性が脅威に感じ得る状態であるならば、その人物がたとえ法的に女性と見なされる状態であったとしても女性刑務所のような女性同士が緊密に集団生活をするような特殊な女性スペースから排除することは合理的判断と見なされるのではないでしょうか? あるいは、GID-MtFの方の多くは自分が外性器以外には男性身体のままであることを理解しており、女性のスポーツ大会に出場することを避けたり女性の方々に恐怖を与える可能性に配慮して公衆浴場などには入らないといった判断を下していて、当事者自身が女性と空間や権利を共有することが憚られる場面があることを十分理解しておられるように見受けられます。当事者の方々自身がそういった判断を下すことからも分かるように、女性刑務所からGID-MtFの方を排除することは状況次第では妥当であると言えるのではないでしょうか?

 とは書きましたが、だからといってGID-MtFの受刑者の方を全員自動的に男性刑務所へ収監することが理に適っているとは正直思えません。刑務所のキャパシティの問題があったり、GID-MtFの受刑者の方の保護を行う男性刑務官の負担が相当大きかったりする筈だからです。そう考えると、昨今社会の無用な混乱を避ける目的で女子トイレや男子トイレの他にユニセックストイレを用意する風潮が強くなっているのと同様に、性同一性障害の診断を受けた方やジェンダーのトランジションを行っている人の為の収監施設を設置する、といった判断があっても良いのかもしれません。性同一性障害や「トランスジェンダー」と呼ばれる社会的性別規範のトランジションを好んで行いたがる人たちの存在が世間一般に周知され始めている現状、そういった議論が為される必要があるように感じられます。

次回に続く

https://note.com/ts_a_tgism/n/n9a67c69a0e7b
特例法によって法的性別を変更した者の犯罪に関して

13



性別不合当事者の会

2023年4月6日 02:55



うちは未オペの小学生ぐらいの頃、喘息で入院した時に戸籍上の「男性」の性別のまま扱われた経験あるよ。
うちは学生の頃、遠藤まめたさんみたいなセクマイの知識なかったしというか親にそういう情報は遮断されてたセクマイに対する寛容性のない家に生まれたので、喘息で入院中、親からのきつい監視の視線もあったし「おとこおんな」「かま」「ブサイク」と悪い風に言われてばかりで、自然に出る女の子っぽいしぐざ出したら両親に怒られたり、まあ私の場合は散々な入院生活でしたよ。



女の体で生まれたが、物心ついたときから自分のことは男だと感じていた。FtM(女性として生まれ性自認は男性)のトランスジェンダーである経験をいかして、18歳の頃からLGBTの子ども・若者支援に関わってきた遠藤まめたさん。だが2015年、28歳のときに突然「全身性エリテマトーデス(SLE)」という難病にかかったことで、遠藤さんははからずもダブルのマイノリティ属性を持つことになる。

入院中のカミングアウト、完治の目処が立っていない難病を通して、29歳となった遠藤さんの中で新たに見えてきた課題とは?



トランスジェンダーかつ難病、個性にもほどがある

――2015年4月に全身性エリテマトーデス(SLE)という難病を発症。トランスジェンダーというマイノリティ属性に加え、1万人に1人の難病を患うダブル・マイノリティとなった経緯を書かれていましたが、現在の症状はどうですか。

難病というと「寝たきり」みたいなイメージを持たれることもあるけど、折り合いをつけながら動いている人も多いんですよね。今の生活の実態としては、定期的に通院はしつつ、会社にも普通に通って仕事しています。至急入院を命じられた当時は「平熱が38℃前後」になり、頭はハゲるわ、腎炎になるわ、散々でした。体温が高いと健康になるって本があるけど、限度があります(笑)。

獣医学科の出身で医学的な知識があったから「死ぬ病気」じゃないことはわかっていたんですね。それでも退院してからの方が先行きどうなるんだろう、という不安はありました。難病なので原因不明かつ治らないし、意思とは無関係によくなったり悪くなったりする。多様な全身症状のどれが現れるか分からないのも、なんだかロシアンルーレット感があります。

――トランスジェンダーと難病。受容の過程に重なる部分はありましたか。

私の場合には、トランスジェンダーとして日々サバイブしてきた中で自然と身に着けていたクセは、病気になったときも役立ちました。もともと「他人と違う人生」だったし、これからも、自分のややこしい人生の面倒を観ていけばよいだけですから。

体調が悪くて病院をいくつも回っていたときは「多分この病気だけど今日はネット検索はここまでにしよう」「もしこう言われたら、次はこうしよう」という感じで、考えることを「小分け」にして乗り切っていましたね。10代の頃、トランスジェンダーだと気が付いたときの経験がここで役立ちました。性別を変えるって、時間もお金もエネルギーもかかる壮大なプロジェクトなので、一日にたくさん考えすぎると気持ち悪くなるんですよ(笑)。なので、修羅場はとにかく「小分け」すべきです。

それと、トランスジェンダーとしてこれまで生き延びたから、今回もいけるという自信もありました。もともとセクシュアル・マイノリティのコミュニティでは、性別のみならず年齢や健康状況まで、本当に様々な人と出会っていました。人間の多様性に興味があったので、自分の身体はしんどいけれど、内心では「これからどうなるんやろ?」という未知なるマイノリティ経験への好奇心もあって(笑)。深刻っぽい状況だと「おっとこれは面白いぞ」とどこかで思ってしまう自分もいました。


■非常時のマイノリティがたどる精神プロセス

――ブログにも入院中のことが書かれていましたが、いわゆる闘病記らしからぬユーモアとドライブ感がほとばしっていますね。戸籍上の「女性」の性別のまま扱われてピンクのパジャマをあてがわれる状況などは、トランスジェンダーならではの悩みですね。

最初は重病人すぎてカミングアウトする気力はゼロでした。ピンク・パジャマをきて横たわり、さながらピンク・パジャマ・ゾンビ状態だったのですが、元気になってくると「この格好では友達に会いたくないぞ」という人間的な感情がほのかに芽生えました。決定打は、カネです。治療方針をめぐって「若い女性なんだから、将来妊娠できるように月額6万円の薬をあえて使いましょう」と言われたときに、「いったい何をするんだ!?」と我に返って、かなり危機感を覚えたわけですね。

「いや、この先も子ども産むつもりないんで」と言っても「いやいい出会いがあるかもしれないでしょう?」という感じで、主治医の会話はかみ合わない。結局「いや、私はトランスジェンダーで、妊娠とかマジご勘弁なタイプなんで」と正直に言うしかなかった。

東北の震災で被災したトランスジェンダーの知人も、これと似たようなプロセスをたどっていたんですよ。最初は自分がトランスであることなんてどうでもいいと思わされてしまう。とにかく緊急事態で、水が出ないとか家が壊れたとかそういうことの方が関心が高い。トランスジェンダーであることは、その人が365日24時間やっていることだから、特段新しい苦労なんかないんです。もともと男女別トイレには入りにくいし、集団で風呂に入れないし、いまに始まった苦労じゃないから、緊急時には「それどころじゃない」って思ってしまう。

でもちょっと状況が落ち着いてくると、人間らしい感情がよみがえってきてガタッときちゃうんですよ。「非常時だからどうってことない」と思って我慢していたことが、やっぱり「どうってことある」「自分の尊厳を守るためには、トランスジェンダーであることからは離れられないんだ」と気づく段階が。

入院生活もそれと同じで、ゾンビから人間にもどってきたときにマイノリティであることに改めて自覚させられる。自分の存在をすごく危うくされるぞ、みたいなことが起きたときは、私の場合には「カネ」でしたけど、カミングアウトせざるを得ない場面もある。

カミングアウトって社会的な強者ができること、と思われがちなんですけど、実はそうじゃない。弱い人も自分のニーズを発するためにはカミングアウトしなければいけない状況がある、ということは実感しましたね。


たとえば、同性のパートナーの手術に立ち会うためには医師に同性愛者であることを伝えなければならないことがあります。トランスジェンダーでホルモン注射をしている人が被災したら、ホルモン剤を手に入れるためにだれかに事情を打ち明けなければならない。介助なしには外出が難しい人がLGBTのコミュニティに参加するためには、誰かの力を借りる必要がある。困っている人こそ、カミングアウトが必要になるケースは多いんです。

■LGBTの問題だけが劇的に改善されることはありえない

――今の段階では完治の目処が立っていない難病だそうですが、人生観に変化はありましたか?

これまではLGBTの活動家として「頑張って自分がこの社会を何とかしてやる!」みたいなエネルギーがあったんですけど、自分にできることは限られているし、できないこともある。圧倒されるしかない現象もある。できないことに対して、悪あがきをするのではなくて、長い目で観よう、肯定的に目を向けようと思うようになりました。

そもそも、世の中にはいろんな社会問題があってそれらは全部どこかでつながっていますよね。LGBTの問題に取り組んでいますが、今の日本は男女間の性差別だってまだまだ扱えていない。夫婦別姓が実現しない中で同性婚もクソもないだろうって思うけど(笑)。

どうせ100年経ったらみんな死んでしまうわけだから、そのときに人類の歴史として、どれだけみんなが前に進めるのか。今すぐ目先の、自分たちだけの利益ではなくて、みんなのために役立つことはなんなのか。そういう大きな視点を持てるようになりました。

――2016年8月からは「10代~23歳ぐらいまでのLGBT(そうかもしれない人を含む)のための居場所」づくりとして「にじーず」を立ち上げていますが、これからの時代のLGBTユース支援で気をつけるべきポイントは何かありますか?

他国もそうですけれど、これだけ情報が溢れている時代になると、低年齢で自分がゲイだったりトランスジェンダーだったり、ということを気づいていくケースが増えていくと考えています。自覚した年齢が小さければ小さいほど、周りのフォローがないとその子は孤立してしまう。だからこそ周りの大人たちが正しい知識を知っておかなければフォローできないだろうな、と思いますね。

「にじーず」もそういう流れから始まったものなんです。地方に講演に行ったときに「そういう子が集まれる場所が必要です」と話したときに「じゃあどこに行ったらいいですか?」と聞かれて初めて、あまり選択肢がないことに気づいた。ネットだと怪しい大人に会ってしまう危険もあるし、安全な場所につなごう、という話になって、じゃあ作ろうかと。10代の子どもにとって一番大切なのは仲間だと思っているので。まだ立ち上げたばかりなので色々模索中ですけど、今後も月1で活動を続けていく予定です。

■差別は「ダメ人間がすること」じゃない

――LGBTユース支援以外にも、やってみたいことはありますか?

地方と都市の格差を埋めたい、っていう気持ちがあります。東京に来れるとか、便利なところに行けるっていうのは、ある意味で「強い人」じゃないですか。でもそうじゃない地方の人たちが、どこに住んでいても希望を持って生きていけるようにしたい。

LGBTを東京だけの話にしたくないし、どこの町に住んでいても「よかった」と思える居場所を増やしたい。地方に講演にいったとき「40代の女で結婚せず生きていくこと自体がこの町では困難」とか「レズビアンだけど付き合っていた彼女が結婚せざるを得なかった」みたいな話を聞くと、やっぱりため息が出る。そういう閉塞感をなくしていきたいですね。

もうひとつは「通訳」をしたいです。差別は、ダメ人間だからすることじゃないんですよね。だれもがしているものだと思います。差別について語るとき、どうしてもお互いのボキャブラリーは限られてしまう。多数派の人は、自分を語る言葉さえ持っていません。そんな中で、立場のちがいに関するボキャブラリーをふやすための「通訳」者が増えて、もっとオープンにみんながいろんなことを話せるようになれば、状況はきっと変わるはずです。

(取材・文 阿部花恵)

https://www.huffingtonpost.jp/2016/10/28/transgender-mameta-endo_n_12683266.html
FtMのトランスジェンダーである経験をいかして、18歳の頃からLGBTの子ども・若者支援に関わってきた遠藤まめたさん。だが2015年、28歳のときに突然「全身性エリテマトーデス(SLE)」という難病にかかったことで、遠藤さんははからずもダブルのマイノリティ属性を持つことになる。

ハフポスト日本版編集部— The Huffington Post

2016年10月28日 16時47分 JST|更新 2016年11月07日 JST