「来るぞ、来るぞ」と言われていたが、小泉氏はなかなか出馬を表明しなかったし、パパが反対しているとの話もあった。若手のホープのコバホーク、保守派のホープ高市早苗氏などの名前も上がっていたが、話題作りにしかならず、誰が出てもこの面子では裏金問題で崩壊している自民党のイメージを変えることはできないと思われていた。その中で、若手の小泉進次郎ならイメージを一新できる可能性があるとされている。
イメージというのは私たちが持っているイメージではない。一般的なイメージが良くて、滝クリという誰の前に出しても見栄えする奥様がいてという、そういう人が出ることで「自民党が変わった」というようなものである。
先日、石丸候補者の選挙の仕掛け人であった選挙の神様、藤川慎之助氏に「このままでは自民党は崩壊するのではないか」と言ったところ、「自民党はずっと色々な手を使って延命策を取ってきたから、意外とそのまま行くだろう」との答えだった。確かに小泉進次郎氏という、43歳の若い人が出てくると、政治に関心のない国民は、「小泉氏出てきた」ということでホッとなる。そして奥さんの滝川クリステル氏は外国に行っても英語でやり取りできるという「本当にすごい」ビッグカップルが、我が国の顔になる。
中身ではない。この国を動かしているのは官僚なのだから、中身の問題ではなくて、どうせ誰がやっても同じなのだ。多少の味は違うのかもしれないが、見栄えの問題としてイメージが良くなるということで小泉進次郎になるのではないかと言われてきたが、やはりここに来て小泉進次郎氏である。
そうでなければ周りの人が納得しない。このまま行けば河野氏だろうが石破氏だろうがコバホークだろうが高市氏だろうが、誰が総裁になっても「今から落選する100人の議員のリスト」に名前が上がっている100人は、この「顔」では次の自分は生きていけない、ということになってしまう。そうなると政策や中身ではなくイメージアップなのである。イメージだけで行ける人ということを議員たちは考えるのだ。
この国のためではなく自分たちの延命のための選択肢を取るならば、上川氏でも石破氏でもコバホークでも高市氏でもない、茂木氏でも河野氏でも加藤氏でもない、というような感じで動いていたのが、やはり進次郎氏ならば勝てるだろうとなると「散りかけていた俺は進次郎氏ならば生き残れる」という方向にやはりなってしまうのだろう。
進次郎氏が出てくるまではコバホークか高市氏か、と保守派の間ではいわれていたが、どちらもおそらくビジネス保守という点では変わりないだろうと思う。コバホークは今までは右か左かという色をあまり見せてこなかったが、急に右に寄せて靖国神社に参拝してみたり、拉致被害の問題を取り上げてみたり、右っぽく自分をブラディングし始めている。これは他の候補者も明らかにリベラルなので、高市氏を意識していると思う。ただコバホーク自身は知名度がないので今から保守っぽいブランディングをしても、高市氏の票を剥ぐことはできるかもしれないが、彼で勝つことは非常に難しいだろう。
進次郎が出てきたらコバホークの話題は一撃で全部吹っ飛ぶぐらいの感じだろうと思う。だとすれば勝ち目がない総裁戦に彼が出てくる意味は、誰かに頼まれてやっていると思われる。とすれば、頼んだのはおそらく高市氏を嫌っている菅氏であって、味付けのアドバイスをしているのは萩生田氏ではないかと思う。
なぜそう思うのかというと、萩生田氏は菅氏にもすごくいい顔をしていて、加藤勝信を担いで首相にして二階派の武田良太氏と3人で、首相・幹事長・官房長官という3つのポジションを取っていくというHKT構想を持っていたからである。
萩生田氏のライバルでもある高市氏に対して高市憎しで高市潰しを仕掛けるとしたら、コバホークをぶつけて来たのは多分萩生田氏で、菅氏も高市氏を嫌っていると思われることから、菅氏にゴマをすっている萩生田氏が味付けの指揮取りをしていると思う。
萩生田氏は保守っぽく装うことに関してはプロフェッショナルなのだ。彼がどれだけ保守っぽいことができるのかというと、保守を裏切ってきた過去の歴史、裏切りの歴史がすごいのである。
まず、彼が懇意にしてきた「新しい教科書を作る会」は、子供たちが自分たちの国を誇りに思えるような正しい歴史教育を与えられる、自分たちの国に生まれて良かったと思えるような教科書を作りましょうということで、ずっと教科書を作ってきたのだが、それを萩生田氏は、自分が応援してきてもらったにも関わらず、一発で不合格にした。作る会の教科書不合格、新基準で欠陥多数ということで、なんと萩生田氏は自分が文部科学大臣の時代に一発で潰すということをやったのである。
それだけではなく、国民を裏切ってきた歴史はすごい。神宮外苑前の銀杏並木を伐採してタワーを立てて金儲けをしようという再開発があるのだが、森氏のために、これを推進してくれる小池氏を自民党の名前を捨てて応援するということをしているわけである。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/341566
その神宮外苑再開発の裏で暗躍するのが萩生田光一で、当時の自民党の都連会長が参戦して出馬表明の女帝に抱きついたのである。特にこの再開発というのは、清和会のドン、政界のドン、キングメーカーと呼ばれる森喜朗元首相が推進している。これまでは15メートルだった高さ制限を最大80メートルまでにして高層ビルを建てられるようにするために、これを推進するには小池ゆり子氏の力が必要だということで、森元首相の手先となって「小池氏を支えるためには自民党の名前を捨てるのも厭わない」という萩生田氏の方針に、反発を抱いたという人はかなり多かったようである。
彼の政策戦犯はこれだけでもない。種子法廃止、種苗法改訂が2022年に行われた。この時に何が起こったのかというと種苗法が改正され 種子法が廃止になって「お米の種子の自給率が11パーセントになるリスクがあります」ということを東京大学特任教授の鈴木教授が指摘している。種子は命の源である。ところが今やその種苗法改正と種子法の廃止で、種子は企業の儲けの源になってしまった。この種苗法改正と種子法の廃止は菅氏が推し進めたものだったが、当時の菅元首相のためにこの法改正と廃止を裏で強く押し進めた立役者は萩田氏だったということである。
https://jp.reuters.com/article/business/technology/4760-idUSKBN2NY01S/
それだけではない。我が国の半導体と環境を揺るがす問題であるTSMC生産、設備計画を認定したのも、なんと萩生田氏である。2022年当時、見た目は台湾企業に見せているが実質は中国の浙江財閥に、我々の血税で4760億円をプレゼントし、その後さらに7200億円が追加され、合計1.2兆円を中国習近平の手先に差し上げるということをゴリ押ししたのである。
このプレゼントの根拠には5G促進法という法律がある。これは5Gを導入する企業に対して税額控除を与えるというものだ。実質的にはファーウェイ製品に5Gというものが多く、その特許の多くがファーウェイのものであるため、5G製品が売れれば売れるほどファーウェイが強くなっていった。そして日本は世界で最も5Gの電波が飛びかうこととなり、現在、電波による健康問題が起こるのではないのかということを言われるような国になってしまった。
また、保守派として「LGBT法に慎重にやりましょう」「慎重になりましょう」「LGBT法そんな早急にやっちゃいけないよ」と言いながら、その裏で猛烈に押し進めていたのは実はこの人だったという。
そういう彼の裏切りの歴史は続いており、元首相であった安倍氏が白昼堂々と銃撃により暗殺されたことについて、その真犯人は一体誰なのかということは誰もが知りたいところであるのに、その国民の声を受けて動こうとした保守派の議員の声を裏で潰して回っていたのは実は彼だったということを暴露している方もいるのである。まだまだあるが、今日はここまでとしておくこととする。