開始日
2022年7月9日
この署名で変えたいこと
署名の発信者 高橋 みゆき
ENGLISH
■2022/12/27 厚生労働省様に作成頂いた宗教虐待対応用のガイドライン(Q&A)
・QA概要版
・QA本体
・地方への通知
■2022/9/28 関係省庁に提出した陳情書の内容
https://twitter.com/takahashi_miy/status/1575095053542100992?s=20&t=ONYwqoII4mdIy-ggSHQmJg
【初めに】
私は統一教会の祝福2世です。身バレの危険があるため詳細は書けませんが、私自身が統一教会に人権を大きく蹂躙されてきた半生の経験があります。素性を明かさずに活動している事、どうかご理解いただけると幸いです。
【提言】
宗教2世の基本的人権(信教の自由・幸福追求権など)を守るために必要な法律・行政の体制整備をお願いします。
①虐待の定義に「宗教虐待」の概念を追加(例示等)
②宗教虐待の禁止、刑事罰化
③他者に対して虐待を行うように指導する行為を厳罰化
【問題の概要】
日本における一部の宗教信者の子ども(宗教2世)は「子どもが信仰を望まない場合でも宗教活動や信仰生活を強制させられる」問題を抱えています。家庭内という閉鎖的な環境下で、拒否権のない信者の子どもの基本的人権(信教の自由・幸福追求権等)が侵害されています。
本来であれば、宗教活動の強制や人生選択の強制、幼少期からの恐怖の刷り込み等は心理的虐待にあたる可能性が高いと考えられます。たとえ、虐待の原因が宗教活動に基づくものであっても、児童虐待防止法上の虐待の定義に該当する行為があれば、通常の児童虐待と同様の措置をとるのが行政の義務になります。
一方で実態として、公的機関に被害の相談をしたが「宗教の問題には対応できない」「信仰している人の信教の自由を侵害できない」等と門前払いされた宗教2世の体験談はとても多く、日本の行政・立法機関の「宗教問題に対して介入しない姿勢」がこれらの問題の被害拡大に繋がってしまった事は否めません。日本では信教の自由が認められているからこそ宗教組織は活動できる。一方その結果、信者の子供たちの基本的人権(信仰しない自由・幸福追求権など)が侵害されています。
既に大人になってしまった私達は、もはや自力でどうにかするしかないとさえ思ってしまっていますが、今後同じ様な境遇の児童は絶対に生み出したくない。日本社会はこの人権蹂躙を許してはいけないと確信しています。
また上記の問題は、宗教組織が存続するために「信者が組織から抜け出せない」「親が子どもに信仰を強制する事を誘発する」様な教義を掲げ、組織的に虐待の指導を行っている事が根本原因となっています。宗教組織が、更なる信者確保のために真っ先に狙うのは信者の子どもです。宗教組織(特にカルトと呼ばれる組織)が信者の子どもを狙うのは常套手段なのです。本問題の抜本的解決のために、組織的な虐待指導に対する規制も強く求めます。
【統一教会での人権侵害の実態】
①生まれた時から始まる洗脳教育、自由恋愛の禁止
自由恋愛は教会において最大の禁忌として定められています。合同結婚した両親から生まれてきた私たち祝福2世が自由恋愛をしてしまうと、普通の人よりもさらに悪い地獄の底に行く(堕落する)と言われてきました。2世は物心が付いた時から地獄に行く恐怖を刷り込みされているため、思春期に芽生える恋心に対して強い罪悪感を抱えてしまう人がとても多いです。教会とは縁を切り一般の結婚を果たした人であっても、成人後も刷り込みが抜けきらずに、恐怖や葛藤を抱えている人すらいます。子どもは生まれてくる家を選べない。『生まれた時から始まる洗脳教育』こんなに残酷な事はありません。
②組織的な虐待、ストーカー化する大人たち
信者である親は、自分たちの子どもに地獄に行って欲しくないという気持ちから、子ども達を常に監視・束縛します。更に、信者の子どもが堕落してしまうと、両親が人生をかけて積み上げてきた信仰が全て台無しになるとも教えられています。宗教組織が『子どもにも信仰を強制させなけれなばならない』様な教義を作り、信者に指導する事で、組織的な虐待構造を作り上げています。宗教組織が『親を使って子どもを束縛させる構造』です。両親は人生の全てを捧げて信仰を積み上げてきた信者であり、説得する事は絶対にできません。場合によっては、両親だけでなく他の信者も束になって、幼い子どもを束縛してきます。
③一般のお見合い結婚とは全く異なる統一教会内の結婚制度
親と絶縁するという究極の選択になかなか踏み切れず、悩み抜いた末に、親のために統一教会内の結婚(旧統一教会では「祝福」と呼ばれている)の道を選ぶという人も少なくないです。しかし、祝福結婚のプロセスにおいても、理不尽な決まりごとが多数存在します。
[1]信者同士の結婚しか許さない
[2]信者同士であったとしても自分の意思で相手を選ぶことは絶対悪
[3]両親や統一教会の責任者が認めた相手としか結ばれてはいけない
[4]未婚時の異性交友の禁止(手をつなぐ、2人きりで遊ぶなど)
[5]過去の性交渉や自慰行為の経歴など、性に関する話も含めて今までの人生における罪を洗いざらい話さなくてはいけない
[6]過去の罪を清算するために数日間(1~7日程度)の断食などが課される
[7]過去に性交渉などの罪があった事が判明すると、4~6年に一度の恩赦を受けないと教会内での結婚も許されなくなる
[8]「文鮮明・韓鶴子氏を唯一無二の救世主として認めるか」「結婚後に信仰生活や献金を行うつもりがあるか」「自分たちの子ども(3世)にも統一教会の信仰生活を送らせ、祝福結婚を受けさせるつもりがあるか」などと幾度に渡りチェックされる。教会側の望む回答ができない場合は、祝福を受ける権利を剥奪される。結婚前の段階から、将来の子どもにも信仰を強制させる指導を組織的に行っている。
【他の新興宗教での人権侵害の例(エホバの証人)】
[1]輸血が一切許されない
[2]信者を辞めると家族も含む信者全員から無視される、信者に戻るまで永久に続く
[3]ささいな違犯に対して、ベルト等の道具を使った過酷な体罰を推奨(1970~1990)
[4]組織外の子ども、若者との交友に否定的
[5]未婚時の異性交遊の禁止、信者以外の人との結婚に否定的
[6]罪を侵した場合、信者内による私的な裁判を受けなければならない(複数人の幹部から性交渉の経歴を含む過去の罪を洗いざらい問い詰められる)
[7]伝統行事への参加禁止、国歌や校歌の斉唱、武道等への参加禁止
[8]大学進学やフルタイムの就職に否定的
[9]幼児期から布教活動への参加を強制させられる、事実上の児童労働、学生の場合は勧誘活動で夏休みが全てつぶれる規模感
※社会と断絶させられて育ち、気づいたときには社会から孤立
【最後に】
宗教2世の問題は、背景が複雑すぎて一般の人に理解して頂くのはなかなか難しい問題であると理解しています。近日の統一教会報道の中で「統一教会は霊感商法や壺を売っている危ない組織」という理解を持っている人は増えましたが、その先で信者の子どもや家族の問題が発生しているという事を理解している人はまだまだ少数です。1990年代には表面化していなかった「信者の家族の問題」が、30年という年月をかけて新たに生まれたのです。これまでに同じような苦しみを抱えて被害の声を挙げてきた宗教2世の子どもたちはたくさんいます。ですが今まで、その声が社会に届く事はありませんでした。今、誰かが動かなければ、今後100年この問題がなくなる事は絶対にないと確信しています。
同様の問題を抱える子ども達は日本中にたくさん存在します。また、今は関わりを持っていない人であっても将来自分達の子や孫がいつか関わる可能性がとても高い問題だと考えています。多くの方が宗教虐待の構造を理解し、当事者としての問題意識を持って頂く事が、この問題を解決する事につながると考えています。
直近は、現行法(児童虐待防止法など)の枠組みで対応できるがないか模索し、将来的には『カルト宗教による組織的虐待の規制』の法整備ができないか提言していく予定です。
本問題の社会への認知と、人権蹂躙を許さない国の体制整備を強く願います。