特例法生殖能力喪失要件外観要件特例法4条みなす条文維持に加えNOセルフIDさんGID特例法改正案ベースに後悔する人つまりデトランスの性別再変更者が戸籍の性別を元に戻す条文追加+NOセルフIDさんのLGBT法に関する意見元にLGBT法やパートナーシップ条例等の性自認を特例法の性同一性障害の性同一性に変更.女性スペースを守る会さんの女性スペースに関する法.女性スポーツに関する法がwinwinの妥協点だと私は思います。
You’ve asked me several questions on this thread and accused me of avoiding answering, so here goes.
— J.K. Rowling (@jk_rowling) April 6, 2024
I believe a woman is a human being who belongs to the sex class that produces large gametes. It’s irrelevant whether or not her gametes have ever been fertilised, whether or not… pic.twitter.com/X6mbdJ0YVm
J.K. Rowling
@jk_rowling
You’ve asked me several questions on this thread and accused me of avoiding answering, so here goes. I believe a woman is a human being who belongs to the sex class that produces large gametes. It’s irrelevant whether or not her gametes have ever been fertilised, whether or not she’s carried a baby to term, irrelevant if she was born with a rare difference of sexual development that makes neither of the above possible, or if she’s aged beyond being able to produce viable eggs. She is a woman and just as much a woman as the others. I don’t believe a woman is more or less of a woman for having sex with men, women, both or not wanting sex at all. I don’t think a woman is more or less of a woman for having a buzz cut and liking suits and ties, or wearing stilettos and mini dresses, for being black, white or brown, for being six feet tall or a little person, for being kind or cruel, angry or sad, loud or retiring. She isn't more of a woman for featuring in Playboy or being a surrendered wife, nor less of a woman for designing space rockets or taking up boxing. What makes her a woman is the fact of being born in a body that, assuming nothing has gone wrong in her physical development (which, as stated above, still doesn't stop her being a woman), is geared towards producing eggs as opposed to sperm, towards bearing as opposed to begetting children, and irrespective of whether she's done either of those things, or ever wants to. Womanhood isn't a mystical state of being, nor is it measured by how well one apes sex stereotypes. We are not the creatures either porn or the Bible tell you we are. Femaleness is not, as trans woman Andrea Chu Long wrote, ‘an open mouth, an expectant asshole, blank, blank eyes,’ nor are we God’s afterthought, sprung from Adam’s rib. Women are provably subject to certain experiences because of our female bodies, including different forms of oppression, depending on the cultures in which we live. When trans activists say 'I thought you didn't want to be defined by your biology,' it’s a feeble and transparent attempt at linguistic sleight of hand. Women don't want to be limited, exploited, punished, or subject to other unjust treatment because of their biology, but our being female is indeed defined by our biology. It's one material fact about us, like having freckles or disliking beetroot, neither of which are representative of our entire beings, either. Women have billions of different personalities and life stories, which have nothing to do with our bodies, although we are likely to have had experiences men don't and can't, because we belong to our sex class. Some people feel strongly that they should have been, or wish to be seen as, the sex class into which they weren't born. Gender dysphoria is a real and very painful condition and I feel nothing but sympathy for anyone who suffers from it. I want them to be free to dress and present themselves however they like and I want them to have exactly the same rights as every other citizen regarding housing, employment and personal safety. I do not, however, believe that surgeries and cross-sex hormones literally turn a person into the opposite sex, nor do I believe in the idea that each of us has a nebulous ‘gender identity’ that may or might not match our sexed bodies. I believe the ideology that preaches those tenets has caused, and continues to cause, very real harm to vulnerable people. I am strongly against women's and girls' rights and protections being dismantled to accommodate trans-identified men, for the very simple reason that no study has ever demonstrated that trans-identified men don't have exactly the same pattern of criminality as other men, and because, however they identify, men retain their advantages of speed and strength. In other words, I think the safety and rights of girls and women are more important than those men's desire for validation. I sincerely hope that answers your questions. You may still disagree, but as I hope this shows, I’m more than happy to have this debate.
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午後11:24 · 2024年4月6日
女性差別は「生物学的」に女性だから差別対象となるのではなく、「女性と見られること」で差別対象になる。
— questiontime (@questiontime_bm) February 21, 2024
だからこそ、シス女性とトランスジェンダー、Xジェンダー、ノンバイナリーは連帯できる。
「女性」じゃなくても「女性差別」を受ける | ほしいろといき https://t.co/sqKIBncLqP
questiontime
@questiontime_bm
女性差別は「生物学的」に女性だから差別対象となるのではなく、「女性と見られること」で差別対象になる。 だからこそ、シス女性とトランスジェンダー、Xジェンダー、ノンバイナリーは連帯できる。 「女性」じゃなくても「女性差別」を受ける | ほしいろといき
https://csillag.link/ayano/3052/
csillag.linkから
午前0:13 · 2024年2月22日
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8A
彼女は女性に見えるから▶▶▶このような目にあったのではありません。
女体だとバレた▶▶▶ターゲットだとバレた▶▶▶ということなのです。
女性は、ほとんどの人が、どんな服でも髪型でも女性であるとバレてしまいます。
平常時よりさらに危険が高まる災害避難所などでは、女性だとバレることは危険度を高めるので、女性だとわかりづらいような格好をしよう、というアドバイスもあります。
それでも、メイクしなかろうが短髪だろうがダボッとした服を着たり顔を隠したところで、隠しきれるものではないですよね。
異性自認男性を女に押し付けたい人たちがよく
「女子トイレから排除するな!誰でもトイレに入ってばかりいたら、あいつは異性自認男性だとバレてしまって、トランス差別を受けるだろ!😡」と言ってましたが、いやいや…
女性は生涯つねに、差別迫害対象のターゲットだとバレながら生活しているんですよ。
生物学的性差を「見え方」に矮小化▶▶▶女体をもつ存在だけのグループとして声を上げられなくなる
ちなみに、「異性自認男性だって就職でトランス差別にあったり、暴言、暴力を受けることがある」といった声もあります。
しかしそれは「女性」として受けているのではないですね。
(更に言うとそれも多くは因果▶▶▶が存在する話ですが)
男のくせに、女にさせているような格好やふるまいしやがって、という内容ですから。
しかも「男のくせに女体みたいなことしやがって」という蔑視も、その発端、矛先は▶▶▶女体ですよ。ブレないですよね本当に。
そして、男がどんなに女っぽく見せようとしても男であることは変わらないからこそ、▶▶▶
彼らを女性に受け入れさせようと躍起になる、わけです。
これも順序ですね。
生物学的に実在する性差を「見え方」の問題に矮小化することで
▶▶▶女性は女体という身体特有・固有の不利や、被差別や、疾患などについて、またそれらにもとづく適切な対応や権利確保や差別是正について、
女体をもつ存在だけのグループとしての声を上げることが許されなくなります。
女性の定義はバラバラに解体され、たとえば「女性のためのがん保険」「女性専用施設」などと言ってももはやそれが何を指すのかなんのためのものなのかさっぱり不明、といった事態を引き起こします。
現に冒頭の記事も、女性とは女体をもつ存在だけである、という事実を許していませんね。
女性のグループの中に、男をねじこんでいます。
それで得をするのは、誰ですか?
男体を持つ存在、男性ですね。
がんで乳房摘出を受けた女性や子宮卵巣摘出を受けた女性の身体をあげつらって、男も女性と等しい範囲におさまっている、などと言うことも、女体を矛先とし、男をねじこむ迫害です。
異性自認男性、つまり誤認ではなく確実に男だとわかりきっている存在を、
女だとわかりきっている集団に押し付ければ、
▶▶▶なんと女体へさらなる差別・迫害ができる!んですよ。
それもまるで善行と誤認させて。女性がわざわざアシストしにきてくれさえして。
また、女体をもつ存在は社会的立場も弱く置かれているから、男体をもつ存在の言い分を通すことができると。
ブレないですね……
「誤認させる存在は、正認の存在と等しい」だろうか?
「生物学的に女性だから女性差別対象になるわけではなく、男だって女性差別を受ける!」を検証する。
毛糸子
2024年2月23日 11:15
もしも、歩ける私が、つえをついて脚を引きずって歩いていたら?
脚が不自由な女性にぶつかりたい男は、私にもぶつかってくるでしょう。
おなかのところにクッションでも入れてマタニティマークをつけて電車に乗ったら?
妊婦を狙う男は私の腹にも暴行をするでしょう。
では、脚に障害があるとか妊婦だと誤認させる私なら▶▶▶脚に障害がある女性や妊婦と「等しく差別の対象」なのでしょうか?
そんな私は▶▶▶「身体障害者や妊婦」のための、差別是正、生命安全確保の施策や、権利運動の中に「等しく当然に内包される」存在ですか?
▶▶▶「彼女らと私を分けることに意味なんて無い」存在になる、と思いますか?
▶▶▶私を同じ存在として彼女らに受け入れさせ、
私の権利のために声を上げさせることが、
「反差別」で「人権的」な、あるべき状態、になるのでしょうか?
いいえ、これらはなんともひどい差別・迫害ですよね。
ターゲットにされることから絶対に逃れられない人たちと、ターゲットを真似て誤認させにいくひとが等しい存在?
ふざけるなと思いますよね。
これが、どうして性別の話になるとわからなくなる、わからなくなったフリをするのですかね。
ええそうです、性別における差別迫害ターゲットは、
女体だから▶▶▶。です。
【結論】性別という定義を自認や表現や誤認まじりで等しく扱えとすることは、いつもながらの、女体をターゲットにした女性差別である
女性が差別を受けるのは女体をターゲットにする男が居るから▶▶▶。
女体つまり生物学的な差異だけがそもそも女性差別・迫害のターゲットです。
よって、▶▶▶性別という定義を自認や表現や誤認まじりで等しく扱えとすることは、
いつもながらの、昔ながらの、うんざりとさせるほど定番の、女体をターゲットにした古臭いクソダサい唾棄すべき女性差別そのものですよ。
これを結論として置いておきます。
参考になればさいわいです。
「生物学的に女性だから女性差別対象になるわけではなく、男だって女性差別を受ける!」を検証する。 毛糸子2024年2月23日 11:15
ブランドン・ティーナ(Brandon Teena 、生誕時はTeena Renae Brandon、1972年12月12日 - 1993年12月31日)は、アメリカのトランスジェンダー男性(男性の性同一性を持つが、身体は女性)であり、ネブラスカ州フンボルトで起こった強姦・殺害事件の被害者である[1][2][3]。1999年にアカデミー賞を受賞した映画『ボーイズ・ドント・クライ』と、その下敷きとなったドキュメンタリー映画『ブランドン・ティーナ・ストーリー』(1998年)のモデルとなった。どちらの映画も法的・医療的差別がティーナの惨死を招いたとしている[4]。
この事件は後年に起きたマシュー・シェパード殺害事件と共に、アメリカにおけるヘイトクライム禁止法制定推進の原動力となった[5][6]。
プロフィール
ブランドンことティーナ・レニー・ブランドン[7] は、ネブラスカ州リンカーンにて父パトリック[8] と母ジョアンのもとに2人目の子として生まれた。父は彼が生まれる8カ月前に自動車事故で亡くなっている[9]。母によると名前の由来はティナ・マリーという名のジャーマンシェパードであったという[9]。姉タミーが6歳、ティーナが3歳になるまではリンカーンで母方の祖母に育てられ、それから母のもとへ引き取られた。リンカーン近郊のパイン・エーカーに住み、母は婦人用品店で働いて生計を支えた。ティーナも姉タミーも幼少時から何年にも渡って叔父に性的虐待を受けており[9][10]、この件についてティーナは長じてからカウンセリングを受けようとしたことがある[11]。母ジョアンは1975年に再婚したが、相手のアルコール依存症が原因で5年後に離婚した[9]。家族はティーナのことを幼少時よりお転婆と思っていたが、ティーナは青年期には自分は男性であると性自認するようになり、女子とデートすることもあったという。母ジョアンは彼の性自認を拒絶し、あなたは娘であると言い続けた。ティーナ(以後ブランドン)は自分がインターセクシャルだと考えたが、これはのちに誤りと分かった[12]。
ブランドンは姉とともに小学校からハイスクールに進み、同級生たちには社交下手な子だと思われていた[9]。ハイスクール2年次のときに彼はキリスト教を捨てた。学校の神父にキリスト教理にある禁欲の教え・ホモセクシュアリティーを禁じる教えを説かれたためである[9]。同時に学則の服装規定に反して、より男性的な服装で通うようになった。最終学年次に学校をアメリカ軍採用官が訪れ、生徒たちに軍への登録を呼びかけた。ブランドンは18歳になって間もなくアメリカ陸軍に登録して湾岸戦争に従軍することを望んだが、男性として登録したペーパーテストで落とされた[9]。
18歳になったブランドンは胸を布で巻いて少年に見えるよう工夫し、友人たちとスケート場へ遊びに行くようになった。13歳の少女や14歳の少女ヘザー[9] とデートを重ねるようになり、日常的に男性の服を着るようになった。卒業式も間近になるとクラスでも目立つ存在になっており、同級生は「ひょうきんもの」だったと記憶している[9]。学校をさぼるようにもなり、単位も落とし、卒業式の3日前に学校を放逐された[9]。
その夏には初めて本格的にヘザーと付き合い始め、同棲するためのトレーラーハウスを買おうとガソリンスタンドの従業員になる。しかし母ジョアンはこの恋愛を認めず、その関係がプラトニックであるかそうでないかを確認するために、娘にティーナでいることを強制した[9]。
19歳の1月、ブランドンは精神鑑定を受けに行き、深刻な「性自認危機」に陥っていると診断される[9]。その後、自殺願望があるかどうかを調べるために他のセンターにも送られている。3日後にセンターを退院し、母や姉同席でセラピーに参加するようになった。彼は気が進まないながらも自身のセクシュアリティーについて話そうとしたが、結果として過去のレイプ体験が明るみに出ただけで、セラピーは2週間後に打ち切られた[9]。
20歳になるといくつかの法的トラブルに見舞われたため、ネブラスカ州リチャードソン郡へ転居し、男性としての生活を始め、地域住民とも親しくなった。リサ・ランバートの家でホームシェアを始めると、その友人である19歳のラナ・ティスベルとデートを重ねるようになる。また、22歳のジョン・L・ロッターやマーヴィン・トーマス・ニッセンと知り合いになる。
1993年の12月19日、ブランドンは小切手偽造で逮捕され、ティスベルが保釈金を支払った。留置所の女性部屋にいたために、ティスベルにトランスジェンダーであることがばれてしまう。彼女に性別について尋ねられると、自分はインターセクシャルであり性別適合手術(SRS)を受けようと思っていると話す。その後も彼らはデートを続けた[12](この部分については、ティスベルは映画『ボーイズ・ドント・クライ』に関する訴訟で反論している[13][14])。ブランドンが逮捕されたことは地元紙の記事になり、生誕時の名前が一緒に掲載されたため、女性として生まれたことが知り合いに気づかれることとなった。
事件
クリスマスイブのパーティーで、ニッセンとロッターはブランドンを捕まえてパンツを下ろし、ティスベルにブランドンが身体的に女であると確認させようとした。ティスベルはその暴行を言葉で制止することもなくただ見ていた。ロッターとニッセンはその後ブランドンに暴行を加え、車に無理やり押し込み、リチャードソン郡の食肉包装工場で彼を再度暴行してレイプした。ニッセンの家に戻りシャワーを浴びるよう指示されると、ブランドンは浴室の窓から逃げ出してティスベルの家に向かった。ニッセンとロッターにはレイプを警察に届け出るな、さもないと「永遠に黙らせることになる」と脅されていたが、ティスベルに届け出るよう勧められてその気になる。病院のER(救急処置室)でレイプ・キット検査(レイプ被害者の身体に残る加害者のDNA情報を採取する)を受けた(そのサンプルはのちに紛失した)。チャールズ・B・ルークス保安官がレイプに関する聞き取り調査をしたが、トランスジェンダーについて根掘り葉掘り尋ねる様子が失礼かつ不親切に感じたブランドンは質問に答えるのを拒む。ニッセンとロッターは警察に届けられたことを知ってブランドンを探し始めるが見つけられず、3日後に警官の訪問を受ける。しかし証拠不十分だとしてルークス保安官は彼らを逮捕しなかった。
31日の午前1時ごろ、ニッセンとロッターはランバートの家に押し入り、寝ていた彼女を叩き起こしてブランドンの居場所を聞き出そうとした。ランバートは決して教えようとしなかったが、ニッセンがベッドの下に隠れていたブランドンを見つける。彼らはこの家にほかに誰がいるかランバートに尋ね、フィリップ・デバイン(当時ティスベルの姉と交際していた[15])がいるとの答えを得ると、ランバートの幼児の目の前でブランドンとランバート、デバインを撃ち殺した[16]。ニッセンはのちに法廷で、ブランドンが撃たれて痙攣していたので、確実に殺すためにロッターにナイフを借りて胸を刺したと証言している[17][18]。ニッセンとロッターは殺人の容疑で逮捕された[16]。
ブランドンの亡骸はネブラスカ州リンカーンにある墓地に埋葬され、その墓碑には生誕時の名前とともに「娘であり、妹であり、そして友であった」と記されている[19]。
ニッセンはロッターも殺人を犯したと証言した。刑期を短縮する取引のためにレイプと殺人の罪を認め、ロッターの法廷でも証言を行い、終身刑を宣告された。ロッターはニッセンの証言の正当性を否定したが、陪審がロッターにも殺人罪を認めたために死刑が宣告された。のちにニッセンは自身が単独でブランドンを撃ち、ロッターは殺人罪を犯していないとする新たな証言を行い[20]、ロッターはこれを基に無罪を主張したが、ネブラスカ最高裁は彼らが共同して殺人を行ったのは明らかであり、どちらが撃ったかは関係ないとしてこの申し立てを棄却した[21]。その後合衆国連邦裁判所、続いて合衆国最高裁判所にも申し立てが行われたが棄却されている[18][22][23][24]。
文化、法への影響
ブランドンはホルモン補充療法(HR)も性別適合手術も行っていなかったため、メディアでも彼はレズビアンだと報道されていた[25][26]。ただ、性別適合手術を受けるつもりだったと報じたところもあった[27]。
母ジョアンはリチャードソン郡とルークス保安官を、娘ティーナの死を間接的に引き起こしたとして訴え、勝訴して8万ドル以上の慰謝料を得た[28][28][29]。ルークス保安官は、ブランドンが亡くなったあとに彼を「it」と呼んだとして批判されたが[30]、スクールバスの運転手に落ち着くまで、郡や地域の委員などを勤め続けた。今日でもこの件で自分が取った行動について語るのを拒み、事件からちょうど20年後にコンタクトを取ろうとしたリポーターに罵声を浴びせるなどしている[31]。
1999年にはブランドンを題材とし伝記映画『ボーイズ・ドント・クライ』が作られた。キンバリー・ピアースがメガホンを取り、ブランドン役をヒラリー・スワンクが、ティスベル役をクロエ・セヴィニーが演じ、スワンクはアカデミー主演女優賞を受賞し、セヴィニーは助演女優賞にノミネートされた。実際のティスベルは映画公開前にプロデューサーたちを相手取り、名前と肖像の無断使用だとして裁判を起こした。「怠け者で、ホワイトトラッシュ(白人低所得層の蔑称)で、極めて不快な悪意のある人間」として自分を描いていると主張し、またブランドンがトランスジェンダーだと分かったのちもティスベルが彼と付き合い続けたという部分が誤りであるとした(結局、いくらか不明だが和解金を受け取ることで訴えを取り下げた)。[13][14]
母ジョアンはメディアが自分の子を「彼」や「ブランドン」と呼ぶことを公的に拒絶した。ヒラリー・スワンクがオスカーを受けとった際のスピーチで、「ブランドン・ティーナ」(娘ティーナが使用していた男性名)に感謝を述べたこと、娘ティーナを男性と言及したことを批判した。「カッとなりました」と母ジョアンは述べている。「彼女(スワンク)はあそこに立つべきじゃないし、私の子に感謝を言うべきでもない。よく知りもしないこと(私の子のこと)を使って称賛されたがる連中に私はうんざりなんです。」[32]
イギリスのポピュラー音楽デュオペット・ショップ・ボーイズはブランドンをモデルに「Girls Don't Cry」という曲を、カナダのガレージロックバンドJPNSGRLSも「Brandon」という曲をリリースしている。
1998年にはワイオミング大学に通うマシュー・シェパードとジェームズ・バード・ジュニアがヘイトクライムによる暴行で亡くなり、ブランドンの事件のショックとともにヘイトクライム禁止法制定の機運が高まることとなる。1999年にビル・クリントン大統領が提出した法案は議会の不同意により成立せず、2007年「マシュー・シェパード法」として民主党議員ジョン・コニャーズが発案した法案は、連邦議会上院を通過したもののジョージ・W・ブッシュ大統領の拒否権行使で成立しなかった。ナンシー・ペロシ下院議長は2008年に法案を成立させようとしたが、結局法案はバラク・オバマの大統領就任後の2009年に上院を通過し、大統領が10月28日に署名したことにより成立し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2019年(平成31年)1月23日、最高裁判所は性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(以下性同一性障害特例法)が定める性別の取扱いを変更するための「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」と「その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること」という条文(以下手術要件と呼びます)が、憲法13条などに違反するとして、戸籍上は女性である岡山県在住の臼井崇来人(たかきーと)さんが手術を行わないで男性への性別の取扱いの変更を求めた家事審判で、「現時点では憲法に違反しない」との初判断を示し、性別の取扱いの変更を認めない決定を出しました。
これは裁判官4人全員一致の意見ですが、うち2人は手術なしでも性別変更を認める国が増えている状況を踏まえて「憲法13条に違反する疑いが生じている」との補足意見を示したとのことです。
私たちは最高裁判所判断を妥当である考え、支持します。
以下、性同一性障害特例法の手術要件について、当会の考えを表明いたします。
1.性別適合手術は、強制断種手術ではない
性同一性障害特例法に手術要件があることを「断種要件」と呼んだり、旧優性保護法下において、遺伝性疾患や知的障害、精神障害の方の一部が国によって強制不妊手術を受けたことに関連づけて、国による不妊手術の強要であるとか強制断種であるかのように報道されたり主張する人が存在します。
しかし、性別適合手術や手術要件は、強制不妊手術でも強制断種でもありません。
まず、国による強制不妊手術は、本人の同意無く行われたものです。しかし、性同一性障害における性別適合手術は、本人の強い希望によってのみ行われ、しかも全額自費です。
性同一性障害の当事者の多くは、手術を受けたいために懸命にお金を貯めて、精神科や婦人科や泌尿器科に(場合によっては何年も)通って診断書をもらい、更に手術まで何年も待たされたり時には海外に行ったりしてまで受けます。
元々性別適合手術は、手術を嫌がる医師を懇願の末になんとか説得して、ようやく始まったという歴史的経緯もあります。このように強制性は存在しません。
確かに一部の当事者に「手術は受けたくなかったが特例法によって戸籍の性別の取扱いを変更するためには受けざるを得なかった。これは一種の強制である」と主張する人もいるようです。しかしながら、これはおかしな話と言わざるを得ません。
そもそも性別適合手術は、身体に対して強い違和感があり、それを解消するために行われます。精神科医が患者を診察して、本人が強く希望し、性別に対する違和感からくる苦痛・苦悩を取り除くためには手術をするしかないと判断して初めて行われるものです。しかもその診断が間違いでないように2人以上の精神科医が診ることになっていますし、更には専門家による判定会議も行われます。
当然、戸籍変更したいからというような個人の利得のために行うものではありませんし、それを理由として手術を希望しても、本来精神科医の診断は得られないし判定会議も通りません。
もし、本当は手術をしたくなかったけれど、戸籍の変更のために仕方なくやったという人がいるなら、その人は精神科医も判定会議のメンバーも騙したということに他なりません。
また性同一性障害特例法は「性別の取扱いの変更を行うには、手術をしなさい。」と定めているわけではありません。
この法律は、手術を行い、男性として、あるいは女性として生きている人の戸籍上の性別を、そのままだとあまりに不便だろうから現状に合わせて変更しましょうというものです。
つまり、「特例法の要件を満たすために手術をする」のではなく「手術をした人の性別を追認する」ための法律なのであり、順序が逆なのです。
2.性同一性障害の当事者の中でも意見が分かれている
そもそも、この手術要件の撤廃を性同一性障害の当事者が全員望んでいるのかというと、そうではありません。特に当会に所属している当事者の方には、手術要件の撤廃に反対の立場を取る人も多く存在します。
性同一性障害の当事者のうち、特に身体に対する強い違和感がある中核群と呼ばれる人たちは、手術を必要としています。従って中核群の当事者にとっては、手術要件があったとしてもそれ自体は大きな障壁とはなりません。
3.権利を侵害されることになる側(特に女性)への配慮が必要
手術を必要としないとなると、男性器を持った女性、女性器をもった男性が存在することになります。
世の中にはトイレ、更衣室、浴場、病室、矯正施設など男女別の施設がいくつもありますが、これらの施設が男女別になっていることには意味があります。特に、性的被害を受ける可能性が高い女性にとっては「安心・安全な環境を提供する」という意味合いがあります。
しかし、手術を必要とせずに戸籍の性別変更ができるとなると、男性器をもった人、しかも場合によっては女性を妊娠させる能力を持った人がこうした女性専用の施設に入場してくることになります。
世の中に女装した人の痴漢行為や盗撮などの性犯罪が多く存在する昨今、これで本当に女性の安心・安全な環境を提供することができるのでしょうか。
実際、手術要件の存在しないイギリスやカナダでは、女性用刑務所に収監された未手術の受刑者による強姦事件も発生しています。
もちろん、そうした罪を犯す人が悪いのであって、それによって無関係の人にまで累が及ぶのはおかしいという考えもあるでしょう。
しかし、罪を犯す人が悪いだけという論法であれば「女性専用車両」というものは必要ないわけです。痴漢は、それを行った人だけが悪いのであって、他の男性は無関係です。しかし女性専用車両が必要となった背景には、そうでないと女性の安心・安全な空間を確保できないと判断されたからです。
女性は、多くの人が小さいときから性的関心を受けたり怖い思いをしたりしています。触ったり盗撮したりという明らかな犯罪まではいかなくても、じろじろ見られたり、迫られたりしたこともあるでしょう。
それを考えれば、これはやはり男女別施設によって安心・安全な環境を提供されるという権利を侵害していると考えられます。となれば、当事者側の権利の主張だけで物事を通すことはできません。
それでは、入れ墨のように施設によって未手術の人を排除するということは可能なのでしょうか。
これも難しいでしょう。特例法では、第4条第1項に「法律に別段の定めがある場合を除き、その性別につき他の性別に変わったものとみなす」と定められています。従って性器の有無だけで法的に性別が変わった者を排除することに合理性は見いだしにくく「差別」にあたることになります。数年前に静岡で性別の取扱いを変更した人がゴルフ場への入会を拒否された事件では、差別にあたるとしてゴルフ場側が敗訴しました。
それでは「法律で別段の定めを作れば良い」という話になるでしょうか。例えば「未手術の人は特定の施設の利用を制限できる」とか。これもどうでしょう。これではある意味「あなたは完全な女性(または男性)ではない」と言われているようなものです。二等性別のように扱われることで当事者は傷つくことになります。
4.戸籍変更後に、変更前の性の生殖機能で子どもができる可能性
妊娠したFTMの人は生殖器をそのまま持っている訳ですから、当然男性に性別変更した人が出産したり女性に性別変更した人が妊娠させたりすることがありえます。つまり男性が母、女性が父ということがありうるということです。
実際、海外の事例で男性に性別変更した人が出産したという事例があり、ニュースにもなっています。
別に男性が母になってもいいのではないかという議論は確かにあるでしょう。が、こうなってくると男とは何か、女とは何かという定義というか哲学や宗教の扱う範囲になってしまいます。現状の法律や行政の体制はもちろんそれを前提としておらず、いろいろな制度で手直しが必要になってくるでしょう。
更に「家族観」も問題です。世の中には、保守系の方を主とする家族観に厳しい人が大きな勢力として存在しています。夫婦の選択的別姓が実現しないのも、代理母出産が実現しないのも極端に言えばこの人たちが反対しているからと言われています。特例法の「現に子がいないこと」要件の削除が実現しないのも「子どもの人権に配慮して」というよりはこうした人たちの家族観に反するというのが大きな要因と言えます。
そうした家族観からすれば、男性が母、女性が父となる要素は受け入れ難いと考えられます。私たちの存在は、そうした「家族観」を壊すものではあってはなりません。
5.要件の再検討が必要
現行の特例法から手術要件が無くなると、20歳(成人年齢が変更になれば18歳)以上、婚姻していないこと、現に未成年の子がいないこと、性同一性障害の診断を受けていることの4つが要件として残ることになります、果たしてこれでいいのかを考えなければなりません。
世界にはアルゼンチンのように、医師の診断書も必要なく申請だけで性別変更ができる国もありますが、日本もそこまで行くのでしょうか。
私たちは不十分と考えます。これだとホルモン療法も全くやっていない、身体の状態は完全に男性のまま、女性のままという人も対象になるからです。性同一性障害であるという確定診断は、身体の治療を始まる前に出ます。項目3に書いたように、権利を侵害されることになる側への配慮が必要ということを考えると、さすがに身体の状態が出生時の性別のままというのは厳しいと言わざるを得ませんし、社会適応できているとは言えません。髭もじゃの人を女性として扱うことに抵抗感があるのは当然でしょう。
とはいえ「性自認の性別で他者から見て違和感がないこと」のような基準は、客観性が無いため設けることは困難です。イギリスでは Gender Recognition Act 2004(性別承認法)において Been living permanently in their preferred gender role for at least 2 years(少なくとも2年間は望みの性別で日常生活を送ること)というように、性自認に従った性別での実生活体験重視の発想をしています。しかし、これもどうやって、誰が検証するのかという問題がでてきます。
基本的に法律は裁判官に判断を丸投げするような形ではなく、明確に判断できる基準を設けなければなりません。そのためには客観的な誰でもが評価できるような判断材料が必要となります。
それでは精神科医が判断するということではどうでしょうか?いや、これだと精神科医が完全に門番になってしまい、現在のガイドラインで唄われている当事者にサポ-ティブに接するということと反しますし、精神科医に人生の大問題を決める権限があるのかというのも疑問です。というわけで、手術を外すのであれば代わりにどのような基準を設けるのかについて、今後検討が必要でしょう。
6.性別の再変更の可能性の検討が必要
手術要件を撤廃すると、変更へのハードルはが大きく下がることになります。逆に言えば安易に性別変更を行う人が出てくるということです。現行の特例法では再変更は全く考慮されていませんが、手術要件を撤廃するとなると考えておかなければならなくなります。
もちろん自由に変更できて良いでは無いかという考えもあるでしょう。が、性別というものを、その時々の都合でそんなに変えて良いものなのか、私たちは疑問に思います。
7. 結論として
結論的に、現時点で手術要件を外すということについては議論が不足しており時期尚早と考えます。
少なくとも、当事者のニーズがどれくらいあるのか、実際に外した場合影響を受ける(特に女性)側の受け入れは可能なのかなどの調査が必要でしょう。また、上記項目5で書いたような要件をどうするのかという検討も必要です。
GID学会や日本精神神経学会には、まずはこうしたアカデミックなエビデンスを揃えていただくよう要望いたします。また、今後の性別変更の要件についても試案を提示すべきでしょう。
さらに、手術要件撤廃を訴えている人は、国に対してその要望を行う前に、世間に対して男性器がついていても女性、子どもが産めても男性なのだということについて、理解と支持をとりつけるべきでしょう。
以上より、私たちは「性同一性障害特例法からの現時点での性急な手術要件の撤廃には反対。撤廃するかどうかを含め、今後更なる意見収集や国民的議論が必要」と考えます。
これに基づき、今後国会議員や関係省庁にも議論をスタートするよう求めていきたいと思います。
私たちは、社会の一員です。当事者の主張がわがままになってはなりません。この問題は、みなさんで大いに議論をし、納得をした上で進めようではありませんか。
2019年2月 運営委員一同
性同一性障害特例法の手術要件に関する意見表明
手術要件の撤廃には、更なる議論が必要
2019年2月20日
性別変更できないことで受ける不利益
戸籍の性別と実態が異なることによって、当事者は様々な社会生活上の困難を受けることがあります。例えば就業でも、希望の職業につけずアルバイトや契約社員など不安定な生活を強いらることが起こります。
親の精神状態や生活が安定していなければ、子どもを健全に育てるには困難が伴います。このように戸籍の性別と実生活上の性別が一致していることは、家庭にとって欠かせない要素なのです。
また、現に未成年の子がいないという、現在の自分ではどうにもならないことによって戸籍の性別変更を認めないと言うことは、性同一性障害であることの苦しみを持続させるということに他なりません。これは、憲法13 条でいう「幸福の追求権」や、25 条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」にも反していると言えるでしょう。
子どもを持つことができたのに性同一性障害なの?
子どもを持つ性同一性障害の当事者がいるということに対して、性同一性障害は性別に対する違和感であり性器に対する違和感も大きいはずだから、異性と交際して子どもを作ることができたということが理解できないという声を聞くことがあります。しかし、これも誤解や偏見に基づいていると言わざる得ません。
人によって違いはありますが、当事者といえども小さい頃から性別違和があっても、まずはそれを隠し、出生時に割り当てられた戸籍上の性別で生きようと努力します。その結果、自分のことを理解し受け入れてくれる人に巡り会うことができれば結婚という選択肢もあり得るでしょう。あるいは、結婚して子どもができれば、性別違和感を解消できると期待するかもしれません。
しかし、コップに水が少しづつ溜まっていけばいつかは溢れてしまうように限界を超え、それ以上努力することが難しくなってしまいます。
このように、結婚をし子どもを持つ当事者は、意思の力でなんとか生まれたときに割り当てられてしまった性別で生きようと努力をし、ここまでなんとか持ちこたえた人であるに過ぎません。性同一性障害の当事者に子どもがいることは、なんら不思議なことではないのです。
諸外国では
ILGAというNGOが、Trans Legal Mapping Report という報告書を出しています。この報告書では世界111ヵ国と13の地域の性別変更に関連する法令等を調査していますが、性別変更を可能としている国で、法律によって子どもの有無やその年齢を要件としている国は日本以外にはありません。
更に過去の国際会議や学会でも、親の性別変更によってその子どもが悪い影響を受けたと言う事例は1例も報告されていません。
国が違っても、親が子を思う気持ち、子が親を思う気持ちは同じはずです。
15年前の約束
実は15年前、特例法の審議がちょうど始まる時、この「現に子がいないこと」という要件の賛否を巡り当事者は2つに割れていました。お子さんをお持ちの当事者の方が、この法案に反対の立場を取ったからです。それはそうでしょう。自分たちは排除された訳ですから。
しかし反対の声が大きくなるにつれ、特例法の成立自体が危ぶまれる事態も想定できました。そこで、国会議員や当事者の間で協議がもたれ、
1.特例法の附則に見直し条項を入れる。
2.この条文の削除にむけ、今後特例法改正の努力をしていくこと。
が約束され、反対を取り下げてもらった経緯があります。
しかし、未だ改正できていません。
ですので特例法からこの条文を削除することは、15年前からの約束なのです。私たちは、その約束を果たす義務を負っています。
特例法改正の実現を
子のことを思わない親はいませんし、親の幸せを願わない子どもはいないと言っても過言ではありません。当事者はもちろんですが、子どものため、家族のためにも戸籍の性別変更は必要です。
私たちは、性同一性障害特例法から「現に未成年の子がいないこと」条文を削除することを強く求めます。
性同一性障害特例法から「現に未成年の子がいないこと」条文の削除を求めます
2018年7月16日
性同一性障害の手術療法が健康保険適用されたけれど・・・
2018年4月、私たちが長年切望してきた性同一性障害の手術療法に対し健康保険が適用されることとなりました。
従来、性別適合手術など性同一性障害に対する手術療法は100万円以上の費用がかかり、当事者の負担は大きなものがありました。また、健康保険が適用されないために治療が可能な医療機関がなかなか増えないという問題も抱えていました。このためアフターフォローが万全とはいえないタイなど諸外国で手術を受けたり、入院設備のない診療所(クリニック)で手術を受けるなどリスクの高い医療を選択せざるをない状況が続いていました。手術療法に対して健康保険が適用されたことは、こうした状況を打開する画期的な成果となるはずでした。
性同一性障害のホルモン療法は自由診療
一方ホルモン療法については従来のまま自由診療として残っています。
性同一性障害の治療では、精神療法終了後、身体的治療を望む場合は通常ホルモン療法に移行します。(ただし、FTMの方の場合は、この時乳房切除を同時または先行して行うことも可能です。)
ホルモン療法の治療を開始すると、MTFの場合は乳房・乳輪の肥大、体脂肪の増加などがおき、FTMの場合は髭などの体毛の増加、声の低減などがおこり、自分が本来所属すると認識する性別の体型に近づくことになります。これによって精神の安定化か図られ社会適合が進み、不可逆な治療である性別適合手術に対する可否の検討が行えるようになります。
さらにホルモン療法には、性腺の除去を伴う性別適合手術によって起こる身体に対する負担を軽減する意味合いもあります。
このように、手術の前にホルモン療法を行うことは必要な治療です。また、ホルモン療法はほぼその後生涯に渡って続けなければならないことからトータルの費用は高額にのぼります。当然、健康保険の適用が必要です。
混合診療は自由診療
しかし、現状ではホルモン療法は自由診療、手術療法は保険診療ということになります。残念ながら日本においては自由診療と保険診療を合わせて使うことは「混合診療」となり許されておらず、すべてが自由診療扱いとなってしまいます。
ということは、ホルモン治療に先行して行われる場合の乳房切除術を除き、ほとんどの手術が健康保険適用から外れてしまうことになります。
これでは、手術療法が健康保険適用になった意味がありません!!
混合診療を割けるために、一部当事者の間では、手術を受ける医療機関とホルモン療法法を受ける医療機関が違っていれば問題ないとか、手術前にホルモン療法を一定期間やめていれば大丈夫とか、ホルモン剤を海外などから自己調達すれ避けられるという話が流れていました。
しかし、GID(性同一性障害)学会から「性同一性障害診療における手術療法への保険適用」について という声明が出され、どのような形であれホルモン療法を事前に行っている場合には混合診療となり、手術療法が健康保険の適用とはならないこととなってしまいました。
この状況をこのまま放置はできません。ホルモン療法を早期に健康保険適用にし、混合診療でなくさなければなりません。
思春期の当事者に対する性ホルモンブロック治療も必要
また、出生時に割り当てられた性別とは異なる性別のホルモンを用いるクロスホルモン療法とは別に、15歳未満の当事者に対しては、まず第2次性徴を止めるためにホルモンブロック治療が行われます。
この治療は使用する薬剤のリュープリンの場合38,108円、スプレキュアMPの場合で27,448円と非常に高価で、第二次性徴が始まる10歳前後からクロスホルモンが可能となる15歳まで処方すると300万円を超える額になり、簡単には処方できるものではなくなっています。このため治療の開始が遅れ、第2次性徴によって起こる不可逆な変化を止めることができず、本人の精神状態や将来の社会適合に悪影響を及ぼすことにもつながります。
このように、ホルモンブロック製剤に対する健康保険適用も急がなくてはなりません。
厚生労働省および関連機関への要望
性同一性障害の当事者が、より安全・安心な治療を受けることができれば、当事者の円滑な社会適合を促進し、結果として日本の社会や財政への貢献となります。
混合診療を解消し、せっかく実現した手術療法の保険診療を実効性のあるものにするためは、なんとしてもホルモン療法を健康保険の適用としなければなりません。
厚生労働省をはじめ薬事・食品衛生審議会等関係機関におかれましては、一刻も早く性同一性障害のホルモン治療に対する健康保険を適用していただくよう強く要望いたします。
ホルモン療法に健康保険適用を
2018年6月30日
最高裁判所にあっては、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の「性別適合手術の要件」につき違憲判決を下さないよう求め、各政党にあっては、この要件を外す法案を提出しないように求めます。
提出先:最高裁判所戸倉三郎長官&各国政政党代表 担当者:女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会(性同一性障害特例法を守る会、女性スペースを守る会、平等社会実現の会、白百合の会、性別不合当事者の会、性暴力被害者の会、No!セルフID女性の人権と安全を求める会及び有志) ※担当者は提出先の機関内の担当者や関係者を想定しており、提出先を想定しています。本活動と直接関りがない前提でのご記載です。
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作成者:女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会
活動詳細
経過報告11
コメント3857
活動詳細
署名終了 2023年10月23日(月)23時59分→10/24提出します
2023年10月25日が最高裁の判決日と決定しました。前々日23時59分までで締め切りとし、翌24日に第一次集約分とともに、まとめて全ての署名を提出します。
★ 第一次集約分
2023年9月25日23時59分に集約し、合計14,935 名の署名を、2023年9月26日に最高裁裁判官宛に提出いたしました。秘書官を通じて、速やかに各裁判官へ資料とともに配布されました。(署名計14,935 名のうち、オンライン署名14,652名、用紙署名283名)
特例法の手術要件について、
違憲と判断して効力を失わせたり
これを外す法改正をして、
「男性器ある女性」を出現させないで下さい!
2023年9月27日、最高裁大法廷は、性別適合手術をしていない男性の「戸籍上の性別の変更」について弁論を開き、その上で「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の手術要件が憲法に違反するかどうかの判断をします。
原告はこれを違憲だと主張し、その論者らは法的な性別を変えるのに手術をしなければならないのは酷だ、「断種手術だ」といいます。
事案は、性同一性障害と診断されている男性で、高額の手術費や後遺症への不安から、精巣の摘出手術さえ受けていないということです。
―朝日新聞6月27日 https://www.asahi.com/articles/ASR6W3JM2R6RUTIL02Q.html
しかし、特例法は、身体違和が耐えがたい性同一性障害の人のうち、性別適合手術を終えた人が生きやすくするための法律です。法的性別を変更したいから手術をするのではなく、望んで受けた後に生活のために戸籍の性別も変えるのです。過去、知的障害者らにされた「断種手術」とはまったく違います。法的な性別を変更した当事者は、「手術要件があるからこそ社会から信頼される根拠になっている」と実感し、かつ公に主張しています。
違憲の余地はありません。
万一、特例法の手術要件が違憲と判断されると、男性器があるままの法的女性が現れます。性別が変わった後に「生物学的には父となる女性」「生物学的には母となる男性、出産する男性」もあることにもなります。
法的女性となれば、女子トイレはもちろん女湯などあらゆる女性スペースに男性器のあるまま入れる権利があることになります。手術要件をなくしてしまった諸外国と同様に、社会的に大きな混乱が起きることは明白です。
法を改正することは不適切です。
○ よって、最高裁判所にあっては、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の「性別適合手術の要件」につき違憲判決を下さないよう求め、各政党にあっては、この要件を外す法案を提出しないように求めます。
■ マンガですぐ分かる!
https://gid-tokurei.jp/pdf/comic.pdf
『今、目の前に迫る危機』手術無しで性別を変えられる?
■ 漫画チラシをポスティングなどしてみようという方は、ぜひご連絡ください。
漫画チラシをお知り合い等に渡す、各戸にポスティングしていただく場合は、200枚単位で無料送付もいたします。ご協力いただける方は、送付先のご住所・お名前・希望枚数を
save@womens-space.jp(女性スペースを守る会)
へメールでお送りください。「漫画チラシの送付希望」というタイトルでお願いします。
※局留めも可能です。希望される方は郵便局の住所と名称、それにご自身の氏名をお知らせください。局留めの場合は受け取りの時に身分証明が必要ですので、本名でないと受け取れません。
※頂いた住所・氏名など個人情報の秘密は厳守致します。
■ 郵送での署名も受け付けております。
署名チラシのダウンロードはこちらのURLから。
https://gid-tokurei.jp/pdf/shomei.pdf
■ 連絡先
女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会
【E-mail】 info@gid-tokurei.jp
【FAX】 046-263-0375
【WEB】 https://gid-tokurei.jp
【郵送先】 〒242-0021 神奈川県大和市中央2-1-15-5階 大和法律事務所内
■ SNS
性同一性障害特例法を守る会
https://gid-tokurei.jp
https://note.com/gid_tokurei
女性スペースを守る会
https://womens-space.jp/
https://note.com/sws_jp
平等社会実現の会
白百合の会
https://note.com/morinatsuko
性別不合当事者の会
https://note.com/ts_a_tgism/
性暴力被害者の会
https://reliefkids.wixsite.com/---------victim-surv
komaken602@gmail.com
No!セルフID 女性の人権と安全を求める会
https://no-self-id.jp/wrws/
no.self.id.jp@gmail.com
【署名活動およびエール(寄付金)の経費精算についてのご報告】
2023年11月12日配信 経過報告
求署名にご協力いただいた皆様、こんにちは。
女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会です。
署名活動およびエール(寄付金)の経費精算についてのご報告をいたします。
このたびの署名につきまして、数多くの署名に加え、エール贈呈者様 813名、また、銀行振込9名と、たくさんのエールをありがとうございました。
【経費報告】
エールは署名サイトからのほか、銀行振込も合わせて 計 1,557,400円をいただきました。
署名サイトの手数料を控除し、当連絡会へ1,142,136円が入金されました。
そのうち1,026,183円を経費として使用し、残金合計 115,953円となります。
残金についてはロビイング用の小冊子を作成し国会議員を中心に配布する予定となっておりますので、そちらの費用にも充てさせていただきます。
以下、署名活動の経費内訳です。
コピー代 ¥214,630
印刷代 ¥225,576
郵送費 ¥124,232
交通費 ¥293,094
通信費 ¥51,810
物品購入費・その他雑費 ¥116,841
合計 ¥1,026,183
残金 ¥ 115,953
【活動報告】
署名活動は、2023年8月10日から始まり、第一次集約を2023年9月26日、署名終了を2023年10月24日とし、最高裁には署名の2度の提出行動・要請行動を行いました。
また、これに基づいた記者会見を計3回、さらに政党あての活動を随時行いました。
署名数は、オンライン署名19,756名、紙署名346名を含め、合計で20,102名です。メッセージは非公開分も含め7,261名の方からお寄せいただきました。これも最高裁裁判官と、国政政党すべてに提出しました。
紙署名チラシ54400枚、漫画チラシ26400枚を希望者など各所に郵送し、ポスティングなどで配布して頂きました。また、有楽町の街頭で計3回、チラシの配布を行いました。これは世論を盛り上げるため、またその世論の動きを議員らに伝えるためです。
【活動の結果】
最高裁あての署名の目的「手術要件を合憲とせよ」ということに至らず、思い通りの判断をいただくことはできませんでしたが、特例法の5号の外観要件については違憲と確定せず、高裁へ差し戻しとなりました。しかしながら、女性スペースの重要性は少しずつメディアにも出るようになり、この問題に気づいてくれる方が増えてきました。ようやく国民的な関心事になってきたと実感しております。
連絡会は、こちらで見られる2023.10.30付の連絡会の声明にある考えであり、10個の活動などを提起しています。これからも国民的な議論を進めて参ります。
様々なご協力を誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
2023.11.10 女性スぺースを守る諸団体と有志の連絡会
2023年(令和5年)10月30日
声 明
女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会
女性スペースを守る会
性同一性障害特例法を守る会
平等社会実現の会
白百合の会
No!セルフID女性の人権と安全を求める会
性暴力被害者の会
女性の権利を守るトランスの会 (旧性別不合当事者の会)
及 び 有 志 (順不同)
当連絡会は、10月25日、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)がした、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に関する決定につき、次のとおりの声明を発する。
最高裁判所大法廷は、上記特例法3条4号の「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。」につき違憲とし、5号の「その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。」については高裁段階で主張も憲法問題も検討されていないとして、自ら判断はせずに審理を広島高裁に差し戻した。憲法判断としては、15人全員の一致で4号生殖機能喪失の要件は違憲とし、三浦、草野、宇賀の3人の裁判官は5号の外観要件も違憲だから差し戻しせずに変更を認めよとして反対意見を示した。
1 最高裁のとんでもない暴走である。それも制度上、相手方がいない法廷、申立人側の主張や立証だけの裁判にて、国会が定めた特例法の生殖腺機能喪失要件を違憲としてしまった。うち3人は外観要件についてもわざわざ違憲と判断した。
それは、女性の権利を劣後・矮小化した暴走である。女性が差別され、不利益を被るのは、性別(SEX)を根拠としているという歴史的事実を無視して、つまりは男性の身勝手・女性の侮蔑・差別主義である「性自認至上主義」に侵された最高裁になってしまっていた。
決定文は、いかに相手方が存在しない裁判であって申立人側とは見解を異にする主張に触れられなかっただろうとはいえ、この数年間ますます明らかになってきた様々な実態になんら言及していない。すなわち先行した国々で女性の安心安全が害されている状況、イギリスが正常化に舵を切り苦労している実態、国際水泳連盟や世界陸連では男性としての思春期を幾分でも経験した者は女子スポーツ選手権への参加資格がないとしたこと等の言及さえない。15人の裁判官はなんら知らないままなのだろうか、不勉強が極まるという外はない。
決定文から読みとれることは、既に問題を露呈し続けているという外はない「性自認は他者の権利法益より優先すべきである」とする「性自認至上主義」に基づく論理展開ばかりである。
まさに最高裁の暴走である。
2 今回の最高裁決定には、下記のごとき文脈までもあり、批判を免れない。
① 「生殖能力の喪失を要件とすることについて、2014年(平成16年)に世界保健機構等が反対する共同声明を発し、また2017年(平成29年)に欧州人権裁判所が欧州人権条約に違反する旨の判決をしたことなどから(6ページ)」
② 「性同一性障害者がその性自認にしたがった法令上の性別の取り扱いを受けることは、(中略)個人の人格的存在と結びついた重要な法的利益である(7ページ)」
③ 「本件規定がなかったとしても、生殖腺除去手術を受けずに性別変更審判を受けたものが子を設けることにより親子関係等に関わる問題が生ずることは、極めてまれでことであると考えられる(8ページ)」
④ 「そもそも平成20年改正により成年の子がいる性同一性障害者が性別変更審判を受けた場合には、「女である父」や「男である母」の存在が肯定されることとなった(8ページ)」
⑤ 「強度な身体的侵襲である生殖腺除去手術を受けることを甘受するか、又は性自認に従った法令上の取り扱いを受けるという重要な法的利益を放棄して性別変更審判を受けることを断念するかという過酷な二者択一(8ページ)」等々である。
3 右の①の、世界保健機構、欧州人権裁判所の判決などを無批判に記載したままであることは、信じがたい。申立人側の主張そのままであろう。
国連の人権機関は、日本に対し死刑制度を廃止すべきと数十年も前から何度も勧告している。それでも、日本は死刑を廃止していない(なお、当連絡会は死刑制度の存否についての意見はない)。違憲だという下級審判決が出たこともない。死刑制度の違憲性の判断は具体的には刑事裁判の中で争われる。検察官は弁護側に対抗し国民の関心がある中で死刑制度の合憲性を説明し、裁判所が判断する。一方で、手術要件については家裁、高裁そして最高裁でも、検察官も国の訴訟を担当する訟務検事などその他の相手方が居ない。ために、死刑制度の論議と比較して、最高裁は課題に対する真摯な姿勢を失っているのではなかろうか。
最高裁はまた、③の生殖腺機能喪失要件がない場合は「女である父」「男である母」が生じる可能性が相応にあることを知るべきである。従前から女性という性自認を持ちながら父となった方も相応に居るのだから、生殖腺を失わずに性別変更ができるのであれば「父である女」が続々と出現すると予想される。女性から男性へという静岡家裁浜松支部のこの10月11日付審判事例の類型に相当する方の場合でさえ、メディアで報道されている通り乳房切除までもしたがパートナーとの間で子を設けた例もある。性別変更が認められていれば「母である男」となる。決して稀なことではなくなる。
https://www.hbc.co.jp/news/904c73d0a07a95672d701742821dfdd9.html
④の特例法の平成20年改正は、子の福祉のために、未成年の子がいる場合には「女である父」や「男である母」とはしないままとしている。まして子の出生時点にあっての「出産した母だが男」「生物学的な父だが女」という事態は、まったく段階が違う課題である。
4 そもそも、「性自認は女だが書類上の性別は男という食い違いには耐えられないが、トイレや風呂でいつも見る精巣のある自分の体と性自認の食い違いには耐えられる」という事態は、どういうことだろうか。日々見る自らに精巣・陰嚢がある、これからも父となる可能性もあるにかかわらず、書類上の肩書の違和には耐えられないからとして法的女性になることを認めて良いのだろうか。
特例法は、身体違和がきつく固着し、自ら希望して性別適合手術をした人の生活の不便さを考慮して法的性別の変更を制度化したものではなかったか。すでに法的性別を変更している方々が社会で一定の社会的信頼を得て生活しているのは、自ら望んだ手術を終えているからこそであるのに、その前提を欠けば皆の信頼が失われてしまう。最高裁はそれをどう捉えているのか。
まして精巣の除去は卵巣や子宮の除去に比較して実に容易である。精巣を持ったままに、書類上である法的性別を女性に変更することが、どうして上記の②の「人格的存在と結びついた重要な法的利益」と言えるのだろうか。どうして⑤の生殖腺機能喪失要件が「過酷な二者択一」だといえるのだろうか。
身体違和がさほどきつくなく精巣の除去を含めて性別適合手術を必要としない方は、法的性別を変更しようとしなければよいのである。変更せずとも生活に差し支えない社会を作ることこそが重要ではないのか。女性だと認識しいわゆる女性装を日々する人も、排泄は認識からではなく身体からするのだから男子トイレに入ることも相応にある。その際に時に男性から揶揄され、時に暴力を受けることがある。それこそが排除であり差別であろう。法的性別を変更して女子トイレを利用する権限があるなどとする前に、男子トイレで男性からの揶揄・暴力のない状態にすることが重要な人権ではないのか。
はたして、憲法13条幸福追求権として、精巣があるままに②の法的女性になることが「人格的存在と結びついた重要な法的利益」として保障されるべきなのだろうか。日本にあって国民的に議論され、社会的に承認された考えだとは到底言えないのではないのか。
5 最高裁は、女性スペースにおける女性らの安心安全という生存権を、いったいどう考えているのであろうか。女子トイレなどができた背景を考えたのであろうか。
性犯罪は、圧倒的に生得的な男性からの女性や子どもに対するものである。また、性同一性障害であろうとなかろうと、生得的な男性は、体格、身長、筋肉ともに一般に女性より優位にある。強姦事件で妊娠の可能性があるのももちろん女性である。すなわち、女性スぺースにあっては、性同一性障害者を含む生得的男性すべてに比較し、女性こそが弱者の立場でありマイノリティである。性犯罪目的の男の一定数は、生殖腺除去を要せず、更に5号要件である陰茎の除去もなくなることとなれば、何としても法的性別を女に変更するよう努力するだろう。最高裁は、女性の安心安全という生存権を劣後・矮小化してしまったのである。
あるいは、5号の外観要件までも違憲とわざわざ記載した3人の裁判官のように、共同浴場では身体的特徴によると法律で定めればよいと言うのであろうか。それでは、女子トイレはどうするのか、更衣室はどうするのか、シェルター、病室はどうするのか、刑務所はどうするのか、統計はどうするのか。「法的性別」が曖昧なものとなり概念として混乱するばかりとなる。
6 最高裁は、「性別」を蔑ろにしている。性別は、動物である以上は現生人類が成立する前からある男女の区別である。血液型や年齢などと同様に生得的なものであり「所与の前提」である。
最高裁は、「性別」を時代と地域で異なる「らしさ・社会的役割」である「ジェンダー」とを混同しているのではないか。どのような「ジェンダー」をまとうかは、それぞれの幸福追求権の一環として自由であり、これに縛られてはならない。生得的男性がいわゆる女性装や仕草をすることも、その逆もまったく自由である。各個人がいかなる性自認を持とうとまたいかなる性表現をしようと、他者の権利法益を侵害しない限りは自由である。それが、憲法の拠って立つ自由主義であったはずである。
他方、法的性別は、制度の一部であるから、他者に「そのとおりに対応せよ」という強制の要素を持つものである。既に約13,000人が生得的性別は変わらないことを前提としつつも法的性別を変更している。特例法はこの19年間、特に社会的不安を起こさずに機能してきた。
理由は単純である。法的女性とは精巣の除去、陰茎を切除した人であることが前提となっており、それが性犯罪目的などにより、男性から女性に法的性別を変更する人はまずないというハードルになっていたからである。特例法は、あくまできつく固着した身体違和を解消するために、自らの意思で性別適合手術までした人に対する個別救済法である。制度だから他者に「そのとおりに対応せよ」という強制の要素を持つが、いわゆる手術要件を中核とするからこそ、全会一致で成立した。決して、性別適合手術をするか法的性別の変更をあきらめるかを迫るといった「過酷な二者択一を迫る法律」ではない。
また、この6月成立の理解増進法は、いわば「性の多様性」を承認し理解増進をとしているのであって決して「性別の多様性」を認めているものではない。ジェンダーアイデンティティがいかなる者であっても尊重されるが、「それにしたがった法令上の性別の取り扱いを受ける権利」を予定したものでは毛頭ない。その第12条に「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう」とするなどした立法過程を見れば明らかである。
最高裁は、「性別」というものを蔑ろにして法的性別の概念をもてあそび、性自認至上主義により、安易に「女性」「男性」の定義を変更しようとしているという外はない。
7 このような性別を安易に扱う考え方をとれば、性自認至上主義が先行した国々と同様の混乱を導くばかりである。多く誤解されているが、「ジェンダーアイデンティティ」が食い違うとするトランスジェンダーのうち、性同一性障害の診断がある人は15.8%にとどまり(令和元年度厚生労働省委託事業職場におけるダイバーシティ推進事業報告書105ページ)、84.2%はこれに入らない。
そしてその診断も15分で済ませてしまうクリニックが存在する実態がある。日本精神神経学会性同一性障害に関する委員会のガイドラインに基づいた診断を厳格に実施することこそが重要であるのに厚生労働省の努力は見られず、GID(性同一性障害)学会は2021年5月、特例法の手術要件の撤廃を求めるあり様であって、概念の変更問題もあり特例法が性別取り扱いの変更に直結するにもかかわらずその責任を全うしようとしない。
4号の生殖腺機能喪失要件そして5号の外観要件が外れれば、文字どおり「男性器ある女性」が続々と登場する、その先には「性同一性障害」ではなく、ジェンダーアイデンティティ(性同一性・性自認)に基づく法的性別の変更が認められる制度があり、やがては決定文中一人の裁判官が何度も言及したドイツにおける性自認至上主義のごとく、裁判所の関与さえないままに法的性別が変更できるとする方向性となる。先に述べた通り性犯罪目的の男や、女性を侮蔑・差別したくその専用スペースを侵害することによって喜びを得ようとする一部の男は、法的性別を女性に変更するよう努力するだろう。それで良いのであろうか。
8 法律を違憲とすることは法の形成過程の一つであって、今回の最高裁決定は、まさに性自認至上主義を大きく伸展させる法律の登場である。先行する国々では混乱が多々あるのに、日本に周回遅れでこれに従えとするものであって、まったく異常である。
ただし、最高裁の多数意見は今回、4号生殖腺喪失要件を違憲だとして原決定を破棄し、5号要件について事実関係の確認と憲法判断をさせるべく広島高裁に差し戻した。それは、3人の裁判官が5号外観要件をも違憲として自判により性別変更を認めるという姿勢と異なり、高裁に預ける手法による先延ばしであり責任の回避でもある。
最高裁の多数意見が最終判断をしないという逃げの姿勢に至ったのは、私ども連絡会をはじめとする多くの国民が、最高裁に向けた様々な運動を繰り広げてきた成果ではあろう。私どもが、性自認至上主義の問題点につき報道が少なく、これに疑義を述べると「差別扇動だ」などと様々な方法で言論を抑圧されながらも、これに耐えて運動してきた意義があったのではないか。
今、国民こそがもの言う機会を得た。政府やメディアが十分な調査と正確な報告を国民に提供し、国民的な議論のうえで国会がよりよい法律を作る、また最高裁を変える機会を得た。
9 女性が、未だ経済的、社会的に様々な不利益を被るのは、性別(SEX)に拠るものであり、決して外見や行動の側面に基づくものではない。体格、身長、筋肉で男性より劣り、月経・妊娠・出産があることから社会構造的に様々な不利な状況にある。だからこそ、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(CEDAW)第1条は「on the basis of sex」と明記し、女性の権利の保障を要請している。その趣旨から、同条約の第5条aは「両性いずれかの劣等性若しくは優越性の観念又は男女の定型化された役割に基づく偏見及び慣習その他あらゆる慣行の撤廃を実現するため,男女の社会的及び文化的な行動様式を修正すること。」を、締約国がすべき措置としている。今年のG7サミットのコミュニケにいう「有害なジェンダー規範」の打破もこれに類似する。
しかるに、性自認至上主義は「トランス女性は女性だ」という思想であり、性別(SEX)を基本とした男女の定義を意図的に軽視している。これは明らかな誤りであるが、仮に性自認至上主義を採るのであれば、歴史的に獲得されてきた生得的な女性の安心安全という権利法益などが後退しないように、しっかりとした社会的合意を得るべきであるのに、それを議論しようともせず不公正きわまりない。
10 以上のことから今、私たちは次のとおり提案する。
第1に、政府各省庁は、以下のような調査を行うべきである。
・先行した国々のここ数年間の状況と動向
・不特定多数が使用するトイレ、共同浴場などにおけるトラブルの有無、対応状況とその変化
・いわゆる女性スぺースにおける国内の刑事事件や女性装がからむ刑事事件の調査
・性同一性障害の診断の実態と信頼性に関する調査
・法的性別を変更した人のその後の調査
・性別適合手術をしたが法的性別を変更していない人の調査
・性別適合手術はしたくないが法的性別を変更したいとする人がどの程度いるかの調査
・性別移行を断念または中止した人の調査
・その他、シェルター、代用監獄、刑務所、病院、自衛隊などでのトラブルや運用実態の調査
第2に、メディアは、性同一性障害とトランスジェンダーを混同して議論することは厳に慎み、上記の情報や、当連絡会を含め多くの国民のさまざまな見解、情報を報道し、また国民が自由に判断できるように意見の異なる者の間での公開討論の機会など用意すべきである。
第3に、国民はそれらに基づいて、すべての人に人権があることを念頭に置いて、先入観にとらわれることなく自らの意見形成に努めるべきである。そのためには、差別者とは話さないなどと言って論者が議論を拒否する姿勢のまやかしを知り、言論の自由な市場が確保されなければならない。
第4に、各政党は、当連絡会を含め多くの国民のさまざまな意見を聴取し、党内でも自由に議論して方針を定めるべきである。
第5に、それら議論にあっては、女性は、性別(SEX)に拠ってこそ未だ経済的・社会的に様々な不利益を被っていることを前提として認識すべきである。それにもかかわらず、法的性別が生得的性別とよりかけ離れたものとしてよいものか、そうなれば、また女性スぺースや、男女の実質的平等をめざす様々な措置、統計、スポーツなどの場面で混乱していくことを認識すべきである。
第6に、国会は、4号生殖腺機能喪失要件はもちろん、5号外観要件(特に男性の陰茎につき)は尚更に決して急ぎ削除などを検討すべきではなく、上記に基づいて慎重に対処すべきである。5号要件は決して違憲判断が示されたものではない。
国会はまた、生得的な性別に基づく区別が差別にあたらないことを明確にする法律を成立させるべきである。特に、性犯罪は圧倒的に生得的男性の女性、子どもに対するものなのであるから、避難場所である「女性スぺースを守るための法律」を早急に成立させるべきである。
第7に、この裁判を差し戻された広島高裁は、早期に本件の判断をすべきではなく、様々な調査結果と国民的な議論の行方をよく見極めるべきである。国から参加申出があったときは直ちに認めるべきである。
第8に、そのためにも国は、これからでも法務大臣権限法と家事事件手続法に基づきこの裁判に利害関係人として参加すべきであり、仮に法律上どうにも参加できないとするならば法の欠陥であるから直ちに改正をして参加すべきである。
第9に、国民は、次の衆議院議員選挙における国民審査において、この15人の裁判官につき4号生殖腺機能喪失要件につき違憲とする大きく間違った判断をした以上は、罷免させるべきである。
第10に、内閣は、最高裁裁判官に定年等で欠員が出たならば、このような「性自認至上主義」に嵌っていない方をこそ指名すべきである。
日本の主権者は我々国民である。それにもかかわらず国民的な議論がなされないままに、申立人側の主張立証のみでこのような違憲判断が下されたことは、極めて異常である。いかなる法律も、すべての国民の権利法益を守るために作られ運用されなければならない。国民間の権利法益が衝突するときは十分な調査と議論のうえで調整が図られなければならない。最高裁の暴走は許されない。
以上をもって、声明とする。
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女性スペースを守る会
2023年10月30日 14:34
最高裁判所判事 今崎幸彦様、宇賀克也様、林道晴様、長嶺安政様、渡邉惠理子様
7月11日、最高裁判所にて、「第285号 行政措置要求判定取消、国家賠償請求事件」において職員側(未手術の女性自認の男性)の勝訴の判決が言い渡されました。私たちはまずもってこのことに強い抗議と怒りを表明します。
私たちの会は、この判決に先立つ6月30日に、今回の責任判事である今崎幸彦氏に宛てて要請書「経産省トイレ訴訟の高裁判決を支持します。最高裁は国側の主張の正当性を認め、女性の人権を守ってください」を送付しました。内容の趣旨は以下の通りです。
1.女性の人権の抑圧をしてはならない……考慮されるべきは原告の人権だけではない。その場を共有する女性たちが、性的羞恥心、性的不安をもって日々を送ることを余儀なくされるのであれば、それは人権の抑圧である。
2.性自認によるトイレ等の使用は、社会的コンセンサスを得ていない……現時点ですでに性自認に沿ったトイレ等の使用に社会的コンセンサスが得られているかのような報道があるが、一般社会は、トイレが生物学的ないし戸籍上の性別で峻別されることを求めている。
3.国側が違法とされたら、先行判例として多大な影響を及ぼす……本件は単に一個人の権利の問題ではなく、何をもって人間の性別とするかという重大な司法判断となり、社会に多大な影響を与えるものとなるので、国民全体への配慮にもとづいた判断をお願いしたい。
以上の点を踏まえて、私たちは、原告と同僚女性のお互いの法益を尊重し、トイレ等の使用に関する社会的な意識も考慮するものであった二審高裁判決を維持することが最も適切であると主張しました。
しかし、本年7月11日の最高裁判決において、未手術の女性自認の男性職員が勝訴し、経済産業省での職場における原告の女性トイレ使用に関しては、その制限を裁量権の逸脱として違法とし、職場と同じ階の女性トイレも使用できるとの判断がなされました。
こうした判断の理由として、原告が性衝動に基づく性暴力の可能性は低い旨の医師の診断も受けていること、これまで(4年10ヶ月)2階以上離れた階の女子トイレを使っていたがトラブルがなかったこと、上告人が職場と同じ階の女性トイレを使用することについて等の説明会を開いたが、明確な異を唱えた女性職員はいなかったこと、この説明会から今回の判定に至るまでの約4年10か月の間に、原告(上告人)による経産省内の女性トイレの使用について何らかの特別の配慮をすべき他の職員がいるかどうかについての調査が改めて行なわれていないこと、などが挙げられています。
しかし、トラブルを避けるために2階以上離れた女性トイレを使うように指示したのですから、トラブルがないのは当然です。また、たとえ実際にトラブルがあったとしても、裁判まで行なっている相手に何を言えるでしょうか? 説明会で明確な異を唱えた女性職員がいなかったとのことですが、匿名性も担保されていない状況下で、同僚に対して異を唱えることがそれほど容易なことでしょうか? また新たに入ってくる女性職員はそもそも意思を確認されていないのですから、今いる女性職員だけの意見で決定できない事柄ではないでしょうか。
また、判決の補足意見として次のようなことが述べられています。同僚の女性職員が上告人と同じ女性トイレを使用することに対して抱くかもしれない違和感・羞恥心等は、「トランスジェンダーに対する理解の増進が必ずしも十分でないことによるところが少なくないと思われるので、研修により、相当程度払拭できると考えられる」。
女性職員が違和感や羞恥心を感じるのは「理解の増進が必ずしも十分ではない」からであると決めつけ、研修によって払拭できるという議論は、今年の6月に成立したLGBT理解増進法に沿っているようでありながら、同法第12条の「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう留意する」という趣旨に反しているのではないでしょうか。女性として当然抱く違和感や羞恥心でさえ、理解不足のせいにされ、一方的な研修で克服させようとするのは、女性の尊厳と人権を踏みにじるものです。
男性にとっては、トイレは単に用を足すところだという認識しかないかもしれません。しかし女性にとっては、生理時に生理用品を交換する場所でもあり、また怪しげな男性から避難する臨時のシェルターでもあります。そのような場に男性がいないという安心感がどうしても必要です。イギリスで男女共同トイレが学校で導入された時、女子生徒たちが男子生徒と同じ場所で排泄したり生理用品を交換することに強い羞恥心や戸惑いを感じ、学校に行けなくなる生徒も出たとの報道もありました。
かつては、ほとんどの職場や公共の場において女性専用トイレが存在せず、先人の女性たちが苦労して女性トイレを確保してきたおかげで、私たちは現在、女性専用トイレを使用できます。女性だけの場所であることは女性の人権、安全、社会活動のためにどうしても必要なのです。
判決本文においても、補足意見においても、女性の人権と安全は明らかに過少評価されています。女性が抱く羞恥心は感覚的・抽象的であると何度も決めつけられて否定されているのに対して、トランスジェンダーの人(MtF)が意に反して男性トイレを使うことに対しては、その「精神的苦痛を想像すれば明らかであろう」と無条件に受け入れられています。男性が女性トイレを使うことに対して多くの女性たちが抱く精神的苦痛は無視され、男性が男性トイレを使うことに対する精神的苦痛は重視されているのです。これが女性差別でなくて何でしょうか?
また、補足意見の中で、「トランスジェンダーである上告人と本件庁舎内のトイレを利用する女性職員ら(シスジェンダー)の利益が相反する場合には両者間の利益衡量・利害調整が必要となることを否定するものではない」と語られています。職場の女性職員がみな「シスジェンダー」(自己の生物学的性別とそのジェンダー・アイデンティティとが一致している人を指す特殊用語)だとどうしてわかったのでしょうか? 正式の判決文に付された補足意見において、特殊なイデオロギー用語である「シスジェンダー」という言葉が使われたことは大変危ういことだと私たちは考えます。
さらに、補足意見の中で、次のように言われていることも大きな問題です。「現行の性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の下では、上告人が戸籍上の性別を変更するためには、性別適合手術を行う必要がある。これに関する規定の合憲性について議論があることは周知のとおりであるが、その点は措くとして、性別適合手術は、身体への侵襲が避けられず、生命及び健康への危険を伴うものであり、経済的負担も大きく、また、体質等により受けることができない者もいる」。この部分は、今年9月に予定されている性同一性障害特例法における手術要件の合憲性をめぐる裁判の行方について、非常に不吉な予想を起こさせるものです。もし特例法の手術要件が撤廃されれば、ペニスを備えたままの法的女性が大量に発生することになり、日本に住むすべての女性の人権と安全が深刻に脅かされることになるでしょう。
それと同時に、補足意見の中では、「なお、本判決は、トイレを含め、不特定又は多数の人々の使用が想定されている公共施設の使用の在り方について触れるものではない。この問題は、機会を改めて議論されるべきである」と釘が刺されており、今回の判決が不特定多数の人々が用いる公共のトイレの利用の在り方を決めるものではないことにも留意する必要があります。
しかし、たとえ特定の職場の特定のトイレを特定の人が利用することを是認したものにすぎなくても、この判決が及ぼす社会的影響や効果は甚大なものとなります。同様の問題を抱えた他の職場においても、同僚の女性たちの羞恥心や精神的苦痛はないがしろにされて、女性を自認する男性の女性トイレ使用が積極的に是認される事態が生じることになるでしょう。
女性たちは、女性というだけですでに大きな不利益を日々被っています。日本の男女平等度は世界125位であり、毎年この順位は下がり続けています。女子差別撤廃条約が批准されても(1985年)、さまざまな女性差別は残り続け、女性であるというだけで子供のころから性被害に遭い、女性の賃金水準は非正規も入れて計算すれば今なお男性の半分程度であり、そして家事・育児労働の大部分はいまだに女性が無償で担わされています。政治家も裁判官もほとんどが男性であり、女性が日々どのような困難と恐怖の中で生きているかに対する理解をほとんど持っていません。その典型例が今回の判決です。これによって、女性の生きづらさ、女性の不利益、女性の恐怖と絶望はいっそう増進することでしょう。
今回の判決を全員一致で下した裁判官のみなさま、私たちはあなた方に厳重なる抗議をします。もし一人でも被害者が出たら、あなた方の責任であるということを、しかと心に刻んでください。
2023年7月27日
No!セルフID 女性の人権と安全を求める会
共同代表 石上卯乃、桜田悠
経済産業省におけるトランスジェンダーのトイレ使用問題をめぐる7.11の最高裁判決に抗議します
最高裁判所判事 今崎幸彦 様
国民のために重責を負って裁判をおこなってくださることに感謝申し上げます。私たちは「No!セルフID 女性の人権と安全を求める会」という市民団体です。
今崎様が担当判事となられる、行政措置要求判定取消等請求事件(以下、経産省トイレ訴訟)の最高裁判所判決が、本年7月11日に行われます。
私たちは、以下の理由により、2021年5月の東京高等裁判所における、「経産省としては他の職員が有する性的羞恥心や性的不安などの性的利益もあわせて考慮し、原告を含む全職員にとっての適切な職場環境を構築する責任を負っていることも否定しがたい」としてトイレの使用制限は違法ではないとした判決を支持し、この判決内容が最高裁でも認められることを求めます。
1.女性の人権の抑圧をしてはならない
高裁判決が示したように、考慮されるべきは原告の人権のみにとどまりません。その場を共有する女性たちが、上長の命令により、性的羞恥心、性的不安をもって日々を送ることを余儀なくされるのであれば、それは人権の抑圧といえます。
第二審判決においても、原告が性自認に基づいた性別で社会生活を送ることは、「法律上保護された利益」と位置づけられました。そして、そうであるならば、「女性が女性専用のトイレを使用する」こともまた、女性の法的利益として認められるべきです。女性たちはこの職場において女性用トイレを使用する当事者です。司法はこの当事者を蔑ろにすべきではなく、その法的利益を毀損することのないように尽力すべきです。
また、今月施行された「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」の第12条においても、「この法律に定める措置の実施等に当たっては、性的指向又はジェンダーアイデンティティにかかわらず、全ての国民が安心して生活することができることとなるよう、留意するものとする」とあります。訴訟の提起が同法の施行以前とはいえ、原告が、性自認を理由に法益を主張するのであれば、これに対しては、当然、同法12条の規定をもって判断することもまた必要といえるでしょう。
2.性自認によるトイレ等の使用は、社会的コンセンサスを得ていない
個人の事情について踏み込んだことを述べるのは躊躇われますが、公表されている第一審の判決にあるとおり、本件の原告は、性同一性障害と診断されていますが、戸籍上は男性であり、性別適合手術も受けていません。職場の女性が原告を同性とは見做せないとしても無理からぬことであり、また、そのような前提に立っての第二審判決と考えられます。
ところで6月16日の口頭弁論の後の毎日新聞の報道では「人事院の判定時には、性自認に沿ったトイレ利用を認めるべきだという社会的な広い理解はなかった」ことを国側の主張と報じています。https://mainichi.jp/articles/20230616/k00/00m/040/250000c
記事中に「人事院の判定時には」という留保が記されていることで、まるで現時点では性自認に沿ったトイレ等の使用に社会的コンセンサスが得られているかのような読解が可能になっています。しかし、それでは一般社会の通念を読み誤ることになります。一般社会は、トイレが生物学的性別または戸籍上の性別で峻別されることを求めています。
新宿区の歌舞伎町タワー2階のオールジェンダートイレの顛末については、広く報道されているとおりです。当初から、女性の使用者がいないかとジロジロと眺める男性が続出し、その対応で警備員が付いて男性の使用の際は小便か大便かを問うて使用者を分けるようになり、その後は結局、パーテーションをつけて性別で区分をするようになった、というものです。
https://www.j-cast.com/2023/05/19461870.html?p=all
また、小田急電鉄相模大野駅のトイレについて、駅員が「”自称女性の男性”が女子トイレに入るのを止めることは出来ない」と利用者である女性に告げたことが広まると、危険性を指摘する声がインターネット上で噴出し、地方議員からも懸念が表明されました。その後、別の問合せ者に対して小田急電鉄から「“女装した男性が女子トイレに入るのを見たら、すぐ駅員に通報してほしい”“多目的トイレに案内し、拒否した場合は駅員から警察に通報する”“LGBT法案があるから対応できないなんていうことはあり得ない”」という回答があったそうです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/67cf85d025a52ed91a8ae689b560a3072b251de4
このように、性別で分けられたトイレはまさに国民が求めているものであり、とくに女性は性別で分けられたトイレを必要としています。かつて共同トイレが主だった頃は、女性は性被害や性的嫌がらせを受けることが絶えませんでした。1954年の文京区小2女児殺害事件がおきた一因は、トイレが男女共同だったことでした。現代において、性被害の記憶があるため女性専用トイレが失われたならば社会生活を送れなくなる女性は多数存在します。トイレ等の使用は性別で分けられているべきという社会通念は現在もなお確固たるものであり、最高裁判決においてもぜひとも尊重されるべきと私たちは考えます。
3.国側が違法とされたならば、先行判例として多大な影響を及ぼす
6月16日の毎日新聞の報道では、「毎日新聞が中央省庁の1府13省庁に取材したところ、経産省以外にも、文部科学省と防衛省の2省で、出生時の戸籍の性と性自認が一致しないトランスジェンダーの職員から、トイレ利用について相談があったという」とありました。
https://mainichi.jp/articles/20230616/k00/00m/040/250000c
今回の裁判の結果次第で、それらの人たちもまた、性別適合手術も戸籍変更も経ないまま、性自認に沿ったトイレ等の使用を求める裁判を起こすことも予想されます。
法的性別の変更を定めた唯一の国法である「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」では、法的性別の変更の条件を具体的に定めています。しかしながら、その手続を経なくても性別を変更したと同等にみなす動きがあり、本件もそのうちの一つと言えます。省庁で認められるのであれば、一般企業には尚更大きく波及することは明らかです。そうなった場合、既に述べたように、女性の法益という問題を無視して進めることは、女性への重大な人権抑圧となります。
本件は一個人の権利闘争としてだけ見るべきではありません。何をもって人間の性別とするかという、性別の概念についての重大な司法の判断となり、社会に多大な影響を与えるものとなります。ここにおいてどうか、国民全体の生活と人生を見渡してのご判断をお願い申し上げます。
以上、女性の人権と安全を求める立場から意見を述べました。
原告と女性のお互いの法益を尊重し、トイレ等の使用に関する社会的な意識も考慮するのであれば、第二審の判決を維持することが最も適切であると私たちは考えます。どうか最高裁におかれましても、第二審判決を支持し、これをもって結審としてくださいますよう心よりお願い申し上げます。
2023年6月30日
No!セルフID 女性の人権と安全を求める会
共同代表 石上卯乃、桜田悠希
小規模事業所での男女別トイレ設置に関する事業所規則改正案に反対します
厚生労働大臣 田村 憲久 様
厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課 御中
厚生労働省が2021年6月28日に発表した「事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案概要」において、現行の「事務所則第17条第1項」を改訂して、「同時に就業する労働者が常時十人以内である場合は、現行で求めている、便所を男性用と女性用に区別することの例外として、独立個室型の便所を設けることで足りることとする」とすることを提案しています。
この事実がインターネットで知られると、7月25日からのわずか3日ほどの間に1500件ものパブリックコメントが女性たちから寄せられ、その大部分が今回の改定に反対する内容のものであったことは、厚労省のご担当者もよく知るところであると思います。
私たち「No!セルフID 女性の人権と安全を求める会」は、10人以下の小規模事業所において男女共同のトイレ一つ設置するだけでよいとするこの改定案に強く反対します。事業規模に関わらず、女性にとって専用トイレは基本的人権の一つです。わずか30~40年前までは一部の大学や官公庁、公共の場でも女子トイレがないか、極端に少なく、女性の社会進出が著しく制限されていました。このような状況をこの数十年間で女性たちの運動や世間の意識変化を通じて少しずつ克服してきたにもかかわらず、それを法的に後退させるのは言語道断です。しかもすべての事業所の75%以上は10人以下の小規模事業所なのです。
男性であれば、異性といっしょにトイレを共有していてもあまり羞恥心や不快感を感じないでしょうが、女性は違います。とくに小規模事業所の場合、お互いによく顔を見知った状態にあるので、たとえば女性が使った直後に男性が使うことに大いに羞恥心を感じるでしょうし、その逆も同じです。生理中などの場合はなおさらです。
さらに深刻なのは、昨今、盗撮機器が著しく発達して、容易に目立たない形で盗撮機器を設置できるようになっていることです。すでにこの種の被害が多数発生していることはインターネットのニュースを見ても明らかです。職場における男女共用トイレが法的に認められるようになれば、このような盗撮被害がいっそう生じやすくなるでしょう。
現在、すでに多くの小規模事業所では、男女共用のトイレが一つしか設置されていないという違法状況にあることが、指摘されています。したがって、この改定は現在ある男女別トイレをなくすものではないと厚労省は説明しています。
しかし、市井の女性たちがこの改定案に反対しているのは、趣旨を誤解したからではありません。現在すでに男女別のトイレという原則がないがしろにされている中で、この逸脱を適法にしてしまうことへの当然の危惧を抱いたからです。
労働者の権利と安全を守る立場である省庁として本来なすべきことは、事業者側の都合に合わせてこのような違反状態を追認することではなく、むしろ逆に中小零細事業所への予算支援などを行なうことで、男女別の専用トイレの設置を積極的に促すことです。
もし法的に小規模事業所での男女共用トイレが合法的なものとして追認されてしまったなら、今後、小規模事業所において新たにトイレが設置される場合、男女別の専用トイレ設置に後ろ向きの発想が事業者に生じるのは明らかです。さらに、すでにトイレが男女に分かれている場合であっても、経営上の厳しさの増大とか、それ以外の用途での場所の確保などの理由で、共用トイレに後退しても法的に問題ないことになってしまうでしょう。
世界的に男女平等の流れが存在する中で、女性の社会進出にとって決定的な意味を持つ男女別トイレの設置義務を法的に後退させることは、日本の国際的地位をいっそう引き下げることになるでしょう。日本において痴漢や盗撮の被害が多いこと、長年これらの犯罪の抑止ができていないことは、海外でもよく知られています。そのような中で、外国からの労働者や来客が来た場合に、日本の事業所の大部分を占める事業所で男女別のトイレがないことを知ったら、心底驚くことでしょう。
どうか社会的に高い地位にある人々の声だけを聴くのではなく、市井の普通の女性たちの声を聴いてください。ツイッターのハッシュタグ「#厚労省は職場の女性用トイレをなくすな」を検索して、多くの女性たちの切実な声に耳を傾けてください。1500通以上も寄せられたパブリックコメントこそ草の根の女性たちの切実な声です。どうか、私たち女性の声を無視しないでください。
2021年9月9日
No!セルフID 女性の人権と安全を求める会
代表 石上卯乃、桜田悠希
厚生労働省に「女子トイレ問題」について申し入れ状を送付
大阪地方検察庁 御中
各種報道によりますと、大阪市内にある商業施設の女性用トイレに正当な理由なく入ったとして、大阪府警は1月6日、建造物侵入の疑いで、戸籍上の性別は男性だが、性自認は女性だとする大阪府の40代の利用客を書類送検し、その際、検察に刑事処分の判断を委ねる「相当処分」の意見を付けたとのことです。
同じく報道によると、この利用客は、「戸籍上は男性なので駄目だと分かっていたが、女性と認められている気がして女性用トイレに入った」と話しているとのことです。容疑は昨年5月末、大阪市内の商業施設の女性用トイレに正当な理由なく侵入したというものでした。同じフロアに男女問わず利用できる多目的トイレがあったにも関わらず、わざわざ女性用トイレに入っています。職場では普段、男性として働き、休日は女性の服を着て外出していたとのことです。また、性同一性障害であることを示す診断書も取得していなかったとも報じられています。つまり、事実に即して判断するならば、この人物は、本人の主張や内心がどうあれ、休日に趣味として女装をする男性ということになります。
私たちは、法の正義を実現する機関としての貴庁に対し、法に忠実に、この侵入犯を必ずや起訴してくださいますよう訴えます。世論あるいは検察庁内においても、女性用トイレに入るくらいのことは大目に見てもよいという意見があるかもしれませんが、そのような意見は根本的に間違っています。職場であれ、電車内であれ、路上であれ、そして家庭内でさえ、女性に対する性暴力は頻発しています。この社会に女性がある程度安心して過ごせる空間は、女性用トイレや女性用シェルター、女性用のバスルーム等の女性専用施設だけです。そのような場所に、自分が女性として認められたいという承認欲求を満たす目的の男性が侵入することを許せば、女性にとっての安全地帯が危険にさらされます。それは女性の生存権を脅かします。
もし貴庁がこの人物を不起訴処分とするならば、女性用トイレへの侵入が露見して警察に通報されても、結局は犯罪として裁かれることはないという誤ったメッセージを社会に発することになります。それは同種の行為を企図する男性たちをそそのかし、また、被害者である女性たちが通報をためらうことにつながるでしょう。さらに、単に女性用トイレを使うだけではなく、女性用トイレに盗撮器を仕掛けたり、使用済みの生理用品を漁ったり、用を足している女性を覗いたりする犯罪をもくろむ男性たちの行為をもより容易にするでしょう。
したがって、この侵入犯を不起訴にすることは、社会の安全弁を破壊し、女性に対するさまざまな性犯罪に許可を与えることと同じです。そのようなことを許してはなりません。どうか、法の規定に照らして、この人物を正当に起訴してください。
令和4年1月11日
No!セルフID 女性の人権と安全を求める会 代表 石上卯乃、桜田悠希
10月25日の大法廷での決定を受けて、GID特例法は改正されることになります。
これを受けて、当会からも下記の通り、独自に法律改正案を、「女性を守る議連」や主要政党に提案いたしました。
今後の特例法には、厳格化が必要であると考えたからです。
また、現行GID特例法第5要件(外観要件)の合憲性が広島高裁で判定されるのですが、私たちは、この要件について一歩も退くべきではないと、いま改めて主張すべきと考えたからです。
法の下の平等という観点からも、今後改正される新たなGID特例法が、女性が生きる上での脅威となってしまうことは、絶対にあってはならないことです。
なお、この提案は最終的なものではありません。今後の状況の変化やさまざまな意見を受けとめ、より良く、より妥当で、より実現可能性のあるものにしていきたいと考えています。
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の一部を改正する法律案
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(平成十五年法律第百十一号)の一部をそれぞれ次のように改正する。
一 「第一条 この法律は、性同一性障害者に関する法令上の性別の取扱いの特例について定めるものとする。」を以下のように改正する(下線部が改正個所)。
第一条 この法律は、基本的に生物学的性別に基づいて成立している法秩序および社会秩序を著しく乱さない程度および範囲において、また全ての国民が安心して生活することができることを当然の前提として、性同一性障害者に関する法令上の性別の取扱いの特例について定めるものとする。
二 「第二条 この法律において「性同一性障害者」とは、生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう。」を以下のように改正する(下線部が改正個所)。
第二条 この法律において「性同一性障害者」とは、生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己の生物学的性別に特有の身体的特徴に対する強い違和を持続的に感じ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき、少なくとも一年以上にわたる継続的な診察を通じてその診断が一致しているものをいう。ここで言う「継続的な診察」とは、少なくとも月1回以上の診察をいう。
三 「第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
……
四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。」を以下のように改正する(下線部が改正部分)
第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
……
四 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
五 現に犯罪歴がなく、また刑法及びその他の犯罪の逮捕状の対象でないこと、又は逮捕後の拘留中でないこと、又はそれに係る裁判の被告人でないこと。
四 同法の第五条として、以下を追加する。
(性別取扱いの変更の取消し)
第五条 性別の取扱いの変更の審判を受けた者が、暴力犯罪又は性犯罪等の重大な犯罪行為を犯して三年以上の実刑判決が確定した場合、法務省は、性別の取扱いの変更の取消しを家庭裁判所に求めることができ、家庭裁判所は性別の取扱いの変更を取り消すことができる。
二 性別の取扱いの変更の審判を受けた者が、性別の取扱いの変更の取消しを法務省に申請し、かつその申請に十分合理的な理由がある場合、法務省は、性別の取扱いの変更の取消しを家庭裁判所に対して求めることができる。
三 前項の一及び二の規定は、法律に別段の定めがある場合を除き、性別の取扱いの変更取消しの審判前に生じた身分関係及び権利義務に影響を及ぼすものではない。
四 家庭裁判所の審判によって性別の取扱いの変更が取り消されて、元の性別に取扱いが戻った場合、再度の性別の取扱いの変更を申し立てることはできないものとする。
(施行期日)
この法律は、公布の日より施行する。
【当会独自案】GID 特例法改正案(23年11月20日付)
各種報道によりますと、5月12日に自民党の「性的マイノリティに関する特命委員会」と内閣第一部会との合同会議が開催され、いわゆるLGBT理解増進法案が文言修正のうえ特命委の高階恵美子委員長および森屋宏内閣第1部会長に一任され、16日の政務調査審議会と総務会を経て、G7広島サミットまでに国会に提出されるとのことです。
発言者の多数が反対ないし慎重だったにもかかわらず、強引に幹部に一任され、国会提出の流れになっていることに、私たちは強い懸念を持ちます。すでに多くの人々、団体、当事者が訴えているように、この法案には修正にもかかわらず多くの問題があり、それの国会提出と可決成立を急ぐことは、重大な禍根を残し、日本社会の混乱を生むことになります。
1.「性同一性」が「性自認」の単なる言いかえにとどまっている懸念がぬぐえない
自称とあまり意味の変わらない「性自認」という言葉が取り除かれたのは大きな前進ですが、「性同一性」という言葉が「性自認」の単なる言いかえである懸念がぬぐえません。それが性同一性障害特例法で用いられている「性同一性」と同じものであって、あくまでも医療用語であることが明記される必要があります。
2. 性同一性障害者への差別に関しては障害者差別解消法が適用される
もし「性同一性」が「性自認」と同じではなく、性同一性障害でいうところの「性同一性」のことなら、そういう方への差別に関しては障害者差別解消法が適用されることになっています。同法では行政機関や事業者に対するさまざまな施策や措置がきめ細かく定められており、改めて理解増進法案において「性同一性による不当な差別」を明記する必要はありません。
3. 女性と子供の人権と安全に対する配慮義務が明記されていない
合同会議の場で、女性と子供の人権と安全への配慮義務を盛り込むことを求める有力な意見が存在したにもかかわらず、それは盛り込まれませんでした。現在、この理解増進法案に対して出されている最大の懸念は、この法案がこのまま成立すれば、自分を女性だと自認する男性が女性スペースの中に入ってくる事態が助長される可能性があること、そして、それを拒否したり通報したり批判したりすること自体が「不当な差別」だとみなされかねないということです。まだいかなる理解増進法案も通っていないにもかかわらず、そうした懸念を表明すること自体が、当事者を傷つける差別だという言説がすでに大量に発信されており、国会議員の方からもそうした発言が繰り返し出されています。今でさえすでにそういう状況にあるのですから、理解増進法案がこのまま成立すれば、この傾向にいっそう拍車がかかり、女性と子供の人権と安全は深刻に脅かされるでしょう。
以上の観点から、なにとぞ、現在の理解増進法案をそのまま政調審議会および総務会において了承しないようにしてください。どうか広範な国民の声、とりわけ市井の女性たちの声に耳を傾けてください。これほど大きく意見が分かれている法案を今国会で成立させる合理的な理由は何もありません。今国会での上程を見送り、すでに同種の法律が存在する諸外国での深刻な混乱を調査し、法案に批判的な市井の女性や性的マイノリティ当事者の声を聴取し、それらを国民に周知したうえで、改めて議論してくださるよう切にお願いします。
2023年5月13日
No! セルフID 女性の人権と安全を求める会
代表 石上卯乃、桜田悠希
女性の権利保護を目指す「女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会」は18日、国会内で集会を開き、性同一性障害特例法の改正案や女性スペースに関する法案など会がまとめた独自案について説明し、生来の女性を保護するための法整備の必要性を訴えた。昨年10月の最高裁で、戸籍上の性別を変更する上で生殖機能の喪失を要件とした特例法の規定が憲法違反と判断されるなど区別があいまいになりつつある現状を踏まえた対応となる。
特例法を巡っては、性別変更する上で「変更後の性別の性器に似た外観を備えている」という外観要件について、広島高裁で憲法適合性の審理が改めて予定されるなど、違憲と判断される余地を残している。最高裁は昨年7月、経済産業省に勤務するトランスジェンダー女性(生まれつきの性別は男性、性自認は女性)の職員に対し職場の女性用トイレの使用に制限を設けたことを違憲と判断している。
男性として生まれたトランス女性が女性スペースを利用する機会が広がりつつある現状を受けて、連絡会の「女性スペースに関する法律案」は、身分証明書上は女性でも男性器を備えていた場合は女性スペースの利用を認めない趣旨を盛り込んだ。経産省のトランス女性に関するトイレを巡る判決を踏まえて、女子トイレを利用する女性らの意向を踏まえた上で、施設管理者が特定のトランス女性の入場を許容した場合は例外的に認めるとした。
自民党の片山さつき元地方創生担当相
会合に出席した自民党の片山さつき元地方創生担当相は「マイノリティー(性的少数者)でずっと悩まれて、社会的に悲しい思いをした人は実際いる。そういう人に手を差し伸べることに反対したことはない」と述べた上で、「(女性や女児の)安全性を毀損することは国家の要諦としてあってはならない。今も女性や女児に対する犯罪を完全に防止できていない。今よりも危うくしてはならないという線を譲らない」と語った。
集会では、女性スペースを巡る国内外の現状として、性自認による差別を禁止する差別禁止法が施行されているカナダで、トランス女性を自認するという男が女性専用シェルターに滞在して女性利用者に性的暴行を行った▷英国で性犯罪で逮捕された男が服役中にトランス女性になった▷性別適合手術を受けていない女性を自認する外国人の男性が東京で女湯に侵入したーといった事例が紹介された。
連絡会は約3200人が賛同する「女性スペースを守る会」や性同一性障害者らで作る「性同一性障害特例法を守る会」、LGBT活動家に批判的な当事者団体「白百合の会」、「性暴力被害者の会」などで構成される。(奥原慎平)
女性スペース守る連絡会 性同一性障害特例法の改正案私案で集会 外観要件議論に危機感
2024/3/19 11:35
性犯罪目的低減へ性同一性障害特例法の改正試案 女性スペースの会など
2023/11/15 16:25
奥原 慎平
反応
性別を変更する上で生殖機能の喪失を要件とした性同一性障害特例法の規定が憲法違反と判断されたことを受け、女性の権利保護を目指す「女性スペースを守る会」など6団体と有志は特例法の改正案などで試案をまとめた。14日付で岸田文雄首相(自民党総裁)、立憲民主党の泉健太代表ら各党の党首に対し郵送で、試案の早期制定を求めた。
現行、性別変更する場合、複数の医師から性同一性障害の診断を受けた上で、①18歳以上(成年)②結婚していない(未婚)③未成年の子がいない(子なし)④生殖腺がないか生殖機能を永続的に欠く状態(生殖不能)⑤変更後の性別の性器に似た外観を備えている(外観)─の要件を満たす必要がある。最高裁は10月25日に④の生殖不能要件を違憲と判断し、⑤の外観要件は広島高裁に差し戻した。
女性スペースの会などの試案は、④と⑤を削除した上で、新たに男性から女性に性別変更する場合は「陰茎を残していないこと」を要件にした。性犯罪目的で戸籍上の女性になる可能性を低減し、銭湯や脱衣所など女性の共用スペースで生来の女性の不安や恐怖感を軽減する狙いがある。
改正案の制定時期については、広島高裁が⑤の外観要件の合憲性を判断する前に求めた。女性の安全・安心を確保するため国会の意思を示す必要があるという。
性犯罪目的低減へ性同一性障害特例法の改正試案 女性スペースの会など
2023/11/15 16:25
奥原 慎平
女性の権利保護を目指す「女性スペースを守る会」事務局の滝本太郎弁護士は15日、LGBTなど性的少数者への理解増進法案を審議した参院内閣委員会に参考人として出席し、「トイレなど女性スペースの維持と安全の確保、女子スポーツの公平性の確保について法律を検討してほしい」と訴えた。
法案を巡っては、トランスジェンダー女性(生まれつきの性別は男性、性自認は女性)にトイレや浴場など女性スペース利用に道を開きかねないと懸念されている。海外ではトランス女性が女性競技スポーツに参加し、女性選手の活躍が阻まれている状況がある。
また、滝本氏は、与党案にあった「民間の団体等の自発的な活動の促進」との表現が削除されたことについて「親を排除して子供に会い、『ジェンダーアイデンティティー』を教育していく団体もあり得る。責任を負える立場でないものが実質委託を受けてしまう可能性があった」と歓迎した。
学校での教育・啓発に関する条文で「家庭および地域住民その他の関係者の協力を得つつ」との記述が加わったことについては、「子供の健康を守るために入れてくれて助かった。子供は親の知らないままに性自認に食い違いがあると導かれ、ホルモン治療や性別適合手術に進んでしまう危険性があった」と指摘した。
法案に盛り込まれた「不当な差別は許されない」との表現については「『不当な差別』と表現をすることで、活動家による一方的な差別主義者だという糾弾闘争をできにくくした」と語った。性自認の法令化に慎重な立場をとる「女性スペースを守る会」は「悪質トランス差別団体」などとSNS(交流サイト)で批判されていた。
自民党の山谷えり子氏の質問に答えた。
2023/6/15 13:40
🟣追記・修正した法律案について 2024.2.4
「女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会」では、「女性スぺースに関する法律案」「女子スポーツに関する法律案」につき、修正して第2案としました。
その法律案のpdfデータは、以下のリンク先にある連絡会が作成した冊子第二版の16〜28ページになります。分かりやすい説明もありますので、どうぞご確認ください。
https://gid-tokurei.jp/pdf/booklet.pdf
この2つの法案における「女性」の定義の冒頭で
「女性」とは生物学的女性(性分化疾患により戸籍を男性から女性に訂正した者を含む)のうち
としていたものを
「女性」とは生得的女性(生物学的女性及び性分化疾患により生得的には女性である者を含む)のうち
と変更したものです。
これは、性分化疾患の方々の団体から、私案だとしても修正を強く求める要請をいただいたからです。生物学的女性というと性染色体のみで定められると誤解されてしやすいところ、様々な遺伝子の仕組みなどにより「生得的女性」がいるということを反映させたいということであり、説得力あるものでした。
そのような経緯で法律案は修正されました。2024年2月1日に発行した第2版の「トランス女性は「女性」ってほんと?―女性スぺースを守る法律を!」には、その他の反響の報告、説明、様々な検討課題も掲載してありますので、ぜひご確認ください。
https://note.com/sws_jp/n/n6793f7b3186a
ここに、改めて3つの法案の条文のみを示します。
⭕️女性スペースに関する法律案(第2案)
第1条 この法律は、性犯罪の圧倒的多数が男性から女性・女児に対するものであることに鑑み、女性スペースの安心安全という女性、女児らの基本的人権を維持することを目的として定める。
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義はそれぞれ当該各号に定めるところによる。
1 「女性」とは、生得的女性(生物学的女性及び性分化疾患により生得的には女性である者を含む)のうち性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(平成十五年法律第百十一号)第4条に基づいて性別を男性とみなされていない者、並びに同法同条に基づき女性とみなされた者のうち陰茎を残していない者をいう。
2 「女性スペース」とは、「女性用」等と明示したトイレ、更衣室、風呂等の建物、区画または施設をいう。
第3条 国、地方自治体及び公益法人は、政令で定める多数の者が使用するトイレ、更衣室、風呂等の建物、区画または施設を設ける場合は、女性スペースを設けなければならず、これ以外の者は設けるよう努力しなければならない。
第4条 女性スペースには、緊急事態・設備点検等で称呼しつつ入場する場合の外は、政令で定める年齢以上の女性以外の者は入場することができない。
2 前項にかかわらず、特定の女子トイレにつき、管理者が当該女子トイレを通例利用する女性の意向を慎重かつ十分聴取した上で、特定人の入場を別途許容し、その趣旨を女性スペースに明示する場合はこの限りではない。
3 前2項の規定は、国、地方自治体及び公益法人以外の管理者にあって、別に定めかつこれを女性スペースに明示する場合はこの限りではない。
⭕️女子スポーツに関する法律案(第2案)
第1条 (目的)この法律は、スポーツ基本法の目的と基本理念を達するためには、女性が骨格、体格、身長及び筋肉等において男性として第2次性徴期を経験した者に比較して明らかに劣位であることに鑑み、その安全性と公平性を図ることにより、女性がスポーツを通じて幸福で豊かな生活を営む人権を確保することを目的として定める。
第2条 (定義)この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
1 「女性」とは、生得的女性(生物学的女性及び性分化疾患により生得的には女性である者を含む)のうち、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(平成十五年法律第百十一号)第4条に基づいて性別を男性とみなされていない者をいう。
2 「スポーツ」とは、主に身体を使う活動でその速度、高低、強弱、点数等々で優劣を競うことが可能な、単独またはチームによる活動を言う。
3 「女子スポーツ選手権」とは、国、地方自治体または公益法人の財政的な支援、後援等のある女性のみが選手として参加する競技種目をいう。
第3条 地方自治体または公益法人は、女子スポーツ選手権であるにかかわらず、選手として女性以外の者の参加を許可する団体及び開催競技に対し、財政的な支援または後援をしてはならない。
第4条 前条の規定にかかわらず、選手が身体を接触しあわない競技種目につき、参考記録として参加を許可する団体はこの限りでない。
⭕️性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の 一部を改正する法律案
第一条 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の一部を次のように改正する。
第三条四号 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五号 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
を削除する。
第三条四号 男性から女性の性別の取り扱いの変更を請求する場合は、陰茎を残していないこと。
を加える。
🟢追記 2023.11.27
「女性スペースに関する法律案の説明」につき、条文との食い違いがあったところを直していないバージョンを出していましたので、差し替えました。
女性スペースを守る会
2023年11月14日 19:15
追記 本日2024年1月19日、下記のとおり追加で送付しました。
記
1月18日付要望書につき、下記の通り修正いたします。宜しくお願い申し上げます。文章の「8」の2行目につき、間違いがありましたので、修正させてください。下記の通りです。
修正前:「手術を要求しない場合であっても、性ホルモンによる身体の適合さえも、不可逆なものではありません。」
修正後:「手術を要求しない場合であっても、性ホルモンによる身体の適合さえも、可逆なものではありません。」
文書の末尾に下記を追加します。
「この要望書記載の内容につき、1か月以内に、ご回答を頂けるよう求めます。」
1月18日、下記のとおり要望書を送付しました。
記
2024年(令和6年)1月18日
GID(性同一性障害)学会
理事長 中塚幹也 殿
性同一性障害特例法を守る会
代表 美山 みどり
1.私たちは性同一性障害特例法を守る会と申します。その名の通り、現行の性同一性障害特例法を守るために、当事者が主体となって2023年7月10日発足しました。その趣旨は同封の趣意書や、ホームページ(https://gid-tokurei.jp/)に代表らの紹介と手記などありますので、ご覧ください。また当会も加わっている「女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会」で先行した国々の状況等々を説明した冊子やいくつか声明を出していますので、ご参考までに同封します。
2.2023年6月16日に「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が制定されました。この法律の審議の中で、野党案を推し進めた団体などがその運動の中で、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の改正、とくに「手術要件の撤廃」を主張し、その根拠として貴学会における声明を上げているという状況を深く憂慮し、危機感を持った当事者によって、当会は発足しました。
3.私たちはその後、最高裁で争われた性別適合手術の手術要件の維持を求めた署名活動を「男性器ある女性」の出現を懸念する女性団体などとともに行いました。貴学会の立場とは正反対の立場を、私たち当事者自身が当事者自身の利害の問題として主張しているのです。
また女性や子供の安全という見地から手術要件の維持を求める女性団体とも、「手術要件のある特例法」こそが社会への責任を果たす唯一の解決策であると意見が一致し、これを維持する方向で世論に訴えてきました。
私たちとしては残念なことに、最高裁では第4号の「生殖腺の除去」に関する条件が違憲と判断され、現在第5号のいわゆる「外観要件」が高裁への差戻によって改めて判断を待つ状態にあります。
4.私たちの会には、MtF も FtM 双方の会員、手術済・戸籍変更済の会員がおりますが、私たちはこの「生殖器除去」の違憲判決によって「よりよい状況になった」と喜んだでしょうか?それは違います。
女性たちは「男性器がある法的女性」の出現に恐怖し警戒し、今まで合法的に手術をして戸籍性別を変更した私たちに対してさえ、強い攻撃がなされるほどに女性たちの態度が変化しています。このため、女性たちの間でも「特例法を完全に廃止し、戸籍の性別変更をまったく認めるべきではない」とする意見さえ、頻繁に聞かれるようになっています。
最高裁では「それは偏見だから、研修・教育すれば何とかなる」という姿勢ですが、そういう「研修・教育」がLGBT活動家たちによる吊し上げめいた思想強制になるのではと恐れ、女性たちは強い反発をしているのです。これがこの判決がもたらした大きな変化だとすれば、この判決は情勢を大きく見誤ったものではないのでしょうか?
5.2003年の特例法ができたときには、「気の毒な人たちだから、生活の便宜のために戸籍の性別の変更を許してあげよう」と寛容な意見が世論の大半を占めていたのとは、まったく様相が変わったのです。いまや私たち性同一性障害当事者は警戒の目で見られ、「トランスジェンダー」とは性犯罪者の隠れ蓑である、という疑惑さえ投げかけられるような悲惨な状況さえ始まっています。
さらに広島地裁が外観要件を違憲とする判断をしてしまえばどうなるでしょうか?現行の特例法の第4・5号の要件が違憲となることで、手術なしで、2名の医師の診断のみによって戸籍の性別変更が可能になることになります。
この時に、医師による診断の社会的な影響が極めて重大なものになります。
6.しかし、現状で戸籍変更のための性同一性障害の診断書は、実務上医師でさえあれば書くことができてしまいます。貴学会による認定医は法令上の資格でさえもありませんが、審判に必要な診断書はその認定医のものであることを求められてもいないのです。また、戸籍変更の実務では、特例法の要件を満たす限り、特に裁判官の裁量によって変更を認めないという事例を耳にすることもありません。ならば、手術をしなくても、また、専門医でも何でもない街の医師による診断書による「戸籍の変更の申立て」がなされた場合でさえも、裁判官は戸籍の変更を認めざるを得なくなることでしょう。その場合に、いったい誰が戸籍変更に責任を持つのでしょうか?
7.現状では性犯罪歴や暴力犯罪歴がある場合でさえ、戸籍性別の変更に対する欠格条件ではありません。女性に対する性犯罪歴のある男性が、医師を欺瞞して性同一性障害の診断書を得、それに基づいて戸籍性別を女性にしたらどうなるでしょうか?そして女性専用スペースで女性に対する性暴力をふるった場合には、いったい誰が責任を取るのでしょうか。
裁判官でしょうか?欺かれた医師でしょうか?
また現状では「戸籍性別の変更の取消」の手続きさえ存在していません。当然そのような悪意あるケースにおいては、戸籍性別の変更の取り消しと、そのような診断を行った医師の資格の取消が要求されるべきであり、またそのような審判を行った裁判官の責任が追及されるべきではありませんか。
さらには性暴力の被害者からの、診断を行った医師に対する民事訴訟の可能性も否定できないでしょう。
8.また、性別移行のハードルが下がることによって、安易に性別移行を「試して」しまうケースも十分に考慮すべきです。手術を要求しない場合であっても、性ホルモンによる身体の適合さえも、不可逆なものではありません。まして中途半端な状態で戸籍の性別を変えてしまい、それでも移行先の性別に馴染めないケースも多発するでしょう。その場合に、法的にも元に戻せず、また身体的にも元に戻せないという最悪の事態に陥ることになります。これを「自己責任」として切り捨てていいのでしょうか?
安易な移行をして後悔する人々は、水面下では現状でもかなり数多いものと思われます。単に性ホルモンによるものであっても、その身体変化は不可逆で甚大なものですから、悲惨な目にあうことも多いのです。FtM では低くなって男声になって戻せない、乳腺除去をしたために、妊娠出産ができたとしても授乳ができない、MtF では女性ホルモンによる睾丸の萎縮と受精能力の不可逆な喪失。またホルモン療法の身体的副作用による内臓へのダメージや、心理的な不安定化により自殺を試みるなど、性別移行医療はけして安易に「試してみる」では済まない深刻なリスクのある「医療」なのです。
9.専門医でありながら「脱医療化」を目指している、というような言動が見られる医師も、貴学会には見受けられます。その影響からか、貴学会のホームページによれば、貴学会は、その名称を医学的な定義に基づいた概念であった「性同一性障害」を扱う団体から、「トランスジェンダーの健康学会」などとその団体としてのアイデンティティを変更しようとお考えのようです。
しかし、それは医療に真剣に向き合あってその責任を負うことから逃げようとしているのでは?と、当事者の目からは私たちを切り捨てる動きとして懸念材料でしかありません。
私たちは「性同一性障害」という医学的概念が医学界では「古くなった」と言われてさえも、その概念が自分たちに一番ぴったり合った概念だと感じています。なぜなら、私たちが求めるものは、人権である以上に、安全で医学的エビデンスに基づいた医療なのですから。人権を重視して安全でもなくエビデンスもない医療が横行するのならば、私たちは絶望するしかないのです。
貴学会が名称変更しようとすることによって、私たち当事者は「見捨てられた」としか感じません。私たちは「脱医療化」を求めるのではなく、「よりよい医療」を求めるのです。私たちが求めるのは性別移行医療の「美容手術化」ではなく、専門医が医学的エビデンスに責任を持った真剣な医療なのです。これを「自己責任」として当事者に責任を押し付けるのならば、私たちは確実に不幸になるだけなのです。
10.「脱医療化」は、私たちが切実に求める「性ホルモン医療の健康保険適用」を妨害する可能性を否定できません。「病気や障害でないのなら、なぜ健康保険が適用できるのか?」という主張は説得力があります。もちろん「障害だ」と言うことが差別的なものであるはずもありません。
ならば、やっと得られた性別適合手術の健保適用さえも、混合診療の拒絶から満足な健保適用ケースも少ない状況下で、さらには「病気でも障害でもない」とするのなら「美容手術と変わらない」として、健保適用を否定される結果を生まないとは保障できるのでしょうか?
専門医が自分の首を絞めるようなことを、なぜ求めるのでしょうか。私たち当事者の利害と、専門医の利害が対立する状況を生み出すような「脱医療化」の主張は、当事者としては迷惑極まりないものです。
11.このような不幸な事態を回避するには、ぜひとも医学的エビデンスの立場を堅持して、「診断の厳格化」がなされなければなりません。またその厳格な診断に対して、専門医が責任をしっかりと持つ体制を、貴学会は率先して作りあげる義務があります。私たちは、当事者として、それを果たして頂きたいと要求します。それなくして、裁判官も診断書を信用して安心して性別変更の審判を行うことはできないでしょう。
私たち当事者も「性別移行に成功しそうにないのなら、移行を止めてほしい」というのが本音です。けして当事者の表面的な訴えに専門医が唯々諾々と従うことが、当事者にとっても利益ではないのです。
現状でも性ホルモン剤が並行輸入や処方の横流しによって、安易に入手でき「自己責任」で使えてしまう状況にありますが、それは医師の管理下で検査とともに慎重に使うべきリスクある「医療」である、という医学的事実を変えることはできません。「脱医療化」ならば、このような性ホルモン剤をどのように使うのも個人の自由なのだから、医師が介入すべき問題ではない、ということにもなるでしょう。
これは私たちにとって大変危険なことです。当事者が安易に性ホルモン療法に手を出す前に、それを止める有効な手段を講じるのが医師の責任ではないのでしょうか。ホルモン剤のしっかりした管理と医学的管理下での節度ある使用、そして副作用の害悪についての啓蒙周知など、「脱医療化」する場合でも、医師の社会的責任は決して免れ得ないのです。
そのためには当事者の思いを真剣に受け止めて、医学的見地にとどまらず、大きく社会的見地、そしてかけがえのない個人の人生の問題として、しっかりしたカウンセリングを必須とすべきです。性別移行のリスクと現実性に当事者を真剣に向き合わせることによって、合理的な判断を当事者が下せるように導くことが、医師に求められることではないのでしょうか。
私たちの要求は、性別移行医療の美容医療化・カジュアル化ではなく、安全かつ安心に性別移行できる「確立された医療」なのです。現在の日本の性別医療移行の現実を見る場合でさえ、「一日診断」の横行などに見られるように、この最低の要求さえまともに満たされていない、と当事者は不満を持っているのです。日本の性別移行医療が当事者に信用されていないからこそ、多くの当事者はタイでの手術を求めている現状を、貴学会ではどう反省するのでしょうか?
12.またこのような問題はさらに未成年者に関しても深刻なものになるでしょう。未成年者はとくに自分の身体的な変化に戸惑い、「性」を厭わしく面倒なものと捉えてそれから解放されたいと感じ、また自分に割り当てられた社会的ジェンダーに不満を抱くことというのは、よくあることです。簡単な暗示や誘導によって、自身を「トランスジェンダー」と誤解することも実に容易なことなのです。
そのような未成年者に性別移行医療を勧めることが、本当に正しいことなのでしょうか?ごくわずかの性別移行に満足する人のために、移行して後悔する人を数多く生み出すことが、社会的に見て正しい医療なのでしょうか?未成年者に「自己責任」を要求することはできません。誤った誘導がなされた場合には、それに関わったカウンセラーや医師の法的責任が追及されるべきですし、未成年者の性別移行医療の提供については、十分な社会的な監視が要求されるべきです。
性別移行に成功した当事者という立場であっても、性別移行は大人になってからでも遅くはない、と未成年の「トランスジェンダー」に対して、私たちは経験者として忠告したいくらいなのです。
また未成年者の性別移行に関しては、いわゆる「思春期ブロッカー」は決して性的成熟を副作用なしに遅らせる魔法の薬ではない、というエビデンスが海外では蓄積されてきました。深刻な骨粗しょう症を引き起こすという副作用があるのはもはや明白な事実です。「副作用なく決断を遅らせることができる」とハードルを下げる誤った誘導によって安易に思春期ブロッカーを使い、後悔する例が海外の「先進国」では社会問題とさえなっています。
明白に「不要な医療」を提供し、その後遺症に苦しむのが、「自己責任」でしょうか?安易な医療を未成年者に薦めた医師の責任は今後世界的に追及されることになるでしょう。もはやアメリカの多くの州では「反LGBT法」と呼ばれる法が制定され、未成年者への性別移行医療が禁止されることも起きています。
13.このような状況を鑑み、私たち「性同一性障害特例法を守る会」に集まった性同一性障害当事者は、貴学会に対して、具体的な要望として、次のことをご検討願いたいと考えています。
(1) 手術要件の撤廃は本当に当事者の利益なのでしょうか?
不安に感じる当事者、それに女性たちがいることを考慮ください。少なくともその得失について開かれた論議と社会の納得なしに、手術要件を撤廃するのには反対します。
(2) 脱医療化が進むべき道なのでしょうか?
「脱医療化」が医師の責任を免罪する方向に動くのなら、社会はまったくジェンダークリニックの診断を信用しなくなることでしょう。
また、現状でも性ホルモン療法への健康保険の適用が認められず、保険適用が認められた性別適合手術と不可分であるにもかかわらず、混合診療になってしまうために健保適用が難しい現状があります。医師の側から「脱医療化」を主張することが、健保適用のさまたげにならないと保証ができるのでしょうか。あるいは健康保険に相当する別な施策について何か提言することあるのでしょうか?
簡単に「脱医療化」を主張することに、危惧を感じます。「脱医療化」の前に、ホルモン医療への医師の責任ある関与とともに、ホルモン治療への健保適用を実現して頂きたい。
(3) 診断の標準化と、信頼性の確保に向けて、具体的な施策を求めます。
現在「一日診断」と呼ばれるモラルを欠いた医師による診断書が横行しています。このような診断の簡易化は決して許さないで下さい。
逆に「診断の厳格化」が当事者にとっての利益だと考えます。専門医ならば、一方的に患者の言うことだけを受容するだけではなくて、真に患者の立場に立って解決方法を探り、その専門医としての診断に責任を持っていただきたい。
もし、当事者が誤診を主張して脱トランスする、あるいは診断を悪用した性犯罪を起こしたなどの事件があれば、相応の責任を診断した医師に求めるでもしないと、診断自体が社会に信用されなくなります。
(4) MtF、FtM のいずれについても、未成年者の性別移行はもちろん、医学的介入の開始年齢の引き下げについては、「人権モデル」ではなくて「医学的エビデンス」に基づいて議論がなされることを求めます。
(5) 「性自認」というような曖昧で主観的なアイデンティティではなくて、客観的な根拠による診断を求めます。もちろん理論的な研究などまだまだこの問題には光の当たっていない領域が数多く残っています。
単に「社会的なニーズがあるから」ではなく、科学として真実の究明に取り組んでください。
以上の通り、貴学会におかれて、いわゆる「手術要件の撤廃」を今後要求されることなく、そして上記の具体的な要望を改めて正面から検討されるよう、強く要望します。
私たち当事者を、専門医が見捨てるのならば、それは医学の頽廃でしかないと、私たちは強く憂慮するものです。
以 上
尚、同封した冊子や声明は、以下のとおりです。当会も加わっている「女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会」で出したものとなります。
・小冊子「トランス女性は「女性」ってほんと? ―女性スぺースを守る法律を!― 」
https://gid-tokurei.jp/pdf/booklet.pdf
・最高裁判決についての女性スペースを守る連絡会の声明
https://gid-tokurei.jp/assert/assert-2023-10-id01/
・経産省トイレ裁判の最高裁判決&特例法の手術要件についての声明
https://gid-tokurei.jp/assert/assert-2023-07-id02/
GID特例法を守る会
2024年1月18日 20:58
https://sp.m.jiji.com/article/show/3094114
自民党の保守系議員らでつくる「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」は9日、戸籍上の性別変更の際に生殖能力をなくす手術を要件とする性同一性障害特例法の規定を憲法違反とした最高裁決定を受け、「医学的な観点からの治療を要する人」という対象者の前提は維持すべきだとする声明をまとめた。
議連が国会内で開いた会合で決定した。共同代表の山谷えり子元拉致問題担当相は「慎重、冷静に何をもって誰が性別変更を決められるのかを議論していかなければならない」と強調した。
声明は「憲法違反との判断が示された以上、何らかの法改正が必要」と認める一方、「心理的な性別だけで法律上の性別変更を認める制度は日本にはそぐわない」と指摘。対象者について「医学的な知見・エビデンスを踏まえて慎重に定めていくべきだ」とした。
[時事通信社]
性別変更「医学的な要件維持を」=法改正は容認―自民保守系議連
ここまで上記の資料踏まえたうえでタイトル通りの結論になるのですが、特例法生殖能力喪失要件外観要件特例法4条みなす条文維持に加えNOセルフIDさんGID特例法改正案ベースに後悔する人つまりデトランスの性別再変更者が戸籍の性別を元に戻す条文追加+NOセルフIDさんのLGBT法に関する意見元にLGBT法やパートナーシップ条例等の性自認を特例法の性同一性障害の性同一性に変更.女性スペースを守る会さんの女性スペースに関する法.女性スポーツに関する法がwinwinの妥協点だと私は思います。
生物学的女性の方の中には、JKローリングさんのツイッターのようにMTFSRS手術済みでも身体の性別は変わらないという意見も多いと思いますが性別不合、TG.GIDは医学的治療が必要な疾患で医療モデルで対応する必要がある障害者差別解消法の対象の障害者でありMTFに対し特例法生殖能力喪失要件外観要件維持し性別適合手術をMTF.FTM関係なくTGやGIDが受けられ続けられるようにしつつLGBT法やパートナーシップ条例の性自認を手術要件含む特例法の性同一性障害の定義にいう性同一性に変更、手術要件含む特例法をデトランスのSRS手術した身体に合わせた戸籍の再変更に対応したものにする。
男女別トイレに加えてTG.GIDやDSDの人が安心して性別関係なし多目的トイレが必要だと私は思います。
GIDMTFの私は出生時の身体の性別である生物学的男性の身体に苦痛を感じておりましたしGIDにはホルモン治療が不可欠ですので、出生時の生物学的性別から変えられないとされることは止めて頂きたくてTGやGIDが性別適合手術が出来なくなる事態は避けたい、GIDMTFの私には特例法の生殖能力喪失要件と外観要件に加えMTFSRS手術後の身体に合わせ特例法4条の他の性別に変わったことをみなす要件維持に女性スポーツに関する法律、女性スペースに関する法律等で対応。特例法の未成年子どもなし要件の削除して日弁連さんの子の福祉に反するに変更で対処するしかないかなと私は考えています。