安倍晋三元首相と旧統一教会の「面談」スクープ 鈴木エイト氏が説く“追及のカギ”「注目すべきは集合写真に萩生田光一氏と岸信夫氏が写っていたこと」NEWSポストセブン / 2024年9月22日 7時15分国内2023.05.29 11:00 週刊ポスト【全文公開】安倍元首相銃撃・山上徹也被告が事件直前に鈴木エイト氏に送っていたメッセージPDF魚拓


〈安倍氏、旧統一教会会長と面談か〉──自民党総裁選の最中、朝日新聞の一面(9月17日付朝刊)に大見出しが踊った。記事によると2013年の参院選直前、安倍晋三・首相(当時)が旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の会長らと自民党本部の総裁応接室で面談。自民比例候補だった北村経夫氏(現参院議員)を教団側が支援することを確認したという。

『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』(小社刊)の著書があるジャーナリスト・鈴木エイト氏が語る。

「これまでも教団側の内部資料から、“安倍首相の要請を受けて北村候補を支援することが教団内で通達された”というところまでは掴めていました。実は、安倍首相はもともと教団とは一定の距離を置く発言をしていたのですが、この時の選挙支援がきっかけで関係が深まっていったとみられてきました。

 今回の朝日のスクープで注目すべきは、掲載された集合写真に当時、総裁特別補佐だった萩生田光一氏(前政調会長)と安倍氏の実弟である岸信夫氏(元防衛相)が写っていたこと。私は2013年の時点で、『党内の有力議員を通じて教団が安倍政権に接近した』との情報を得ていましたが、その有力議員が誰なのかわかっていなかった。安倍氏と岸氏の祖父である岸信介・元首相はもともと統一教会との関係が深かっただけに、この写真により、萩生田氏が教団と安倍・岸家をとりもつ、つなぎ役だった可能性が浮かび上がってきました」

 面談に同席した経緯は何だったのか。また、両者をつないだのは萩生田氏なのか、事務所を通じて本人に問うと書面にて、次のように回答があった。

「ご指摘の会合の記録がなく、内容や出席者も記憶しておりませんが、当時は様々な団体との総裁面会に陪席する機会は多くあったのでそのうちの一つだと思います。(教団と安倍・岸家をつないだことは)事実ではありません」

 岸田文雄首相は今回の報道を受け、安倍氏と教団の関係の再調査を行なう考えはないとの認識を示したが、鈴木氏は「萩生田氏、岸氏への調査こそ重要になる」と指摘した。

「安倍首相と教団の仲が深まっていった経緯を知っている可能性がある。安倍首相が亡くなってしまった今、2人が面談の経緯も含め説明責任を果たすべきだと思います」

※週刊ポスト2024年10月4日号



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NEWSポストセブン / 2024年9月22日 7時15分



安倍晋三・元首相を銃撃した山上徹也被告の第一回公判前整理手続きの日程が6月12日に決定した。事件から間もなく1年、再び注目が集まっている。

 その山上被告が事件直前、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と自民党政権の関係を追及してきたジャーナリスト・鈴木エイト氏にツイッター上でメッセージを送っていたことが判明した。

 山上被告はツイッターで「オレが憎むのは統一教会だけだ。結果として安倍政権に何があってもオレの知った事ではない」といった投稿をしていたことがわかっているが、そのなかで鈴木氏にアプローチしたという。鈴木氏が明かす。

「私は事件後、何度も山上の弁護団の弁護人への取材を重ねてきました。今年になって、山上が“事件前にエイトさんへメッセージを送った”と話していると聞きました。私がそのことを失念していたのです。

 ダイレクトメッセージの通知メールを確認すると、事件の9日前にあたる2022年6月29日21時11分、山上のアカウントからメッセージが2通来ていたことがわかりました。だが、山上のツイッターアカウントはツイッター社から凍結されているため、どのようなやり取りがあったかは確認できませんでした。その後、弁護人を通じて、やり取りの詳細を山上から教えてもらいました」

 山上被告の記憶によると、鈴木氏には以下のようなメッセージを送ったという。

「やや日刊カルト新聞(鈴木氏が主筆を務めるニュースサイト)を従前からずっと見ていました。初めまして。家族に信者がおり、統一教会をウォッチしている者です。やや日刊カルト新聞をはじめエイト氏の日ごろの活動には頭が下がります。

 最近の統一教会ですが7月10日、日曜日にさいたま市民会館、キャパ2000人で何らかの催しがある旨、浦和家庭教会のホームページの礼拝週報から知りました。コロナ禍で大規模な集会は控えてきた統一教会ですが、何年ぶりかに活動を始めるのではないかと懸念しております。この大会について参加者等ご存じのことはないでしょうか?」

 これに対する鈴木氏の返答についても、山上被告ははっきりと記憶していたという。

「情報提供ありがとうございます。7月10日といえば投票日ですね。6月中旬には世界本部長(尹ヨン鎬【※】・世界宣教本部長)が来日していました。選挙も近いですし何かあるかもしれません。キャパ2000人規模だと祝福関係かもしれません。私のほうでもチェックしておきます」

【※ヨンは[火へんに英]】

 山上被告がこのイベントに関心を持ち、鈴木氏にコンタクトを取ったことが窺える。だが翌日以降、山上被告のツイッター投稿は途絶え、投票日に先立つ7月8日、街頭演説で奈良市を訪れていた安倍元首相を銃撃し、殺害した。いったいこの間、どのような心境の変化があったのだろうか。

 弁護人を通じた山上被告とのやり取りの詳細やその人物像については、鈴木氏の新著『自民党の統一教会汚染2 山上徹也からの伝言』に掲載されている。事件の真相解明に向けて、大きく動き出した。

※週刊ポスト2023年6月9・16日号

2023.05.29 11:00 週刊ポスト

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