女性スペースの利用は「身体的特徴で判断」 自民議連、女性の安全・安心確保法整備へ2024/6/14 10:39.性別変更の厳格化を提言、自民・女性守る議連「ふわっとした多様性で片付けられぬ」2024/4/19 20:33.自民・女性守る議連「心理的性別だけで性別変更そぐわない」手術不能要件違憲決定に2023/11/9 14:50等特例法や女性スペース確保法で生物学的性別での区別維持する必要性についてPDF魚拓


自民党有志議員でつくる「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」(略称・女性を守る議連)が、公衆浴場や旅館・ホテルの共同浴室など女性スペースを利用する際は男女の取り扱いを心の性ではなく「身体的な特徴」で区別する議員立法の法案骨子を策定した。性別適合手術などを経ずに男性器を備えた「法的女性」が誕生した場合に備え、性自認は女性だと主張する性犯罪目的の元男性が女性スペースで性加害行為を働く余地を狭める狙いがある。

各党の賛同を求めて立法化

骨子では公衆トイレを含め、不特定多数の利用者が性別で区別される施設(特定施設)について、管理者に女性の安全・安心を確保するために必要な施設構造の変更や照明設備・警報装置の設置、警備の実施などハード・ソフト両面で努力義務を課した。

議連は各党の賛同を求めつつ条文化し、今秋の臨時国会で提出を目指す。

施設側は身体的な特徴の性をもって男女を判断し、性別適合手術などを経ずに男性器を備えた「法的女性」らの利用を断ることができる根拠となる。これまでも公衆浴場での男女の取り扱いに関して、厚生労働省は「身体的な特徴をもって判断する」と通知を出している。その方針を改めて法律に明記する形となる。

女性スペースの安全確保の徹底を図る背景には、性別適合手術を経ないで戸籍上の性別を変更できる可能性が高まっていることがある。性同一性障害特例法が求めている生殖機能の喪失を要件とした規定は、昨年10月の最高裁で憲法違反と判断された。変更後の性別の性器に似た外観を備えている外観要件についても憲法適合性の審理が2審に差し戻されている。

女性スペースの利用は「身体的特徴で判断」 自民議連、女性の安全・安心確保法整備へ

2024/6/14 10:39


性同一性障害特例法を巡り、自民党有志議員でつくる「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」のメンバーは19日、小泉龍司法相と面会し、性別変更する際の要件の厳格化を盛り込んだ提言を提出した。生殖機能の喪失を要件とした特例法の規定が憲法違反と判断されたが、規定の撤廃が広がれば、性同一性障害を抱える生来の男性と、「女性のなりすまし」との見極めが困難になりかねないとの指摘もある。小泉氏は「さまざまな論点が議論され、多くの国民に理解してもらい、一番いい形で進むことができればと思う」と述べた。

女性スペースを守る議員立法を先行

提言では、10年以上継続して性同一性障害の治療を受け、他の性別で社会生活を営んでいることの確認を新たな要件に加えている。女性の生殖機能を持った「法的男性」が出産した場合に備え、民法上の親子関係などを整理する必要にも言及している。

さらに、女性専用トイレ、浴室、更衣室、女子寮など、男女が「生来の性別」で分けられたスペースに関して、国や地方自治体、事業者など管理者に対して女性の安心・安全を守る努力義務を課す議員立法を作成する方針を盛り込み、各省庁に協力を求めた。

議連共同代表の片山さつき元地方創生担当相は小泉氏に対し、「理念法として『女性スペースの安心・安全を守る議員立法』を先行し、世の中の不安を取り除いていく」と述べた上で、特例法について「慎重に国民にとっていい形での改正をされるならお願いしたい」と訴えた。

腰を据えて考えるべき課題

特例法は、性別を変更するために複数の医師から性同一性障害の診断を受けた上で①18歳以上②未婚③未成年の子がいない④生殖不能⑤変更後の性別の性器に似た外観を備えている─の要件を定めている。最高裁は昨年10月、④の要件を違憲と判断し、⑤についての憲法適合性の審理を広島高裁に差し戻している。④と⑤を合わせて「手術要件」といわれる。

提言を提出後、議連の副代表を務める柴山昌彦元文部科学相は記者団に「(女性のなりすましなどによる)性犯罪に近いことが起きかねない不安が起きている。女性スペースの安全確保が極めて大きな検討課題で解決しなければならない」と強調した。「(手術要件が撤廃された場合)精神的な判断だけで性別変更が認められる可能性が出てきている。(法的)男性である母親、女性である父親も出てくる。腰を据えて慎重に考えるべき課題だ。ふわっとした多様性で片づけていいのか」と疑問視した。(奥原慎平)

性別変更の厳格化を提言、自民・女性守る議連「ふわっとした多様性で片付けられぬ」

2024/4/19 20:33


自民党有志議員でつくる「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」(略称・女性を守る議連)は9日、性自認に基づく性別変更を可能とする「ジェンダー・セルフ・ID制」の導入に否定的な声明をまとめた。「心理的な性別だけで法律上の性別変更を認める制度は、LGBT理解増進法が成立したばかりで理解増進の流れを醸成していく段階にある日本にはそぐわない」と指摘した。

議連は、最高裁が10月25日に性同一性障害者が性別変更する上で生殖能力の喪失を要件とする性同一性障害特例法の規定を憲法違反と判断したことを受け、国会内で会合を開き、声明をまとめた。約20人が参加した。

最高裁の決定に伴い、与党内では特例法の改正など対応に当たる必要性が共有されている。一方、「生殖不能要件」が完全に撤廃されれば、妊娠や出産が可能な法的な男性が登場しかねない。声明も、「何らかの法改正を行う必要がある」とした上で、「現行の多くの法令との整合性がとれない事態に陥ることとならないか、危惧される」と指摘し、内閣の責任で関連省庁を挙げた法令の調査の必要性を訴えた。

議連の共同代表を務める片山さつき元地方創生担当相は会合の冒頭、「性別の取り扱いの変更と、社会一般の受け止めの調整を図りつつ、立法府に身を置く者の責任をフルに発揮しないといけない」と強調した。共同代表の山谷えり子元拉致問題担当相は、「先行する欧米が修正する混乱に周回遅れで敢えて突っ込み、社会的分断や対立を起こすことにならないかを考えねばならない」と訴えた。

自民・女性守る議連「心理的性別だけで性別変更そぐわない」手術不能要件違憲決定に

2023/11/9 14:50


自民党の有志議員でつくる「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」(略称・女性を守る議連)は27日、党本部で総会を開き、性同一性障害特例法が戸籍上の性別を変更する上で規定する「手術要件」が撤廃された場合に備えて議論した。参院法制局はその際、法改正の検討が必要となる法律は900本近くにのぼることを説明した。

議連は3月にも論点整理をまとめ、党の「性的マイノリティに関する特命委員会」(高階恵美子委員長)に提出する。

平成15年に成立した性同一性障害特例法は、性別を変更するために複数の医師から性同一性障害の診断を受けた上で①18歳以上②結婚していない③未成年の子がいない④生殖腺がないか生殖機能を永続的に欠く状態⑤変更後の性別の性器に似た外観を備えている─の要件を定める。④と⑤が「手術要件」といわれる。昨年10月に最高裁は④の規定を違憲と判断し、⑤の憲法適合性の審理は2審に差し戻した。政府・与党は特例法の改正が求められている。

参院法制局が議連に示した900本の代表例には、被収容者を性別で分離するとした刑事収容施設法や入管難民法などが挙げられた。手術要件が撤廃された場合、法律以外にも共同浴場の利用は原則男女別に分けるとした厚生労働省の「旅館業における衛生等管理要領」などの改正検討も必要となる。

会合では、性別違和を訴える患者の診断を行っている日本性科学会の針間克己理事長が、性同一性障害の診断がより難しくなるとの見方を示した上で、「性同一性障害で(性別を)転換できる人の定義が再度必要になる」と訴えた。

会合後、議連の共同代表を務める片山さつき元地方創生担当相は記者団に「きょうの議論を受けて役所もびっくりしていた。(特例法成立に向けて議論された約)20年前の役人は手術要件があるから、こんな(=手術要件が撤廃される)ことはないだろうと誰1人詰めて考えていなかったのではないか。(立法府として)責任をわれわれはとらないといけない」と危機感を募らせた。(奥原慎平)

戸籍上の性別変更、手術要件撤廃なら必要な法改正は900本 自民女性守る議連が危機感

2024/2/27 14:39


性同一性障害特例法を巡り、性別変更する際に求められる生殖機能を喪失する要件(生殖不能要件)が昨年10月に憲法違反と判断され、さらに性器の外観を他の性に近づける要件(外観要件)について憲法適合性が争われている。同特例法の要件厳格化を求める提言をまとめた自民党の「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」の片山さつき共同代表が産経新聞のインタビューに応じ、性別適合手術などを受けずに戸籍上の性別を変更できる可能性について強い懸念を示した。



客観性と持続性は「10年」の移行期間で

(生殖不能、外観要件を合わせた)「手術要件」が撤廃された場合、どうやってなりすましと峻別するのか。その完全な答えは得られていない。性別違和(性同一性障害)を訴える患者の診断症例が最も多い精神科医も議連の会合で「正確な診断が困難になる」と語っている。

岸田文雄首相が3月15日の参院予算委員会で(昨年6月施行されたLGBTなど性的少数者への理解増進法が尊重を求める)「ジェンダーアイデンティティー」について「本人のその時々の主張を指すものではなく、自分の性別についてのある程度の一貫性を持った認識を指す」と述べたように、ジェンダーアイデンティティーには「何らかの客観性と持続性が必要」というのが公式見解だ。

提言には、違憲と判断された「生殖不能要件」の規定に代わり、性別変更する要件に「一定期間(10年以上)継続して他の性別で社会生活を営んでいると認められること」と盛り込んだ上、従来通り、手術を受けるルートを残した。



自民党有志の「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」の会合

(戸籍上の性別を変更するまでの)移行期間についての絶対的な基準は医学的に存在していない。日本は性別移行の症例が(同特例法が成立した)平成15年以降、約1万2800件といわれ、これらの症例の診断結果もデータベース化されていない。手術自体を望む人もいて、手術を受けても性別変更申請していない人もいることを知るべきだ。

特例法を改正するにしても、女性スペースを守る理念法のような議員立法の成立を優先するべきだろう。

マジョリティーの言論封殺すべきではない

「10年」に移行期間を設定したのは、今国会に政府が提出した(法案で創設する子供と接する仕事に就く人の性犯罪歴の有無を確認する)「日本版DBS」で、軽度の性犯罪を犯歴10年まで開示する法文などを手掛かりにした。

ドイツはかつて移行期間を「3年」としたが、つい最近年限を撤廃した。英国は「2年」としているが、女性の安全を確保する議連である以上、厳格な姿勢を示した形になる。これより短くても大丈夫というなら反証を示してほしい。



自民党の女性を守る議連の共同代表を務める片山さつき元地方創生担当相

トランス女性には女性の格好で気持ちも女性だが、男性の性的機能を保ちながら、性的対象が女性である人もかなりいる。そこを悪用した性犯罪事例も出てきている。さらに、女性の側には自分たちの裸を異性から見られない尊厳・権利、盗撮されない権利がある。

性的マイノリティーについての配慮は当然だが、社会生活上みんなが上手く共生するにはルールが必要だ。不安や懸念を抱くマジョリティーの人が非難され、「ヘイト」の烙印(らくいん)を押され、発言が封じられる現状はあるべきではない。双方傷つかないように、丁寧に分類をすべきだ。

戸籍無力化される、国論に付すべき

そもそも、日本の法制は「父、夫=男性」「母、妻=女性」の仕様で成り立っている。手術要件が撤廃された場合、女性の生殖機能を保った「法的男性」が存在することになる。妊娠・出産すれば母親になり、戸籍上の男性が「母」の欄に記されることになる。

立憲民主党は戸籍から「父母」「親子」の区別をなくす「婚姻平等法案」を議員立法として国会に提出している。同法案のように民法の夫の記載を「男と限らない」、妻について「女と限らない」と書き直すのか。

戸籍が無力化される恐れがあるが、国会で議論されていない。民法の大改正に至る課題で、議員立法である性同一性障害特例法で派生的に議論すべき話ではない。国論に付すべき問題だ。正面から議論しないと極めて非民主的になる。にもかかわらず、手術要件が撤廃されれば何が起こるか、国民に論点が共有されているとはいえない。それはマスコミが報じないからではないか。(聞き手・奥原慎平)

性別変更の手術要件撤廃「出産する男性誕生は民法大改正に至る課題」 自民・片山さつき氏

2024/4/16 16:28


田文雄首相は20日の参院本会議で、6月に施行されたLGBTなど性的少数者への理解増進法に基づく指針の策定について、「多様な意見を伺い、検討を進める」と述べ、「女性の安心と安全を守ることは重要だ。性的マイノリティーもマジョリティーも含め、生き生きとした人生を享受できる社会の実現に取り組む」と強調した。

自民党の片山さつき元地方創生担当相の代表質問に対する答弁。片山氏は「本人の性自認のみで(銭湯や脱衣所など女性専用スペースに)入れるようになるのではないかと不安の声が押し寄せている。注意した側が差別と訴えられないかとも心配されている」と説明し、「全国6400万人の女性の安心と安全、いわば究極の生存権を1ミリたりとも、危うくすることがないように」と訴えた。

片山氏が質問する場面では「やめろ」などとヤジも飛び交っていた。片山氏はLGBT理解増進法の施行に伴い自民党有志で設立した「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」で共同代表を務めている。

首相「女性の安心、安全重要」 、片山氏「生存権危うくするな」 LGBT法の指針策定

2023/11/20 18:29


産経新聞グループのマーケティング会社「産経リサーチ&データ」は、岸田政権が今年6月に成立させ、施行したLGBT理解増進法の是非について調査した。その結果、「反対」「どちらかと言えば反対」が61.2%にのぼり、その理由(複数回答)は「女性スペースの安全が守られないと思うから」が79.8%で最多だった。自民党支持者に限っても「反対」「どちらかと言えば反対」は69.6%と全体よりも高く、保守層を中心に批判的な傾向が目立った。

同社のウェブ上のアンケートモニターサイト「くらするーむ政治部!」の登録者を対象に11月17日午後~11月20日午前まで実施、全国の1751人(男性1238人、女性513人)から回答があった。

LGBT法の是非については「反対」(40.4%)、「どちらかと言えば賛成」(30.3%)、「どちらかと言えば反対」(20.8%)、「賛成」(8.6%)の順で約6割が反対側だった。男女別では、男性の「反対」が47.2%でより高かったが、女性は「どちらかと言えば賛成」(43.1%)、「反対」(24%)、「どちらかと言えば反対」(22%)、「賛成」(10.9%)の順で、賛成側が過半数を上回っていた。

「反対」「どちらかと言えば反対」の理由を3つ選ぶ設問は、全体では「女性スペースの安全が守られないと思うから」(79.8%)、「法律制定までの議論が拙速だったから」(64.3%)、「立法化するほどのLGBT差別が日本にはないから」(53.2%)の順。男性はほぼ同様の傾向だったが、女性はトップの「女性スペースの安全が守られないと思うから」が84.7%で突出していた。

賛成側の理由は「LGBTに対する理解が進むから」(88.2%)、「立法化したほうがよいLGBT差別が日本にはあるから」(63.1%)、「小中学生のうちから性の多様性について知ってほしいから」(50.4%)が男女ともに上位を占めた。

支持政党別では、反対の立場が自民支持(69.6%)、日本維新の会支持(61.2%)と保守系政党の支持層で高く、「支持政党なし」層では42.1%だった。自民支持層の反対理由は、全体の傾向とほぼ同様だった。

一方、「女性用の公衆トイレや公衆浴場に、身体は男性で心の性別は女性の方が入ることについてどう思いますか」の問いでは、男女ともに「反対」(54.5%)が最も多かったが、男性(57.4%)より女性(47.4%)のほうが割合は少なく、「仕方がない」と答えた女性も16%いた。また、「手術などで外形的特徴が女性であれば構わない」は男性30.7%、女性34.7%だった。

回答者全体の政党支持率は「積極的支持」「消極的支持」を合わせると、自民38.2%、立憲民主3.5%、維新14%、国民民主2.6%、支持政党なし25.8%。岸田文雄内閣の支持率は「支持する」「どちらかといえば支持する」は30.4%だった。自民支持率は前回調査(11月3日~6日)の40.8%から2.6ポイント、岸田内閣の支持率は35.9%から5.5ポイント減り、7月の調査開始以来最低となった。

LGBT法 自民支持層の7割が反対「女性スペース守られない」「議論が拙速」 「くらするーむ政治部!」

2023/11/20 15:30