新型コロナウイルス感染拡大防止策の1つとして、東京都は飲食店などに対して8月に営業時間の短縮要請を行った。実際にはどのような効果をもたらしたのか。
飲食店向け予約・顧客管理システム「TableCheck」の開発・提供などを行うTableCheck(テーブルチェック、東京都中央区)が、要請期間の来客人数などをもとに検証した。その結果、8月の時短営業期間はその前後の期間と比べて、ディナー時間帯(午後6時~午後10時)の店内密度が約1.5倍に高まっていることが分かった。
時短要請期間とその前後の1時間当たりの店内密度(テーブルチェック調べ)
テーブルチェックの調査では、第2波での時短要請中も飲食店の来店人数は増加を続けていた。第3波でもその傾向は変わっておらず、同社は「10月のGo To Eatキャンペーン開始をきっかけに、その伸びは加速している」と指摘する。
4月13日~12月13日の来店人数推移(テーブルチェック調べ)
テーブルチェック代表取締役社長CEOの谷口優氏は「『店内密度』の低下が感染症対策としてポジティブに働くと仮定すると、営業時間の短縮は、感染症対策としてネガティブな影響を与えいる」と強調する。営業時間の短縮ではなく、営業時間内の来店人数や、滞在人数をコントロールし、消費者・企業の選択の自由を奪わず店内密度を下げることが有効な施策の1つではと提言。
また谷口氏は、諸外国では店内の全席数に対して30%、50%、75%などと利用上限を設定していると指摘。予約制を原則として、来店者や来店人数の把握・管理を行いながら、店内密度を一定水準以下に保つことは日本でも容易ではないかと主張する。
(画像はイメージ)
調査は、TableCheckを利用する都内の飲食店約2000店舗の12月13日時点のデータをもとに、調査期間の店内密度や来店人数の推移を独自に推計した。
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