チキラボSRHR(性と生殖に関する健康と権利)について、フランスの先進事例視察報告と日本との違い、日本への提言を行う会見 発表資料芸能・メディア分野におけるハラスメントや圧力問題についての実態調査SRHR先進国(フランス、スイス)での現地調査ツアー統一地方選挙に出馬した女性候補者が体験した制度課題および社会課題についての調査PDF魚拓

いかにして、「中絶」「避妊」「出産」の無償化を進めてい
るか
65%皆保険、残り35%は個々の保険により償還
18歳以上は、償還カードが個人発行されるため
に身内バレしない
中絶や避妊は別の救済保険で公費負担
緊急避妊薬は薬局にて処方箋なしで購入可能&
25歳以下で無料
パリ在住
ジャーナリスト
との情報交換
高崎順子さん
&
ジョフロワ江美さん
いかにして、DV被害から、支援に繋げていくか
1992年〜共通番号3919で相談を受ける公的機関
個別介入はしないで地域のアソシエーションを紹

回復するのは本人の役割という位置付け
相談電話が少ない地域をカウント
女性デーなどを設けてキャンペーンすると電話件
数は激増
FNSF
(DV電話相談
アソシエーション)
オーロール・ルシャ
さんいかにして、虐待対策を前進させていくか
「虐待」ではなく「心配」な状況から介入
通告があると3ヶ月間の自宅訪問アセスメント
→こども専門裁判官による介入の決定
エデュケーターと家庭支援専門員による家庭
まるごと支援
エデュケーター資格は実習を含む3年間の履修
課程と試験
夜廻りエデュケーター、ネットエデュケータ
ーも行政の常勤職員
パリ在住社会学者&
エデュケーターと
情報交換
安發 明子さん

パボさん
いかにして、「性の自己決定権」へのアクセスを向上させるか
性的健康は公衆衛生の中心的な目的
パリ市内に24箇所(パリ市直営6 パリ市
立病院8 プランニングファミリアル10)
年齢・性別問わず匿名・無償で利用可
未成年も保護者の同意なく利用可(場合
によって立会人要)
避妊、中絶、性機能障害、HIVと性感染症
早期発見と予防、ボディイメージ、ジェ
ンダーアイデンティティ、暴力と差別の
根絶etc..
いかにして、子どものメンタルヘルスを向上させるか
若者のメンタルヘルスをサポートする公的機関
▪ 精神科医師、心理士、ソーシャルワーカーが駐

▪ 11-18歳の若者は平日10-17時まで予約不要、匿
名、無料でカウンセリングが受けられる
▪ 電話相談、通所、入院も可能
▪ 通所施設はパリ市内に11ヶ所
▪ 音楽、アート、運動、料理、ラジオ番組作り
etc…
いかにして、性的マイノリティの安全を守るか
18-25歳までの、親から拒絶された性的マイノリティ
を支援する民間団体
▪ 運営費の7割が企業からの寄付 45名の常勤スタッフ
▪ 20年間で8000名が利用
▪ 心理サポート+住居支援+学費支援
▪ 年間7000名が住居を求めて連絡してくるが、運営して
いる住居は200名ぶんのみ
▪ 同性婚をはじめ、法律が性的マイノリティの権利を擁
護しているからといって、現実の全てがそうとは限ら
ない(どの宗教・階層の家庭でも差別はある)
Fondation
Le Refuse
エドワード・
ジョワーノ・テイラー
さん
1. 避妊・中絶についての環境改善
2. 包括的性教育&性的同意教育
3. 思春期精神保健センターの充実
4. Treansgender and gender
diverse (TGD) 支援
5. Sexual Reproductive Health and
Rights:SRHRを日本から世界へ
研修からの
5つの提言
若年者が周囲の大人からプライバシ
ーを守って安全に避妊できる環境整

配偶者同意要件の撤廃
貧困対策としての避妊・中絶公費負

日本市民対象の調査でも7〜8割が避
妊・中絶公費負担に賛成
日本の産婦人科医師の約7割も避
妊・中絶公費負担に賛成
1. 避妊と中絶
の環境改善
すべての子どもに人権・自己表現・
建設的対話に関する学びの機会を
カリキュラム外での環境が肝
学力とともに、心理、社会面の育成
にも多様な教育環境を
2.包括的性教育

性的同意教育
日本版Maison de Solenn設立
思春期の子どもの、精神保健の専門
家へのアクセスを改善(児童精神専
門家の増員)
家庭のほかに、社会的関わりの中で
の心理ケア
3.思春期精神保健
センターの充実
日本版性的健康センターの設置
性に関する相談機関の数&アクセス
の拡充
性的マイノリティの心理・社会・経
済的支援
4.Transgender
and gender
diverse (TGD)
支援
日本での内服中絶薬承認、性的同意
年齢引き上げ等の世界に対するイン
パクト
人口減少のすすむアジア先進国での
SRHRのあり方について、もっと議論

5.SRHRを
日本から世界へ

SRHRツアー記者会見資料240304.pdf
FIGO(国際産婦人科学会)
&
フランスの福祉制度を学ぶ旅
宋美玄 池田裕美枝
協力・サポート:社会調査支援機構チキラボ


1 ©️
2024NPO 法人女性医療ネットワーク ©️ 2024 一般社団法人社会調査支援機構チキラボ
FACT on SRHR
FACT References
中絶が合法である国の約 5 割で中絶は公費負担されてい

Grossman D, Grindlay K,
Burns B. Public funding for
abortion where broadly legal.
Contraception. 2016; 94(5):
453-60.
SRHR 市民調査 2022(楽天インサイトを用いたオン
ライン横断調査。研究参加に同意した者のうち、性
別、年代、地域、で割り付けた 18-74 歳の 3005 名を
対象)公費負担について、避妊は必要とするすべて
の人に必要と回答した者は440%、経済困窮者に必
要が 27%学生など若年者に必要が 7%、不要が 14%
だった。中絶についてはそれぞれ順に 40%、32%、
5%、10%だった。
第 82 回公衆衛生学会 P0512-
1P0512-1 池田裕美枝「性
と生殖に関する健康と権利に
ついての行動・意
識調査」
FIGO は SRHR に関する個々の選択と、SRHR サービス
へのアクセス改善を求めて数多くの国際的な提言を発して
いる
https://www.figo.org/resource
s/figo-statements
合法中絶に配偶者同意を要件としている国は日本を含め数
少ない
State of World Population
2021
フランス公衆衛生法典第5部第1冊第 3 題(薬事法に相
当)第 4 章「避妊薬」L5134-1 条
未成年者への避妊薬の処方、発行、投与には、親権者また
は該当する場合は法定代理人の同意は必要ない。
https://www.legifrance.gouv.f
r/codes/article_lc/LEGIARTI0
00031927644#:~:text=%2DL
es%20sages%2Dfemmes%2
0sont%20habilitées,des%20c
onditions%20définies%20par
%20décret.
フランス公衆衛生法典第 2 部第 2 冊第1題第2章、
L2212-7 条
女性が未成年者である場合、親権者の一人又は法定代理人
の同意を得る。この同意は、女性が医師または助産師に提
出する依頼書に添付される。
未成年者が秘密保持を希望する場合、医師又は助産師は、
未成年者の利益のために、親権者又は該当する場合には法
https://www.legifrance.gouv.f
r/codes/article_lc/LEGIARTI0
00031930097
2 ©️
2024NPO 法人女性医療ネットワーク ©️ 2024 一般社団法人社会調査支援機構チキラボ
定代理人に相談することについて未成年者の同意を得るよ
う努めなければならない。
未成年者がこの措置を望まない場合、または同意が得られ
ない場合、第 1 項に規定する条件の下に、本人の希望に
従って中絶およびそれに伴う医療処置およびケアを実施す
ることができる。この場合、未成年者は、本人が選択する
成年一人に付き添われなければならない。
パリ在住社会学者 安發明子さんがパリ市副市⻑へあてたの質問の回答(メール)
パリ市副市長 Anne-Claire Boux (アンヌ=クレール・ブ ー)
*写真はホームペ ージ から使ってよい https://www.paris.fr/pages/anne-claire-boux-7931
質問
1. パリ市内には 25 カ所の性に関する相談センターがあると聞きました。このような施
設 を運営する意義についてどうお考えか、お聞かせください.
2. 性的健康センターが匿名で原則誰でも利用できるようにしているのはなぜ でしょう
か?
3. それぞれ年間どのくらいの予算がかかっていますか?
4. ⺠間はなく公が担う意義や根っこにある理念を教えてください。
回答
1. 性的健康にはさまざ まな分野があります。性教育、リスクがなく満足なセクシュアリテ
ィの 促進、自分の体について持つイメージ に関する問題、関係性とパートナー関係に関す
るも の、ジ ェンダ ーアイデ ンティティと性的指向、HIV と性感染症予防、避妊と中絶、性
的トラ ブ ルと性的不能や性の問題について、暴力と差別の根絶です。
性的健康に関するフランスでのサービスの提案は複雑でいくつも分立しています。その背
景には 3 つの歴史の流れがあります。伝染病やバ クテリアなど疫病の管理、そして強化支
3 ©️
2024NPO 法人女性医療ネットワーク ©️ 2024 一般社団法人社会調査支援機構チキラボ
援対象となっていた人々への社会的管理の歴史、女性が自分の体と生殖について自分で管
理する権利に関する歴史、HIV への戦いと性的少数派への差別との戦いの歴史です。
家族計画センターは各県に義務付けられているもので す。バ リは市で あり県で もあ
ります。 家族計画センターは 2022 年から性的健康センターに改名しました。バ リには
24 箇所あり ます。センターによって特徴が あります。6 箇所はバ リ市の直営で す。
8 箇所はバ リ市立病院 (APHP)の運営で す。10 箇所はプラニング・ファミリアルという
⺠間の運営です。この団体 は女性が 中絶を受ける権利を求め戦い実現し、歴史的に中心
的な役割を担ってきました。
性的健康はパブ リックヘルスの中心的な目的をなしています。同じ く、パブ リックヘルスの
担うものとして、各県に義務づ けている PMI (保健所、妊産婦幼児保護センター)、CeGIDD
(情報、検診、診断センターcentres gratuit dʼinformation, de dé pistage et de diagnostic)もあ
ります。
2022 年 2 月の児童保護の法律で家族計画センターは性的健康センター(CSS Centres de
Santé Sexuelle)へと改名し、性的健康国家戦略が策定されました。国の研究機関 IGAS の報
告書も新しく出て、性的健康はパブ リックヘルスの中心的な目的であると改めて規定して
います。
2. 性的健康センターへの受け入れは無条件です。誰でも利用できます。年齢、滞在許可の
有無、 性別、性的指向などに関わらず 利用できます。匿名での利用もできます。これらす
べて法律 で定められています。
これらは特に、未成年が避妊や中絶を希望したり、検診を受けることを可能にします。家族
もかかりつけ医も健康保険も、その人が利用していることを知ることがないからです。 無
条件であることが、利用者のプ ライバ シーを守り、プ ライベ ートに関わる相談ご とを安心
してすることができることにつながっています。
3. 直営のセンターはパリ市と ARS(健康保険)から費用が出ています。直営の 6 センターに
か かる費用は年間 2 900 000 €です。
パリ市は病院と⺠間に委託している 18 のセンターに年間 1 900 000€を払っています。これ
らは、運営費や人件費にあたる費用です。さらに、ケアや薬剤などの医療費として 345 000
€です。 予防ケアにかかる費用は医療的にも経済的にも⻑期的に見ると効率がいいと考えら
れてい ます。
4. 性的健康センターへの受け入れは無条件で温かい見守りを前提とします。良い悪いの価
値 判断はせず 、相手の人生とセクシュアリティを尊重します。性的健康センターは安全を
感 じ 、安心し、信用して受け入れられる環境でなければなりません。パリ市は人々それぞ
4 ©️
2024NPO 法人女性医療ネットワーク ©️ 2024 一般社団法人社会調査支援機構チキラボ
れの アイデ ンティティを尊重し、女性の中絶へのアクセスを守り、子どもと若者のセクシ
ュアリ ティ教育へのアクセスを守ります。 性的健康センターの重要な目的の一つは暴力の
ある状況を見つけ出しサポ ートすることです。
なによりも本人が決め、本人の選択を尊重することが土台となります。HIV と性感染症か
らの予防、望まぬ妊娠の予防などすべてに関わります。 哲学としては「最善の予防は、そ
れぞれに合った方法をそれぞれに合ったタイミング で利用できること、そしてそれはいつで
も変えることができること」です。
健康予防へのアクセスを保障するのは公的サービスの役割です。健康に関するリスクを減
らすことができ、問題により早期に対応することができ、重い病気が発生するのを防ぐ こと
ができるので、結果的に公的費用を少なく抑える効果があります。

フランスでの学びFact Sheet.pdf
1 ©️
2024NPO 法人女性医療ネットワーク ©️ 2024 一般社団法人社会調査支援機構チキラボ
FACT on SRHR


FIGO(TheInternationalFederationofGynecologyandObstetrics:
国際産婦⼈科連合)の世界⼤会
FIGOは、世界中の130以上の産
婦⼈科協会を結集する専⾨会員組
織。
FIGOのビジョンは、世界中の⼥性
が⽣涯を通じて⾝体的、精神的、
⽣殖的、性的健康と幸福の最⾼⽔
準を達成すること。
このビジョンを達成するための取
り組みは、教育、研究の実施、権
利擁護、能⼒開発の4つの柱に基
づいて構築されている。
たとえばチキが気になった発表では…
左)中絶が違法化されたフランスにおいて、隣国への渡航⽀援や医療費⽀援をするグループの発表
右)アメリカにおける、⼦宮のあるトランス当事者の妊娠、中絶、出産についての実態報告
フランスの医療・SRHR状況についてのヒアリング
(⾼崎順⼦さん、ジョフロア・絵美さん)
・⼦どもの医療費の原則無償化
・アフターピルは25歳まで無料
(薬局でもらえる、年齢以外聞かれ
ない)→薬局で実践、確認
・プランニング・ファミリア
(planning-familial)がSRHRに果た
す役割
・「留守番問題」の、児童虐待の位
置付けと周囲の対応→⼦どもを社会
でみる体制が整った上での、「留守
番規制」
フランスの教育・福祉制度についてのヒアリング
(社会学者・安發明⼦さん、エデュケーター・パボさん)
・妊娠段階からの介⼊
・虐待前、「⼼配」段階からの介⼊
・⼦供の権利を守る「⼦ども裁判所」
(裁判官は少年院や児童保護分野で実
習)
・家庭内に⼊り、⼦供をサポートする
「エデュケーター」の役割
パボさんのバンド・デシネは、近⽇、邦訳が発売!
※エデュケーター:フランスの国家資格で、児童保護分野で中⼼的役割を担う資格。児童保護、障害、社会的精神的困難を抱えた成⼈の⾃⽴⽀援を
学び、看護師のように機関や役職に関わらずエデュケーターとしてキャリアを積む。若者たちはよく「彼は私のエデュックだよ!」という⾔い⽅を
して、運がいいと親戚のおじみたい、社会的親ともいえるエデュケーターに出会えることも。フランスでは、⼼配な状況で、⽀援が必要であると判
断された⼦どもに対し、⽉5時間〜毎⽇1時間エデュケーターが⼀緒に過ごし、教育的⽀援をおこなう。毎年未成年⼈⼝の約1%が利⽤。平均約1年半
で家庭内の状況が改善し終了していて、保健省は状況が悪化し施設措置になることに⽐べたら9000分の1のコストで済むと報告している。(CFサイ
トより)
FNSF(電話相談アソシエーション)取材
(相談電話3919の責任者:オーロール・ルシャさん)
・共通番号で相談
・相談には⼆⼈体制で対応、情報と感
情をチームでシェアリング
・個別介⼊はせず、近所のアソシエー
ションを案内
(回復するのは本⼈の役割、という位
置付け)
・⼥性デーなどを設けると、電話件数
は激増
(メディア、政府広報は有意味)
メゾンドソレン(Maisondesolenn)訪問
(マリー・ローズ・モロー精神科医師インタビュー)
・若者のメンタルヘルスをサポート
する公的機関。11歳から18歳までの
若者は、平⽇の10時〜17時まで、予
約不要、匿名、無料でカウンセリン
グが受けられる。電話での相談。
・⼊院もでき、通うこともできる。
予約不要。
・⾳楽、運動、アート、料理、ラジ
オ番組作りなどのブースがあり、⼦
どもたちが参加可能。
LGBTQ+⽀援団体 LeRefuse リモートインタビュー
・若者⽀援、特に18-25歳の間の当事者を⽀援
→(25歳の⽣活保護受給開始年齢までのシェルター提供、⽣活⽀援、相談など)
・「親からの拒絶」「家出・追い出し」「社会的バックラッシュ」
はフランスでも問題に
世界の具体事例の
収集
⽇本国内のプレイ
ヤーの拡充
適切な予算獲得と
具体的広報 理念の浸透と確⽴
SRHRについての課題

SRHRツアー報告資料.pdf
2023年10⽉21⽇
⼀般社団法⼈社会調査⽀援機構チキラボ
SRHRスタディツアー報告書
(フランス、スイス取材