建築学科に進学したが設計の成績が悪くて暗かった大学生生活から設計事務所までの道のり
大学1年生の時に読んだ建築家の方のインタビューを読んでいると驚く情報の数々。徹夜ばっかりだとか。
しかし、とくに印象だったのが…。
「独立した建築家になれるのは、だいたい1学年で1人」
※100人に1人くらいの確率と言われています。これはその1人が優秀というわけではなく、だいたい設計を続けて独立する人がという感じです。まわりを見渡しても多くでる学年もあるけれど、だいたい今でもそのような人数の割合な印象です。意外と孤独なことに驚きます。
有名建築家の方の学生時代のエピソードを読んでは、私もそうなれたらと思い必死に設計の勉強をしたいと思い、バイトもほぼせず、サークルも1年生で辞めて設計に集中する決意をしました。
しかし…。
暗かった大学生活
建築学科といってもデザインだけでなく、構造・設備・歴史などさまざまな専門分野があります。大学4年生から所属する研究室もそれぞれの専門に分かれて配属になります。
建築家になるためには、意匠の研究室に行くのが一般的です。しかし、その研究室が大学には1つで1学年に6人までしか入れませんでした。
なので、50人の中で6人にはいらないといけない。意匠の研究室は人気だったので、そのプレッシャーで胃がキリキリした毎日を過ごしていました。
大学2年生の最初の設計課題では50人で2人賞がもらえるのですが、なんとその2人にはいることができとても嬉しかったのを覚えています。
しかし、そのあとはなかなか賞に恵まれず…。研究室配属に関係する最後の設計課題に関係する賞では入賞するが「佳作」…。建築の勉強も楽しかったけれど、建築家への道はだいぶ遠いと感じていた大学生活でした。
諦めずに最後のチャンスを探した大学3年生の夏休み
意匠研の研究室に行かなくても設計事務所に行った人も過去には2人くらいいるという情報もはいってきました。
だけれど…2人。
自信がなくて、意匠の研究室に行きたいと言うことすらもハードルが高かったのをよく覚えています。
研究室配属が決まるのは3年生の終わり。3年の夏休み不安でいっぱいでした。
夏休みに1日中講義を受ければ単位がもらえるというのに講義に参加していた時、ネットでたまたま見つけた記事がありました。
それは、「建築新人戦2009」、今や多くの全国の学生が集まるイベントにもなっている最初の会も応募をたまたま見つけたのです。
それも割と小さな記事でした。締め切りもギリギリ間に合いそうということが分かりすぐに応募しました。
それから2週間後、16人のファイナリストに残った連絡がきました。その時は、東京の藤本壮介事務所で3週間オープンデスク(インターン)をしていて、とても楽しみにしていたので、まさかの東京で2次審査の準備をすることにしました。1日3時間も寝れなかったせいかほぼ記憶がないことを覚えています。審査当日は起きられず…(笑)
結果は、なんと最優秀新人賞。ほかの優秀なファイナリストの皆さんにあげるよりも、ここで賞をあげないと建築を続けなさそうということで(現在優秀の人というよりは、今後のルーキー発掘の大会という方針にしたい)ということでいただくことになりました。
人生って本当に何があるか分からないと思いました。
他の大学の同じ学年の皆さんの課題を見るのも初めてで、レベルの高さに刺激を受けました。
そして、初めて「絶対建築家になりたい」と人前で言ったのを今でも覚えています。
その後、意匠の研究室にも配属され、本当に諦めず道を探してよかったなと思いました。同時に、情報を取得する大切さを本当に学びました。
大学院の進学を辞退して設計事務所へ
設計事務所への就職は意外と早くやってきました。
信州大学の大学院を受験し合格していたのでそのまま進学を予定していました。
しかし、11月に研究室の先生が他の大学へ引き抜かれることが決定し、実質大学院へ進学しても意匠研究室がない状態になってしまいました。
他の大学院を受験するには時期が遅く、就職活動の時期も終わっていたので卒業設計をしながら悩み続けました。
最終的に出した結論は就職。
12月末に急いでポートフォリオをつくって4月から働かせてもらえる事務所を検索し応募して設計事務所にいくことが決まりました。卒業設計と並行しながらだったのでとても大変だったのをよく覚えています。
想像していたよりも早く設計事務所に勤めることになったのです。
最後に
目指したいゴールにたどり着くには無限な方法があると思っています。
それは建築をつくる過程も一緒です。
note書きながら、どんなことも諦めず、方法を探しながら建築設計も経営もやっていきたいと改めて思いなおしました。
「過去の自分に励まされる。」
過去をたまにはゆっくり振り返ってみるといいものだなと書きながら思いました。
長文、お付き合いありがとうございます。
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