看護交流日記 脳神経外科から
半々くらいのフィクション。
某月某日
夜勤中に同僚がフロアで一人話している。なんだ? と思って近づくと、あれ? という表情でこちらを見る。「バイタルはかったから報告してたんだけど、いま私の後ろにいたよね?」いや、私はいませんでしたよ。怖いよ。だれがいるの。無事に夜勤を終えたあと、13ベッドにいた人だったね、とこっそり同僚が耳打ちしてくれた。あの人か、何か気になる事があったのかしら、と急に怖くなくなる。
某月某日
なかなかお顔を覚えられない患者さんのトイレ介助する。トイレに到着すると、あんたきれいな顔だね、初めてみたよ、とお世辞がお上手な様子。帰りにまた迎えにいくと、あんたきれいな顔だね、初めての人だね、とまた褒めてもらう。何度でもトイレ介助しちゃう。しかし午前中のあいだに顔を覚えられてしまったせいで、午後は褒めてはもらえなかった。嬉しいやら切ないやら。
5月5日
数字が頭から消えちゃった患者さんに、今日はこどもの日ですねと言ったらとても喜んでくれた。何月何日っていうのは言えないけれど、こどもの日なら答えられるのが嬉しいらしい。今度は曜日を伝えてみたらいいのかな。私も嬉しくて今日が祝日でハッピーな気持ち。