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2024.1.13(土) ヒールなシンメトリー

「好きな映画はなんですか?」
「Fifth Element!」
 なんです私。
 昔から頭をかすめるオレンジボブの未来人。バイオハザードの予告CMがテレビで流れたら、姉か母に半分バカにして言っていた。
 「変な名前やなー。ミラ・ジョボビッチて!」
 ついでに、「Fifth Elementや!」とかも言っていたが、当時の自分はカタカナの映画のタイトルはうろ覚えだったので、「あーそう。」くらいの感じだった。その後も金曜ロードショーなどで何度かFifth Elementを見た。
 時は流れ、大人になった。悲しいことに、Netflixで映画やドラマをサブスクリプションで見られる世の中になり、映画が軽いものになってしまった感じがある。昔はTSUTAYAで映画を借りて、夜静かになってから一人で静かに集中して見ることが、なんだか高貴で誇り高い文化的行為だと信じて疑わない少年だった。当時の感覚では、「映画を見た」とは、すなわち、映画館で上映される作品をポップコーンとコーラ片手に、ムシャムシャ音を立てないように気をつけながらクライマックスまでに平らげ、一番いいところを集中して味わい、映画が終わってもしばらく、この物語の結末を自分の中でどう処理しようか、と余韻に浸りながらエンドロールが終わるまで座席に張り付いて微動だにしないことだった。
 30くらいになって、サブスクリプションによる映画のお手頃化というのか軽量化というのかが進み、その考えに自分の中を浸食されてしまった。なんだか喪失感がある。わくわくすることを1つ失くしたような。
 でも、昔なつかしの映画が今の自分の目にどう映るのか、心に何を生じさせるのかを知りたくて、懐かしい映画を見返したりもしている。そしてFifth Elementを久しぶりに見た。
 めーっさおもろい。
 こういう世界観が好き。話や会話のテンポ感が気持ちいい。「いかにも」な展開とジョークなどのアメリカン感満点なシーンも楽しい。
「好きな映画はなんですか?」
「Fifth Element!」
 となるに至る。では、
「好きな俳優はだれですか?」
「Fifth Elementの悪役の人!」
 今日改めて名前を確認した。俺の好きな俳優は、Jack BlackとKeanu Charles Reevesと、他にもいたが出てこないので省略して、Gary Oldmanだ!このGary Oldmanを演じている役ではなく、俳優として完全に認識したのが今日というなんでもない日。でも、こんな風に、なにかをちゃんと1つの、今回は1人だが、1つのものとして認識する瞬間って、そんな感じでやってくる。
 ちなみに、留学中にお世話になってなんだか大好きな教授である言語学のDr. Stillman、日本の大学で喫煙所で煙にまみれている俺に向かって通りすがりに"Good morning, heavy smoker!"といつもタバコをいじってきていたイギリス人教授Bosman、そしてシンプルに好きな映画の1つではるIronmanなど、manがつく男たちが好きだ。どっかの芸人のPizza manもなんだか好きだ。

追記
 今ふと思った。関西人脳みそで考えてみると、Gary Oldmanって
「腹下してるじじい」みたいやな。
 それもまた渋い。