腹痛で絶不調になってしまう!原因は様々なので、漢方薬、食養方法もちがうのです。
最近、お腹が痛む体験をしました。こんなに胃が痛くなったのは初めてというくらいの痛みで、明らかに寒邪が胃を縮こませて胃痙攣のような痛みが発しているのがかわりました。
原因は風邪を引きずっていたところに、温かいものと入れず、生ものを一日かけて食べ過べる機会があり、その次の日に、胃の激痛が走りました。
いつも、寒い季節に生ものは、禁物ですよ、とお話ししている立場なのに、不覚でした・・・(-_-;)
ということで、
今回は、腹痛のいくつかのタイプをみていこうと思います。
腹痛は、内臓の病気である、腹膜炎、肝炎、腸ねん転、膵炎・・・などは別として、『脾・胃』又、『肝』のトラブルとしての腹痛は、原因に心当たりさえあれば、自分で対処ができるものが多いです。
代表的な症状は・・・・
①ストレスによる腹痛
症状は両脇やみぞおちあたりの痛みが起こります。肝の気がストレスによって流れない状態になり、肝が脾を過剰に抑えつけて、胃腸の消化機能が不調になることで痛みを出す。このタイプの人は、怒りぽかったり、イライラしたりする症状があるのが特徴でもあります。
このタイプの腹痛は、ストレスで肝が不調になり、気の流れ、血の流れが悪くなり、脾の不調で血もつくれず、血不足にもなりますから、養生のポイントとして、
・不足した肝血を補い、肝血を流すために、肝の養生をする。
・脾を健康にするために、お腹を温めて機能を上げ、気血をつくれるようにしてあげる。
・脾が嫌いな湿気を取り除いて、脾が気血をつくれるようにする。
・イライラする内にある熱(ストレス)を冷まして、精神を整える。
これらのことをしてあげると、お腹も気持ちも楽になります。睡眠の質が悪かった方も、改善します。
薬膳茶でもこの養生はできます。おすすめは・・・紫蘇、ミカンの皮、ウコン、レモングラス、紅花、山査子。
漢方薬では、加味逍遙散を出すことが多いです。(その人の体質によります。)
肝の疏泄(全身に気を巡らせて、精神状態を安定させる)を正して、脾胃の不調を調整するという考えです。
②暴飲暴食で、胃痛になる
原因はともあれ、暴飲暴食が過ぎてしまうと、胃がむかむかしたり、嘔吐したり、お腹の張りや痛み、下痢などの症状が現われます。
このような症状は、体質によって胃に熱がこもっていることもありますし、逆に冷やしてしまっている場合もあります。
胃に入った、熱や冷えを除いて、胃腸を本来の働きができるように調和してあげる必要があります。
漢方薬では半夏瀉心湯、黄連湯などがよく処方されますが、どちらも、邪となる熱、寒 を取り除いて、人参、ナツメ、甘草という脾(消化機能)の機能を回復させる生薬を使って胃腸を回復させる目的があります。
お茶で養生するとしたら、生姜、なつめ、高麗人参、山査子、ミカンの皮、紫蘇 などが良いですね。
③慢性的な冷えからくる腹痛(腹痛にまでならなくても)
体質で、お腹が冷えやすいところに、環境と食事のきっかけで腹痛になる場合、単純に胃腸を温めてあげると楽になることが多いです。
胃腸の機能が低下することによって、気血水をつくる、流すという生理機能が低下する可能性があります。慢性的な下半身の冷えや、手足の冷えにもつながります。
このタイプには、安中散、人参湯、小建中湯、黄耆建中湯、大建中湯などがよく処方されます。
脾が冷えによって弱ってしまうと、消化吸収能力も低下して、体に栄養が回りませんし、疲れやすくなりますし、食も細くなって体全体が弱くなったり、又は、食べても栄養にまわらずに太ってしまったり、腸も冷えて機能が落ちますから便秘になってしまったり、ということになります。
脾が冷えて胃痙攣のような痛みを経験した今回のタイプは最後の③のタイプですね。もともと、冷えには弱いので、その体質を考えて食生活を送らなければと、改めて思いました。年齢が上がれば上がるほど、弱いところが出てきます。回復にも時間がかかります。忙しい毎日があるとなかなか養生も十分にできませんから、予防をすることが本当に大切ですね。
ちょっとした不調を抱えていると、万病の元になりますから、
自分の体質を知って、そのつど邪を追い払う養生をしていただきたいと、強く思います。
コロナのストレスも少なからず抱えていると思いますので、どうぞこの冬、陰の季節は病魔が忍び寄りますから、養生しながらできるだけ、ペースを落として頑張ってください。
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