【2024年桜花賞】印と全馬寸評
タイトルの通り桜花賞の印と全馬寸評を書いていきます。
印
◎スウィープフィート(⑦)
成長に期待。ローテには警戒。
○ステレンボッシュ(⑫)
2歳であの末脚。成長あれば楽勝まで。
▲クインズウォーク(②)
仕上がり途上も力はある。
△エトヴプレ(⑮)
自在性を評価。勝ち切りまでかは半信半疑。
☆イフェイオン(③)
着差以上の前走を評価。末脚炸裂の馬に抜かせず。
⑨アスコリピチェーノも当然評価したいが、ステレンボッシュとクインズウォークの間という印象。
⑧コラソンビートが問題で、これに関しては馬体の充実ぶりを意識して、こちらもクインズウォークとエトヴプレの間から前後させたい。
穴馬としてイフェイオン以外に魅力を感じるのは⑩セキトバイーストと⑰マスクオールウィン。この2頭も人気薄になりそうだが入着までやれる力を感じる。
全馬寸評
①ワイドラトゥール
通算2-0-0-2で、新馬戦1着とリステッド1着があるが、ファンタジーS (G3) と チューリップ賞 (G2) でそれぞれ二桁着順の大敗。特に買う理由は見当たらず、さすがに消しで。
②クイーンズウォーク
クイーンカップ (G3) の勝ち馬。 やや外を回しつつも最後までしっかり伸び切っての快勝で非常に力を感じる内容。輸送の影響も少なく、精神面でも好印象な一頭。
馬体に関してはまだまだ良化の余地ありという印象で、2ヶ月での上積みがあれば相当期待できる。
騎手と厩舎のコンビも当然魅力で、ここも勝ち負けを期待したい一頭。
やはり気になるのは相手強化でどうかという話だろう。未勝利戦の勝ち方は非常に良かったが、新馬2着→未勝利1着で1番人気に推される点からも前走のレベルは若干疑問。
この馬の能力は順当に評価したいが、流石に過信は禁物。調教は特別光るものはなく、パドックまでしっかり確認して取捨を検討したい。前走以上の仕上がりに見える場合は勝ち負けまで意識。
③イフェイオン
フェアリーS (G3) の勝ち馬。派手な勝ち方ではなかったが、外を回して早めに前に出ると、勢いよく迫る後続を振り切っての粘り勝ちは強い内容。
未勝利戦では相手レベルこそ低いもののかなり楽な勝ち方で、この距離で連勝での参戦も嬉しいところ。
その未勝利戦では2歳ながら悪くない時計も出せており、大きく見劣りということはない。
前走の勝ちっぷり自体は特別鮮やかでもないので上位勢と比べてやや人気を落としそうな予感だが、決してやれない一頭ではない。勝ち負けまでかは別として、前で競馬をして残れれば入着はあるだろう。
④キャットファイト
アネモネS (L)を勝っての参戦。未勝利と1勝クラスを快勝して参戦した阪神JFは4番人気に推されるも10着と大敗。ここについてはイレ込みや輸送などが原因とされたが、再起を図るフェアリーS (G3) でも6着。
前走のアネモネSで権利を獲得という形だが、正直なところ魅力は感じず。ここは素直に消したい。
⑤シカゴスティング
OPでの勝利にファンタジーS (G3) の3着までは順調に見えたが、阪神JFの5着、フィリーズレビュー(G2) の12着を見るに成長は見込めず。ここは流石に厳しいか。
調教の動きからは順調さを感じるが、それだけでは何とも。馬体の充実ぶりも著しいようであれば穴狙いで検討。
⑥ハワイアンティアレ
チューリップ賞 (G2) 3着での参戦。スウィープフィート同様にやや後方からの競馬で、最後に伸びるも届かずの3着。
後続をしっかり離している点は評価したいが、やはりスウィープフィートとの差が気になる。上がりタイムはスウィープフィートが34.3に対してこちらは34.7と離され気味。今回のメンバーでもいい脚を使って3着までかと言われると厳しい印象。
未勝利戦で下した相手が離されながらの敗戦を繰り返している様子からも、この馬の力を高く評価するのは難しい。
未勝利戦は中団前につけていたのに対して、前走は出遅れて後方からという展開の影響はあった。しかし、これが前であればスウィープフィートと勝ち負けまであったかと言われると、その印象はあまりなし。
調教の動きからは順調さを感じるも、相手関係まで考えるとここは消しも視野に入れて。
⑦スウィープフィート
チューリップ賞 (G2) を勝っての参戦。最終コーナーで尚最後方、直線から一気に追い出しての祖母を彷彿とさせる差し切りは鮮やか。
舞台が同じ阪神1600mという点も歓迎だ。
前走に関しては文句なしだが、前々走の負け方が若干気になる。勝ち馬が強いにしても、やはりG1を獲るならここでももうひと伸びがあると良かったか。若干前に行きすぎて脚が溜まっていなかった可能性はあるが、ロスなく立ち回っての結果なので手放しでの絶賛までは行けないところ。
前々走の2着と前走の勝利を分けた要因として考えられるのは使った分の上積み、展開、乗り替わりの3点。上積みが勝ちに与えた影響を考慮するために両者のパドックの映像を比較すると、前走と前々走では馬体も気合の乗りもかなり違って見える。ということで前走の勝利はこの馬自身の能力向上によるところも大きいと考え、ここも推奨したい。
懸念点はローテーションで。3ヶ月連続での出走になる。この歳の牝馬には若干過酷な印象か。とは言え最終追い切りでも好調維持といった印象。馬体が大きく減るようなことがなければ当然期待して良いだろう。
⑧コラソンビート
京王杯2歳S (G2) の勝ち馬で、その後は阪神JFの3着にフィリーズレビューの2着と好走。重賞を含めて生涯で着外なしと、非常に安定した成績を維持。
能力は間違いない一頭だが、やはり前々走と前走で前から離されての入線が気になるところ。
実績からやや人気を集めそうな印象だが、G1になってどこまでかと言われると疑わしい。ここを勝つのであれば前走、前々走ともに前にしっかりと迫って欲しかった印象。
調教は抜群で、これが取捨を難しくする。これまでも調教はかなり動いていたタイプなので、それであの結果という点まで考えるとそこまで評価しなくても良いか。
馬体が前走と比べて著しく伸びているようであれば買い、そうでなければ3列目〜見送りという向き合い方で。
⑨アスコリピチェーノ
新潟2歳S (G3) と阪神JFの勝ち馬で新馬戦も含めて3戦3勝。新潟2歳Sに関してはまずまずのメンバーでの勝利。阪神JFではこの世代の頂点に立つも、ここの評価が問題に。
下した馬でその後好走しているのはスウィープフィート、コラソンビート、キャットファイトの3頭のみ。前2頭は重賞で結果を出したが、キャットファイトはリステッドという具合。
勝ちっぷりについても何ともだが、これに関してはステレンボッシュの怒涛の追い上げも影響しているだろう。なんとか粘りはしたがあわやという展開。問題なのはそのステレンボッシュもここをぶっつけで使うという点になる。
唯一のヒントになるコラソンビートに関しても基本は善戦止まり。
2歳年末時点でのG1を勝つことと3歳春の1冠目を勝つことでは求められる条件が異なる。阪神JFの勝利はあくまで一つの重賞を勝利した以上の価値にせず、あくまでもこの馬本来の能力を見極める必要があるだろう。
ここまで厳しい話をしていたがあくまでも前提の話。キャリア3戦の全てで上がり33秒台をマークしている点はやはり評価すべきだろう。高めで安定した能力を2歳から発揮している点はやはり好材料か。
どうにも一気に本命というのは不安だが、消すのも消すので不安。調教はよく動けてはいるが、想像の域は超えず。馬体の充実ぶり次第ではやや評価を下げる可能性も。
⑩セキトバイースト
チューリップ賞 (G2) 2着 での参戦。これまでと打って変わって逃げを選択しての2着。これに関してはよく粘ったというよりも後ろが全く来れずという印象。勝ち馬のスウィープフィートと3着のハワイアンティアレが上がり1位と2位を記録で差し自体は決まる展開。
この馬を見る形でレースを進めたいた各馬にもチャンスがあるはずだが全滅という形に。視点を変えてみればこの馬を含めた前3頭が強かった結果追わせずという話にならないこともないが、それにしてもスウィープフィートからあれほど離されているのは気になる。今回はスウィープフィートレベルの馬が複数頭出走してのレース。前走同様の粘って入着というパターンが踏襲できるかは怪しいだろう。
ネガティヴなことを書き続けたが、堅実な走りをするタイプで信頼はできる。エルフィンSを使えずに前走へスライドという点まで考慮すれば、健闘した方かもしれない。安定感を買って相手候補に入れる分には問題ないように見える。
⑪ライトバック
新馬戦1着、アルテミスS (G3) 4着から、約3ヶ月ぶりの出走となった前走エルフィンS (L) でスウィープフィートを下しての勝利。
久々のレースで後の重賞ウィナーを下している点は確かに評価したいが、このレースでスウィープフィートは3番手につけている。本来の馬の能力が出せたかは怪しいところだろう。
もちろん悪くない脚で伸びていたので能力面で、大きく見劣りということはないが、スウィープフィートに勝っているのでスウィープフィートより上という話にもならない。
取捨が絶妙に難しい馬で、よほど調教の動きや馬体の仕上がりが良ければ買い、そうでなければ消しという方向で行きたい。
⑫ステレンボッシュ
阪神JFの2着馬。アスコリピチェーノにクビ差で破れるも、明らかに楽には追い出せていない。少しずつ進出し、進路を見出すと一気に加速している様子がわかる。仮にスムーズにレースを運べていれば、勝っていてもおかしくない。
レース間隔まで考慮すれば圧巻の内容。1着のアスコリピチェーノよりもこちらに魅力を感じる内容だったと言えるだろう。
乗り替わりに関してもモレイラ騎手に変わるという話なら心配はない。
アスコリピチェーノ同様ぶっつけでの勝負。この馬の場合はスウィープフィートとの末脚比べという展開になるはずで、かなり成長を見せている相手に対してこちらはどこまでかという点が焦点。
とはいえ2歳の時点であのクオリティ。そこから上積みこそあれど衰えることはないだろう。勝ち負けまで期待していいはず。
調教からは極端な充実ぶりというものは感じず。赤松賞あたりの調教の動きがここでも見られると嬉しかったが、及第点ではあるだろう。
⑬テウメッサ
アネモネS (L) 2着での参戦。レース内ではいい末脚で上がっているが、上がり35.3はそこまで評価できる内容でもない。
勝ち馬のキャットファイトも苦戦続きからなんとか勝ってという形。ここは消しの判断に。
⑭ショウナンマヌエラ
新馬戦1着、新潟2歳S (G2) 2着と来るも、その後はアルテミスS (G3) の5着にチューリップ賞 (G2) の14着。ここは流石に苦しいと見て良い。
⑮エトヴプレ
フィリーズレビュー(G2)の勝ち馬。先行争いを制してハナに立つとそのまま逃げ切りがち。コラソンビートに迫られてあわやという雰囲気を見せるも、再度突き放しての勝利は見事。
これまでのレースでの動きからも調教からも11番人気は流石に過小評価だったはず。楽な相手ではなかったが、この馬の力をしっかりと発揮しての快勝と言える。
やはり気になるのは距離だろう。前走は1ハロンの延長を難なくこなして見せたが、ここから更に距離が伸びての好走があるかは半信半疑。
脚質については前走こそ逃げを選択も、控える競馬もできるタイプ。逃げ粘れるのか否かという点で頭を悩ます必要はないだろう。
器用さがあり能力は高い馬だが、G1でも勝ち切れるほどの強さがあるかと言われるとなんとも。ここは相手までで良いか。
⑯セシリエプラージュ
フィリーズレビュー (G2) 3着での参戦。前の2頭が前方で競馬をし、インをロスなく走っての1着2着に対して、こちらは後方から外を回しての3着。それでもしっかりと追い上げていた点は評価すべきだろう。
根本的に前2頭が強いかどうかという問題はさておき、着差ほどの差はないと見て良いはず。未勝利戦をこの距離で勝利しており、距離が長すぎることもないだろう。前が潰れる展開ならこの馬にもチャンスがなくはないか。。
とは言え上がり勝負で強敵揃いのこのレースでも遜色ない勝負ができるかは微妙。余力があれば拾う程度か。
⑰マスクオールウィン
通算2-2-1-1で、新馬戦の4着以外はOPで入着が2回に1勝クラスで勝利、フェアリーS (G3)で2着と堅実に賞金を積み増し。
前走フェアリーSについてはどう考えても届きそうな抜群の末脚ながら、粘られてイフェイオンの後塵を拝する形に。イフェイオンの強さが光るとともに、この馬自身ももう少し仕掛けのタイミングや位置取りが違えばしっかり差せるだけの勢いがあった。
キャリアを掘り下げると新馬戦の勝ち馬はボンドガール。OPではコラソンビートやオーキッドロマンスといった重賞で入着経験がある馬の2着や3着。1勝クラスで牡馬を下すなどかなりハイレベルな相手。
そのようなメンバー構成ながら新馬戦以外は全てのレースで上がり3位以内をマーク。前走が偶然というわけではなく、順当にこの馬の末脚を発揮した結果と言えるだろう。
今年に入って昨年は出なかった33秒台の上がりをマークできている点も嬉しい。順当に成長している様子が窺える一頭だ。
あえてケチをつけるなら時計面では見劣りで、上積みがない限り勝ち負けまで苦しそうな印象。とはいえ直線での上り勝負になればこの馬にもチャンスはあるだろう。
⑱チェルヴィニア
アルテミスS (G3) の勝ち馬。勝ちっぷり自体はよかったが、入着した馬がいずれも2連続で重賞着外という点が気になる。今年になってスウィープフィートに勝っている馬もいるので全ての馬のレベルが低いとはいえないが、流石にここの勝利を評価して買おうとはならない。
ルメール騎手の代わりがムルザバエフ騎手という意味で乗り替わりによるマイナスはないにしても、あまり魅力は感じられず。調教もあくまで及第点といった印象なので、あとは仕上がり次第で買い目に入れたいが、基本的には見送りの姿勢で。
馬券の組み立て
単勝
⑦の一点勝負で。
複勝
同上。穴狙いなら③の一点。
ワイド
⑦⑫で1点。
高めなら⑦⑫→③⑩⑰
馬連
⑦→②⑨⑫⑮で。
穴狙いなら③→②⑦⑨⑫もあり。
馬単
⑦⑫→②⑦⑨⑫⑮(マルチ可)で。高目を狙うなら⑦⑫→③⑩⑰マルチ。
枠連
4枠→3枠以外
三連複
安牌:②⑦⑨⑫⑮ボックス (予算次第で⑧)
高め:③⑦⑨⑫⑮ボックス (予算次第で⑩)
フォーメーションA:⑦→⑫→②③⑧⑨⑩⑮⑰
フォーメーションB:⑦⑫→②⑦⑨⑫→②③⑦⑧⑨⑩⑫⑮⑰ (削るなら⑰→⑩→③)
三連単
2頭軸:⑦⑫軸マルチで相手②③⑧⑨⑩⑮⑰
フォーメーションA:⑦⑫→②⑦⑨⑫⑮→②⑦⑨⑫⑮(1着2着折り返し)
フォーメーションB:⑦⑫→②⑦⑨⑫→②③⑦⑧⑨⑩⑫⑮⑰ (削るなら⑰→⑩→③)
スウィープフィートはローテーションが、ステレンボッシュは成長度合いが気になる。3歳ということで読めない部分も多く、2頭が飛んでも当たる三連複ボックスに妙味を感じる印象。