【2024年高松宮記念】印と全馬寸評
タイトルの通り高松宮記念の印と全馬寸評を書いていきます。
印
◎ナムラクレア(③)
G1タイトルはこれまでも目の前にあった。ここで勝っても何の驚きもない。
○ビクターザウィナー(⑩)
初の遠征だが能力は相当上。上手く調整が進んでいれば圧勝もあるはず。
▲ルガル(⑥)
楽ではない相手に軽くない斤量での勝利は実力の証明。ここも期待。
△ソーダズリング(⑧)
距離や舞台がどう響くかは未知数も、それらが悪い方に働かなければ十分やれる。
☆ロータスランド(⑫)
前の潰し合い次第では差し切りも。妙味まで考えて穴に。
G1だけあって印は全くもって回らずなので、上記以外で買いたい馬についても順を追って紹介する。寸評でやや疑問視をしたが、それでも⑭ママコチャを切るという手はない。あくまで頭に置くのはどうかという話。
⑪メイケイエールについても同様で、上手くハマりさえすれば。ここがラストということで100%の仕上げでくることは間違いない。有終の美を飾れるか。
⑯ウインマーベルも連勝の勢い十分で、ここも順当に勝ち負けを期待。②マッドクールに関してもタイトルは遠いが、これまでの相手レベルを見れば期待が高まる。
上記4頭はロータスランドよりも優先度が高く、積極的に拾いたい。
それ以外では①⑤⑬⑮が気になる。これらはやや優先度が下がる。
穴党なら④⑦が狙い目だろう。特に⑦は一発がありそう。
全馬寸評
①ビッグシーザー
1200mのみを使ってきて通算5-2-2-3と悪くない成績。前走は馬と馬の間で挟まれるという不利がありながらもしっかり伸びて2着。勝ったトウシンマカオからはやや離れての入線だったが、あそこのトラブルがなければもう少し差を詰めていた可能性が高い。
年初にリステッドも勝って勢いは十分だが、G1級かというと若干疑問。タイムもキャリアもあくまで及第点で、そこから更に勝ち負けのレベルまでかは怪しい気もする。とは言え牡馬4歳。世代レベルは別として、成長自体はあるはず。極端に嫌うこともないだろう。調教はある程度動けており、順調さを感じる。
②マッドクール
通算5-1-3-2でこの距離では4-1-1-2とまずまず。特筆すべきは昨年のスプリンターズSでの2着だろう。ハナ差まで迫っており、加速のタイミングが勝敗を分けた模様。むしろ、全てが噛み合った印象の勝ち馬に対して、やや遅れ気味の反応でよく迫ったと言える。
前走香港スプリントは8着。著しい不利とまでは言わないが進路が狭くなる瞬間もあり、大きく離されての負けというわけでもない。この着順を極端に割り引く必要はないはず。
調教では馬也でかなりいい時計が出ていた。ここに向けての体制は十分だろう。
重賞タイトルこそ獲れていないものの、シルクロードSでナムラクレア、ファストフォース相手に逃げて3着などは十分立派だろう。圧倒的なものこそ感じないが、ここも勝ち負けまで。
③ナムラクレア
重賞4勝で、重賞全体での通算成績が4-4-3-3と相当な実力。これまで1秒以上前から離されたことはなく、1200mに限れば離されても0.2秒。G1タイトルこそ遠いが、現在のスプリント界を背負って立つ名馬であることは間違いない。
前走は4ヶ月ぶりのレースながら流石の走り。勝ったのはソーダズリングだが、この馬も目を見張る加速力で差のない2着。あくまでここに向けての前哨戦だと思えば十分すぎる内容。
馬齢的にも衰えがくるような不安はなく、ここも順当に期待したい。中京1200mで1-1-0-0なら文句もつけようがなく、昨年は高松宮記念2着→スプリンターズS3着とこの距離のG1でいずれも入着という点も高評価。
調教は特段目を引くものこそないが、この馬のレベルなら平行線でも十分。ここも順当にこなせば。
④モズメイメイ
3歳重賞を2勝も現在5連続の2桁着順。JBCスプリントは仕方ないにしても、好スタートを決めてのレースになった前走はもう少し粘って欲しかった。前走はやや間隔が空いての1400mで、ここを使って1200mならという話は分からないでもないが、今回は他にも前に行きたい馬が多い中で、どこまでこの馬のレースをできるかは怪しい。
調教ではまずまずの動きだが、ここは折り合い重視ということなら気にならず。
とは言え着順の割には負けていないレースも多く、極端に嫌われるならむしろ妙味があると見て良いかもしれない。基本は厳しいと見るが、オッズ次第で。
⑤トウシンマカオ
重賞3勝で、内訳は京阪杯の2連覇と前走オーシャンSになる。京阪杯→オーシャンSで年を跨いで重賞連勝中。勢いを感じる一頭だ。
昨年のこのレースは15着で、後方から伸びずといった結果。この馬の付近や後方にいて前に行けたのはナランフレグやグレナディアガーズといった相当力のある馬ばかり。できれば中団から運びたいタイプなので不利はあるが、中団につけていれば勝ち負けまでやっていたような脚でもないのがなんとも。
能力はある馬だが、相手レベルが上がってもやり切れるような力までは感じないか。やや間隔を詰めての出走も気になるところ。とは言え重賞3勝は伊達ではない。できれば拾いたい一頭。
⑥ルガル
芝で通算2-3-1-1で最低4着。葵S (G3) 、京阪杯 (G3) の2着から、前走はシルクロードS (G3) をアグリに勝っての参戦。番手につけてから勝負どころで楽に進出すると、そこから後続を突き放しての快勝。相手がアグリという事ももちろんだが、57.5kgを背負ってのこの勝ち方は相当だろう。
調教は抜群すぎるほどに抜群の動き。これ以上ないほどの仕上がりだろう。
重賞ウィナーの割には時計がなんともだが、決して遅すぎるということもない。多少の不利や出遅れがあっても安定した成績。ここも勝ち負けの一角だろう。
⑦テイエムスパーダ
重賞2勝。CBC賞 (G3)を脅威の5秒台で勝利も、そこから1年入着なし。昨年のセントウルS (G2) ではCBC賞を彷彿とさせるような鮮やかな逃げ切りを披露も、その後はスプリンターズS (G1) とシルクロードS (G3) でいずれも14着に。
勝つ時の勢いは相当なもので、セントウルSの時計でもかなり優秀な部類。G1で極端に見劣りということもなく、ここで一発も大いにあり得る。おそらく人気の中心にはならず、オッズ次第では単勝や馬連でもかなり美味しい一頭。
調教は今一つ。やはり展開次第という印象は否めない。
⑧ソーダズリング
フローラSの2着で権利を得て挑んだオークスは8着。ローズSも8着で秋華賞には出ずも、3勝クラスをしっかり勝ち切り。
OP入り初戦でターコイズSに出走するとアタマ差4着。そこから今年の京都牝馬Sで一着と好調。クビ差とは言えナムラクレアを下しての勝利は誇れるものだろう。
牡馬との対戦は初になるが、それを苦にするような印象はあまりない。とにかく世代レベルが高い4歳牝馬で、ここも好走を期待。
唯一の懸念点は距離か。前走で1400mに短縮して好走したタイプなので短い方が歓迎の可能性はあるが、1200mを上手くこなせるかは一応注意したい。初の舞台という点も意識。力では明らかに上位だが、引っかかるっポイントもあるにはある。とは言え大きな懸念ではなく、払拭すれば勝ち負けさえ見える馬。
間隔がそこまで空かないので乗り込み量は少ないが、その分質は最高レベル。買わないという選択肢はないだろう。
⑨シャンパンカラー
NHKマイルの勝ち馬だが、安田記念14着からフェブラリーS最下位と凡走続き。NHKマイルは出走馬のほとんどがその後凡走ばかりで、G1とは言え評価しづらい。
フェブラリーSは流石にダートが合わなかったと見るにしても、どうにも魅力を感じない一頭。初の1200mがどうかも怪しく、順当に見送りか。
⑩ビクターザウィナー
香港からの参戦。前走はCentenary Sprint Cup (G1) を快勝。この勝ち方が素晴らしく、圧巻のスタートから最後まで、一切危なげのない完勝。
昨年の香港スプリントは5着も、これは自分のレースに持ち込めなかったのが原因か。スタート自体はこちらも抜群で、うまくハマればという印象。
スタートを見るだけでも非常に買いたくなる一頭だが、やはり調整過程や輸送の影響は意識したい。当然日本に来るのは初めてで、そこはどうか。とは言え前走の鞍上も連れて、確実にタイトルを狙いに来ている様子。当然ながら可能な限りトラブルを排しての臨戦になるはずで、非常に楽しみな一頭。
⑪メイケイエール
重賞6勝は圧倒的な成績。当然G1までと期待されるも、どうにもタイトルが遠い一頭。G1での敗戦について細かく見ていくと、スタートや掛かり、展開などでこの馬の能力を100%出し切ったとは言えない敗戦も多い。
そもそも能力がなければ重賞で6勝は不可能。ハマれば容易に勝ちが見えてくることはキャリアからも持ちタイムからも証明されており、だからこそ勝ちの遠さが非常に残念な馬だ。
少なくとも能力面でこの馬がやれないと判断することは出来ない。とは言え頭に置くような信頼感もない。
近走の様子からは人気を大きく下げ、この馬自身の引退レースという点でやや補正がありそうな印象。オッズ的にどこまでの妙味かは判然としない。
とは言え能力上位で消しという選択肢はなく、あくまで問題はどのように買うかという話に。
調教はなんともだが、ここが最後ということでしっかり攻めているとの報。期待も込めるのであれば悪くない馬。
⑫ロータスランド
2021年の関屋記念 (G3) 、2022年の京都牝馬S (G3) の勝者で、2022年は高松宮記念の2着もある。そこから2年間、勝ちは遠いがレースレベルを問わずある程度の好走。昨年も京都牝馬SとスワンS (G2) で3着があり、完全に衰えたとは言えないだろう。
前走も最後方から上がり最速をマークしての6着で、牝馬7歳でもまだまだやれそうな雰囲気。
ここで勝ち負けまでやるのであれば、前走はどうにか入着まで持っていけていると嬉しかった。しかし、近走の安定感や馬齢からそこそこ人気薄になりそうな予感で妙味は期待できる。前が混戦気味のレースなので、滑り込みに期待しても良いだろう。
⑬ウインカーネリアン
通算8勝だが1600mから1800mでの実績。OP入り後の4勝も全てマイルなので距離が合うかどうか。逃げたいタイプなのでコースは合うが、中京は初なので適性面も未知数。
兼ねてから能力的にG1が見えないこともない一頭だと思ってはいるが、初のスプリント戦を文句なしで買えるかは怪しい。とは言え前走もしっかり逃げ粘っての2着で着外続きの状況からは脱出。まだまだやれることは間違い無いだろう。
調教はよく動けており、少なくとも調子は上げてきていそう。本命や対抗まではいかないにしても、きちんと抑えたい一頭。
⑭ママコチャ
昨年のスプリンターズSの勝ち馬。初の1200mで北九州記念 (G3)を走って2着、続くスプリンターズSを勝って、1400mの阪神Cで5着なら1200mがベストか。
G1を勝つことの難しさに関しては議論の余地がないが、スプリンターズSに関しては位置取りや仕掛けのタイミングが抜群で、尚且つ一番人気のナムラクレアが出遅れた上にコーナーでも出すに出せずという状態だったが故の勝利にも見える。
無論ここも馬券には絡めるが、スプリンターズSの勝利を理由に大幅に評価を上げると危険な一頭だろう。
⑮ディヴィーナ
昨年の府中牝馬Sの勝ち馬。牝馬クラシック戦線には顔を出していないが、1勝クラスをフィアスプライド相手に、2勝クラスをジャスティンカフェ相手に勝っている馬。それを考慮すれば重賞制覇は必然と言えるかもしれない。
近2走はエリザベス女王杯で7着、香港マイルで11着と冴えないが、条件や遠征、位置取りなど様々な事由を考慮すると極端な割引にはならず。
どうにも距離は気になるところで、1400mは一度使って10着、1200mは初になる。能力面で他馬に大きく遅れをとるという印象は全くないが、レース間隔が空く点も含めて慎重に扱いたい。
調教の動きは順調そう。執筆時点であまり人気がないので、ワイドあたりの妙味はある。
⑯ウインマーベル
重賞2連勝で、満を持してのG1へ。昨年の高松宮記念は10着、スプリンターズSは6着となんともだが、いずれも大敗というほどではない。G1は2年前のスプリンターズSでの2着が最高。葵S (G3) 1着、キーンランドC (G3) 2着から勢いのままに参戦した際の成績。
今回も連勝の勢いは十分で、レース間隔的にもそのままの流れで来そうな予感。前々走はママコチャやアグリらを下しての勝利で、力がさらに付いてきている印象。1400mの方がいい気もしなくはないが、実力的には勝ち負けまで。
調教タイムは抜群。あまり人気していないのでこちらも妙味は高いか。
⑰マテンロウオリオン
2年前のシンザン記念の勝ち馬で、そのあとはニュージランドT (3歳G2) 2着からNHKマイル2着と好走。そこからが苦労の始まりで、現在12連敗。NHKマイルの勝ち馬ダノンスコーピオンも不振が続いているので、レースレベル自体があまり高くない可能性も否定できず。
そもそも3歳のキャリアは参考程度にしかならない。そのあとがダメならG1で好走した馬でもダメなものはダメと割り切るのが吉か。
⑱シュバルツカイザー
通算6勝だがOPを3戦しての2勝で、重賞では3戦して一度も入着がない。
昨年のキーンランドCでの4着は勝ち馬がナムラクレアということもあり、0.2秒でも悪くはない。その後の京阪杯 (G3) での18着やオーシャンS (G3) での13着が気になるが、いずれも出遅れの結果だと思うと、そこまで悲観しなくても良いか。
とは言え持ちタイムもなんともで、G1級かと言われるとかなり怪しい。OPで下してきた馬のレベル的にも、ここは良くて3着、基本は消しという形に。
馬券の組み立て
単勝
オッズが2倍を割ることはないと見て、③ナムラクレアと⑩ビクターザウィナーを両方買いたい。一頭に絞るなら本命ナムラクレアと言いたいところだが、ビクターザウィナーに10倍以上つくなら一発にかけてそちらを選ぶのもあり。
複勝
こちらを両方買うのは無理だろう。ここもオッズ次第で③ナムラクレアを拾うか⑩ビクターザウィナーを拾うかになる。
⑧ソーダズリングもあまり人気がなさそうで、案外狙い目かもしれない。
ワイド
③ナムラクレア軸のフォーメーションで③→⑥⑧⑩⑭が硬いか。流石にどれかは当たりそうで、4倍以上つけば。まだまだ足せそうなら⑫⑪⑯②の順で。
馬連
こちらも③軸で広めに。冒険するなら⑦を拾ってみたい。
馬単
③と⑩を頭にフォーメーション③⑩→③⑥⑧⑩⑫⑭で10点だとシンプルで良いか。こちらも点数次第で⑪⑯②を足して、余力で⑦まで。
枠連
基本は3枠→全で資金配分だが、流石に安すぎる可能性も。2枠→全にするとあまり買い増しをせずに済みそう。
三連複
広く買うなら③⑩→③⑥⑧⑩⑭→①②③⑤⑥⑦⑧⑩⑪⑫⑬⑭⑯で。点数を絞るなら2列目から⑭を抜くか、3列目から①⑤⑦を最初に、それでも多ければ⑬、⑪、⑫の順で抜こう。
③⑩の2頭軸で①②④⑤⑥⑦⑧⑪⑫⑬⑭⑮⑯もオッズ次第では魅力。
高めを狙いたいなら③⑩→⑧⑮⑯→①②③④⑤⑥⑦⑧⑩⑪⑫⑬⑭⑮⑯が美味しい。人気薄を2列目に置けるのは3連単には無い良さだろう。
BOXも大いにあり。③⑥⑧⑩⑫⑭で20点。これでも予算オーバーなら⑫を削って10点で勝負。
三連単
ここも③⑩→③⑥⑧⑩⑭→①②③⑤⑥⑦⑧⑩⑪⑫⑬⑭⑯で、点数が多すぎるので予算が厳しい場合は、2列目からは⑭だけでなく⑧も抜こう。3列目に関しては3連複と同様。
最低ラインは③⑩→③⑥⑩→③⑥⑧⑩⑭で12通り。
思い切っての1頭軸なら本命③から③→⑥⑧⑩⑭→①②③⑤⑥⑦⑧⑩⑪⑫⑬⑭⑯で3列めをガッチリ。
③⑩→③⑩⇄①②③⑤⑥⑦⑧⑩⑪⑫⑬⑭⑯も見た目の割に安く済む。
この辺りは好みの領域に。
③⑩が抜けて見える一方で上位勢にはいずれも一発がありそう。安心感という意味で3連単は推奨せず。一方で比較的硬い決着でもそこそこ付くはずなので夢を見るのもあり。予算やリスク許容度に応じて参考にしてほしい。
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