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フィルムカメラを海外へ~重量測定と保安検査~

チャイトラです。自己紹介後初の記事ですが、記憶が新しいうちに実用的な記事を書きます。


フィルムカメラを海外に持っていく際の懸念点

わたくし先月メキシコに行ってきました。(また旅行記も投稿します。お楽しみに!)

@サン・ミゲル・デ・アジェンデ



持って行ったのはNikon F-801。治安の悪いメキシコにて、最悪盗まれてもいいように中古で非常に安かった当機をチョイス。安いながらも扱いやすいアナログ一眼です。

しかし海外にフィルムカメラを持っていくにあたり、気になるのが二つ。
・LCCの厳しい重量検査をいかに潜り抜けるか
・どのようにして保安検査を通すべきなのか

それぞれ対策を記しておくので、海外にフィルムカメラを持っていく方はぜひ覚えておいてください!

重量測定回避の方法

私のF-801は非常に重く、レンズと本体合わせてなんと1.5kgです。古いカメラなので仕方がありませんね。

LCCのZIP AIRの持ち込み手荷物の重量制限が7kg。費用削減のため預け入れを利用しなかったため、その7kgに全荷物を収めないといけない!1.5kgのカメラなんて邪魔でしかありません。

私が取った戦略はただ一つ、「ポケットにねじ込む」です。

カメラに関して、肩にかけてれば大丈夫との意見もネットでは見られますが、少なくともZIP AIRでは荷物扱いでちゃんと計測されるそうです。

しかし、さすがにポケットの中のものまで出せとは言われません。そこでシンプルに本体とレンズに分け、ポケットに入れました。(もちろんそれぞれキャップをつけるのは必須ですよ!)

ポケットが不自然にぱんぱんに膨らんでいても、スタッフは気にしていません。行きも帰りも何事もなく計測クリアでした。

しかし次に立ちはだかるのが保安検査です。

保安検査の通し方

保安検査で気になるのはフィルムをX線検査に通してもいいものか、という点でしょう。未現像の(特に高感度)フィルムはX線にさらされると感光してしまい、写真にノイズが入ってしまいます。

特に最近の預け入れ荷物用の検査装置は強力であるため、フィルムは預け入れ荷物ではなく手荷物に入れるようにメーカーも推奨しています。

手荷物の検査装置はそこまで強くないため、ISO100や400程度ではそこまで影響が出ないと言われていますが、乗り継ぎや往復で何度も検査に通すとさすがに影響が出ることもあるそうです。ではどうしたらいいのか。

ハンドチェックをお願いする

感光を避けるためには、X線でのチェックではなく職員さんによるハンドチェックを依頼しましょう。これはフィルムメーカーも言及していたり、空港に掲示されていたりしている方法です。

どの空港でも対応してもらえるとは限りませんが、少なくとも日本の空港では多くの場合対応してもらえると思います。

成田空港セントレアではホームページにも記載があります。

具体的な方法

方法は簡単です。未現像のフィルムを透明な袋(ジップロックなど)にまとめて入れておきます

保安検査場にやってきたらバッグから出しておき、近くの職員さんに「カメラのフィルムがあるのですが、ハンドチェックしてもらえますか」と聞いてみましょう。

海外の場合は"Can you hand-check my photography film?"などど言ってみましょう。文法などがあっているかはわかりませんが、適当にそれっぽいことを言ってフィルムを見せればわかってくれます笑

了承してもらえたらそのまま袋ごと渡し、あとはいつも通り検査してもらいましょう。金属探知機などを通って、荷物を受け取るあたりでおそらく職員さんに案内されますが、指示に従うだけなので難しいことはないです。

注意点

注意点は二つあります。

ひとつは、必ずしもハンドチェックしてもらえるわけではないということです。後で空港ごとに書きますが、メキシコの空港では断られてしまいました。

しかし先ほどもあった通り、ISO1600などの高感度フィルムでなければ1,2回検査通すくらいではそこまでの影響は出ません。保安検査場は人も多く殺伐としているので断られたらおとなしく諦めましょう

その際はフィルムの入った袋は他の荷物とは分け、フィルムだけ載ったトレーを流すと何回も検査に通されずに一回の検査でパスしてくれますよ。

ふたつ目は、新品のフィルムは未開封のまま持っていくことです。

開封済みのフィルムはきちんとチェックされますが、未開封であればさっと見て終わります。時短のためにも、職員さんに楽してもらうためにも、新品のフィルムを持っていくなら箱のまま未開封で持っていきましょう。

カメラに入った使いかけのフィルムは?

フィルムカメラを持っていく際、カメラの中に使いかけのフィルムが入ってることもあると思います。

フィルムを巻き戻して外して保安検査を通り、またカメラに戻して空シャッターを切る、みたいな手もありです。(フィルムピッカーなどが必要になります)自分は試したことがありませんが、調べてみると詳しいやり方などが出てくるので、ご自分で確かめてください。

しかしそんなやり方をしなくても、フィルムを入れたまま他のフィルムと一緒にカメラごと渡せばいけます。

その場合、「あっちに向かってシャッターを切ってください」とか言われると思います。いちいち露光とか設定している暇はないので、適当にぱっと撮りましょう。

シャッターを切って、他のフィルムを受け取り、検査は完了です。

成田空港では窓際に連れていかれ、「外に向けてシャッターを切ってください」と言われました。

空港ごとの対応

成田空港

成田空港の保安検査場では特に掲示などはありませんでしたが、職員さんに「ハンドチェックしてもらえますか」と聞いたらすんなり了承してもらえました。

カメラと袋に入ったフィルムを手渡し、他の荷物を流して金属探知機を抜けると再び声を掛けられました。
箱に入ったままのフィルムを指し「新品ですか?」などと聞かれながらチェックしてもらいました。先ほど渡したフィルム入りのカメラを受け取ると窓際に連れていかれ、外に向けてシャッターを切ってくださいと指示を受け、シャッターを切ると検査は完了になります。

やはり日本の職員さんは丁寧ですし、日本語も通じるため話は早かったです。

ZIP AIRで重量検査はありましたが、ポケットに入れてクリア。

ロサンゼルス国際空港

行きはロサンゼルス経由でした。

今回の旅程では一度入国をし、再び出国手続きが必要だったのでもう一度保安検査が必要です。

ロス空港の保安検査場では、「最近のフィルムなら検査通しても問題ないけど、気になるならハンドチェックします」という旨の掲示がありました。

ほっとしながら職員さんにつたない英語で声をかけると快く承諾してくれました。成田空港と流れは一緒でしたが、シャッターを切れとは言われませんでした。

ちなみに、ロス空港でのアエロメヒコ航空チェックインの際には重量のチェックはありませんでした。

メキシコシティ国際空港

先ほど少し触れましたが、今回の旅で唯一断られたのがこのメキシコシティ国際空港です。

スペイン語はてんでダメなため、グーグル翻訳の画面を見せながら英語で伝えましたが、「トレーにおけ」とぶっきらぼうに言われてしまいました。

まあ行きは一回も機械通してないし、今回はまあいいか……と思って素直に従いました。結果的にはフィルムへの影響はありませんでした!

ちなみに同じアエロメヒコ航空でも今回は重量検査がありました。ポケットでクリア。

サンフランシスコ国際空港

帰りもアメリカで再び出国手続きが必要でした。

サンフランシスコでもロスと同じように掲示があり、簡単に了承してもらえました。

流れは一緒で、今回もシャッターを切れとは言われませんでした。なぜだが少し長めに時間がかかりましたが、結果的には問題はなかったようです。

再びZIP AIR、重量検査がありましたが、再びポケットにねじ込んでクリア。

まとめ

ここまで、重量検査回避の方法、保安検査の通り方、各空港での対応をまとめました。

初めてフィルムを海外に持っていく際には不安もあることかと思いますが、おそらく大きな国際空港であれば上記のようにしていれば問題はないかと思います。

ちなみに、海外にいる間に現像をしてしまい、X線の影響を受けないようにするという裏技もあるようです。私はメキシコでフィルムの追加購入こそしましたが、現像はしませんでした笑。不安な方は現像もお試しください。

ぜひ海外でもフィルムでたくさん写真を撮り、思い出を残してみてくださいね!


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