中国 高齢化社会に突入 シニアEC市場にチャンスか
中国社会の高齢化が止まらない。2020年の国勢調査では、65歳以上の人口は全体の13.5%であったが、21年には14%を超過。
2025年までに60歳以上の人口は3億人に達する見通しで、この巨大な市場を狙い、関連ビジネスに参入する企業が相次いでいる。
高齢化に伴いシニア市場は拡大しており、2020年12月時点で中国のネット利用者は、約10億人に達し、そのうち26.3%が50歳以上のユーザーである。
スマホなど、デジタル製品を使いこなす中国の高齢者は、EC市場に新しいビジネスチャンスをもたらしてくれそうだ。
中国リサーチ会社のiimediaによると、高齢者の日常消費は、スーパー(72.1%)とEC(71.2%)がメインである。意外にもネット通販はリアル店舗と同様に高齢者の間でよく使われているようだ。
▲中国高齢者の消費ルート(出典:iimedia)
さらに中国EC大手の京東(JD)が近日公開した2021年1~9月のシニアEC市場のレポートでは、
•ネット上のシニア向け商品の売上:前年比73%増加
•高齢者ユーザーのEC消費額:前年比480%増加
•高齢者のスマホ購入:前年比99%増加
など、中国シニアEC市場の著しい成長が見て取れる。
▲京東の高齢者商品(チャイトピ!より撮影)
このシニア市場の成長に伴い、アリババや京東、拼多多(pinduoduo)などのEC大手が高齢者ユーザー向けに文字を大きくし、機能を簡潔化するなど、アプリの調整が相次いで行われている。また、高齢者の商品カテゴリーも充実させており、京東で「老人」と検索すると、自動的にアパレル、成人オムツ、薬など高齢者関連商品のナビが表示されるなど、最適化が行われている。
チャイトピ!編集部
近日、douyin(抖音)やバイドゥ(百度)など、数多くのアプリが挙って高齢者向けバーションを開発している。
今後5〜10年の間に、中国高齢者がさらに数億人単位で増加し、「シルバー経済」が爆発的な成長を遂げることが予想できるため、今後は、高齢者向け製品の数や、種類がより多くなり、細分化したニーズを満たすための商品開発が活発に行われていきそうだ。
高齢化の加速は、中国EC大手にとって、シニア市場という新たな市場での競争となるだろう。
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