鏡(の孤城)
大好きなうさぴーへ
今日はレポートの締め切り日、出してしまったのでひゃっほーな気分です。今日はちょっとすごいことがあったんですよ。帰り道に漠然と、本屋さんでバイトしてみたいな~と思っていたのです。これはずいぶん前から思っていることで、再燃した感じですけれど。本の最先端にいられることはもちろん、本みたいな賞味期限のないものの物流がどうなっているのか少し興味があるし、何よりもレジを打っていたら「こういう人がこういう本を買っていくんだ」とおもしろくてたまらないんじゃないかと思うのです。そんなことを考えながら家について、夕食のお供に久しぶりに映画でも見ようかと思ったら、本屋さんでバイトしている女の子がBL漫画を買っていったおばあちゃんと友達になる映画を見つけたのです。こんなに合致していることがあるんですね、本屋さんでバイトというだけでなくて、レジ打ちでお客さんと本の変な組み合わせに遭遇するところまで忠実に。「メタモルフォーゼの縁側」、まだ途中ですけど、蘆田愛菜の走り方は運動神経がよさそうです。あとコメダ優ってめちゃくちゃ小梅太夫。まあここまでのミラクルに憧れているわけじゃあないですけれど、ないかなぁすてきな本屋さんのバイト。重いものなら持つので。
最近の実験では顕微鏡を覗いてばかりいます。顕微鏡ってすごいですよね。普通の実体顕微鏡なら電気仕掛けなのはライトだけで、あとは精巧なたくさんのネジが、対象物にビタッとピントを合わせて拡大するのを助けてくれます。プレパラートを作った時点では透明なただのガラスに見えるのに、顕微鏡をはじめにのぞいた時もただ明るいだけなのに、ネジを回していくとそこにぼんやりと何かが現れて、次第に輪郭をはっきりさせてきます。厚みのあるものならネジを回すと別の高さの面が見えたり、微生物にちょっと水を多く入れすぎたときは元気に動き回っていて観察できなかったり、そこには完全に別の世界が広がっているのです。またこれも「そう思っていたら」シリーズなんですが、すごく似たことを言ってきてくれた人がいました。最近の学園祭で天望会の主催者側の人と話した時のことです。(話は逸れますが我が部の馬場が天文同好会の方々に見初めていただいて、構内で一番星がきれいに見える場所ということで星を見るイベントに使ってもらいました。)双眼鏡を貸してくれながら、望遠鏡の好きなところはね、肉眼で見て何も見えないただの空でも望遠鏡を向けると何かしら見えるところなんです、と教えてくれました。その時にとっさに心からの共感を表に出せたらよかったんですけどできませんでした、なぜでしょう。その人は馬のえさやり体験もしてくれて、馬たちの挙動にすごく興味を示してくれて私はいっぺんにその人を気に入っていたのにね。こういうときの瞬発力がほしいものです。翌日飲食店のテントの隙間にその人を認めましたが、見つからないようにそっと人ごみに紛れてしまいました。
とにかく、遠近というものは第四の次元みたいなところがあるのかもな、と今日思いました。次元という概念に対する私の感覚は『三体』によるものが大きいようです。次元を1つ下ると断面しか見えなくなるという当たり前のことを逆向きに考えたら、多次元という今まで無限につかみどころのなかった物が突如として手の届くところに降りてきて本当に驚きました。顕微鏡はまさに断面というか表面を2次元的に見ているわけで、実際次元が1つ減っているともいえるのですが、でも何もなかったところに突然何かが現れてさらにネジを回すとまた消えるというこの刹那性は第四の次元っぽいと思うのです。例えば二次元の世界を見下ろして上からビー玉を落としたとしたら、その二次元世界の住人から見れば、何もなかったところに円が現れてまた消えるように見えるはずですから。今気づいちゃったんですけど、顕微鏡が四次元目を作り出すのではなく、顕微鏡をのぞく人間がほぼ完全に二次元の世界に連れ込まれるから、三次元を「より高次元」として認識する遊びができるということにすぎませんね。でも結局何が言いたいかというと、顕微鏡とか望遠鏡ってロマンチックだよねということです。『三体』の二巻以降を早く読みたいな。
今日は1つ何か書くとそこから3つくらい書きたいことが派生するので困ります。瞬発力と多次元から派生するんですけど、学祭では久しぶりに会う人にたくさん出会えて嬉しかったです。数年話していなかった人もいて、本当に同じ世界に存在しているのか怪しかったのでたしかに立体的なみんなに会えて安心しました。でもね、日頃合わない人たちがあんまりにも学祭で集合していたものだから、学祭というのはパラレルワールドが重なる場所なんじゃないかとか思いめぐらせておりました。もしそうだとしても関係ないけどね、交わったときに楽しければよし、交わらないかなと事前に少しでも考えたのならなおよし。交わらないかなと思うことは多い方だと思うのですが、いざ人と久しぶりに会うと全然会話のリズムを取り戻せなくてぎこちなく終わってしまうことが悩みです。SNSではつながっている人が多くて、そういう人は勝手にすごく心的距離が近いまま自分の中で時間が流れているのでそこに相手との乖離があればなおさらです。別れてから、せっかくあの人と話したのだからあれも言えばよかったこれも言えばよかったと考えることも多い方です。
乾燥で肌がこふきいもみたいになってきました。みなさん寒さに負けないでくださいね!
2024.11.25