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日本的共創マネジメント(Syncreate Management) 006:②Program

②Program Management:
(プログラムマネジメント)

 プログラムマネジメントは、「共有の意思(Shared Plan)」を「プログラム計画書(What to do)」として見える化し、共有するのためのフレームワークです。
プログラム(Program)とは、全体使命を実現する複数のプロジェクトが有機的に結合された事業です。プログラムマネジメントとは、全体使命(Holistic Mission)を達成するために、外部環境の変化に対応しながら、柔軟に組織の遂行能力を適応させる実践力です。その実践力の役割は、プロジェクト間の関係性や結合を最適化して全体価値を高め、使命を達成する統合活動にあります。
Program management is a framework for articulating and sharing the "shared plan" as a "program plan (What to do)". A program is a business that organically combines multiple projects that realize the overall mission.
Program management is the ability to flexibly adapt an organization's ability to execute while responding to changes in the external environment in order to achieve the Holistic Mission. The role of that practicality lies in the integration activities that optimize the relationships and connections between projects to increase overall value and achieve the mission.

プログラムマネジメントのロードマップ
(Program Management Roadmap)プログラムマネジメントのロードマップ200418(1)

プログラムマネジメントのロードマップ200418

その体系は下記のようになります。

2.プログラムマネジメント
2.1.ミッションプロファイリング

2.1.1.「ありのままの姿(As-Is)」は分析され、議論され、共有されているか
2.1.1.1. 経営状況について分析し、議論し、現状認識を共有しているか。
2.1.1.2. 顧客及び市場ニーズについて分析し、議論し、認識を共有しているか
2.1.1.3. 競合相手について分析し、対応策についても、認識を共有しているか
2.1.1.4. ビジネスシステムについて分析し、問題点についても、認識を共有しているか
2.1.1.5. 核となる技術は何か、市場ニーズとマッチングしているか、陳腐化する恐れはないか
2.1.1.6. 市場や顧客等の環境情報を適切に組織内部に取り込み、蓄積する仕組みはあるか
2.1.1.7. 必要な資源は組織内に持っているか、充分か、効率的に活用されているか
2.1.1.8. 働く人は夢を持ち、一体感を感じて、生き生きとしているか

2.1.2.「あるべき姿(To-Be)」としての仮説を設定し、検証し、共有しているか
2.1.2.1. あるべき姿のビジョンは明確になっているか
2.1.2.2. 事業戦略としての顧客とビジネスモデルは明確になっているか
2.1.2.3. ビジネスモデルは通用するのか、競争力はあるのか、検証されているか
2.1.2.4. ビジョンを実現するために幅広い組み合わせ要素の可能性が検討されているか

2.1.3.「ありのままの姿」と「あるべき姿」のギャップは、課題として共有されているか
2.1.3.1. 事業戦略は明確に「可視化され共有されて」いるか
2.1.3.2. ドメイン(部門)のミッション設定はなされているか
2.1.3.3. ミッション達成に向けたシナリオはあるか

2.1.4.ギャップを埋める手段としての「実行施策」は、策定され実践されているか
2.1.4.1. それぞれの施策は全体最適の為の検証がなされているか
2.1.4.2. 施策を実践する組織の力はあるのか
2.1.4.3. 現場での擦り合わせの議論で、真の問題解決が行われているか
2.1.4.4. 施策を実践する資金力はあるのか
2.1.4.5. 施策がどんな経営貢献をするのか明確になっているか
2.1.4.6. ステークホルダーの洗い出しと要求把握はなされているか

2.1.5.プロファイリングマネジメントの結果は、「ドキュメント」に明記されているか
2.1.5.1. 「プログラム憲章」「プログラム計画書」、またはそれに類似するドキュメントがあるか
2.1.5.2. 「プロジェクト憲章」「プロジェクト要求仕様書」、またはそれに類似するドキュメントがあるか
2.1.5.3. それらのドキュメントは擦り合わされ、有機的に整合関係を保っているか

2.2 プログラム戦略マネジメント
2.2.1.経営戦略とプログラムの関係は整合性がとれているか
2.2.1.1. 施策を効果的に遂行し、成果を最大化するために、全体最適を指向した戦略的な仕組みは考慮されているか 
2.2.1.2. 施策はポートフォリオ分析等によって投資の適格性や効果が検証、選別されたものか

2.2.2.体系的なプログラム戦略の意思決定プロセスを持っているか
2.2.2.1. 企業の使命→事業の定義→目標の設定→優先順位の決定→成果尺度の設定→成果のフィードバックのプロセスを持っているか
2.2.2.2. 外部環境分析→内部環境分析→事業領域(ドメイン)設定→戦略策定→施策実践→仕組み構築のプロセスをもっているか
2.2.2.3. 戦略の全体像は可視化されているか
2.2.2.4. 企業・事業戦略策定方法(中長期計画設定)を持っているか

2.3 アーキテクチャマネジメント
2.3.1. 実行戦略は具体的な複数の施策群に分割され、施策相互の関連は整理されているか

2.3.2. 施策は複雑であいまいに絡み合う要素群をシステマティックに解明した枠組みになっているか 
2.3.2.1. 施策のつながりは、スキーム、システム、サービスモデルとして最適化されているか

2.3.3. 施策の求める成果物の本質が正しく表現されたモデルになっているか
2.3.3.1. 顧客要求の本質を外していないか

2.3.4. 施策の制約条件と外乱条件は認識されて対応策が考えられているか

2.3.5. 施策達成までの問題認識と解決について論理的なアプローチとシミュレーションは行われているか

2.3.6. 施策相互のシナジー効果を最大化するための戦略的な施策の組合せや経営資源の共通活用等は考慮されているか
2.3.6.1. 戦略的再利用を考慮したアーキテクチャになっているか

2.4. コミュニティマネジメント
2.4.1. 施策は企業の継続性を考慮した全社的な知的資産の蓄積やWin-Win関係の構築を配慮したものか

2.4.2. 組織の基本、しくみ、ルールなどは有効に機能しているか
2.4.2.1. 仕事の分業や標準化などの仕組みは機能し効率の高い組織になっているか
2.4.2.2. ボトルネックへの認識、対応などが十分に配慮されたスムーズな処理プロセスを有する組織になっているか
2.4.2.3. 例外処理や不確実性に対応するための仕組みのデザインは出来ているか
2.4.2.4. 戦略形成や人材育成に配慮された組織デザインになっているか

2.4.3. 社内外のステークホルダーが自由にコミュニケーションを取り必要な情報が入手できる工夫はなされているか

2.4.4. 施策遂行に必要な情報は特定され定義づけられマネジメント対象として認識されているか

2.4.5. 情報の伝達や共有、変更管理、蓄積の対象や手法は明確になっているか

2.4.6. プログラムガバナンス体制は構築されているか
2.4.6.1. 情報セキュリティをはじめとするガバナンス体制はあるか
2.4.6.2. PMO(Program Management Office)は組織化されているか

2.5. アセスメントマネジメント
2.5.1. ミッションで創造する価値の概念と評価手法は明らかになっているか
2.5.1.1. 何をもって達成されたとするか、途中経過の目標も含めた指標は設定されているか
2.5.1.2. 施策が目的としている価値(群)は漏れなく洗い出されて認識されているか
2.5.1.3. 価値に関係するステークホルダーのニーズは把握され、到達すべき満足水準は認識されているか

2.5.2.価値の評価は事前・中間・事後・追跡にわたってバランスよく指標化され、評価手法が決められているか

2.5.3.価値の継続的な創造を可能にする価値蓄積のあり方や環境に対する価値という観点は意識されているか

2.6. プログラム統合マネジメント
2.6.1. ミッション終結までの大まかなフェーズ分割とマイルストーン設定のグランドデザインはあるか

2.6.2. 施策実行の監視とコントロールや方針変更の体制やルールは決められているか

2.6.3. ライフサイクルマネジメント全体におけるアクティビティは明確になっているか
2.6.3.1. 施策の最終成果物は詳細に規定されているか
2.6.3.2. 施策の制約条件は適格に洗い出され、認識されているか
2.6.3.3. 施策の対象となる範囲(スコープ)は決定されているか
2.6.3.4. 施策の対象となる商品構成や役務の洗い出しは漏れなく行われているか(WBS)
2.6.3.5. 施策の対象となる商品やサービスに対する要求品質や契約条件は明確になっているか 

2.6.4. 施策を推進する最適な組織のデザイン検討は行われているか 
2.6.4.1. 施策に関係する組織のプロフィールや特徴などの情報はあるか
2.6.4.2. 施策を推進する最適のマネジャー(リーダー)は選出されているか
2.6.4.3. 推進チームはチームビルディングの手順を踏まえて構築されているか
2.6.4.4. チームメンバーには最適人材がアサインされているか 
2.6.4.5. 必要な人材の過不足調整(キャパシティプラン)は行われているか

2.6.5. 施策を実行するために必要なワークの順序(前後関係)は検討されているか
2.6.5.1. 最も長い工程となり、納期に影響を与えるルート(ワークフロー)は確認できているか
2.6.5.2. ワークの手順を踏まえた日程化(スケジュール化)は行われているか
2.6.5.3. 工程を管理するツールは決められて、管理可能な状態への落とし込みは出来ているか

2.6.6. 見積もりは適切な方法で行われているか
2.6.6.1. 予算の設定は適切に行われているか
2.6.6.2. 施策完了までのキャッシュフローの予測は行われている
2.6.6.3. コストコントロール手法は決めてあるか   

2.6.7. 必要な資源を洗い出し特定することは行われているか
2.6.7.1. 資源確保の方針は決められているか
2.6.7.2. 資源確保計画は適切に立案されているか 

2.6.8. 想定されるリスクを洗い出し特定されているか
2.6.8.1. リスクは分析評価されてマネジメント対象とするか否か決められているか
2.6.8.2. マネジメント対象としたリスクへの対応策は準備できているか

2.6.9. どのようなステークホルダーがどのような役割で参画するか明確にされているか
2.6.9.1. ステークホルダーへの提案活動や契約などの関係構築活動は適切に行われているか
2.6.9.2. 円滑で効率的な業務推進を可能にするコミュニケーションの経路や伝達手段は決められているか
2.6.9.3. コミュニケーションの阻害要因は分析され、対応策が考えられているか 

2.6.10. 進捗(出来高)を管理するツールや手法は決められているか
2.6.10.1. 進捗途中における変更等のルールは決められているか

2.6.11. 活動結果の見届け完了につてのルールなどは決められているか
2.6.11.1. 成果物としての資源蓄積やリスク教訓の整理は行われているか

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