スタートレック:ピカード
2020年が始まって当初、毎週のたのしみがAmazon primeから配信されるTVドラマ「スタートレック:ピカード」だった。
もとは確か、僕の中学高校くらいの頃に、テレビで深夜放送されていた「新スタートレック」の続編。主人公ピカード艦長のその後の物語を追った30年振り近くの続編だ。「新スタートレック」当時も、ピカード艦長を演じるパトリック・スチュワートはすでに頭の禿げ上がった中高年だったのだが、その知性溢れる英国紳士然とした佇まいは、UKロックにどハマりの10代の僕にとって非常に魅力的だった。
多人種、異星人、それにアンドロイドとで構成された宇宙船エンタープライス号のクルー達が、様々な惑星へと旅するのだ。
大学生になって大阪に出て、最初のアルバイト先がとってもユニークなところだった。まだバブルの残り香もあって、宇宙旅行の擬似体験できるというアトラクション施設があったのだ。弁天町駅前に。
そこは大手劇団が演出に加わっていたこともあって、めちゃくちゃ個性的な面々の集う場所で、18歳の僕は多大なる影響を受けた。
スタッフはみんな最年少の僕をかわいがってくれた。何人かの外国人スタッフもいて、その1人がジョージさんて人で、カウボーイハットに上着だけ空手着、常にインディ・ジョーンズみたいな鞭を持ち歩いたユニークな人だった。
とっても穏やかでやさしい人で、「魑魅魍魎」とかも漢字で書けた。(僕は今も書けんな)
ある日、職場の休憩室に行くと、ジョージさんが両手でないと持てないレベルの巨大サイズの「宇宙船エンタープライス号」を持参していた。
「ようやく完成したんだよ〜」とか言って、作り上げたプラモデル(?)かなんかをお披露目してたのだ。
「エンタープライス号やね!」って声掛けると、「おー!ナオキもスタートレック好き?!!」って話が弾んだ。
ジョージさん曰く、子供の頃に「スタートレック宇宙大作戦」をテレビで見て、自分もいずれ大きくなったら「エンタープライス号」のようにいろんな国を旅しようと思って今日に至ったとか。日本に来る前にも、いくつかの国に滞在してたという。
「スター・ウォーズはタイトルの通り、すぐに争って戦いで物事を解決しようとするけど、スタートレックは、毎回毎回違った星を訪れて、そこには誤解や考え方の行き違いもあるけど、最終的にはわかりあってなかよくなって、そして次の惑星へと旅するんだ。」
そんなジョージさんの言葉と表情はとても素敵だった。
ピカード艦長がまた旅を始めて、それを見れるのはうれしい。エピソード2の開始がたのしみだ。
ジョージさんの旅も、僕の旅も未だ続いているのだ。
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