JAET学校情報化認定
JAETによる学校情報化認定というものがあります。
チェックリストにより客観的にICT化の度合いを測ることができます。
一定の値を越え、エビデンスを提出し、認められることで学校情報化優良校に認定されます。
この度、滋賀県の高校で初めて滋賀県立河瀬中学校・高等学校が学校情報化優良校に認定されました(2023.01.20現在)。
これも本校の先生方が情報化に前向きに取り組んでいる証左です。
しかし、元々は特に進んだ学校ではありませんでした。これを機に本校がどのようにして情報化を進めたのかICT推進に携わった者として簡単にまとめます。
認定化までの軌跡
2015年 河瀬中学校・高等学校に赴任
・ICT環境は皆無。
・持ち運び用単焦点プロジェクター、スクリーンと自前のPCでプレゼンテーションソフトや動画を用いた授業をちまちまと私が個人で実施した。
→ 機器の必要性を要望書と共に事務方に申請
→ 毎時間、授業間にセッティング
2016年 同志
・新たな転任者や他の教員の中から同様の授業を希望する者が現れる。
→ 持ち運び用単焦点プロジェクター、スクリーンのセットを予算取れるだけ取って3セット申請
→ 特別教室の1つに上記セットを常設し、ICT教室と呼称
2017年 トップダウン
・新任の校長Aが学校改革の1つとしてICT化を掲げる。
・多くの先進校視察、本校にとってのデザインを考えていく。
・予算は同窓会費をメインに研究指定などからかき集める。
・重視した点
→ ICTアレルギー解消のため書画カメラの導入を強く推す
→ 電子黒板機能付き単焦点プロジェクター、スクリーン、書画カメラの3点セットを全HRおよび選択教室に設備することに決定
2018年 教員用端末およびGoogleWorkspaceの導入
・教員が授業教材を作成したり、教室で授業するための端末Windows機とiPadを整備した。
・指導者用デジタル教科書を整備した。
・生徒用iPadとして80台余を整備した。
→ 活用は進まず……。
・教員生徒双方の活用を見通してGoogleWorkspaceを導入
・先進校視察
→ 当時の生徒指導主任を連れていっていただいたのが大きかった。スマホ禁止の学校でスマホも文房具という考え方が浸透する原動力となった。
2019年 指導者用デジタル教科書の活用と高速回線検討
・指導者用デジタル教科書の活用が英語や数学で普及
・指導にPC等を使うことが当たり前に
・低速な回線が問題として挙がる
→ ホームルーターと生徒のスマホを用いた実践を計画
→ 40台以上同時接続可能なものを選定
→ パナソニック教育財団実践教育助成に応募
・3月のコロナ休校でGoogleWorkspaceを全体に導入
2020年 ホームルーターの活用とGIGAスクール構想の発表
・1学期のコロナ休校はGoogleWorkspaceを活用し、生徒の学びをファシリテート
・主に英語と理科の一部の教員でスマートフォンとルーターを用いた実践
→ 他教科にも徐々に広がる
・パナソニック教育財団実践教育助成1年目は主に理科と英語で実践
2021年 引き続き他教科へ浸透
・ロイロノートモニターに応募
・パナソニック教育財団実践教育助成2年目ICT機器でどんな教育ができるか?問いづくりを中心に据えた実践を理科と地歴公民を中心に実践
・ほぼ全ての教科で指導にデジタル機器を活用するようになる。
・採点補助システムの導入
2022年 一人一台端末導入による最低限研修とプログラミング教育の位置付け
・パナソニック教育財団実践教育助成3年目GIGAスクール構想で整備されなかった屋外Wi-Fi環境や3Dプリンターなどでどのような教育ができるか実践
・一人一台端末導入を受けて、教授だけでなく双方向の活用として最低限できることを底上げする研修をほぼ毎月短時間づつ実施
・プログラミング教育を情報の授業の中で位置付け
→ 2023.01.20学校情報化優良校に認定