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【2.5次元ミュージカル】ハイステ終幕に寄せて

今まで経験したことのない状況の中で、私が頼りにしているものがあります。

それがエンタメ。特に2.5次元ミュージカルと呼ばれる、漫画やアニメを原作にしたもの。

近年、多くのメディアに取り上げられるようになり、”2.5次元俳優”という言葉も定着してきました。歴史については、あちこちで語られているので割愛。

基本的に漫画・アニメオタクな私は、学生時代に「ミュージカル テニスの王子様」に出会ったことをきっかけに2.5次元の世界にハマっていくのです。(当時は2.5次元という言葉はなかった。)

ただミーハーな私は、途中ジャニーズの追っかけになったり、K-popの追っかけになったりしているので、少し2.5次元から離れていた時期があリマした。

そこから2.5次元に引き戻された作品がタイトルにも入れている「ハイステ」、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」。

プロジェクションと入っている通り、プロジェクションマッピングを使用した演出が特徴の一つでした。初代キャストには須賀健太さんもいらして、キャスティングからも話題性の大きい作品でした。

最初に観たのは初演のライブビューイングCM。プロジェクションマッピングと俳優陣の演技、中心を回る円盤型の舞台。今まで見たことのない舞台で衝撃を受けました。(テニミュ履修済みのため、実際のボールを使わずにスポーツを表現することには特に疑問は抱きませんでした。)

DVDを入手し、舞台演出・音楽・演技全てに魅了され、キャスト陣の本物さ(ビジュアルの再現度やキャラの身長と同じ俳優陣が起用されていたり、声帯がアニメ声優のものと思うくらいのクオリティだったり)に驚愕し、第3弾の時には気づいたら遠方の公演まで観に行っていました。

作品自体の魅力にも魅せられたのですが、舞台の更なる可能性を感じさせられたのもハマった理由の一つです。今まで宝塚歌劇団や東宝ミュージカル、ストレートプレイなどジャンル問わず、様々な舞台を観てきました。もちろんそれぞれの良さもあるのですが、ある種の固定概念に私は捉われていたんだなと感じたのです。

形のないボールを打ち返す、ラインを越えていたのか越えてなかったのか、ほぼ全てがプロジェクションマッピングや照明で表現されている。円形の舞台がコートにも見えるし、ボールも見える、地球にも見える。実際の試合レベルで俳優陣は動き回り、走り回り実体のないボールを追いかけている。

舞台だけではなく表現に終わりはないのだと、考える人がいる分だけ表現方法があることに改めてワクワクしました。どこまで連れて行ってくれるのだろうとドキドキもしました。興奮しかしなかったです。

映像だと、編集という工程を理解して観ています。(もちろんその技術もとても素晴らしいものです。)

ただ舞台は編集作業を目の前で見せられている感じがするのです。

ハイステで言うと、真ん中のネットだけが実体でありその他は何もない状態。ここからどんな風に場面転換していくのか、俳優陣の呼吸音を聞きながら次を見守る。キャストもスタッフも人間ですから公演回ごとに変化も出てくる。映像にはない生の良さの一つだと思っています。

そんな私に舞台の魅力を新たに教えてくれた、ハイステが5月9日千秋楽を迎えることなく幕を閉じました。緊急事態宣言下のことでした。とても悔しい。

感染拡大はもちろん避けなければならないのですが、エンタメと言う生活を彩るものが一番先に削られていくのが悔しい。映像配信サービスで便利な世の中になりましたが、やはり生で観るという経験には代え難いのです。推せるものは推せるときに推しておく大事さを痛感した出来事でした。

5年半という期間の中で、劇団ハイキュー!!がくれたものは本当に私にとって代え難いものでした。心からの感謝と、推せる間に推すと心に決めた私は、2.5次元ミュージカルに対しての思いを文章にしようと思いました。2.5次元ミュージカルとまだ出会っていない方には、観劇のきっかけになればと思っていますし、既に出会っている方とは思いを共有できればと思っています。

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