大学3年。はじまり。

大学3年。得体の知れないウイルスに怯え、怒り、振り回され。漸く彼らに支配されない日々が訪れようとしている、というかその存在を当たり前と偽り、社会が、そして私も、日常を始めようとしている。なんとなく灰色で、どこか諦めたような、それでいて毎日毎日、「私は十分今を楽しんでいる」と、口に出して自分を奮い立たせていた日々。もしかしたらそんな生活たちと、今度こそさよならできるかとしれないという淡い期待、喜び、それ以上の緊張、不安、感情が収まらない。3年ぶりに作った定期券を取り出すと、何年前になるだろうか、初めて制服を着て、通学鞄を肩にかけたあの時の高揚感に似た感覚が、僅かに指先に伝わる。それを純粋に楽しめるほど、子供ではない20歳の夜。こんな文章、後から読んだら、というか一生読めないかもしれないくらい恥になるかもしれない。いや、私のことだからこっそり自己陶酔してるかも?言葉を紡ぐのが好きな私。物語を書くのが好きで、そのくせ飽きっぽい私。そんな私に真剣に悩んでた私。お久しぶり。
なんてね。眠れない理由は分かってる。気になって覗いてしまった、ディスコのボイチャに並ぶ2人の名前。みんなで雑談してたけど、1人、2人と抜けていき、残ったあの2人だけの空間。偶々、偶然、暇を弄んでるだけ。何もおかしなことはないのに、不安でどうしようもない胸の内を誤魔化すように、私は必死に言葉を紡いでる。せめてもの抵抗で、ディスコードを開いたまま寝ようとしてる私の瞼の裏を、青白い画面の光が刺す。なんの抵抗?健気でかわいい私。そういえばあの人が、たまになんでもないように言う「かわいい」はどういう意味だろう。そんなことでもんもんとしてる自分がちょっと好きだと思えるくらい、この2年間は私を腐らせた。でもやっぱり、今の自分が好き。この先泣くことになっても、死にそうなくらい恥ずかしくなっても、今の自分は前よりちょっと、もっと愛せそう。

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