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【読書記録】息子のトリセツ


思春期を迎えた息子が部屋にこもるようになり、
以前より会話が減って何を考えているのかわからない。
「思春期だから」と見守りたい気持ちもあるが、私のやることが、時に息子の気持ちを逆なですることがある気がする。
その理由すらよくわからない。
そんな時、本屋でこの本をぱらぱらめくり、この一節が気になって購入した。

優しい彼は、私が怖がって止めたら、きっと行くのをやめてくれるに違いない。
けれど、その後もう二度と、冒険の旅には出ないだろう。母の恐怖がリミッターになってしまうから。このみずみずしい冒険心が失せてしまう。それは、たとえケガをしたとしても、男として失ってはいけない大事な何かだ、と。

黒川伊保子著「息子のトリセツ」より


男女の違い

ほとんどの男子は「空間認知優先型の脳」で生まれ、たいする女子は、ほとんどが、「コミュニケーション優先型の脳」だそう。

「空間認知優先型」とは、自然に「遠く」まで視線を走らせ、空間の距離を測ったり、ものの構造を認知する神経回路を優先する脳の使い方。           「コミュニケーション優先型」とは、自然に「近く」に集中して、目の前の人の表情や所作に反応する神経回路を優先する脳の使い方。

著書より

長らく女の世界で働いてきた経験から、女性のおしゃべり好きは身を持って感じてきた。
だから「女子はコミュニケーション優先型」の言葉に妙に納得してしまい、そのさきに続く男子の特性を受け入れることができた。
それが「男たちの“ぱなし“癖」という話だ。
トイレに行くときはトイレ、風呂に入る時は風呂しか眼中にない。結果、やりっぱなし、脱ぎっぱなし、置きっぱなしの“ぱなし癖”。
そうそう、と納得せずにはいられない。
でも、遠くを見る能力で闘って家族を守り子孫を残してきた男性に、あまり近くを注視することを強要してしまうと、無邪気に遠くを見られなくなって、長所が弱体化するという。

たしかに、と思う。
私はおしゃべりが苦手だ。でもそのことを受け入れてもらえず喋ることを強要されると、人の顔色や会話をしなきゃということに意識が向いてしまい、肝心の自分の気持ちが後回しになる。そのうちに自分はどうしたいのかわからなくなるということを経験した。
話の趣旨は違うかもしれない。でも本来の自分の姿に、他人の価値観を押し付けることはその人の良さを消すことに繋がりかねない。

私は片付けが好きで、片付けることに関しては多分周りのお母さん達より口うるさい方だと思う。息子達はきっと、片付いた空間ではなく母親の顔色を見て片付けを渋々していたかもしれない。


母親は「原点」である


母は、穏やかな表情で、ゆるぎない原点にならなければならない。

原点がゆるがないと男性脳は安心して外の世界に立ち向かえる。
男性の自立心や冒険心は、本能であり厳しく育てたから確立するというものじゃない。

著書より

母は原点であるという点はそうだろうと思う。だってこの人から生まれたんだから。
母の機嫌がいいと安心するのはきっと男女に違いはない。
私が自分のキャパを超えて働いていた頃、夫婦喧嘩がよく勃発した。両親の言い合う姿を子供達はどんなふうに見ていただろう。揃ってリビングからいそいそといなくなることもあった。三男が小さい頃は飼い猫が心配して泣いてるよと猫を2人の間に連れてきたこともあった。両親の喧嘩をやめさせようと小さな息子のした行動に、子供の目の前で喧嘩はするまいと思った。

著書の中では「いってらっしゃい」」と「おかえりなさい」は笑顔でいようと書かれていた。四六時中笑顔でいるのは確かに難しい。だから外に出る前と外から帰った時は、笑顔の母でいたいと思った。



著書は脳科学と人工知能の研究者であり、他にも参考にしたい有益な情報がたくさんだ。
でも読んでる最中に、こういう時はこうしなきゃ、と頭で考えるあまりだんだん疲れてきてしまった。
私は子育てで1番大切なことは、母の笑顔だと思っている。特に男の子はそこにお腹が満たされれば、大概のことは問題なくすすむような気がする。

著書も「母が人生を謳歌していれば、息子はそれなりに魅力的に育つ」とおっしゃっている。

難しいことはほどほどに、まずは自分が幸せになれ
る事が何より大事であることを忘れずに子育てを楽しんでいきたいと思う。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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