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ultra soulはいつからB'zの代表曲になったのか?

あけましておめでとうございます。
年末は2024年紅白歌合戦でB'zがサプライズ生出演し、世間を賑わせました。私もテレビでB'zの様子を見ており、大興奮のまま2025年を迎えることができました。

最後のultra soul のパフォーマンスは圧巻でした。
ただ、昔からB'zを追っていたファンの私からすると「ultra soulっていつからこんな代表曲扱いになったのか?」と少し疑問に感じるところもあります。というのも、少なくともこの曲がB'zの代表曲扱いとなったのはちょうど10年程度前からの話で、2001年にこの曲が出てから10年以上経ってからの話だからです。
この記事では、ultra soul がB'zの代表曲となった経緯を、私なりに考察したいと思います。

1. ultra soul は昔、B'zの中堅レベルの曲だった

今B'zの代表曲を挙げてみてと言われると、真っ先に浮かぶのはultra soul かと思いますが、昔は違いました。大体はシングルで200万枚を売り上げた「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」、90年代の名曲「LOVE PHANTOM」、大ヒットドラマの主題歌「今夜月の見える丘に」が挙げられました(B'zファンは別の曲を挙げると思いますが、世間的な相場はこのイメージでした)。
ultra soulはこれらの曲の次に来るくらいの知名度もありライブ定番曲となっていましたが、ALONE、Calling、愛のバクダン、OCEANなどと並び、年齢層によって浮かぶ曲が異なる群、という扱いのイメージでした。
過去のB'zのセットリストを見ても、2006年のライブでは9曲目、2008年のツアーでは2曲目に演奏されるなど、定番ではあるもののライブの最初か最後に演奏するなどの扱いにはなっていませんでした。

2. 転機は2009年

ultra soul の人気が上昇してきたのは2009年前後が転機と推測してます。
この年は、ゴールデンボンバーが「ultra PHANTOM」というB'zのパロディー曲を発表し、また、日テレ番組「ものまねグランプリ」に「B'z軍団」というものまね集団が初出演した時期です(B'zものまねの代表格中村素也さんはもう少し前から活躍されていますが)。
この頃から、「B'zをネタに使う」という動きが表面化してきました。ものまねやパロディ、アーティストのMCのネタなどにB'zが使われる場面が増えてきます。
その中で、各演者がB'zのネタを改良していく中、世間的に一番伝わりやすく便利なネタがultra soul だと気づいたのかなと思います。
現にB'z軍団は2009年の出演はultra soulでなくイチブトゼンブを歌っていたのですが、年を追うごとにその年に流行った曲などを歌った後、「ウルトラソウッ!」で締める、というプログラムに変化していきました。
元々世間的にカラオケの定番としてultra soulが台頭していた、という背景もありますが、それに加えて各アーティストや芸人等がこのようにultra soulの便利さに気づき、それに触れ続けたことによってB'z = ultra soulというイメージが盤石になってきたのかなと感じます。

3. 2013年以降、自他共に認める代表曲に

B'zのお二人及び運営側もこの流れを読み取り、ultra soul を全面に打ち出してきます。
2011年にB'zのオリジナルアルバム「C'mon」には「ultra soul 2011」という再録版を収録し、同アルバムのライブツアーではultra soulをトリの曲にしています。
この再録の経緯は元々ultra soulが2001年世界水泳のタイアップ曲で、テレビ朝日から2011年世界水泳のタイアップとして再びultra soulを使いたいと打診があった際、せっかくなら再録するか、という流れで生まれました。
公式にultra soulを代表曲に使う意識や流れはここから始まったかと思います。
そして2013年はB'zのデビュー25周年の年であり、ここでultra soulが代表曲として決定的になりました。
25周年を記念して、テレ朝の「ミュージックステーション」ではB'zファンから募ったリクエストランキングの上位3曲を演奏するという企画が行われ、見事にultra soulは1位を取得し演奏されました。またこの年で行われた25周年ライブのトリの曲はultra soulとなり、世間もファンも公式側もultra soulをB'zの代表曲であると認知する形が出来上がりました。

結び

昔からのB'zファンの視点からするとultra soulが代表曲となっているのは少し違和感があったかなと思います。それは、曲が発表された何年も後になって草の根レベルで様々なクリエイターがultra soulをネタに使い定着させてきたため、ファンの定番曲の序列のイメージと多少のタイムラグが生じてるためだと思います(完全に私見ですが)。
ただ、これらの活動によってB'zの間口は確実に広がり、デビューから35年が経過した現在もここまで世間を沸かすことができるアーティストになる一助になったのかなと思うと、ゴールデンボンバーやB'zものまね芸人の方々には頭が上がりません(パロディの解像度も非常に高くファンとしても尊敬します)。
2025年もB'zのお二人がご活躍されるのを期待しています。

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