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【コラム】お仏壇のはせがわ


五井のびっくりドンキーの前にお仏壇のはせがわってあるじゃないですか。

結構物心ついたときからお仏壇のはせがわ(以下、はせがわ)ってあそこにあって、あの辺って近くにしょぼい三越があって、きもの屋さんもあって、なんというか昭和から平成にかけて街として成熟してきた五井の象徴みたいなスポットなんですよね。

そんななかで、ヨーカドーがなくなって、カネタヤがなくなって、きもの屋さんも閉めちゃったみたいで凄く寂しさがあります。


で、はせがわの話なんですけど、これらを遥かに凌駕する寂しさを僕にあたえてきたんです。

はせがわの看板ってなんかネオンみたいな感じで光るやつだったんですけど、何年か前から一か所電気がきれてて、「お仏壇の せがわ」みたいな感じになってたんです。いつもあそこを通るたびに直せばいいのになーって思ってて、あの三角形のロゴも結構好きなのでとにかく光っててほしかったんです。


そんな感じで最近あの前を通ったら、ついに、看板がかわってる!

ちょっと写真をもってないのであれなんですけど

↑こんな感じのノリになってます。塩ビシートにインクジェットの看板になってました。はっきり言ってこんな看板、僕でも30分あれば作れます。


ああ、日本は本当に貧しい国になってしまったんだなと痛感しました。

確かに、ネオン・電飾看板は維持費がかかります。でも、でもですよ?仏様の下で商売してる方々が、仏具を買いに来るお客様に向けて、やっすい看板で済ませることってどうなのかな思いませんか。

別に派手に、豪勢にしろって言ってるわけじゃなくて、以前のクオリティを維持してくれてればよかったんです。コーポレートロゴの変更に伴って、昔からの看板のクオリティを下げるのは本末転倒だろうと思います。


大資本の企業が街に出店するときに、社会的責任として「景観」の要素も含まれると思うんです。安っぽい看板を見慣れると、そのうち誰も違和感を覚えなくなるんです。結果としてフリー素材だらけのインクジェット印刷看板があふれる、アジアの貧困国みたいな景観になります。


あのあたりが開発されたときの五井のテンションの上がり方ってすごかったと思います。びっくりドンキーできんの!?え、サイゼリヤ!!??三越!ヨーカドー!週末はカネタヤ!ラオックス!みたいな・・・


あーーなんかほんと寂しくなりました。はせがわに罪はないんですけど、看板デザインは景気に直結するものだと。無駄なもの(無駄ではないんだけど)にお金をかけれるような世の中が僕は好きだし、懐古趣味はないんだけど、少なくとも今よりもいい時代の財産は極力残していきたいなって思いました。


おわり。

#コラム #デザイン #看板






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