10日目:つれづれ日記
ハナレグミというアーティストを知っていますか?ボーカルの永積タカシさんからなるソロユニットで私が大好きなアーティストのひとりです。最近、永積さんが俳優の中野太賀さんと対談した様子が記事になっていたのですが、そこで話していた内容が面白かったので切り取ってシェアします。
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永積:人って確かなものよりも、揺れているものとか曖昧なものに心を動かされるような気がする。
中野:映画も音楽もきっとそうだと思うんですけど、言葉で言い尽くせてしまうことって実は限られていて、そこからあふれ出たものの方が圧倒的に多くの情報量を持っているように思うんです。映画の役割って、そこからこぼれちゃった言葉たちをどう可視化させるかみたいなことでもあるような気がして。
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めちゃくちゃ真理をついてるなあと思います。揺れ・曖昧さ・複雑さ、どれもつかみどころがないから心惹かれる。
昔家族で沖縄に行ったとき、目の前に広がる青い海を持って帰りたくてペットボトルに詰めたら透明になってしまったみたいに。つかめなかったり、さわれなかったりするところに本当の美しさがあるんじゃないかなと。
そう思うと言葉からあふれた感情や情報をアートやダンス、映像などの作品として見せる(見せようとしてくれる)アーティストや俳優はほんとうにすごいですよね。
一方で世の中にはあらゆる事柄・感情を言葉ですくいとる努力をやめない人たちもいて、それが作家やエッセイストと呼ばれる人たちなんだと思います。複雑に絡まった感情の糸をほどき、壊れやすい真実をそっとすくい私たちに見せてくれる。この人たちもある種アーティストかもと思ったり。
言葉を丁寧に紡ぐもよし、こぼれたものを別の形で表現するもよし、どちらにせよ表現することをやめないで少しでも揺れ・曖昧さの正体に近づいていきたいなあと思いました。
読んだ記事のリンクですhttps://natalie.mu/music/pp/hanaregumi06