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SNS"界隈"の闇が深すぎる件

情報収集も簡単だし、友人らとのゆるやかな繋がりの維持や社会的な自分の名刺がわりとして利用している人もいれば、完全プライベートな趣味の仲間探しにも利用できるSNS。でも、その一方で、表には出しにくい「闇」が渦巻いているのも事実です。言うなれば、SNSは情報と感情の交差点。その片隅には、光が届かず底が見えない暗闇が広がっています。油断して近づくと、気づけば足元をすくわれることも。

闇深い理由。それは知識、経験の浅い10代の若者はおろか、いい歳をした大人でも欲望を刺激されると判断力を失い、簡単に「カモ」にされてしまうから。


欲望に釣られると、赤ちゃん脳に逆戻り?

SNSを見ていると目につく「闇バイト」「ドラッグ」などの違法行為から「お金配り」「あの社長がオススメする絶対儲かる株式投資」「回収率300%常勝馬券理論」「裏垢女子」などの投稿たち。どれも、「ラクして稼げる」「刺激的で楽しい」「性的な欲求を満たせる」といった、人間の基本的な欲望を巧みに刺激してくるのが特徴です。

こうした誘惑にさらされると、たとえ分別のある大人でも冷静さを失いがち。「ちょっと怪しいけど、まあ試してみるか」と軽い気持ちで手を伸ばしてしまううちに、気づけば赤ちゃん脳に逆戻り。「これ、どう考えても騙されてない?」と疑う力をすっかり失っていることに気づくのは、もっと後になってからです。

闇界隈が成り立っているのは、こうしたターゲットが絶えず生まれ続けているから。


フィルターバブルの怖さ――「当たり前」が歪む

SNSの良さの一つには、自分の好きな情報だけを効率的に集められるところがある。でも、この仕組みが「偏った世界」に引き込まれる原因にもなっています。

たとえば、新しいアカウントを作って特定の界隈のアカウントを10個フォローしてみましょう。タイムラインにはその界隈の情報が溢れ、「おすすめ」も同じような内容ばかり。そして気づけば次々とフォロワーが増えますが、これもまたその界隈の支配者側の住人たち。

SNSに登録直後から何もせずにフォロワーが自動的に増え続けるなんてことはまずありません。でも、搾取側に「ターゲット」と認識されると状況は一変。またたくまに情報は同じ系統に偏り、感覚がバグって「これが普通」「みんな実はこういうことをしている」「情報強者である自分はこういうSNSの情報を巧みに利用するんだ」などと錯覚してしまいます。この状態を「フィルターバブル」といいますが、闇界隈ではこれが効果的に利用されてもいます。

自分が支援する政治思想を持つ政治家や政党、アカウントをフォローしまくっていると、さもその思想こそが正しく、他は頭の悪いボンクラどもの戯言であり自分たちこそが正義であり正しいのだという感覚に陥ってしまうのと同じ。ちなみに選挙が近づくとフォロワーたちに向けて特定の発言を拡散しようと必死にリポストする人たちがあちこちに湧いてきますが、これ実はあまり効果的ではありません。だって、中立の立場で公平に情報を取り入れた上で取捨選択している人は惑わされないし、それに「そうだそうだ」と息巻く人たちは、すでに同じ思想に染まりきっているわけだから。フィルターバブル内で身内同士でじゃれ合っているだけに過ぎないというわけ。


大人も無防備ならやられる。若者はさらに危ない

分別がついているはずの大人ですら、冷静さを失えば簡単に餌食になります。「経験があるから大丈夫」と過信するほど、赤ちゃん脳に逆戻りしたときのダメージが大きいのも大人の特徴です。特に金銭的な余裕がある分、損失の規模も若者より大きくなりがちですし、性欲に負けたおっさんたちは、裏アカ女子を名乗るアカウントを介してお金を吸い取られていく。本当に脳みそが赤ちゃんというか、猿並みなんですね。はい、一部はよくわかります……。

一方で、10代の若者たちにとってはさらに大きな脅威です。「大人が教えてくれない秘密」「同年代の仲間が知っている特別な情報」という響きが特に刺さりやすい年頃。SNSは彼らの日常の一部になっているだけに、「これ、やばくない?」と気付く余地すら奪われてしまうことがあります。彼らにとっては、親や先生よりもSNSの方が信頼できるし、テレビのニュースを見たりニュースサイトの記事を読むより、タイムラインに流れてくる友人らの情報こそが真実だと信じる傾向にあります。


運営は「対応中」……だけど闇は止まらない

「それって運営に報告すれば済む話じゃないの?」と思う人もいるでしょうけれど、残念ながら現実は甘くありません。運営の対応は遅れがちだし、対応したところで別のアカウントがすぐ生まれて活動を再開するイタチごっこが続きます。そもそもなんらかの対策をしているのか怪しい界隈エリアも多く、ここらへんはかつての2ちゃんねるよりもタチの悪い状態になっているとも言えるでしょう。

特に厄介なのが、違法ではない「グレーゾーン」の界隈。ぱっと見、合法的で安心な内容に見えるので、多くの人が簡単に飛びついてしまうんですね。でも、その結果は……言わずもがな、です。

「これだけ多くのアカウントが存在して、大量の情報が流通しているのだから」というふうに見える状況が、さらに事態を悪化させているとも言えます。


SNSは沼。浅瀬で遊ぶのが一番安全

SNSは便利だけど、深い部分に踏み込むと危険がいっぱい。特に「ラクして得する話」「他では聞けない秘密の情報」「簡単にスケベできるぐへへ」といった誘惑には要注意です。冷静に考えれば、「そんなうまい話、あるわけない」と分かるはず。

昨今の話題の話に乗ずれば、闇バイトに対して、「ホワイト案件」などという単語も流通しているようですが、普通に考えて「ホワイト案件」だと公言している求人がホワイトなわけありません。でも若者たちは、「友達から紹介されたホワイトな案件だから」疑う余地なく手を伸ばしてしまい、気づけば自らの意思では抜け出すことができない状態になり……というパターン。

はたから見ればアホの極み、バカじゃねーのって思いますが、界隈に界隈の住人として居着いてしまっている「ある一定の層」の人たちにとっては、そうとも言い切れないのがややこしいところ。

ネットは特権階級のものであるべきなんて頭の悪いことは言いませんが、本来インターネットはそれなりの知識や経験と目的があって、自宅インターネット回線しかり、きちんとした利用設備を備え、ある程度成熟した年齢に達した人が利用しているという前提だったものが、猫も杓子も、誰でも気軽にスマホでアクセスできるようになった弊害でもあります。幼児だってスマホをスワイプする時代。

とは言えそんな事を言っても、世の中には既にそういう世界が出来上がってしまっている。そんな界隈には近づかなければ良いのだけれど、人間の好奇心って厄介なもので、つい覗きたくなっちゃうもの。だからこそ、一つだけ覚えておきたい――「疑う心を忘れずに」。それが自分自身を守る最後の防波堤になるかもしれません。

さて、こんな界隈が存在するのかあと初めて知った方の中にも「危ない界隈に興味が湧いてきた」なんて好奇心に駆られてしまった人もいるかもしれません。

分かってて知識として知ろうとする分には止めはしませんが、「そんな中でもうまい話を見極められるスキルがあれば、結局得をするんでしょう?」なんて少しでも思っているならやめた方が良い。

大切なのは「誰も巻き込まずに、誰にも巻き込まれないこと」。それができないなら沼には触れないのが吉。そっとスマホの画面を閉じるべきでしょう。

さて、SNSを閉じたら次は何をしようか?


お読みいただきありがとうございました。
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界隈じゃないけどチャベリにおいで


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