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「教えて上司チャンネル」ロゴ制作過程のすべて

ご無沙汰しております。せんざきです。更新できていないうちに、いつのまにか800人もの方にフォローいただいていてびっくりしました。ありがとうございます。

さて、本日ですが、ご存知の方も多いであろうデザイナー、上司ニシグチさんからのご依頼で作った、Youtubeチャンネル「教えて上司チャンネル」のロゴの制作過程についてお話できればと思っております。
何か役に立つことがあれば嬉しいです。

(ニシグチさんはデザイナーに役にたつ情報をたくさん発信されているので、ご存知ないという方はぜひチェックを!)

▼上司ニシグチさんTwitter

▼上司ニシグチさんnote


経緯

ニシグチさんとの交流のきっかけは「オンライン上司」というニシグチさんの運営するクリエイター向けのコミュニティに入らせていただいたことでした。

そこから、何度かお会いしており、わたしの活動もよく見ていてくださいました。

わたしは本業がwebデザイナーなのですが、Twitter上では「作字」と呼ばれる文字のデザインをメインに作品を作っています。

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(こんな感じのやつです)
なので、個人で依頼が来るお仕事はロゴの制作がほとんどです。

そんなところから、「いつかロゴの案件をお願いしたいと思う」ということは前からニシグチさんからおっしゃって頂いていて、YouTubeチャンネルを始めたタイミングでそちらのロゴをご依頼いただいたというかたちです。

さらっと書きましたがとてもうれしかったです、、。


ところで話が逸れますが、少しだけ「オンライン上司」について紹介させてください。

特に明言はしていなかったのですが、こちらのコミュニティには去年の7月ごろから参加させていただいていて、かなりお世話になっています。

人によっておそらく使い方が違うのですが、私はwebデザイナーなので、webデザインのレビューを主にお願いすることが多いです。
会社にデザイナーが(私含めて)2人しかおらず、外部にもレビューしてくれる方が欲しいなと思ったのが参加のきっかけでした。

webをメインで見てくださっているカトウヒカルさんには感謝が止まりません、、。

他にも、会社でロゴやグラフィックの案件を受けることがないので、ロゴ/グラフィックの提案書や価格帯について教えていただいたり、色々と学びが多い場所です。

※念の為注釈ですが、「オンライン上司に入ればニシグチさん(他チーフの方々)から案件がもらえる」というわけではないと思います。そういった場ではなく、あくまでも情報共有や学びの場の認識です。

00 成果物

以下に制作過程を書いていくのですが、まずは成果物をみていただくといいかなと、、。(大きい画像は下の方でまた出てきます)

使用される場は、ニシグチさんのYoutubeチャンネルのサムネイル画像がメインです。

(こちらのnoteが公開されてからの反映になるそうで、まだ反映されていないのですが、ぜひチャンネル登録を!)

01 ヒアリング

ヒアリングなどとたいそうなことを言いましたが、ニシグチさんもデザイナーなので、こちらから深いヒアリングをしたわけではないです、、。

かなり明確に要件をくださったので、スムーズに制作に入れました。

というか、最近ご依頼をくださる方、みなさんかなり明確に要件をくださる傾向にありまして(もちろん私からも聞きたい項目は出しているのですが)とても助かっております。仕事がデキる方が多いんですかね、、ありがたいかぎりです。

要件は下記のようにいただいていました。

【概要】
・名称は「教えて上司チャンネル」
・内容はYouTubeLIVEで1時間トークする感じ
・ターゲットは若手のクリエイター

【デザインイメージ】
仕上がりは1色で(基本的に画像のような赤バックの白抜きロゴで使用する想定)
・「司」という文字の「口」のような…いわゆるYouTube感はどこかで出したい
・現状のように、正方形(四角形)ぎみにおさめたい(はみ出たりしてもOK)
オンライン上司のロゴ、上司ホールディングスのロゴの印象からかけ離れた感じは避けたい
・なので、少し斜めがかった感じがあると良いかなと個人的には思っています

文字で書くとなんか難しい感じしますけど、基本的にはせんざきさんが得意とする感じでやってもらえると嬉しいですー!


それでまあ、元からニシグチさんが仮で作られていたロゴがあったわけなんですね。(これでもめちゃくちゃきれいじゃないすか!!と思いましたね、、確実にこれ以上の物を作らないといけないと思ったのでかなり身構えました、、w)

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上記に追加してこちらから聞いた項目は

・「チャンネル」を「Channel」にするなど欧文表記を混ぜ込むことも可能か?
→文字表記は和名でいきたいので、英語は使わないイメージで制作してほしいですー!

これくらいでした!制作に入る前に、どれくらいの範囲の選択肢が考えられるかというのは明らかにするようにしています。

まあ、とにかく、こんな感じの情報を元に制作に入りました。

02 ラフ案制作

本来ロゴを作るとき、シンボルマーク+ロゴタイプというかたちが多く、その場合最低でも手書きのラフを50個以上書くようにしているのですが、今回は要件が絞られていた為、レイアウトとモチーフのバリエーションで一旦3案提出することにしました。

ラフ案を作る時に意識したことは、要件でいただいていた

・「司」という文字の「口」のような…いわゆるYouTube感はどこかで出したい
・現状のように、正方形(四角形)ぎみにおさめたい(はみ出たりしてもOK)
オンライン上司のロゴ、上司ホールディングスのロゴの印象からかけ離れた感じは避けたい
・なので、少し斜めがかった感じがあると良いかなと個人的には思っています

のあたりです。基本的にこちらに沿った案を提出しています。

一番悩んだのは、「YouTube感はどこかで出したい」という要望の部分です。
打てる手としてあったのは、
・「動画」という特徴→再生ボタンのような表現
・「チャンネル」という特徴→テレビorラジオのような表現
の2つかなと思ったので、それを軸にA案とB案を作りました。

C案にはYoutube感は入っていないのですが、提案として、「上司」の部分を強調するアイデアを入れてみたという感じです。

当たり前のことなんですが、この時にニシグチさん関連のロゴや、Youtubeチャンネルに書いてあるステートメントは一通り調査してから制作しました。

提案した3案はこちら。

スクリーンショット 2020-03-22 2.06.43

この時の完成度は60~70%くらいです。

この時点で認識をすり合わせたかったのは
・使うモチーフにイメージの齟齬がないか
・なんとなく文字の雰囲気の方向性が合っているか

のあたりです。

ここで、「A案で調整してほしい」と言われたので、少なくともテレビのような表現を使用すること、文字の方向性は大きく外してはいない事ははっきりと決まりました。

03 ブラッシュアップ

今回のロゴの面白かったところは「教えて」「上司」「チャンネル」でそれぞれ文字表現を変えられる、かつレイアウトやテレビのモチーフの表現にもかなり選択肢があったことです。

なので、文字を数種類、レイアウトを数種類かけあわせて差分を大量に作りました。

本来であれば、ここで3案程度に絞るのですが、ニシグチさんもデザイナーであることと、好みによる差があるところだと思ったので、かなりの数提案しました。(事前に、たくさん作ったんですが全部送ったほうがいいですか?と確認しました。笑)

スクリーンショット 2020-03-22 2.12.24

何が違うのかわからなくなりそうな数ですね、、

でもよく見ると、それぞれのロゴが与えるイメージが若干違うのがわかると思います。

ただ、これだけだと決めにくいだろうなと思ったので、サムネイル画像にあてこんでモックアップを作成しました。

スクリーンショット 2020-03-22 2.19.37

これなら割と判断しやすいですね。モックは本当に最終段階でしかあまり作っていなかったんですが、早い時点で提案書に入れたほうがいいなって思いました。

04 納品

1でお願いします!とのことだったので、1で白抜きverとカラーverを作成し、aiファイルで納品しました。

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【制作のポイント】
ぱっと見でチャンネル感を伝えたかったので、ステレオタイプ的なテレビの表現をしています。上にアンテナがついていて、回すタイプのチャンネルリモコンがあるやつ。
・白抜きであれば、白の面積が広いほうが存在感が出るので、一次提案では無かったテレビの外枠をつけました。
・文字は全体的に斜体がかかっていますが、「上司」だけは全体が右上がりになる斜体になっています。テレビが四角形で、その中にあっても文字だと認識しやすいようにリズムを変える意図があります。
・「教えて」は、この言葉たちの中で唯一、「見る側の人」の視点からの言葉なので、飛び出しているような表現にしました。
・親しみやすさをだすために、全体的に角を丸くしています。
・文字のルールで行くと、「チ」「ン」「ネ」の一番上に来ている横棒は平行になるはずなのですが、「上司」とリンクさせたかったのと、ポジティブな印象にしたかったので右上がりにしています。
・ニシグチさんの制作物や日々の発言から、繊細よりは力強いイメージが良いと思ったので、線は太めに作っています。

ざっとこんなところでしょうか、、ちなみにこちらはニシグチさんにはお伝えしていなかった内容になります。
伝えるべきことは伝えるのですが、1つ1つにこのような説明を入れてしまうと、情報過多でわかりにくくなると思うので、提案書にはあまり入れないようにしています。

デザイナーって物を作るときに常に何かしらを「選択」していると思うのですが(たとえば角を丸くするときも、角を立たせる選択肢を捨てて丸めている)、たとえ直感的に選択したのであっても必ずなにかの理由があると思っています。
「その選択肢は考えなかった」ということだけは無いようにしたいなと常々思っています。

、、、てか、このロゴかわいいですね!(親バカ)

スクリーンショット 2020-03-22 2.33.14

ニシグチさんからもこのようにコメントいただき嬉しかったです。

公開時にも、こんな感じで嬉しいツイートをいただきました!

まとめ

いかがだったでしょうか、、些細でも、何か役にたつ情報が入っているといいのですが、、!

ちなみにですが私の場合は、ロゴの制作に関して、わりと要件によって制作過程を変えています。なので全ての案件をこの過程で行なっているわけではありません。その時ベストだと思ったやり方でやるようにしています。

今回はじめて、長文の日本語ロゴをご依頼で制作できたので、個人的にも学びが多く楽しい案件でした。改めて、ニシグチさんありがとうございました。

また、思ったより長い記事になったのですがここまで読んでいただいた方もありがとうございます。

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