頭の整理と気持ちの整理
一緒に暮らし始めて、ついに彼の口から結婚への不安や後戻りしたい気持ちが出てくるようになった。自分を否定された気持ちと、今さら何を言っているのかという憤りで訳がわからなくなった。何とか結婚するために、自分の意志を消して彼の理想像のコピーになろうとも思った。
彼の口から出てくる不安や不満に対して、解決策を提案する日々。今までのこういう態度が悪かったのかと、反省する日々。自分のこういう振る舞いが、彼を不安にさせたのかと、追い詰めてしまったのかと自分を責める日々。そういう私に対して「ちがう。あなたのせいではない。俺の気持ちの問題だから、あなたに何を言われても変わるものではない。だから心配しないでほしい。」と言う。
言葉を選んで伝えてくれていると感じだが、真意はわかった。心配しないでほしい、ではない。心配してこないでほしい、なのだ。そこに気付いたからこそ、孤独と悲しみのどん底に落ちていった。
マリッジブルーの類のネット記事、お悩み相談はほとんど調べ尽くした。いろんな考えがあることを知り、まずは彼の不安の原因を理解することから始めようと思った。
彼の言葉ひとつひとつを手がかりに、どんな感情を持っていたのかを想像する。そしてぼんやりとした気持ちの動きに、原因を紐づけて、言葉で表していく。そんな毎日を過ごしていた。
不思議と自分の気持ちも整理されていく。こうやって自分と向き合うことが必要だったのか、と気付く。彼に合わせることを考えるのではなく、自分がどうしたいのか、ということを整理する機会なのだと捉えることにした。