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フォトマスターEX(その7)

かなり間が空いてしまい申し訳ありません。(プライベートで色々あったもので・・・。)

1枚目に「車両形式写真」、2枚目に「流し撮り写真」、3枚目は「夜間撮影」のバルブ作品、そして4枚目には「走行形式写真」を選びました。

今回は5枚目、出品作品最後の一枚です。

規定に『各種技法を用いた指導に役立つ作例制作力』とあるのですが、最後の一枚ということで、かなり冒険してみました。

少々長くなりますので、何回かに分けてお送りします。
まずは、その作品とデータのご紹介を・・・

EОS kiss М TS-E24mmレンズ使用

この作品を選んだのには理由があります。
1級合格から20年。その間、デジタルカメラが大きく進歩し、現在はミラーレスが主流になりました。
しかしながら、今迄ご紹介した4枚は、主にデジタル一眼レフでの作品でした。
つまり、この4枚では『現代の写真知識が無いのでは?』と審査員に疑われそうな気がしたのです。

今回の作品では、土台にフィルム中判カメラ、撮影にミラーレス一眼。
そして、レンズはシフトレンズを使用しました。
これだけ使えば、『一通り触れるんだな。』と察してもらえると考えたのです。

では、この作品が出来るまでの経緯をご紹介しましょう。

キッカケは、Twitter に挙げられた1枚の写真でした。
ペンタ67のペンタプリズムファインダーを取り外した状態で、それを別のカメラで上から撮影し、スクリーンに映った絵を見せるといった手法。

それを見た時、『このアイデア、RB67でやって、もう少し発展させてみよう!』と考えたのです。
ただ、カメラを変えただけで、同じように撮影しても、それは単純に真似しただけのこと。もう一捻り必要です。

と、その前に・・・
ネット上で見た作品は、単純に手持ちで67のファインダーを撮ったものだと推察。
自分の場合は、手持ちではなく、固定することからスタートしました。
ゆえに、カメラのファインダーの真上に撮影用カメラをセッティングすることから考え始めたのです。

67を三脚にセットし、その上に更に大きな三脚を据え、そこに撮影用のカメラをセット ・・・と、
最初に考えましたが、それだとかなり機動性が制限されてしまいます。
そこで、使用する三脚を1本とし、そこから考えなおすことにしました。

使用機材の確定
三脚が一本だけということは、撮影用のカメラを装着する為の別の足をどこかに取り付ける必要があります。
そこで、「Velbon」のカタログのアクセサリーを見たところ、『クランプキットⅡ』という商品があることが分かり、「これは使える!」と、早速買い求めました。

ところが、これだけではカメラが縦に2台並ぶだけで、撮影用カメラの向きを90度曲げることは不可能でした。
そこで、近所の中古カメラ用品を置いている店に出向き、中古の自由雲台を買い求め、それを取り付けることで解決しました。

フィールドに出る前に、自宅で事前にセッティングをすることにしました。
まず、雲台に平行プレートを取り付けます。その上に67をセットし、平行プレートにクランプキットⅡを取り付けます。
最後に自由雲台を取り付けて撮影用カメラをセットして完成。
(写真①参照)

写真①

カメラをキヤノンの EOS kiss М にしたのには理由があります。
実は、自分の持っているカメラでバリアングル液晶モニターが使えるのは、この機種だけだったのです。
その上、同社の他のレンズを装着するのに都合が良かったのです。

ここで、ファインダーの確認です。
写真①のような形でセットした後、まずは純正の標準ズームであるEF-M15-45mm を装着し、ファインダーを確認してみました。
(写真②)

写真②

※ 画角は 21.0mm(フィルム換算約 33mm)
ファインダーの映像がハッキリと見えるようにするため、ウエストレベルファインダーを装着しましたが、
それでも見難いので、傘等を利用して日陰を作る必要がありそうです。

ただ、この状態で左右にパンしても全く問題無く、機動性は充分です。

ところが、画角的にはまずまずですが、どうもシックリ来ません。
理由は、ファインダー内の画像が見辛い点にありました。
そこで、画角を 45mm 側にしてみたのですが、それだと本当にファインダー内の画像だけの画面になり、
67本体が目立たなくなってしまい、本来の趣旨から外れてしまいます。

そこで、レンズをシフトレンズに変えてみました。
シフトレンズだと、左寄りに位置していても、ティルト機能とシフト機能を使うことによって、真上から覗いた状態を作り出すことが出来るのです。
そして、レンズフードも横からの光を遮ることが可能です。
(下:シフトレンズ装着時の現地写真。)

因みに、この時は軽自動車のバックドアを上げて、傘代わりにしました。
しかしながら、この状態で撮影しても、最初に記したように単なる真似でしかありません。一捻りはここからです

実は、狙っていたのは「流し撮り」でした。
中判カメラのファインダーの中、その画像が流し撮りだと、確実に目を引くのでは?と考えたのです。
ただ、流し撮りは、自分にとって、どちらかと言えば苦手な部類。
それが今回のような状況での撮影となると更に難易度は上がります。
最終的に、納得のいく写真になるまで5回ほど撮影地を訪れる結果となりました。

長くなりましたので、今日はこの辺で・・・
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
つづきは近日中に・・・

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