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実戦将棋問題#4

第10問

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第11問

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第12問

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ヒント

第10問
この飛車と金の位置関係は、例の技を決めてみたいですね。その後の展開まで考えられますか?

第11問
この持ち駒と先手陣の玉形を見て、この銀をどうするか考えたい。遊びかねない駒の活用も図れないだろうか?

第12問
ちょっと長いけど実戦版詰将棋(15手)。最後は ▲4六角 まで活用できるような手順を見つけよう。


答えと解説

第10問

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▲4一角

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後手の金が浮いていることに注目し、角で割打ちを行う。後手としても流石にタダで金を渡すわけにはいかないので、 △4二飛 と打ってすぐの角にターゲットを絞るだろうが、先手は構わず ▲3二角成 △同飛 ▲4三金 と進む。

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この両取りが決まって後手陣はなかなかに大変になる。飛車を逃げて ▲4四金 と銀を取った形は角と金銀の二枚替えでありつつ、後手の飛車が遊びそうで先手の打った金は攻めにも活用できる。先手陣の玉がやや薄いものの、角2枚だけでは後手から有効な攻めがすぐに来ないことを考えると、先手有利である。

なお、解答図で △4二金 と金を寄る手もあるが、その手には ▲5二角成 △同金寄 と、一度先手陣の囲いを強化するなど、落ち着かせても良いであろう。あるいはこの手順で攻め続けるならば、 △同金寄▲4一飛打と打ち込みたくなる。

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後手がこの両取りを受けるには △4三角打 がある。とはいえこの手には ▲4三同飛成 △同金 ▲3二角打 としつこく迫る手順がある。

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飛車を渡したところで、先手陣には大駒を打ち込む隙がなく、後手が攻めの拠点を作るにはまだ時間がかかりそうである。この辺りを派手にいくか、いったん守りを固めて落ち着かせるかは、個人の棋風に左右されるところが大きいだろう。

第11問

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△2七同銀成

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歩で追い返そうと先手は打ち込んだのに、後手はとにかく強引に成り込んでいく。歩を打った以上はこの銀突っ込みにも取るしかない。万が一にでも玉が逃げようなら、 △2八歩打 くらいで追撃できるであろう。てことで、 ▲2七同玉 と取るのだが、そこで △2六歩打 ▲同玉 △2一飛 ▲3六玉 △2九飛成 と進んでいく。

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このように進行すると、後手優勢である。その後は後手が竜と手持ちの角を活用していけば十分勝てるであろう。

第12問

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▲6三角打

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ここから決めを始める。 △8二玉 の一手しかない。そこで ▲7二金打 △9二玉 と進む。

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ここから ▲9三香打 が手筋である。もし △同桂 であれば ▲8四桂打 △同歩 ▲8三銀打 △同玉 ▲7三角成 △9二玉 ▲8二馬 でぴったり詰む。

(2020年12月28日 追記)
△同桂▲8一銀打 ですぐに詰むのが見えていなかった。(AI頼りきりはアカンよい例である。)

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ということで、 ▲9三香打 には △同玉 と取るのだが、さらに先手は ▲8五桂打 と継いでいく。

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もし後手が △8四玉 と上がってきた場合、 ▲7三角成 △同桂 ▲7四角成 △同玉 ▲7五銀打 でこれまた詰む。

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なので、 ▲8五桂打 には △9二玉 と下がる。そこから ▲9三銀打 △同桂 ▲8二金 △同玉 ▲7三桂成 と進める。途中、 ▲8二金 と捨てるのがなんとも詰将棋を解くように気持ちの良い一手。

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ここでもまた先手の ▲4六角 が睨みを利かせている。上の図以降は、 △9二玉 ▲8二成桂 でぴったりである。

以上の変化を全て読むのは大変であるだろうが、詰将棋で鍛えた感覚があれば、長手数であっても意外と一本道で解けるのではないかと思う。ということでみなさん、詰将棋をしっかり解いて終盤決め切りましょう。

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