「刈谷アニメCollection2022」神谷明さんトークショーレポ
2022/10/29(土)「刈谷アニメCollection2022」で開催された「神谷明トークショー」に参加してきました。
注:文章の都合上、お話の順番をあえて入れ替えたり、意訳したりしている箇所が多々あります。
また、メモと記憶を頼りに記載しているので正確ではありません。ご了承ください。
神谷さんは、白のトレーナー↓と黒のパンツ、スニーカーをお召しでした。
神谷さんと司会の田中さんとお二人が壇上の椅子に座られて、テーマに沿ってお話していくというスタイルでした。
神谷明さんと刈谷アニメCollection
刈谷アニメCollectionは、刈谷駅周辺での開催は3年ぶり。
神谷さんはオンライン参加も含めて今回で3回目の登壇!
愛知でいくつかお仕事をさせていただいているが、そのきっかけはこの「刈谷アニメCollection」とのこと。
声優になったきっかけ
高校時代演劇部に所属、卒業後は就職するも、アマチュア劇団に3年所属していた。
演劇への夢を諦められず、その後プロ劇団のテアトル・エコーに入団。
劇作家に井上ひさしさん、山田康雄さん(ルパン三世)や熊倉一雄さん(ひょっこりひょうたん島のトラヒゲ)納谷悟朗(ルパン三世の銭形警部)さんなど、名だたる俳優が所属していた。
彼らの芝居を間近で見ることが出来て非常に勉強になったし、影響を受けた。自分(神谷さん)は彼らの直系の弟子であると思っている。
特にこのお三方の芝居は、後の冴羽獠やキン肉マン、毛利小五郎などの役作りや演技に繋がっている。
先輩方の演技は唯一無二で(一瞬の物真似はともかく)真似できるものではないが、脈々と各キャラクターに受け継がれている。
(※特に山田康雄さんのルパンを例に挙げて「あれは真似できない」と仰っていたのが印象的でした)
ルパンと言えば、ルパンVSコナンで毛利小五郎に変装したルパンを演じることがあって、あまりにルパンに寄せた演技をしてしまって、ディレクターから小五郎に戻すように指摘を受けてしまった。
(小五郎からルパンへの演技!を披露してくださいました)
本格的な声優の道へ
それまで二足のわらじで活動して来たが、劇団で俳優を続けていくか、声優を本業として活動するかで悩んだ。
劇団内での役付きが悪く、キャスティングされないことが続き、悩んだ末に、青二プロダクションへ行き、声優への道を歩むことになった。
それから大分経ったあとに、劇団を訪問し対談する機会があった。そのときに役付きが悪かったことについて聞いてみると(神谷さんの)声優業があまりに忙しかったから稽古や地方公演の時間が取れないだろうという判断の元だったことが判明した。
もっと早く聞くべきだったと後悔し、それを当時知っていたら劇団を辞めなかったと思う。
テアトル・エコーに居たのは3年半ほどだったが、今でも自分はテアトル・エコー出身だと思っているし、自分の後にテアトル・エコーに入団したラサール石井さんや渡辺正行さん、田中真弓さんたちは後輩だと思っている。
※伊豆へ行ったお話(田中真弓さんのお子さんが小さい頃)などエピソードをお話ししてくださいました。
最近のお仕事について
かつてはベテランから新人まで揃えた、ピラミッド型のキャスティングだったが最近は小さな台形になってしまっている。
そのためベテランから若手へ継承するチャンスが失われてしまっている。
昨今の感染症の影響で(特にベテランは)収録は一人であることが多くなってしまった。
この間ようやくとある作品で久しぶりに2人収録が実現した。
昔と違って、事前収録した相手の声を聴いて収録できるからそういう意味では別録りはやりやすくはなった。
人によっては最初に収録するのが自由に出来て良いという人がいるが、自分(神谷さん)は相手の声を聴きながらの方がやりやすい。
声を当てる以外のお仕事について
最近、TVの仕事で一人ロケの仕事があり、諸々の交渉なども自身で行った。こういうトークスキルはラジオで培われたものだと思う。
エピソード
ささきいさおさんのチャリティーイベントで登壇した際に悲鳴のようなファンの声援を受けて怖くなってしまってそのまま後ろにさがってしまった(実演あり)
オールナイトニッポンのパーソナリティを務めていた頃は、明石家さんまさんにも神谷の「谷」取って「神」にしたら?と言われる程、反響がすごかった。さんまさんには今でも良くしてもらっている
声優を目指している方へのアドバイス
映画や舞台、アニメ、ドラマなどを見聞きし色々な演技にふれることが大事。
自分も先輩方から同様のことを言われて来たが本当に気づくまで時間がかかった。
たくさん観ることで、目が肥えてそれが演技に活きる。
一方で、謙虚であることが大事。
批判的に観るよりは、自分を低く謙虚にしていれば自然と学びが上から降ってくるようになる。
100点を目指すと苦しく、そして出来ない自分が嫌になり、つまらなくなる。三十代の頃自分がそうだった。
そもそも声優に100点はありえないことに気付いた。口の動きに合わせるなど演技以外に気にしなければならないことが多いため、良くて60点くらい。30点くらいから積み重ね、すこしでも出来たことがあったら自分を褒めてあげることが大事。
苦手なことも与えられた課題だと思って色々と取り組んでいくといい。
ただ、自分もどうしても苦手なこともある。ダンスは出来ない。
最近は声優でもダンスを求められる場合があり、そして今は踊れる人が多い。
例えば、実力でミュージカル(注)のオーディションに合格した宮野真守さんや三森すずこさんは凄い。
注:ウエスト・サイド・ストーリーか?
七色の声
高音、中音、低音分けて声を披露してくださいました。
バビル二世
面堂終太郎
冴羽獠
ケンシロウ
キン肉マン
毛利小五郎
などなど(夢中になっててキャラ名メモするのを忘れる)
冴羽獠はいつもの香ちゃんへの報告?形式で、今回は下記セリフでした。
「おいおい、香ぃ~、今刈谷のイベントに来てるんだけどさぁ!会場のお客さん美人ば~っかで獠ちゃんもっこりーー!!」
最後に
面堂終太郎や毛利小五郎については後任の宮野真守さんや小山力也さんにも触れ、温かなコメントをされていました。
小五郎はまもなく小山力也さんの方が長くなり、初代より長くなることを冗談まじりにお話されつつ、名探偵コナンへの応援の言葉を語られていました。(今は再放送もあるので神谷小五郎と小山小五郎で二度美味しい!)
予定よりも20分オーバーのサービス精神旺盛な圧巻のトークショーでした。
神谷明さん楽しいお話、ありがとうございました。