大人の自由研究!!!創作パイルアップ!!
Twitterを利用している創作者の方なら一度は耳にしたことがあるかもしれない香水屋「カオリバーFINCA」。
「自分のイメージに沿ったオンリーワンの香りをパイルアップ(香水の重ね付け)によって作れる」という、まさにバーでカクテルを作るかのような香り体験ができるお店なのだが、なんとこのお店、創作イメージのパイルアップもしてくれる。というかそちらが本命らしく、TwitterでFINCAさんを調べてみると推しパイルアップ体験で情緒をゴリゴリに狂わされた方々の叫びがわんさか出てくる。
推し香水。創作キャラ香水。うちのこ香水。
なにそれ楽しそう。私も狂いたい。
大人の自由研究、行ってきました。
場所は新宿三丁目、医科大通り。表通りから少し外れたところにあるお店なので、ちょっと不思議な隠れ家感がある。鼻を休めに外へ出る人がちらほらいらしたので写真は撮れなかったが、検索すると店内・店外の写真がいっぱい出てくるので見てほしい。店内おしゃれなビンだらけで最高に可愛い。
ちなみに基本的に予約制、一人あたま30分。連続して枠を取ることはできないそうなので、複数のパイルアップを希望する場合は日を改めて予約する方がいいだろう。店内は結構混み合っていて、あちこちから「俺様系のイメージで…」「ちょっとあざと可愛い感じ…」などなど聞こえてきたので、多分予約して来ている人の大半が推し香水を求めにいらした方だと思われる。
指定の用紙に用途や使用イメージ(推し香水の場合は推しの特徴、イメージカラー、性格、モチーフなどなど…)、好きな香りや苦手な香りを書き込んで、それを元にいろいろな香水を組み合わせていく形。なお二次創作、実在人物モチーフのパイルアップをする場合は著作権上いろいろと制約があるので店員さんの説明をしっかり聞こう!
ちなみに今回私がモチーフにしたキャラはこちら。
普段、あまり香水をつける機会はないのだが、趣味でアロマオイルを集めていることもあり「趣味として楽しむための香り」には元からかなり興味があった。また頒布している本が売れたときに、創作キャライメージの香水をメッセージカードに吹き付けて一緒に送ったら面白いんじゃないか…というアイデアもあり、自創作のひとつから看板キャラクターをチョイス。
時間が来るまで、店内でシートを書きながらしばらく待つ。けっこう迷うのでシートは事前に印刷して書いてくるのがオススメ(来店予約時にダウンロードできる)。
正直、シートに「カラスの悪魔」「教会の地下に幽閉されている」「高慢ちきで毒舌」などの要素を黙々と書いていると、オシャレな店内イメージも相まって段々といたたまれない気持ちになるのだが、店員さんも慣れた様子で「キャライメージでお作りしますね〜」と案内してくださるのでこの際恥はぜんぶ捨てていこう。考えてることはみんな同じだ。
シートに記入したこと以外にも「身長はどれくらいですか?」「他の人から見た第一印象ってどんな感じですかね?」「打ち解けてくるとどんな感じですか?」などさまざまに質問してくれる。ちなみに私がお願いしたのは「キャライメージの香水」だが、「そのキャラが普段つけていそうな香水」として作ることも可能とのこと。す、すごい…。
ブースは個室制ではないものの、一対一で店員さんとお話できるので思う存分キャラを語れるのもうれしいところ。後方から「お姉さんも地雷とかあったら遠慮なくおっしゃってください、このカプイメージだと…」という男性スタッフのトークが聞こえてきたので、ああ、みんな情緒を狂わされに来てるんだなと勇気づけられた。
パイルアップに使う香水は全てカオリバーFINCAオリジナルなのだが、その香水の名前がまたオシャレ。
「イマジシャン/魔香使い」
「ミッドナイト サーカス/夜中遊戯」
「ヴァン サンク ムーン/25時の月」
などなど…。ネーミングセンスのエモさがエグすぎて既にして情緒がしんどい。気を抜くと語彙力が死ぬ。魔香使い…?なに食って寝たらこんな名前思いつくの……?エモ……。それぞれの香水の紹介文がまた非常に独創的でエモの塊すぎる。やばい。エグい。無理。一生推せる。住みたいここに。
正気に戻ってきちんとやり取りをする。こちらからも「もう少しミステリアスなイメージで」「ヴィンテージ感のあるローズ香が欲しいです」など具体的にオーダーすると店員さんもそれに応じていろんな種類の香水を提示してくれるので(的確な香水を選び出してくれるのがめちゃくちゃすごい)、やり取りは恥ずかしがらず積極的にやろう。ローズだけでも何種類があり、一口にローズと言ってもポプリのような落ち着いた香りから摘みたてのような瑞々しい香りまで様々なものがあるのも勉強になった。
さてこのパイルアップなのだが、香水の重ね付けで印象を変えていく。そしてなんとこのパイルアップ、同じ香水の組み合わせでも付ける順番で印象が大きく変わるのだ。
例えば…
「イマジシャン(大人っぽさのあるスパイシーな香り)」
「シル・ウイスパー(甘く落ち着いたローズ)」
「ニンファ(フローラルかつウッディな香り)」
この3つの香水を、それぞれ別の順番でパイルアップすると、同じ組み合わせなのに香りがもう全然違う!!
ニンファ
シル・ウィスパー
イマジシャン
この重ね順だと、古びた書斎を思わせるウッディで甘いローズ感から、最後にミステリアスなスパイス感が残る、ちょっと男性的なパイルアップ。
これを以下の順に並べ替えると…。
イマジシャン
ニンファ
シル・ウィスパー
靄がかったミステリアスさの中からふわっと落ち着いたローズが香る、女性的なパイルアップ。
同じ組み合わせなのに、本当に印象が全く違う!!
これにはテンションが爆上がりしてしまった。というのもパイルアップをお願いした創作キャラ、コンラッドは両性。男性でもあり、女性でもあるのだ(本編にはそれほど絡んでこないのであまり表に出していないけど)。
両性という要素を香りの重ね方で再現してくれるとは思わなかった。えっすごい…。付け方によってミステリアスな悪魔っぽさや誘惑的な甘さも自由自在。これはまさに概念うちのこ…!!
またスタッフさんがとてもいい方で、色々とわがままを聞いていただいたにも関わらず「もっと別の組み合わせにしたいなどあれば遠慮なく」「こういう香りにしたいとか希望があればぜひ!」と、時間いっぱいまでメチャメチャ丁寧に対応してくれました。ありがとうございます。
吟味に吟味を重ねた香水3本、無事にお買い上げ。
とことん映えを重視した体験をさせてくれるのもうれしいところ。「よかったらお使いくださ〜い」と差し出されたのはなんと写真フレーム!その上に香水瓶とキャライメージの花形ムエットを重ねて…
自創作モチーフでこんなんして狂わない奴おる?
間違いなくこれは最高の推し事。版権と違って容易にキャライメージのグッズを手に入れられない一次創作だからこそ、こうした形で100パーセント自分のイメージに沿ったグッズを作れるというのは非常にありがたく、また貴重である。来てよかった。心おきなく狂えまして満足です。
カオリバーFINCAへ行かれる方にアドバイス。
一次創作の場合は画像を持っていこう!ビジュアルなど手軽に伝えられて便利。すぐ画像を出せるよう、あらかじめ準備しておこう。
思っているより鼻が利かなくなるので注意。スパイス系の香りをしばらく嗅いだあとにムスク系のシンプルな香水を嗅いだら、全く香りを感じなくなってしまった…。
希望はどんどん出そう。提示してくれた香りがちょっと違うかな?と思ったら遠慮せずに言おう、話せば話すほどこちらの解像度も上がるぞ!
しつこいようだけれども二次創作、実在人物系のお願いをする際は要注意。「〇〇の香水です!」などとは言わないように!
皆さんも軽率に情緒を狂わされてほしい…と思った。是非!
来店の際は予約を忘れずに!
なお今回紹介した悪魔コンラッドの活躍が気になる方は下のリンクから!(宣伝)
本も出てます!(宣伝)
多分また行く。定期的に狂いたい。