eスポーツディレクターがYouTuberの未来を勝手に考えてみた

(この記事は約6分で読めます)

・動画編集は一般的なスキルになりつつ、ツールにより大幅に簡単になる
・職業としてのYouTuberと、自己表現のYouTuberに目的が二極化する
・編集がリッチであることに価値が薄れ、オンリーワンの動画に人が集まる
・YouTubeは他のSNSと同じく個人メディアの側面が強くなる
・個人の魅力を高めるのは前提、それを惜しみなく開示することが大切

みなさん、YouTube見てますか?

そうですね、見てますね。見てない人って、もはやほぼゼロ説あります。

僕もめちゃくちゃ見ます。生活の中で一番時間を使ってるメディアです。

そんな最強メディアでありプラットフォームであるYouTube。そこで活躍するYouTuberがこれからどうなっていくのか、近い将来を予想してみました。

冒頭にいきなり結論書いちゃいましたが、説明していきます。

1.YouTuberの現状

YouTuber、めっちゃ増えてますよね。

特に芸能人のYouTube参入が著しく、最近は現役のお笑い芸人の方々だったり、元プロスポーツ選手だったり、アイドルグループを卒業したタレントさんだったり、一芸に秀でた魅力的な方々がこぞってチャンネルを開設し運用しているイメージが強いです。

「とにかくYouTubeはマストでやっとこう」的な空気感を感じます。

カジサックさんが「100万人のチャンネル登録を達成できなかったら芸人をやめる」という企画でYouTuberをスタートしたのが2018年10月1日。

この頃は、芸能人が毎日投稿など本格的にYouTube参入をすることに対して疑問視されていましたが、今ではそれがスタンダードに。

2年も経っていないと考えると、変化のスピードはすさまじいですね。

また専業YouTuberの方々に関しては、トップ層の入れ替わりはそう激しくないないものの、チャンネル登録10万人~30万人くらいの中堅層のボリュームが非常に厚くなっているように感じます。

※ちょうどいいデータが出せず申し訳ないですが、ユーチュラさんというサイトによると記事執筆の2020年8月29日現在において、チャンネル登録者数10万人以上の日本のYouTubeチャンネルは約3,500程度のようです。
https://ytranking.net/ranking/?p=175

2.動画編集クオリティの肥大化

そうしてYouTube上での共有の絶対数が増えると、当然競争は激化します。

その中で、「動画編集がどんどんリッチになっている」という傾向があるように思います。

最近僕が見た動画の中で、「マジでテレビの演出じゃん!」とびっくりしたのがこちら。

オープニングやブリッジのオシャレさ、テロップや効果音の小気味よさ、リプレイも視覚情報を簡潔に整理するなど、非常に手間がかかっています。

白石麻衣さんの圧倒的なビジュアルと、気品がありつつも親しみやすいスペシャルなキャラクターが本当によく伝わってきます。

このぐらい「ちゃんと」作られた動画は、やはり見ていて気持ちよいしストレスがない。素晴らしいです。

半面、このクオリティがスタンダードになると多くのYouTuberが辛いなとも思います。

さすがにこのクオリティの編集を個人レベルのYouTuberが毎日投稿の動画でやれるかって言ったら無理なわけで、そのフィールドでの勝負を強いられる環境になると、YouTuber全員での消耗戦になっちゃいます。

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一方で、編集コストをかけていないのにめちゃくちゃ伸びている動画も発見しました。

チャンネル名「本田姉妹やで」、タイトル「たい焼き」。シンプル。

チャンネルアイコンもクソ適当

オープニングもエンディングもなし。テロップも効果音もかなり控えめだし、カットの細かい調整も多分してません。最低クラスの編集クオリティになっています。

でも、これでも数字はとれている。

本田姉妹のテレビなどのメディアでは見ることのできない素の姿や関係性を、十分に魅力的に魅せられています。

こういう勝負の仕方ができると非常に強いですね。個人の魅力も高いし、その見せ方も非常にエコです。

本来一定ラインを超えたリッチな編集が価値として視聴者に受け入れられるのは、「そこに制作側の愛や情熱が透けるから」。それが人の魅力に化けるから。

ただ単純にリッチにするだけでは意味がなく、本質的な価値を重視するように、視聴する側のニーズがどんどん変わっていくのだと思います。

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視聴ニーズはよりニッチなものにまで拡大し、様々なオタクがそれぞれ好きなものを語るような動画がもっと活発に出てくると思います。

一方で広く国民が感動するようなものが出たら、それは爆発的に受け入れられるだろうなとも思います。

昨日のELLEGARDENのライブ最高でしたね。貼ろうとしたけどアーカイブ残ってなかった...

3.個人SNSとしてのYouTube

これまでは、数字をとることを目的に置いたYouTubeの話をしてきました。

しかし、そうではないYouTubeの使い方も増えてきたように感じます。

YouTubeを自己表現やコミュニケーションのために使うというパターンです。

mixi / Facebook / Twitter / InstagramなどのこれまでのSNSは、個人による発信が非常に簡単にできるようになるものでした。

とは言え利用する大多数の人にとっては、それはフォロワーを増やし影響力を行使するためのものではなく、身近な人や共通の趣味話題を持つ人とのコミュニケーションツールでありました。

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YouTubeも、このようなある種内向きな使われ方が広がると思っています。

「動画を作る」ことは現状とてもハードルの高い行為のように思えます。

正直、動画編集ってめっちゃ時間かかるじゃないですか。

まずもって取っつきにくいし、よしんばやってみたら簡単だったとしても、テロップをひとつひとつ入れるのとか、無音部分をカットするのとかすんげ~時間かかります。

しかし今後はそのハードルがどんどん下がり、多くの人が気軽にできる行為になると思っています。

具体的には、撮影および編集にかかる手間が大幅に削減されるツールが登場し、大きく普及していくと思います。

今の動画編集ソフトと言えばAdobe Premiere Proが主流だと思いますが、PCでなくともスマホで簡単なカットやテロップ効果音入れなどが自動化されワンタッチでできるようなソフトが出てくるかもしれません。

既にこんなのもあるみたいですね。

動画と似て非なるものですが、本質的価値を考えたときにより活発になると思われるのが生配信です。

ゲーム配信ではTwitch、Openrec、Mildom、Mirrativなど様々なプラットフォームが出てきており、気軽にできる環境が作られてきています。

ひとつ前の章でも述べたように、リッチな動画でなくてもその本質的価値を受け入れるように消費者側もシフトしていきますので、映像を使った自己表現はより多くの人が自然に行うようになるでしょう。

その中でも、その人本来の魅力が見えるものに価値が生じてきます。

「典型的な表現はしないでください」とはJ.Y.Park氏の言葉ですが、誰かの焼き増しではなく、まさに自己開示されたオンリーワンな魅力を伝えることが大切になってきます。

4.eスポーツ選手はどうYouTubeを使っていくべきなのか

このテーマはとても難しいですが、僕の考える正解は以下の通りです。

「自分の魅力を高めつつ、それを伝えるために使う」

非常に曖昧な表現になりますが、やはりこの通り。

既存のYouTuberやゲーム配信者の枠にとらわれる必要はなく、人としての魅力をどう伝えられるか。

人柄はもちろんのこと、企画で勝負する道もあるし、ビジュアルで勝負する道もある。

とにかく、動画を見た人がちょっとだけでも自分のことを気になるとか、好感が持てるなと思ってくれるようなものにし続ける。

そういう意味では、弊社ウェルプレイド所属スマブラのプロゲーマーすいのこ選手の最近の企画は非常にいい例だと思いました。

フィギュアスケートの宇野昌磨選手とスマブラのしょーぐん選手の対談に聞き手役として参加しているのですが、すいのこさんの聞き役としての能力と、優しい人柄がすごい出ていた

昌磨選手ファンのマダムたちのハートにも刺さった様子。

ゲーマーとしての強さを維持しつつも、そういう自己プロデュース(他人からプロデュースしてもらうのでもいいけど)ができる人が、総合的に長く活躍していけるのではないかなと思います。

なかなかできないことだけど、恥ずかしがらずに開くことが大切なんだと思います。

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5.おわりに

いつもは体験談や仕事の話をベースに記事を作っていますが、今回は普段考えていることをアウトプットする形としました。

最近時間の使い方がインプットにかなり偏っているなと感じていたので、いい機会でした。

特に深い知識もない中での超個人的な考えと予想ですが悪しからず。

YouTube大好きマンとして、自分がワクワクする未来の願いを乗っけているかもしれません。

僕がnoteやTwitterで発信をするように、国民みんながもっともっと自分を発信する個人メディアとして何かを活用するようになるのは目に見えてる。

YouTubeは以後数年でもっと有力な選択肢になると思います。

それではまた。おつプレイド!

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