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かつての林業

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半世紀前に出版された「都道府県別林業総覧」を通じて各都道府県を代表する林業地の様子を発信します。森林・林業に興味ある方はもちろん、地域おこしなどに興味ある方も、活動のヒントになる…
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#旅人

かつて林業地はどんな姿だったのか?河内林業を識る。

かつて林業地はどんな姿だったのか?河内林業を識る。

河内林業は足場丸太の地、早期収入が鍵だった。

日本で最も森林面積が少ない都道府県はご存知だろうか。”東京都”と答える方が多いだろう。ただその答えは誤りである。東京都西部には青梅市やあきる野市、東京都唯一の村の檜原村といった森林が豊富な市町村がある。ただそうは言っても下から2番目の約79,000㏊になる。森林面積が一番少ない都道府県は、森林面積が約59,000㏊の大阪府になる。

こんにちは、読ん

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かつて林業地はどんな姿だったのか?智頭林業を識る。

かつて林業地はどんな姿だったのか?智頭林業を識る。

こんにちは、お久しぶりの方も、初めましての方も、読もうと開いてくれてありがとうございます。林業のイベント企画や研修などを行っているCommunityForestの運営している「林家になる旅人」の成田です。

かつての林業地を識るシリーズ第5弾は、私にとっても馴染み深い林業地だ。鳥取県東部に位置し、岡山県との県境にある智頭林業になる。

今でも多く良質材を産出し、自伐型林業が有名な林業地だ。2回ほど

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かつて林業地はどんな姿だったのか?西川林業を識る。

かつて林業地はどんな姿だったのか?西川林業を識る。

はじめに

第二弾は立て木という独特な生産体系を持つ西川林業地。埼玉県西部に位置し、前回あげた、青梅林業地の尾根を挟んだ地域に西川林業地に広がる。名前の由来は「江戸の西の方の川から来る材」から来ている。青梅が多摩川を利用したように、西川は荒川を利用し筏で丸太を運材していた。

私にとってもイベントを開催したり、地元の人と飲んだりして、馴染み深い林業地のひとつだ。

だから、今の西川林業についてはあ

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かつて林業地はどんな姿だったのか?青梅林業を識る。

かつて林業地はどんな姿だったのか?青梅林業を識る。

はじめに今から約50年前、とある専門書が出版された。
タイトルは「都道府県別林業総覧」。出版されたのが1967年だから、もう半世紀も前の書籍だ。

この半世紀の間、日本は、世界は相当な進歩を遂げた。そして今VUCAの時代に突入したと言われる。

VUCAとは「Volatility(激動)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(不透明性)」の頭

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