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男性の外陰部の診察を拒否する女医、医師法(応召義務)違反の疑いあり?
医師の応召義務
好きな事をして稼げる仕事なんて例外で、したくない事を、お金と引き換えで割り切るのが仕事です。もう帰りたくても、要求に応えられなそうでも、心が折れそうになる嫌な客でも、逃げないで耐えるプロは多いです。
特に医師には、医師法19条に基づく応召義務があって、診察や治療は原則として拒否できないんです。正当な理由があるなら例外ですが、診療時間終了後に急ぎで駆け込んだ人も、今お金がないので代金を払えない人も、普通に断ったら違法になる可能性があります。人の健康を預かる社会的使命があって、普通の商売と全然責任が違うのが医師なんです。
昔勉強した人だったら、例えばこんな通知も知っていますよね。
(一) 医業報酬が不払であっても直ちにこれを理由として診療を拒むことはできない。
(二) 診療時間を制限している場合であっても、これを理由として急施を要する患者の診療を拒むことは許されない。
(三) ~略~
(四) ~略~
(五) 医師が自己の標榜する診療科名以外の診療科に属する疾病について診療を求められた場合も、患者がこれを了承する場合は一応正当の理由と認め得るが、了承しないで依然診療を求めるときは、応急の措置その他できるだけの範囲のことをしなければならない。
男性外陰部の診察は拒否する女医がいる
でも医者だって色々います。
さっぽろのとある皮膚科は、来ても診察しない内容をはっきり宣言しています。名前で分かりますが、女医が院長の診療所です。
・当院では以下の診察を行っておりません
1)爪切りおよび巻き爪治療
2)男性の外陰部診察
横浜のとある皮膚科も、皮膚科一般診療をネット予約受付する時に、完全に拒否する事を1つだけ明記しています。ここも女医です。
※当院では男性の外陰部診察は行っておりません。
両方とも、男性の外陰部はダメなんだそうです。
知らない男性の陰部なんてわざわざ見たくないのは、大体の男女に共通だと思います。それに、普通の健康な皮膚ではなくて、皮膚科に来るので皮膚炎など見苦しい見た目になっている可能性も高いです。
だからと言って何も見ないで完全拒否は良いんでしょうか。皮膚ガンだったり命にかかわる病気かも知れません。
「男性の」と限定しているのも、性差別な感じに見えます。医療アクセスを性別を理由に制限しているんです。
令和元年から応召義務は変わったけど
応召義務は、実は令和元年12月25日に出た厚生労働省の「応召義務をはじめとした診療治療の求めに対する適切な対応の在り方等について」で考え方が変化して、昔みたいに厳しくなくなったと言われています。
詳しくは全文リンクしておくので、見て下さい。
でも長くて難しい文章で良く分からなかったかも知れません。
なので長谷川圭司先生という医師と弁護士の両方を持っているすごい人が、簡単にまとめてくれた論文で見てみます。
今回の皮膚科の診療拒否に関係する内容は、こんな感じになっています。
緊急対応が不要な場合で,診療を求められたのが診療時間内,勤務時間内である場合
「専門性や診察能力,設備の状況,また他の医療機関での代替の可能性などを総合的に勘案しつつ,患者と医療者の信頼関係等も考慮して緩やかに解釈される」となっています。緊急対応が必要な場合と比べて緩やかに,ということなので,できるだけ診てあげてよ,ということになろうかと思います。
難しいお役所文章が、「できるだけ診てあげてよ」と口語訳されると意味が分かりやすくなりました。
こんな感じだとすると、普通に診療時間内に来る人なら「できるだけ」ではない範囲になったら拒否しても応召義務違反ではなさそうです。できるのにわざわざ拒否だったら多分違法、性差別ですね。
女性の陰部なら診るけど男性の陰部だけ「できない」正当な理由を、拒否している女医は聞かれたらちゃんと答えてくれると思います。男性差別問題に敏感な人が公開質問とかしたりしない限り分かりませんが。