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『コシバタカシのコミュニティFM大図鑑』#91(2024.1.6)

FM HOT 839(神奈川県相模原市)の『コシバタカシのコミュニティFM大図鑑』です。1月1日午後4時10分頃、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6、最大震度7の非常に大きな地震が起きました。石川県では6日午後4時の時点で126人の方が亡くなられました。地震により被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
この地震については、改めて放送の中でも触れたいと思います。

放送日:2024年1月6日(土)22:00~22:30
パーソナリティー:コシバタカシ


オープ二ング

本年も『コミュニティFM大図鑑』をよろしくお願い致します。新年の抱負を聞かれますが、私はあまり抱負は持たないようにしています。それを達成できなかったときに年末に大きく凹んで、引きずってしまうからです。でも、今年はまだピックアップしていない県のコミュニティFM局を積極的にご紹介したいなと考えています。

第82回~第90回の放送を振り返って①

今回は冬の総集編ということで、第82回~第90回の放送を振り返りました。

#82 23/11/04
ニュース:FM西東京(東京都西東京市)が製作した、前年の市議選での候補者の政見動画が「マニフェスト大賞」で優秀賞を受賞。
ピックアップ:COME ON! FM(山口県下関市)
 キーワード①オールリスナー・オールパーソナリティー②関門海峡③25周年
想い出のCFM:FMでんでん(岐阜県可児市・美濃加茂市)

#83 23/11/11
ニュース:FMびゅー(北海道室蘭市)が開局15周年を記念して、同年開局のFMよみたん(沖縄県読谷村)との交流を目的とした沖縄観光ツアーを開催。
ピックアップ:AIR STATION HIBIKI(福岡県北九州市若松区・八幡西区)
 キーワード①博覧祭②市民が主役③ひとと、人とを結ぶ
あの日あの時:2020年4月。RADIO LOVEAT(愛知県豊田市)で、中京大学現代社会学部加藤ゼミの生徒が出演する『空きコマRadio』がスタート。

#84 23/11/18
ニュース:YES-fm(大阪府大阪市中央区)で、現役の介護職員3人がパーソナリティーを務める介護の番組『Seitoso Grand;maチャンネル』がリスナーの共感を呼ぶ。
ピックアップ:しゅうなんFM(山口県下松市・周南市)
 キーワード①地域力②オープンスタジオ③20周年
あの日あの時:2017年3月。FM OZE(群馬県沼田市)の20周年を記念した新キャラクター「瑞葉翔子」がデビュー。

#85 23/11/25
ニュース:エフエムもえる(北海道留萌市)が、旧留萌駅から道の駅るもいのスマートモデューロに本社スタジオを移転。
ピックアップ:FM Haro!(静岡県浜松市中区)
 キーワード①アクトタワー②ジュビロ磐田③UP-ONスタジオ
あの日あの時:2013年8月。釧路地域の活性化を目的に、たんちょう釧路空港にFMくしろのサテライトスタジオがオープン。

#86 23/12/02
ニュース:女子大学生3人が古都・奈良の魅力を発信するならどっとFM(奈良県奈良市)の番組『阿修羅三つ巴Radio!』の話題。
ピックアップ:ハーバーRADIO(山形県酒田市)
 キーワード①中継局②職場体験学習③eスポーツ
想い出のCFM:FMこんぴら(香川県琴平町)

#87 23/12/09
ニュース:ちちぶエフエム(埼玉県秩父市)で、大東文化大学陸上競技部元監督・青葉昌幸さんの半生を描いたラジオ小説『新・青葉のタスキ~次の人のために~』を放送。
ピックアップ:ラジオモンスター(山形県山形市)
 キーワード①県庁所在地初②イベント③東北コミュニティ放送協議会
あの日あの時:1999年1月。FMゆきぐに(新潟県六日町。現・南魚沼市)が製作した『雪の達人養成ラジオ』を首都圏のコミュニティFM26局に向けて放送。

#88 23/12/16
ニュース:FMとまこまい(北海道苫小牧市)で、全盲のやすこと近藤泰行さんがパーソナリティーを務める『やすの気ままにRadio』の話題。
ピックアップ:エフエムNCV おきたまGO!(山形県米沢市)
 キーワード①MIX LIVE②防災ラジオ③地域密着
あの日あの時:2014年10月。東京23区や大阪市、兵庫県南東部でのFMの周波数逼迫状況が解消された。

#89 23/12/23
ニュース:e-niwa(北海道恵庭市)が開局以来初となるラジオドラマ『過ぎゆくものたち』を製作した話題。
ピックアップ:たかはぎFM(茨城県高萩市)
 キーワード①取材②歴史③防災
あの日あの時:2019年3月。Pitch FM(愛知県刈谷市)が刈谷ハイウェイオアシスの中にサテライトスタジオをオープン。

#90 23/12/30
「2023年のコミュニティFMを振り返って」と題し、2023年に開局・閉局したコミュニティFM局や、コミュニティFMに関する出来事を振り返った特別バージョンをお送りしました。

【M1】『Bastian's Happy Flight(喜びの飛行)』

第82回~第90回の放送を振り返って②

後半は第82回~第90回の中から、コシバが印象に残ったことを話しました。(一部抜粋)

・コミュニティFM各局が放送だけでなく、本当にいろいろな取り組みをされていることを改めて感じました。

・COME ON! FMが開局した時から掲げている「オールリスナー・オールパーソナリティー」というキャッチフレーズ。誰もが情報の受け手であると同時に、誰もが情報発信者になれる。コミュニティFMがNHKや県域局とは違う放送局なんだということを、わかりやすく示していると思いました。

・AIR STATION HIBIKIは最初、県域局のようなおしゃれな音楽がかかるような放送局を志向していましたが、地元の普通の人の話がすごく面白いことに気づき、業界や世代を問わず、さまざま肩書をもったパーソナリティーが自ら番組を務めるようになりました。

・プロの喋り手さんのトークは確かに聴きごたえがありますが、地元の人が持つ情報はとても魅力的で、AIR STATION HIBIKIに限らずコミュニティFMはそれを生かした番組を多数制作しています。AIR STATION HIBIKIでは異業種とのマッチングも行ってトークをしてもらうことで、街の活性化につながる「化学反応」を起こそうとしています。

・しゅうなんFMでも、あるテーマに沿った地元の方々を何人か呼んでトークをする『激熱トーク』を年に1回行っています。トークの中では街おこしのヒントになるようなことが隠れているそうで、このように、普通の人たちがそれぞれの立場で語ってもらうのは、実は大きな可能性を秘めているんだと感じました。

・今回はご紹介しませんでしたが、兵庫県尼崎市にできたみんなのあま咲き放送局も、尼人と呼んでいる住民パーソナリティーが出演していて、まさにそれを実践しようとしています。みんなのあま咲き放送局はこの番組でも近々ご紹介する予定です。

・先ほど触れたしゅうなんFMは、ショッピングセンターのゆめタウンにスタジオを置き、立地を生かしてさまざまなイベントを仕掛けています。また、地域力のアップを目指して、特に子供たちに積極的に参加してもらっています。子供たちが番組製作で取材や勉強をすることを通じて、自分たちが住んでいる街を知って好きになってもらうことは、将来地域の力になっていくと思います。

・子供たちと言えば、今年度からハーバーRADIOでも中学2年生の職場体験学習にラジオを活用する取り組みを始めました。職場体験で受け入れるだけでなく、さくらんぼテレビと組んで職場体験で得られたことの感想文をコンクールとして表彰するようになりました。これは子供たちにとって地元のことを知るだけでなく、賞をもらうという励みを得ることで、さらに地元のことを調べ、ひいては地元愛を深めることになると思います。

・エフエムNCV おきたまGO!はニューメディアというケーブルテレビ事業者が立ち上げたコミュニティFM局で、コミュニティチャンネルという地域情報を伝えるテレビも放送しています。おきたまGO!ではテレビとラジオのメディアミックスを積極的にやっていて、ラジオの生放送はすべてテレビでも同時に放送しているほか、地域のイベントも同時に流しています。

・テレビはビジュアルは得意ですが、生放送となると手間がかかることもあり、ケーブルテレビでは少ない傾向にあります。一方、ラジオは絵は映りませんが、ライブは得意分野と言っていいと思います。おきたまGO!でこの両方のいいとこどりをしているのが「MIX LIVE」と呼んでいるメディアミックスで、ケーブルテレビの強みを生かしているなと感じました。

・たかはぎFMはこまめに現地へ行って取材をして、そこで得られた情報をとても大切にしていることが強く響きました。今はネットでも多くの情報を得られますが、足で稼いだ情報はそのときの空気感なども込められていて、まさに生きた情報だと改めて思いました。

・この情報はそのときに伝えるだけでなく、アーカイブとして何年か経った後にも活用しているそうです。取材記録をまとめた分厚いファイルは、誇張抜きで宝石箱のように見えました。たかはぎFMの方も、取材の情報は宝だとおっしゃっていました。得られた情報は本にまとめているそうですが、地域の図書館などで閲覧できるようになればいいなと感じました。

・毎回コミュニティFMピックアップのコーナーでかけている曲は、各局が選んだものをそのままフルコーラスで流しています。今回もポップスや歌謡曲、童謡など、地元で愛されているさまざまなジャンルの曲が登場しました。かかる曲の幅広さが、コミュニティFMの多様性をそのまま示していると思います。

・ニュースのコーナーでも、いろいろなことをお伝えました。FM西東京の市議選での政見動画はこれまでありそうでなかった全国初の試みということで、さっそく昨年春の統一地方選挙でも取り入れた団体がありました。惜しくもマニフェスト大賞の最優秀賞はなりませんでしたが、FM西東京の方は「他の局もぜひ真似してほしい」とおっしゃっていました。

・YES-fmの『Seitoso Grand;maチャンネル』は、どちらかといえばネガティブなイメージのある介護の現場を、きついだけじゃないという側面も伝えたいと始まった番組でした。大手のメディアがフォローしきれない部分に光を当てるのも、コミュニティFMの役割だと感じました。

・ならどっとFMの『阿修羅三つ巴ラジオ!』も気になる番組でした。奈良の女子大学生3人がもっと奈良の魅力を伝えたいと考えたのがラジオで、地域活動に参加する学生に補助金を出す学生支援事業を活用して番組枠を買って実現しました。情報発信手段にラジオを選んでくれたのも嬉しいですし、ならどっとFMで放送するのにふさわしい番組だと思います。

・コミュニティFM30年の歴史を振り返るあの日あの時は、各コミュニティFM局の試行錯誤の歴史でもあります。どうすればたくさんの人に知ってもらえるか、そして聴いてもらえるか。県外への特別番組の配信や、空港、パーキングエリアへのサテライトスタジオの設置、二次元キャラクターの登場など、さまざまに工夫を凝らした取り組みがあったことを実感しました。

・この番組では全国343のコミュニティFM局がそれぞれに培ってきた歴史と取り組みがあります。引き続き、そのような取り組みをお伝えして、コミュニティFMの活性化に何かしら貢献できればと思っています。2024年は始まったばかりです。良い年になるよう願っています。

【M2】globe『DEPARTURES』

エンディング

総集編の時は毎回これを話していますが、全国には343のコミュニティFM局があるので、まだまだお伝えしていないところがたくさんあります。これからもどんどんピックアップしていくとともに、ぜひうちの局を紹介して下さい!というところがあれば、喜んでオンエアさせて頂きます。番組までジングルなど資料をぜひお送り下さい。よろしくお願いします。

お知らせ

全国のコミュニティFM局関係者の皆さん、ぜひ『コシバタカシのコミュニティFM大図鑑』に参加してみませんか? ジングルと写真、3つのキーワードを頂ければ、番組の中でがっつり紹介させて頂きます。よろしくお願い致します。

配信始まりました!

各種Podcastで『コミュニティFM大図鑑』を配信しています。新作は地上波オンエアの概ね3日後から配信します。お気に入り登録もぜひ!


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