「ありがとう」を言わないこと
私は主婦ではない。
ということは、我が家には主婦がいないことになる。
では、どのように家事を回していくのかということになるが、基本的には、「できるほうがやる」という仕組み。いたってシンプルだ。
2人で暮らし始めた頃は、私が家事全般を主体的に行い、時間や体力的に無理な場合だけ、できない部分を夫に頼むという方式であった。でも、それだとうまくいかなかった。
そこで、夫と話し丁寧な聞き取りをおこなった。家事をする前の気持ちと、家事をする後の気持ち。時間をかけて何度も話し合った。
その結果、次のようなことが判明。
夫の意見によると、家事をしたことを「ありがとう」と言われる不愉快な気持ちになるのだという。
「ありがとう」という言葉は、夫はあくまでも単なる手伝いであり、本来は妻がやるべき家事を夫として手伝ったという響きになるのだとか。
一般的には、何かを手伝ってもらったら「ありがとう」というのがマナーだから、お互いに感謝の表現として「ありがとう」を言ったほうが上手くいくという例が多いようだが、我が家は違うのだ。
夫の意見を採用して、「ありがとう」を言わなくなったら、我が家の家事はすこぶるうまく回るようになった。
2人とも働いているから、食器を洗ってきちんと整った台所にならない日もある。
そういう時は、2人とも家事ができないリズム(=体力的な限界)だったのだから、それでOKという認識だ。
食器が洗えないときがあっても、床に埃がたまっていたとしても、家事は2人でするものだから、お互いがお互いを責めることもない。
どちらともが家事をしないことで、部分的に汚れが目立つなどの問題が起きたら、「一緒に協力してやろう」という動きになることもある。
いずれにせよ、家の中が整っているかどうかを、2人の責任として解決していく。
お互い体力的に厳しい状況で率先して家事をしてくれたなどの情況の場合は、限定的に「ありがとう」を言うことはある。
だから絶対に「ありがとう」を言わないというわけではないけれど。
家事に関しては、お互いに「ありがとう」を言わないこと。
それが夫婦円満の秘訣なのだ。