普通の地方公務員が、ある日突然システム担当になったら
紙切れ一枚で、明日から全く違う部署に異動する公務員。
税や福祉や観光など、システムと関係のない部署かと思いきや、移動先ではシステム担当者と告げられます。
「システムなんて全くわからないのに」
観光アプリを作れだの、
災害時に避難場所を通知するシステムを作れだの、
給付金システムを作れだの、
今やどんな部署でもシステムに関わらずを得ないので、システムに素人でもシステム担当者になる場面がでてきます。
本内容は、システム部門の人向けではなく、一見システムと関係のなさそうな部署で、ある日突然、システム担当になった人向けです。
専門的な用語はできるかぎり使わずに書いていきます。
まずは、導入する方法について書いていきます。
大きく分けると次の3通りになるのではないでしょうか。
1 自前で作成
2 委託開発
3 既製品を使用
1 自前で作成
職員が自ら、いろんなツールを使ってシステムを作成する方法です。
内製ともいわれます。
ローコードやノーコードと言って、プログラムを書かなくても比較的簡単にシステムを作れる仕組みもあります。
行政でも、最近「RPA(Robotic Process Automation)」とか言う言葉を聞くようになりましたが、RPAもこの類に入ります。
急いでシステムを準備しなければならないときには、入札や契約手続きをしなくていいので、詳しい人がいれば、素早く導入できます。
これをするには、ある程度システムに詳しい人でなければ難しいです。
自前で行うため、開発や修正には人手がかかります。
また、開発した人がいなくなった瞬間に、メンテナンスできなくなることが多々あります。
2 委託開発
システム開発を、ベンダーと呼ばれるシステム業者にお願いする方法です。
現実にシステムを導入する場合は、この方法をとることが多いのではないかと思います。
業者さんが相談にのってくれますし、お金はかかりますが、システム業者が保守を行ってもらえるので、運用も安心できます。
きちんとした仕様書を作らないと、費用が高くなります。また、想像したものと違って、不便なシステムが出来上がります。
また、微修正でも契約が必要になる場合もありますので、ある程度の修正は保守契約の範囲内でおこなってもらえるように、契約を工夫する必要があります。
3 既製品を導入
ある業務において、よく使われている機能を一つまとめて、パッケージシステムとして売られています。
例)会議室予約、スケジュール管理、会計ソフトなど
パッケージシステムがそのまま使えれば、開発期間が短縮されますし、「2の委託開発」より経費を削減できます。
パッケージシステムに合わせて業務フローを変更する必要があります。
業務フローが変わると、システムの利用者(ユーザ)から嫌がられる可能性があります。
既存の業務フローに合わせるため、「2委託開発」と組み合わせて、パッケージソフトに改修を加える方法もあります。
しかし、細かい改修をたくさん行うと結果的に高くなるので注意が必要です。
まとめ
「1」から「3」のどの方法でシステムを導入するかは、業務の規模や内容、人材の有無等を判断して、決める必要があります。
この判断にあたっては、経験のあるシステム部門やシステムに詳しい人に相談することをお勧めします。
また、場合によっては、費用対効果を考えれば、システムそのものを導入しないという判断もあります。
それぞれ良しあしがありますが、現場で、実際に行われることが多いと思われる「2」の委託開発について深堀して、次回は、システムの調達の仕方について書きたいと思います。